2015年03月10日

謎解きはディナーのあとで 01/東川 篤哉

謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)
東川 篤哉

小学館 2012-10-05
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お嬢さまはアホではありませんか?

 東京・国立(くにたち)署の捜査一課の刑事である宝生麗子(ほうしょう れいこ)は、宝生グループ総帥の娘である、いわゆる『お嬢さま』でありながら、自分の道を行きたくて刑事になった。上司である風祭(かざまつり)警部は風祭モータースという会社の社長の息子であるため、自分のことを存分に親の七光りで照らしていた。麗子はあえて自分の素性は周囲には明かさないが、刑事事件に関わる度に頭を悩ませていた。そこで麗子付きの執事である影山(かげやま)が「お嬢さま、何故このぐらいの謎が解けないのですか?」と麗子を馬鹿にした口調で言ってくる……。ドラマ&映画化もした人気シリーズ!


 ……無いわー……。
この作品は、作者の東川先生が「広島出身の岡大法学部卒」というのでかなりシンパシーを受けて買ってみました。
月9でドラマ化したのは知っていましたが、全然見ていませんので、「小説では○○だったけど、ドラマだったら××に改変されてた」とか良い改変がされてあることを望みますね。
 まず、どれもトリックが単純すぎる。読んでいて、「おいおい、麗子。ここまで材料が揃っているのに、どうしてわからない?」と突っ込みたくなりますね。
 次に致命的なのは、普段の麗子の口調が「ありえないだろ!」と言いたくなるぐらいに『お嬢さま』ではないんですよ……。
「――んで? このあたしの推理のどこが悪いってーのよ、影山?」とか、影山も「……んで? それがどうかしましたか、お嬢さま?」とかね……。まあ、後者の影山の方はあえて麗子を馬鹿にするためにそんな口調になっていたんだとは解釈出来るのですがね。
お嬢さまなのに、下町気質っぽい一人称の「あたし」とか「んで?」「謝って済むなら、警察いらんっつーの!」とかの略式言葉はやめてくれよ、麗子……orz
 ついでに、東川先生の「風祭警部の推理に、麗子は嫌な予感。」とか「〜にて、ワイングラスにまた注いでくる影山。」とかの、あんまり効果を成しておらずに、読んでいる途中にやけに違和感を覚えさせる体言止めの多用。これはマジで勘弁してくれ。

 ネタバレあらすじー。
1話……吉本瞳(よしもと ひとみ)という女性が自分のアパートの室内で、編み上げブーツを履いたまま絞殺された事件。靴を履いたままの死体だったので、どこかで絞殺された後で自分の部屋に運ばれた→つまり、男性が犯人の可能性が高い! と風祭警部は推理する。そこで瞳と付き合いのあったエリートリーマンな田代裕也(たしろ ゆうや)が上げられたが、田代にはアリバイがあった。麗子が自宅に帰ってきて影山に愚痴ると、「お嬢さまはアホでいらっしゃいますか」と言われて、影山の推理を披露される。瞳は出掛けようとしたところで天気が曇り空になってきたことに気付き、元から無精な性格でもあったから、自室でブーツを履いたまま四つん這いのような姿勢になって歩き、ベランダの洗濯物を取り込んだ。そこに居合わせたのが、田代のもう一人の恋人の女で、土曜日に田代が釣りに行っている間に瞳の部屋の合鍵を使って侵入していた。だが、出掛けたと思っていた瞳が戻ってきたので鉢合わせをしてしまい、思わず殺してしまったのだった。
2話……若林辰夫(わかばやし たつお)という、動物病院を経営している老年の男性が毒殺される。妻を早くに亡くしていた辰夫は、最近になって三十代の家政婦の女性との再婚を家族に伝えていたが、「自分たちがもらえる予定だった辰夫の財産が減る」とのことで、あまり歓迎はされなかった。またも難航する捜査に、辰夫の孫の雄太(ゆうた)から「昨日の夜、トイレに行きたくなって起きておじいちゃんの部屋を見たら、ガラスの窓の向こうに何か火みたいなものがゆらゆらと点いてたよ」という重要証言が取れた。しかしそれでも犯人がわからないので麗子が自宅でまたしても影山に情報を喋ると、あっさりと犯人がわかる。雄太が見た火の正体(イコール、犯人のこと)は、家族の中に喫煙者が数人いるが、その中でも一度点火したら蓋を閉じない限り火が点いている、オイルジッポーライターを使っている人間が犯人だ、と。
3話……『藤倉(ふじくら)グループ』の家にて、そこの息子の俊夫(としお)が銀座の飲み屋にて出会い、惚れて連れてきた高原恭子(たかはら きょうこ)という美女が藤倉家のバラ園にて殺された。捜査が難航したので麗子は〜(以下略)。それでまあ、恭子の飼っていた黒猫が右脚を怪我していたので、その時に主人である恭子を殺した犯人の手を引っ掻いたのではないか=つまり、恭子の死体をあえてバラ園に置いてバラの蔓を絡ませ、その後で発見したのを装い、「恭子が生きているかもしれないし、可哀想だから」という理由を付けて自分の手にバラの棘で引っ掻いたような傷をわざと付けた人間で、恭子の死体を運ぶために藤倉家の物置にベビーカーがあるのを知っているぐらいの知識がある人間が犯人だと行き当たった。
4話……麗子の大学時代の後輩だった沢村有里(さわむら ゆり)が結婚式を挙げるのに、麗子は「なんで後輩のあの子があたしよりも先に……」と、ぶつくさ言いつつも白金台にある有里の家に行く。その家には没落華族の西園寺(さいおんじ)家の末裔たちも住んでいて、影山が自分よりも年上の老年執事に対して珍しく尊敬の意を示していた。式が終わって披露宴の時、有里の悲鳴が聞こえたので部屋に向かうとその部屋には鍵が掛かっており、外から鍵を開けると胸をナイフで刺された有里がいたが、麗子たちの応急処置によってなんとか命は助かった。影山はその場で西園寺琴江(ことえ)という老年女性に対し、「先ほどのあなたさまは、どうして私が麗子さまを呼んだ『お嬢さま』という言葉に振り向かれたのですか? この家の執事の吉田(よしだ)さんも、どうやらあなたさまのことだけを『お嬢さま』と呼んでいらっしゃいますよね? ここから考えるに、鍵を取ってきて真っ先に有里さまの部屋に入った吉田さんは、部屋の中に隠れていたあなたさまの姿を見て、けれども長く恩のある西園寺家を庇うために黙っているのではないでしょうか?」と看破した。
5話……身長が低いのがコンプレックスな四股男、野崎伸一(のざき しんいち)が自室の中で誰かに殺された。野崎とその彼女が部屋に入って行くのを見た宮下(みやした)という隣の部屋の男は、「その時の女性は確か、150cmぐらいの身長でしたよ」と証言するが、次に杉原(すぎはら)という力士志望の男は「170cmぐらいの女性が出て行くのを見ましたよ」……この矛盾する二つの証言に当て嵌まる女性がいない。麗子はまたも影山に(ry そうしたら、約160cmの野崎はいつもシークレットシューズを履いていたことに気付き、犯人は犯行後に野崎のシークレットシューズを使ったとわかる。なので普段は160cmぐらいの身長な女性に絞れて、一方の女性は野崎と海水浴に行っていたこともあるので、もう一人の方だ、とわかった。
6話……悪徳金融会社を営んでいる児玉絹江(こだま きぬえ)が夜中に頭部をトロフィーで殴打されて殺された。窓ガラスが割れた音に家族が気付き、みんなが集まったその場に絹江だけがいないことで探していると、そこではまだ体温の残っている絹江が事切れており、血文字でのダイイング・メッセージらしきものの跡が残っていたが、気付いた犯人によって消されたようだった。犯行に使われたトロフィーが2階の窓に投げつけられていたことから、絹江の姪っ子で13歳の娘の里美(さとみ)は「トロフィーを投げる筋力が足りない」として除外される。初日の捜査の終わり際で何かを言おうとしていた里美だが、その場で泡を吹いて気絶してしまった。病院に運んで目が覚めても、麗子たちには何も言ってくれない。麗子が影山に(ry そして影山は「もしかして里美は、従兄で次男の吾郎を好いていてアリバイを作ってやったのではないか。それならば、高校時代にプロも目を留める野球選手として名高い存在だったが大学に上がって肩を壊した吾郎も自分と同じように除外されると思ったのではないか」と考えた。しかし影山は、更にもう一歩踏み込んだ推理を披露した。→深夜、ベッドで寝ている麗子を襲ってきたのは日本刀を持った暴漢だった。麗子が寝ていたところは――里美の部屋だった。真犯人はそれを知らずに、自分の犯行に変な手助けをしてくる里美を脅威だと思って寝ている里美(麗子)を襲い、隠れていた影山がきちんと麗子を守って真犯人とバトル。影山が捕まえた真犯人は――絹江の秘書兼運転手である前田俊之(まえだ としゆき)だった。前田は「あの女の所為で、俺の恋人は自殺を――」と理由を語るが、麗子の「あ、そういうのは署で聞くからいいわ」とすっ飛ばす。どうして吾郎ではなくて前田だと影山が思ったのかは、絹江が殺されたその夜の夕飯の席で、絹江と夫の和夫(かずお)が口論をしており、犯行を擦り付けるには和夫がまさに適役なのに、ダイイング・メッセージで「ゴロー」と書いていたのはその場にいなかった人間しか考えられない……という理由だった。
オマケ……自宅で優雅に過ごす麗子の下にプレゼントの箱が届いて、開くと黒い仔犬が入っていた。麗子が「バトラー」と名前を付けた仔犬と遊んでいると、影山が「ちょっと失礼を」と仔犬に付いていた首輪を壊すと、そこには機械――盗聴器が埋め込まれていた。麗子は「あたしのファン? もしかして、風祭警部の仕業かしら?」と疑問に抱くが、影山は「いえ、この仔犬の入っていた箱、運送会社、首輪のメーカー……いずれも、我らが宝生グループの商品でございます。そして、お嬢さまの私生活を忙しい時間を縫ってこうしてまで覗きたい人物を推測しますと……総帥であられるお父上さまの仕業かと」「まあ、お父さまが!? 我が家で一番変なのってお父さまかもしれないわね……」と、麗子は今日も世界を飛び回っている自分の父親に向けて溜め息を吐いたのだった。

