2013年09月29日

六花の勇者 03巻/山形 石雄

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騎士か、叛徒か。

 いまだに見えてこない「七人目」。仲間内で疑いながらもアドレッドたちは旅を続けていた。しかし途中で橋も掛かっていない断崖絶壁に出会い――!? そしてゴルドフは一人、テグネウに人質にされたナッシェタニアを