 うーん……微妙、というよりも読むのが苦行でした。
何故か、っていうと……毎回パターンが同じなんですよね。
殺人or殺人未遂の犯行→麗子、風祭警部と一緒に捜査。緩いギャグ展開→謎が解けないので影山に相談して解決……という。
様式美……と言ってしまえばそうなんでしょうが、文庫一冊の中でパターン化しすぎており、「ハイハイ。早く影山カモーンщ(゜Д゜щ)」と思うことがしばしば。
 最後の「解説」ではミステリ評論家の千街晶之(せんがい あきゆき)氏が、「影山の毒舌が出て来た時点で、読者は一度本を閉じて、情報を整理して理詰めで推理するべきである。そうすればなんとなく真相に近いところに辿り着けるから」と書かれていますが……えっ? そういうのをわざわざ読者に強制するのか? つーか、もうこの「解説」を読んでいる時点で本書を読破してるのに? そういう情報を出すなら、せめて前書きの方にしておいてくれよ……と、突っ込みたくて仕方ありませんでした。
なにせ、人物&情報&アリバイが出て来て麗子が自宅に帰った時点でもう読者は八割方、「こんなにヒントがあってもなんで犯人に気付かないんだよ、馬鹿女……」と思ってますからね。
正直、影山の存在は「ビブリア古書堂の〜」などが流行ったように、ライトミステリ小説、もしくはキャラミステリ小説を作者が狙って作って出したようにしか思えませんね。いやまあ、今回の話は「ビブリア〜1巻」の発刊よりも一年ほど前に出ているんですがね。そういう意味では、嗅覚の良い&センスのある作者だと思います。

 評価は……星1つ★☆☆☆☆かな。地雷です。でも成人未満……中高生ぐらいの子が読んだら面白いのかもしれません。
しかし、おそらくよほどのことがない限り、ドラマ版の方が良く出来ているような気がします。こっち(原作)は一話の密度がかなり低いので、一時間尺のドラマにするにはたぶんかなり他のアイドル俳優萌え要素を入れていたと思いますから。

posted by mukudori at 05:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月26日

神様のメモ帳 (9)/杉井 光

 どうも、クズ野郎です!(挨拶)
「一週に一回ぐらいの頻度」が「二週に一回の頻度の更新」になってしまいました……。すみません。今月はたぶんこの2回しか更新出来ないと思います。でも未来のことは誰にもわからないので、この2月もあと3日ありますが、短時間で読めるやつあるかな?
 でもね、記念すべき「電撃文庫カテゴリ」の100作目の更新なので、思い入れのある作品をどうしても入れたかったのですよ!
 ……まあ、「例のあの事件」の後の初杉井作品レビューなので、ちょっと穿った感じの更新になったかもしれませんね……。かなりきっついこと言ってますので、杉井&杉井ファン&岸田メルファンの人は見ないようにしてください。
神様のメモ帳 (9) (電撃文庫)神様のメモ帳 (9) (電撃文庫)
杉井 光 岸田 メル

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たったひとつの冴えたやりかた

 高校の三年生に進級するのを目前に、鳴海が誰かにいきなり車で拉致された。その相手は、紫苑寺茉莉(しおんじ まり)という、アリスに良く似たアリスの姉だった。そこから始まる紫苑寺一族の財産争いに巻き込まれた鳴海。アリスは鳴海に問い掛ける。「君は、ぼくのことをどう思っているんだい?」と。ニート探偵最後の事件は、助手が推理をするのだった。


 う、うん……。アレだね、アレですね……。
とりあえず、メルメルはもうちょっとお仕事を頑張ろうか?(´・ω・`)
前にレビューしましたが、メルメルの絵を目当てに買っている今月のビーズログの死神姫の新刊には、少女向けラノベは基本的にカラーイラストを表紙だけにして、それで文庫本自体を安価にして少女たちの手に取り易くさせている……という戦略はまあわかるんですが、モノクロイラストがゼロでしかも次の巻からは絵師が変わるとか今月の死神姫の新刊をパラパラめくっていて最後に小野上先生の後書きの後に更にお詫びの文章を見て目玉が飛び出るかと思いましたよ、おい。死神姫はあと三冊ほど出せば終わるように小野上先生がプロットを練っているそうですが、それぐらいならまだやれるだろ? 小野上先生と何年付き合ってきてるんだよ、おまえ。
いや、メルにも「少女向けラノベのイラストは基本買い切りだから旨みが無いし。俺にも生活があるんだよ!」(これはあくまで私の想像です)とかで描く順番を後回しにする気持ちも社会人としてわからないではないのですが……それでも日本人としては義理と人情は忘れないでくれ。死神姫1巻のイラストとか、いま見たら結構荒くてひどいぞ? それでも内容が良かったのか続刊出来てずっと使ってくれてたのに……。メルよ、ツイッターで「金沢でのイベントの開催日前に行ってるけど、居酒屋でのホッケが美味い!」「おー、これはリアルポニョだな!」とかやってる暇があったら、絵の一枚でも描いてくれ。
おそらくビーズログ編集部はかなり売り上げの良い死神姫シリーズを頻繁に出したかったんでしょうが、メルの都合の所為で今月の死神姫の新刊が本当に約一年ぶりで、且つ小野上先生もなんとなく後書きからは「メルの都合が悪くて、それで死神姫の新刊がこんなに遅れた。だから他のシリーズも書いてたけど、死神姫ぐらいまでの売り上げは出なかった。残念だけど、私はさっさと発刊したいので、次の巻からは絵師が変わります」みたいなことを書いてましたよ(私なりの翻訳です。実際の文章はもっとオブラートに包んでいて柔らかいので、店頭でどうぞ!)。そう考えれば、小野上先生がビーズログで他の絵師さんと組んでのシリーズをいくつも並行して出していることも納得しましたね。やっぱり速筆なんですねー。
 そして杉井も集英社とかで新刊出したりしていますし、電撃からはまあ……かなりアレな事件とかありましたけど、メル絵には罪は無いし最後の巻だし……と思って買いましたよ。
ですが、まさかのカラーピンナップは使い回しで、モノクロイラストは約340Pの中で4枚のみ……という、「え、ギャグですか?」と訊きたくなる代物でしたね。しかも他の仕事でカラーばっかり描いている弊害なのかは知りませんが、なんだか線がぼやけた感じで……正直、神メモ4〜6巻の時がメルメルの絶頂期でしたね。
そんでもって、帯のあらすじには「茉莉というアリスにそっくりな姉が〜」とかありますが、一枚だけモノクロイラストに出てきた茉莉……ごめん、全然似てねえわ。後述しますが、ここちょっと重要ポイントです。
しかし、「メルルのアトリエ+」が面白いことは認めましょう! ……って、あれはメル絵だけじゃあなくてもガストの製作側が上手いんですよねww

 メルメルへの愚痴はここでちょっとだけ一区切りして、ネタバレあらすじー。
 高校三年に上がる予定の鳴海、進路をみんなに訊かれて悩んでいるところにアリスの姉の茉莉がやってきて、車で高級マンションに拉致される。そこで茉莉が海外で「マリィ・ショーン」という名前でモデル&ファッションブランドの社長をやっているアリスの実姉だということと、アリスとパリで一緒に暮らしたい……ということを聞かされる。解放された鳴海がアリスのところに行っていろいろ聞いているうちに、「もしや、君はぼくの姉様に会ったのか。何を言われても、ぼくはこの部屋からどこにも行かないよ」と看破されたので真実を話すことに。→後日、アリスから鳴海の携帯に着たメールで「○○ビルのアスタ・タタリクスというところに行きたまえ」と命令されたので行ってみると、そこにはなんと紫苑寺一族のアリスの親戚である螢一(けいいち)という、アリスそっくりの環境でパソコンを操っている男がいた。独特な喋り方と横柄な性格とパソコンにやけに詳しいことから、「まさか、あなたがアリスのメールアカウントを乗っ取って僕にここまで来させるためのメールを!?」「そうだよ。君は有子(ゆうこ・アリスの本名です)の助手だけあって、意外と頭は回るようだね」と、事態を把握した。それで鳴海が螢一にもらった名刺を持ってアリスのところに帰ると、すぐさまそのアパートに医者やら弁護士やらが来ていてアリスの部屋のドアの前に集っていた。今度こそ本物のアリスに携帯メールで「隣の部屋からベランダ伝いに入ってくるんだ!」と言われたので、普通の住人を装って隣の部屋に入ってアリスのところに潜入する。すると、年がら年中冷房をガンガンに効かせているアリスの部屋のエアコンが停められて、マシンたちが熱暴走。その隙を狙った螢一がアリスのパソコンにクラッキングしてきて、「やあ、久しぶりだね、有子。ソフトウェアよりもハードウェアが重要だと教えただろう? このパソコンたちの権限を返して欲しければ、私に従いなさい。外に出て、紫苑寺家御用達の病院に行くよ。そこで話があるんだ」と、見事にやられてしまった。何故螢一にいまのアリスの居場所がわかったのかというと、鳴海がもらってきた名刺に薄い探知チップが仕込まれていたからだった。→病院に行くと決めたアリスだが、鳴海に付き添いを頼む。その病院には紫苑寺家の現在の当主である老人の光厳(みつとし)と、その妹(照美・故人)の息子である光紀(みつき・アリスと茉莉の実父だが、いまは植物状態)が入院しており、あと一日か二日が限界で昏睡状態な光厳は遺言書に「全財産は甥の光紀に」と書いていたので、他の親族たちがなんとか光厳がその遺言を撤回して、自分たちにも財産が渡るようにしたくて集まっていた。しかし部外者の鳴海はとりあえずのところは光厳が死ぬかしない限り、外にいまの紫苑寺家の情報を流されては困るので、紫苑寺家専用の棟を持っている病院にある精神病患者を隔離していたと思われる施設にてほぼ監禁状態にされた。深夜になって、茉莉が一人で鳴海のための食事を持って来てくれる。「大丈夫かしら、鳴海くん? アリスや私たちは大丈夫よ。あの子は、紫苑寺家の中に閉じ込められていた時、螢一さんがマシンの扱いを育てた子だからね。ねえ、君はアリスのことをどう思ってるのかな?」「そうですね。――かけがえのない相棒、でしょうか」「そう。きっとアリスも――」などと喋って茉莉が去ったその後でうるさい警報が鳴り響き、焦っている様子の螢一が鳴海に「先ほど君に食事を持ってきたのは茉莉さんか!? それは何時何分だった!?」と訊かれて、暇なので腕時計を見るしかなかった鳴海は茉莉と過ごした時間を正確に答えると、「ナースも『すれ違った』と言っていたし、ということは……やはり犯人は……」「あの、何がですか?」「さっきの警報は聞いたかい?」「はい」「死んだんだよ……」「もしや、アリスのお祖父さんがですか?」「違うんだ。光紀の方が、だ。その時のアリバイが……有子だけには無かった」と、アリスが父親殺しの容疑者にされて、鳴海はそのまま屈強なボディガードに連れられて自宅に戻される。アリスは警察には渡されず、またしても紫苑寺家に閉じ込められることになった。→数日が経ち、アリスから動画付きのメールがやってくる。そこには「探偵事務所とぬいぐるみたちをよろしく頼む」「いままでよく働いてくれたね。残りのドクペは君への報酬だよ」とは言っているが、少し痩せているアリスが映っていた。探偵事務所に行くと、やはり物足りないものを感じ、三人のニートたちと四代目にアリスを取り戻すことを依頼する。→少佐がアリスからの動画に入っていた雑音から近隣の駅を探し出し、『アスタ・タタリクス社』の入っているビルだとわかるが、それは螢一がわざと入れたフェイクの情報だった。ビルに行って、螢一にそう笑われ、ついでに「ところで、この後で光厳祖父さんが死んだら、光紀はいないので私の祖父に財産相続権は移ることになるな。有子はいまのところ私が保護しているけど、私の祖父がどうやら狙っているようでね。そうそう、あの子はドクターペッパーと麺と具抜きのラーメンだけは食べるんじゃあなかったのか? いまのところ、何も口にしないから衰弱しているんだ」「じゃあ、いますぐアリスを解放してくださいよ!」「いやいや、私はそれでも有子の生きた美しい人生だったと思っているよ。緩やかな死を選んだんだろう」と、マジキチな返答をされる。しかし数日のテツの監視でそこに医者なども出入りしていることがわかり、やはりアリスはそのビルにいるらしいと目途を付ける。鳴海は最後の事件でも、自分が詐欺師になることを選び、立ち向かう。→決行日。螢一が出勤してくるところを待ち伏せて、一緒にビルのエレベーターに。十四階で降り、そこでいつものアスタ・タタリクス社の受付嬢と挨拶をした螢一は鳴海を社長室に入れてくれる。それで鳴海は事前に前から顔見知りだったゾディアック社の社長たち(黄兄妹)に「このタイミングでこんなニュースをネットに流して欲しい」と依頼していて、螢一に「アスタ・タタリクス社が顧客情報を流出!」というニュースを携帯で見せて、螢一は一瞬焦って自分のパソコンでも情報を確認しようとするが、「……などと、そんな情報ぐらいで私が焦ってこのパソコンをいじって、それを窓の外から望遠鏡などでタイピングを覗いてクラッキングでもするつもりでしたか? 甘いですね。このパソコンにはパスワードの他にも私の指紋認証が必要なんですよ。まあ、念を入れて窓のカーテンは閉めますがね」「そうですか。では、どうぞ」「な、何っ!? これは私のマシンでは……ない!!」「すみません、それは実は……アリスのものですよ。探偵事務所に同じものがあったので、すり替えるのは楽でした」「いつの間に……!?」「昨日のうちです。この部屋は……実は、十四階ではなく、ゾディアック社が管理している『十二階』の部屋ですよ。エレベーターの表示をいじったんです。それと受付嬢さんにも。この女性には本当に申し訳ないと思っていますが、こっちのジゴロな仲間に落としてもらいました」と鳴海が螢一を嵌め、そうやってアリスが自分のパソコンの師匠である螢一に付け入る隙を与えた。アリスはよろよろと監禁されていた部屋から出るも、そこには螢一が前に「自分の祖父がアリスを狙っている」と言っていたカタギではない黒服がいて捕まえようとするが、螢一の咄嗟の行動でまたパソコンを素早くいじって自分の権限を戻し、アリスを閉じ込めていた扉を閉めてガタイの良い黒服を挟む。鳴海のいるところまでやってきたアリスを鳴海は抱き締め、下からも黒服がやってくるので意を決してアリスに「絶対に僕から離れるなよ」と言って、十二階の窓を抜け、そこに少佐が事前に用意してくれていた縄を掴んで、下まで降りた。アリス奪還作戦はここに完遂した。→そして後日、光厳が死んだことを知らされ、アリスは喪服ドレスを纏って鳴海と一緒に病院に行く。今回の探偵は鳴海なので、アリスは螢一に預けておいて、光厳のそばにずっと付いていた茉莉と二人で話す。光紀を殺したのは、茉莉だった。あの夜、鳴海に食事を持ってきてくれた茉莉は――実は茉莉のブラウスを着たアリスで、茉莉の行為を知ったアリスが身代わりになるために光紀の命を繋いでいる警報の作動時間をいじったり、わざと食事のトレイを持った姿でナースとすれ違ったりしたのだった。さらに鳴海が語るのは、光厳がやけに光紀を可愛がっていて財産を相続させようとしたのは……四代目の推測だったが、実は光紀は光厳とその実妹の照美の間に出来た子供ではないか、ということ。そして茉莉とアリスの母親だと思っていた光紀の愛人のホステスは、アリスが産まれるよりも前に自殺しており、つまりここから導き出されるのは――茉莉が実の父親の光紀と関係を持って、それで産まれたのがアリス。茉莉は姉ではなく、十一歳でアリスを産んだ実の母親だったから、他の親族たちが財産相続権を巡って「ホステスとの間に出来た子供になど、相続権があるのか?」「他の男とのものじゃあないのか?」「ならばDNA鑑定でもしてみるか」と言われて、このまま光厳が光紀よりも先に死んだら光紀が財産を受け取ることになるとどうしても茉莉とアリスのDNA鑑定を実施するであろう親族たちなので、それを考えた挙句の行為は、「光紀に先に死んでもらって、財産相続権を光厳の弟である螢一の祖父に渡るようにする」というものだった。「有子にはどうしても隠しておきたかったのに、ばれちゃったのね……」と茉莉は力無く語るが、鳴海は「いえ、アリスはたぶん知っていましたよ。あいつがお父さんにもらった本で、好きな作家さんのペンネーム……『ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア』っていうんですが、本名は『アリス・シェルドン』なんです」「それが……どうしたの?」「本の後書きにもあるんですが、そのアリスの母親の名前は――『マリィ』なんですよ」「っ!!」「もしかしたら、アリスのお父さんはアリスに気付いて欲しくてあの本をプレゼントしたのかもしれませんね。そしてアリスも、わざと『アリス』とこれまで名乗っていたのだとするかも……」最後まで推理を聞いた茉莉は泣き、最後は自分で警察に出頭した。→エピローグ。時間は流れ、あのアパートから出て引っ越しをしたアリス。ヒロはジゴロをきっぱりと辞め、ミンさんと結婚をして二人でラーメンはなまるを人気店に。テツは相変わらず。少佐はミリタリーFPSゲームの会社を立ち上げ、マニアからの人気を。四代目も会社などを大きく手広く手掛けている。彩夏は少佐の大学に進学。鳴海は結局進路が決まらずにニート暮らしをしているが、書いていた小説が賞を獲ったので作家に。最終巻を書き上げて、編集者にデータを送ろうとしていたら、スマホのコロラド・ブルドッグが鳴って、それに出ると玄関の前にはアリスがいた。身長も少し伸びたが、変わらない生意気な表情で「君の小説にはところどころに直したいところがあるんだよ。まったく、ぬいぐるみたちやぼくの描写はなんだい! 編集者に送る前に直すぞ! さあ、家に上げたまえ。君に語りたいことは千夜一夜では終わらないからな!」そうして、ニート探偵はまた二人になったのだった。

 よし、読んだ! 読み終えた!!
 けどな、杉井よ……。仮にも一時期は思いっきりファンだったんだから余計につらいんだ。
やめてくれよそういう陳腐なラストはさあ……(別名:主人公はこの作品を執筆している作者かもしれませんね☆病)。
こういう主人公=作者な作品で駄目な例としては、以前私がレビューしたことのあるコレとか、「王様ゲーム」シリーズですね。なんでみんな、主人公に自分の本名かPNを付けたがるんだ、この野郎。
どうして一人称小説の最後の最後で「その通り。あなたが現在読んでいるこれがその本なんですよ。タイトルは『神様のメモ帳』です」とか安易にメタ表現に走るんだ……? 私はジャンプに連載していた「めだかボックス」でかなり西尾節に打ちのめされて、「もうそういうメタ遊びとかはお腹一杯ですよ……」な心持ちなので、今巻のこれはきつかったなあ(´;ω;`) あ、そういえば杉井は例の事件が発覚した時に書き込んでいたスレを見る限りでは、ジャンプ読んでましたね。何? めだかに毒されて、主人公願望とか芽生えたの?
 そして、アリス奪還作戦はなかなか面白かったんですが、この巻を読んでから時間を置くごとに「たった一夜でその部屋の主人が気付かないぐらいに部屋を入れ替えることが出来る」とか……アレですよね。「デスノート」の「ジェバンニが一晩でやってくれました」って感じで、荒唐無稽に思えましたね。月と同じく、螢一もなかなかに神経質そうだから気付くと思うんだけどなあ。
 そんでもって、茉莉とアリスの真相ですが、まず最初に載っていた家系図で「なんで茉莉はこんなに個性的な名前なのに、アリスは『有子』で母親の『藍子(あいこ)』っぽく引き継がせているんだ?」と疑問を覚えたら、次に茉莉が登場してニートたちの話題に(主にヒロの)なった時に「彼女のことは知ってるよ。モデルもやってて、自分のブランドの服は自分で着てショーに出るんだけど、いままでに水着姿にはなったことがないよ。水着自体はブランドから出してるんだけどねー」とか言わせたら、もうすぐに「あっ、これは茉莉には誰にも見せられない傷とかがあるんだな。そんでもってさっきの名前の件も考えたら……」とすぐわかりましたよ。読者的に嫌な予感がね。そういう伏線()張りたいなら、ヒロには「彼女の水着姿とかも是非見てみたいんだけど、残念ながらあんまり露出の多い服は作らないんだよねー」と言わせた方が良かったのでは? 
 まあそんな気持ちもわかr……いや、全然わからんのだが、茉莉よ……「あの時は、お母さんがいなくなって寂しい思いをしているお父さんを慰めてあげたかったのよ……」じゃねーよ。小学校で変なところだけ習ってんな、この(一応)令嬢は。それとも藍子が「せめて子供(茉莉)には英才教育を!」と思って雇った外国人の家政婦どもが教えたのか? 嫌な意味合いでの『慰め』じゃねーか、カスが。十一歳の子供に実父とセッ○スさせる? 精神的に弱っていたとしても、実父は手ぇ出すなよ。そして茉莉は……なんで産んだの? 紫苑寺家が当時(その前にも、兄・光厳と妹・照美との間に出来た子である光紀の出産時の口止めに使用しています)病院を丸ごと買い取って、いまも植物状態の患者不審死事件を闇に葬るぐらいの財力と権力があるんなら、違法手段でいいから妊娠22週以降でも堕胎させろよ。アリスの年齢がわからないので茉莉の妊娠発覚当時が何年だったかわかりませんが、母体保護法(1996年以前は『優性保護法』という名前でした)でもなんでも使ってやれ。ですがこれで光厳が「自分の血を引いた子供(光紀)から出来た孫(茉莉)の更に子供(アリス・曾孫)……。これを逃したら、また子供が産まれずに、紫苑寺家の直系の血を残せないことになるかもしれん!」とか考えて産ませてたら、光厳おまえ、それは単に関わったみんなが苦しむだけだからな? と言いたいですね。鳴海が最後で「いえ、あなたがアリスを産んでくれて良かったです。僕はアリスと会えて楽しいことだらけになりましたから」とか感動をもたらすように言ってますけど……そういう難しい環境で産まれた子供は幸せにならない、って実際に作中でもアリスが軟禁状態で生かされていた紫苑寺家から逃げ出そうとする描写がされてますよね? 
 けれどまあ……アリスとその親の名前については、「たったひとつの冴えたやりかた」というアメリカの小説作品を自分の小説の中で使おう! と執筆当時から杉井は決めていたんでしょうが、茉莉と関係で「たったひとつの〜」の原作者のジェイムズ・ティプトリー・ジュニアが若いころに妊娠したが、堕胎に失敗して二度と子供を産めない身体になった……というのに対して皮肉的に、と言ったらMs.ジェイムズに失礼かもしれませんが、茉莉が頑張って帝王切開までしてアリスを産んだことにしたのは良かったですよ。
――が、しかし! 相手の男(実父)と当時の茉莉の年齢(十一歳)が全部ぶち壊しにしているがな!!
 そしてここまで読んでくれたお方たちに匂わせる程度に先述してわざと取っておいたことを述べますが……鳴海たちの「すごい、茉莉さんはまるでアリスと瓜二つな容姿だ」って、おいいいいい!! あのさ、茉莉のモノクロイラストと表紙のアリスや最後の鳴海と手を繋いでいるモノクロイラストのアリスって……もうかなりのレベルで別人なんですが? 「本当にそっくりだ」とかじゃあなくて、「アリスが大人になったら、このぐらいの顔立ちになって色気が出るんだろうか」ぐらいにしてくれ。
 そして事件の日に茉莉のブラウスだけを着て鳴海のところに行っても、どうしてナースたちだけじゃあなくって鳴海も誤魔化せると思ったんだよ、アリス。まあ……ちょっと私が落ち着いて、広い心になって捉えれば……辺りが薄暗かったから、声だけで鳴海は判断出来なかったのだと思っていても、鳴海が伏線()っぽく格子越しの会話でアリスの身長をかさ増ししていた台座のことに言及するなら、なんでこの紫苑寺家専用病棟のナース(ここポイントです)から「あの時すれ違った(ここもポイントです。『遠くから見掛けた』ならともかく、『すれ違った』なら、自分と茉莉(アリス)頭の位置の身長などを比較出来ている訳です)茉莉さまはいつもより小さかった」とかの証言を取れなかったの? 茉莉はモデルを出来るぐらいに身長あるんだから、ここまでの1〜8巻まで追ってきた摂取栄養偏っていて成長発達不良のアリスが文字通り背伸びをしても茉莉の真似は出来ないっつーの。もうこれで犯人わかるよなあ? 別にアリスの肉体的成長が悪いという訳ではないのですが(事実、エピローグで鳴海に再会しての「馬鹿にするなよ! ぼくの身長ももう六センチも伸びたんだぞ!」と言っているアリスは可愛いと思っています)、なんだかこれまで「クマパジャマもロリな服も似合う、小柄なアリス可愛いなあ。萌える萌える」と追っかけてきたファンたちを豆腐屋の車……じゃなく、軽トラの荷台に載せて深夜の山道の急カーブを時速120kmで攻めるような頭文字D的な振り落としをされた気分です。
 以上、仕方なくイラストを入れたあまりに……けれど、読者的にはその人物のイラストが無いと怒りたくなるような、誰よりも一番編集さんがメルにイラストの依頼をする時に頭を悩ませたであろう部分への突っ込みでした。

 結局、「この家(紫苑寺家)は狂気にまみれているんだよ」とか言っていた、狂人を演じていた螢一が最終的に私の中で株が上がりましたね。なんだよ、こいつが一番紫苑寺家の中で吾郎おじさんを抜いたら良識人じゃん……って(笑)。
 そうそう、最後に91Pな。フリガナのミス。「お母さん」が「お母(おか)さん」になってますよ、編集さん。
 あー、評定を下すのが私としても遺憾ですが、星1つ★☆☆☆☆。地雷だよ! 記念すべき最終巻なのに、こんなクソを見せてくれてありがとうよ! 杉井にメルメル!!
……しかし、「楽聖少女」がまだ残っていることを私は覚えていなければいけない。アーメン。

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2015年02月11日

学戦都市アスタリスク 07. 祭華繚乱/三屋咲 ゆう

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祭華繚乱

 アルルカントの「大博士」・ヒルダと会し、姉の遥が目覚めるための突きつけられた条件を拒否した綾斗。そんな中、やはり獅鷲星武祭での出場をクローディアから打診され、それを受ける。……と日々を過ごしていたら、アスタリスク全ての学園を使って開催する文化祭がやってきて!? そこに綾斗とのお忍びデートを申し込んできたのは、シルヴィアだった――。


 最初の方を読んでいたら、「うーん、これだけだと、7巻は結構薄い内容になっていて酷評しそうだな……」と思っていたんですが、三屋咲先生はなかなか嬉しい方向に転換してくれましたね。
 ガラードワースのホモ疑惑聖騎士生徒会長やっとキタ━(゚∀゚)━!
 界龍のロリババア生徒会長も見せ場キタ━(゚∀゚)━!

……って感じですね(笑)。

 ネタバレあらすじー。
 綾斗、ヒルダに「獅鷲星武祭で優勝して、自分がアスタリスクから喰らっているペナルティを解除して欲しい。そうしたら姉の遥を目覚めさせてやる」という交換条件を突きつけられるが、綾斗はそれを「もしかして、そのペナルティの中にヒルダが使えなくなっている研究所があって、その施設で遥を目覚めさせることが繋がっているのではないか」と看破し、交換条件は破断に。ついでに綾斗は、ヒルダがユリスの親友だったオーフェリアを無理矢理魔女にしたことにも気になっていた。→クローディアから誘われて、綾斗、ユリス、綺凛、沙夜、クローディアの五人で獅鷲星武祭に出ることになる。そこでクローディアは自分の純星煌式武装の「パン=ドラ」の能力も他の人間に伝える。そうしてチーム対戦の訓練をしているうちに、六学園合同の学園祭がやってくる。→シルヴィアにプライベートアドレスから通信されてデートに誘われた綾斗はそれを受け、二人はやはり各学園の序列一位で顔が売れているので変装して学園祭をいろいろと見て回る。しかし二日目にガラードワースの学園祭に行っていたのをホモ疑惑聖騎士生徒会長、アーネスト・フェアクロフが部下から知らされて、綾斗が三日目のコロシアムに出場することも知り、自分も急遽参加することにする。→文化祭三日目。綾斗だけでなく、シルヴィアも綾斗の姉のようにこのアスタリスクで探している人間がいることを伝えられる。界龍のところで散策していると、いきなり場所を飛ばされて界龍のロリババア生徒会長、星露(しんるー)の前に来させられる。シルヴィア情報で「噂では千年以上生きているらしい」という星露によると、「お主らは、この世界に落星が来たのは三十年前の一度だけだと思っておるのか?」と言われ、綾斗は改めて自分たちの星脈世代の歴史の前にも「仙道」や「魔女」と呼ばれた人間たちがいたことに気付く。そして、「落星は……もしかしたら誰かが故意的に引き起こしている可能性もあるのじゃ」と星露もそこまで知っているのかいないのか、そう言って「しかし……こうして対面しておると、お主はとてつもなく美味そうなものを持っておるのう……」と星露がちょっと戦闘モードになりかけていたところに、アルルカント・星導館・界龍の三学園で開催するコロシアムの開催時間がやってきたので急いで全員で向かうことに。さっきの星露に中てられたのかシルヴィアも参加したくなったらしく、シルヴィアの「世界的なアイドル」というネームバリューもあるのでちょうどいい、と開催時間ぎりぎりだったが星露が自分の権力で捻じ込んでくれる。→コロシアムのルールは、三つの関門があるので集まった人間たちはそれを一つずつクリアして行けばオッケー。しかし参加者が元来持っている魔法や純星煌式武装は使えず、普通の煌式武装を渡されてそれでクリアすることに。綾斗はもちろん剣を選択。そこでアーネストとも出会い、「やあ、君とは一度ゆっくり話したかったんだよ。握手をしよう」「これで今日だけで新たに二人の学園の序列一位に出会って話して握手もしたことになるなあ……」と考えていた。関門の一、二までは順当にクリア。しかし最後の三番目の関門で綾斗と同じく残っていたシルヴィアが観客席に目を向けると、いきなり戦闘を放棄して飛び出して行った。綾斗も追おうとするが、ここまで一緒に戦ったのもあって、第三関門である二人の守護者(ガーディアン)の一人を倒して残りはアーネストに託すことにして舞台から降りた。シルヴィアが「ウルスラ」と呼んでいた人間はシルヴィアのことは覚えていないらしく、純星煌式武装である胸に提げたペンダントの力を使ってシルヴィアの心を闇で覆おうとする――が、ぎりぎり綾斗の声が間に合って、シルヴィアは闇堕ちから引き戻される。一般人たちも集まってきたので、戦うことはやめてウルスラは逃亡。後でシルヴィアに訊くと、「さっき自分がウルスラと呼んでいた金髪の二十代の女性は、私に歌を唄うことを教えてくれた先生。でも私のことも何もかも忘れている。……まるで誰かに乗っ取られているかのように」と言う。→その後、レヴォルフ黒学園の悪徳生徒会長のディルク、星武祭運営委員長のマディアス、ウルスラ……この三人が密かに会合していて、「自分たちの計画のために星露を仲間に引き入れるべき」「いまのところの邪魔者の綾斗を早く排除するかしないか」……などと悪談話をしている。どうやらこの学園内だけでなく、世界が転覆するレベルのことを考えているらしい。→エピローグ。シルヴィアは探していたウルスラに会えたことを喜んでいいのか悪いのか……と鬱々と考えていたが、今度は綾斗から電話を掛けてこられて励まされたので、「もう……! つい君に本気になっちゃうじゃない……。ううん、もしかしたらもうとっくになってるのかもね?」と年齢相応の乙女らしいことも考えていた。

 うーむ。ここまでの6巻分に対して、多少この一巻の内容が薄かったのは認めますが……でも、バンバンキャラが出て来るのが楽しかったです。以前紹介しましたけど、私はワートリとかキャラ多いけど逆にそこがすごく好きですし!(オタク気質)
 あ、それとホモ聖騎士さん……。私がこれまでの経過と噂によって穿った目で見てしまっている故か、やはり握手のくだりの時も「こいつ、生徒会長の仕事で忙しいのにわざわざコロシアムに参加するし、綾斗のケツ狙ってんじゃねえだろな……」とか思ってましたw すまん、聖騎士さんww
 しかし、コロシアムの三関門では綾斗、ホモ聖騎士(アーネスト)、シルヴィア……各学園の序列一位三名が同時に同じ舞台にいるんだから、もうちょっと楽勝気味に展開は進めて欲しかったなあ。
 最後の「アーネストの剣技はすさまじかった。」とか、たった一行の地の文だけで進めるんじゃなくて見たい! もっとページ割いて! 出来ればアニメ化して見させてくれ!w
 あ、それと表紙のキャラが誰だかわからなかったんですが、後書きによればユリス(左)とシルヴィア(右)らしいですよ。正直、同一人物だと思いました。
うーん、okiuraさんの絵は好きな方なのですが……描き分けをもうちょっと勉強してくれ。どっちも薄赤色(ピンク色)調だからわかんねえよ。

 評価は星4つ★★★★☆かな。ここまでずっと着いてきたようなアスタリスクファンにはオススメ!
けれどもあんまり話が進んでいないので、正ヒロイン(?)のユリスファンや普通の読者さんはここで振り落とされるかもしれませんね……。代わりにシルヴィアファンは大歓喜でしょうww

posted by mukudori at 23:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月31日

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件03/七月 隆文

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ゲッツ!!

 今日も公人は庶民部でお嬢さまたちにいろいろと吹き込んでいた。そして全校に流行ってしまった「ゲッツ!!」……!? 更には、麗子に縁談が――!? 大人気シリーズ、第3弾!!


 うむ、笑える笑えるww
 序盤で公人が携帯で楽しんで見ている「マッチョ☆レスリング」とか、検索したらそれっぽいのがマジであるじゃないですかwww
作中にてそれがアテレコ職人にて流されている「くりーむしちゅー田中ァァッッ!!」とか、私もせめて日本語以外で一番身近なはずの英語でそれらしく聞こえる文章があるかどうかを三十分ぐらい考えましたからね。……これなら、代わりに「クレヨンしんちゃん」か「ドラえもん」のアニメでも見ていた方が有意義な時間だと思いました。

 ネタバレあらすじー。
 序章では、恵理が声優のラジオ仕事がありつつも、トイレの個室で「あー、この仕事の相方、マジ声優としても中途半端で三年後には消えてんぞ!? くっそ、公人のやつがいないから、パシリもいねーし最悪だっつーの!!」ともやもやしている。→そのころの公人は自分の携帯でマッチョ動画を見ているので、それを後ろからこっそり見た愛佳がドン引き。言い訳をしたくても、毎回九条さんがタイミングよく来るので、「っ、だからさ、俺は本当は普通に女子が……」「失礼します。洗濯物をお持ちしました」「――否! 俺はマッチョをこの地球よりも愛しているっっ!!」とマッチョホモがまた疑惑深まる。九条さんが出て行った後でも一応言い訳をするが、愛佳がなかなか納得してくれない。だが、「そ――そう、占いでな! 今日の俺の運勢が悪いから、レスリングがラッキーアイテムなんで見ていたんだ!」というのには愛佳も女子らしく食い付いた。そして庶民部の全員で無料占いをやってみて、最初は性格診断などだったが、相性診断を見つけたので、我先に、と公人との相性を確かめる。結果、白亜の五十点が最低で、可憐の百点満点が最高値だった。→その後、白亜は自分のメイドに頼んで自分の研究室に公人を呼んでもらい、仕事ぶりを見せつけたり、お昼ご飯を仲良く二人で一緒に食べる。可憐も恥ずかしがりながら、公人を自分の部屋に呼んで女らしいところを見せる。→公人、ツンピュア愛佳をからかうために黄色の全身スーツを頼んで「ゲッツ!!」を庶民たちのやっている占いとして教えると、愛佳が颯爽と出て行って麗子に出会って教えそれで更に「ゲッツ!!」が広まることに。→公人が改めて麗子のお嬢さまっぷりに感動していると、麗子の母親と兄が清華院にやってきて、麗子に「あなたに近衛家の方との縁談が決まりましたよ」とだけ言って連れて帰る。しかし麗子の兄の正臣(まさおみ)はシスコンでこの縁談には反対らしく、公人と携帯のアドレス交換をしてその縁談の日になるまで、庶民部員とも一緒に縁談を壊す策を練り合う。→縁談当日。「入るのは難しいが、出て行くのは簡単」……な清華院からは公人たちも一応簡単に出て行けて、可憐が改めて「ほう……。これが庶民の街か。『庶民ランド』そっくりなのだな」「それは逆だからな!?」と呟くので突っ込む公人。有栖川の家に行けて、そこの門番たちは可憐が自分の持つ剣技で楽々とあしらい、全員で突入。麗子は驚いていたが、麗子の母は兄の行動も予想通りだったらしく、「さっさと出て行け」と、プレッシャーを与える厳しい視線で告げてくる。しかし公人は「あの学校から、人気者の麗子がいなくなるのはみんなが悲しむ!」などと反論して、麗子は恋心を秘めている公人の言葉についに――「わたくし、『家出』をしますわ!!」と言って立ち上がる。愛佳や白亜たちも、「学費が無いならあたしたちが! 麗子がいなくなると、あたしがいつも体育の授業で組む相手がいなくなるのよ!」「私も……自分の特許でのお金はある……」と言って麗子を応援。しかし「ふっ……いくらお金があっても、『有栖川』の名前が無いと清華院には戻れないわよ?」と言われ、公人は「それなら……麗子、俺の家に来い! 父さんたちは俺が説得してやるから! これまでみたいに学校には通えなくなるけど……いいか?」といっそプロポーズ的な言葉を述べたので、母親もようやく認める。相手だった近衛家の息子は、メンタルが弱かったらしく、「麗子さんが縁談に乗り気でないなら、僕はまた大学に戻ります……」といつの間にか姿を消していたので、近衛家の父親もばつが悪いらしく、「当人同士がこんな感じなら、無理に進めて行ってもお互いの利益はないでしょうし、やはりこれまで通りの関係で……」ということに。麗子母は「ふふふ、神楽坂さん。法定の結婚可能年齢制限がありますから、いまのところは『婚約』ですわね。我が家に歓迎いたしますわ。せいぜいいびり抜いて差し上げますからね……『有栖川公人』さん?」「えっ、こ、婚約!? 確かにそれっぽいことは言ったけど!! しかも俺、マスオさん決定!?」こんな流れになって、麗子は浮かれ立ち、愛佳たちはジェラシーモード。でも麗子が帰ってきたので良かったと思っていた。→エピローグ。学長室で公人は土下座。お嬢さまたちにすっかり「ゲッツ」が広まったことを謝罪していたのだった。

 うーん、確か前巻の後書きで「白鳥先生に上手なパロディのやり方を教わった〜」とか書いていた気がしますが、最初の「公人がマッチョ動画を見てニヤニヤしているのにドン引く愛佳」のところは、イラスト一枚で伝えるのではなく、公人の「こんなところをお嬢さまたちには見せられねえな。アハハ。」→愛佳が公人の後ろにいるイラストで一気に次のページで「俺は切腹衣装で愛佳に向けて土下座していた。」と場面を変えたのは……まだちょっとこういうイジリ遊びに慣れていない感じでしたね。一ページぐらい落丁しているのかと何度も確認しましたよ。
せめて「アハハ」の後で「うん? なんだか背中に視線が……」とか地の文を入れてくれたら良かったんですが。
 でも最高だったのは、159Pのイラストですよ!!
ぶっちゃけ私が下衆野郎なだけなんですが、太ももの肉付きの良さ、ドテの感じ、そして筋……グッジョブ!! 閏さん、こういう絵も描けるんですねえ……げっへっへ(嫌な笑い方)。あー九条さん、早くデレてくれないかなあ……。
 あ、ついでに後書きで「今回のネタにコラボの許可をいただいた『ダンディ坂野』さん、ありがとうございます!」……えっ?
おい、いいのかダンディよ……。それなので、表紙の麗子は他のみんなの「両手でハート」とは違って「ゲッツ!!」をしているそうです。そこもイジられて……哀れ、麗子。

 全体として見れば今巻も面白かったけど、もうちょっとイラストでのイジりに慣れて欲しいので……満点からは一つ引いて、星4つ★★★★☆ぐらいですね。でも結構オススメ!

posted by mukudori at 04:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一迅社文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月18日

バカとテストと召喚獣 2/井上 堅二

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すったもんだの学園祭!

 文月学園の学園祭――清涼祭。明久たち二年Fクラスは中華喫茶をやることに。しかし、それとは別に一般客も楽しめて、この学園の最新テクノロジーを見せびらかせる、『召喚獣バトル大会』というのもあり!? 別に参加するつもりはなかった明久だが、雄二と一緒に学園長に呼び出されて密約を交わし、どうしても優勝しなければいけなくなった! 陰謀渦巻く学園祭に突入!


 うむ、面白い!
なんでだろう、すごく読みやすいんですよね。同じファミ通文庫でも「犬ハサ」とか「B.A.D」とかは読んでいると「くそっ、なんでこんなに文字を詰め込んでんだよ……。あーはいはい。笑えないパロと言い回しだけ凝った風に見せかけている厨二病乙ー」とか思っちゃうんですが、バカテスはそれが無い! まあぶっちゃけ、「のうりん」でも「チクショウ……。長文台詞の時は、読みやすいようにたまにでいいから改行してくれよ。次の挿絵はよ来いやー!」とか思ってましたからね(笑)。
そういう点では井上先生はかなりのリーダビリティ溢れる文章力スキル持ちだと思います。

 ネタバレあらすじー。
 明久と雄二、学園長に頼まれて学園祭での『召喚大会』にて優勝しなければいけなくなる。ただしその見返りは――身体の弱い瑞希のためのFクラスの物品修繕だった。学園長は「優勝賞品で、如月(きさらぎ)ハイランドのプレオープンチケットを用意したんだけど、これを誰かに取られて行かれたら、そこの『ジンクス作り』のためにちゃーんと別れずに『結婚』までしてもらわなきゃいけないからねえ……」と言うので承諾。→しかし中華喫茶もやっていると、そこには三年A組のモヒカンや坊主頭の男子たち(別名:常夏コンビ)がやってきて、中華喫茶の評判を落とそうとされるので翔子たちがやっているメイド喫茶の力も借りたりして退治しつつ、召喚大会で勝ち上がって行く二人。瑞希と美波も、明久への恋心を秘めているので『如月ハイランドのプレオープンチケット』が欲しいので参加していたが、協力してもらって降参させる。→そして学園祭の二日目にして最終日、学園長がこっそりとFクラスにやってきて、「実は……プレオープンチケットよりも、もう一つの賞品……『白金の腕輪』の方が重要なのよ。アレは賞品に出してしまった後から不具合が見つかってねぇ……。『高得点者が使うとおかしいことが起こる』っていうもんだから、取る点数は低くても強いアンタらにしか頼めなかったんだよ」と言われて、より一層気合いを入れる二人。途中でセクシーチャイナドレスを着た瑞希たちが常夏コンビに攫われたりするも、喧嘩が鬼強い雄二や根性見せた明久によって救出される。→決勝戦。もちろん相手は、学園長の座を狙っている教頭に『大学の推薦状』を書いてもらうことを約束した常夏コンビ。卑怯な手で襲ってこられるが、ここで雄二が学園長に最初話を持ち掛けられた時、「じゃあせめて、そのバトルの試験科目は俺らが決められるってことにしてもらえませんか?」と言っていたのが効いており、二人はこの決勝戦では「日本史」に絞って勉強してきたため、かなりの得点を持って常夏コンビに相対した。明久は『監察処分者』のため召喚獣と意識やダメージを共有しており、常夏コンビの攻撃でのかなりの痛みに耐えつつも、最後は自分の左腕を犠牲にしつつも「肉を切らせて骨を断つ」的な感じで優勝。→学園長に報告に行くと、そこで明久と雄二たちは「それで、この白金の腕輪はどうしますか? 欠陥品ならもう要らないですよねー……」「――明久、黙れ! もしかしたら……」「あっ、この部屋って盗聴されているかも!?」「ほら、やっぱりあの常夏コンビが逃げて行くぞ! さっきの言葉を録音されたのを全校に流されたら、学園長は終わりだ! みんな、あいつらを探し出せ!」とFクラス全員で学内を探し出すが、ようやく見つけた……と思ったら、そこは遠い新校舎の屋上だった。しかしそこで雄二の召喚獣が装備した白金の腕輪が光る。それが作動すると、『先生がいなくても、召喚バトルのフィールドを作れる』というものなので、明久は自分の召喚獣を出して学園祭の終わりに打ち上げる花火を見つけて、屋上の常夏コンビを狙って大筒で発射。ついでに、教頭先生の部屋にも打ち込む。すると教頭先生の部屋にも「部屋を直す」という大義名分を掲げた強制捜査が入り、明久は「勝手に花火を使ったこと」では鉄人先生に怒られるが、鉄人も裏事情がわかっているらしく、それだけで済んだ。→そうして全て片付けた後は……打ち上げパーティだった。しかしそこに混ざってあったのは……『お酒に近いようでお酒なジュース』であり、それを飲んだ瑞希がへべれけになって明久に対して積極的に迫り……「だから、明久くんは私と――」という意味深な言葉を残して眠ってしまった。次の日、瑞希にそこを訊ねると「ごめんなさい。覚えてないです〜」と言われてしまったのだった。

 うーむ、やっぱり面白いですねー。
でも最後の打ち上げパーティで「ジュースに混じっているチューハイを飲んでしまい、酔ったので本心暴露」というのは、どうにもこうにも既視感がバリバリにありますね。
その辺は井上先生の手腕でオリジナリティあるものにして欲しかったです。……まあ、オリジナリティがあったらあったで、「おかま」はそこも上手くパクっていたような気もしますがww

ですが、全体的にするすると読み進めて行けるので、星5つ★★★★★あげちゃいます。ちょっと甘い評価ですがね。

posted by mukudori at 02:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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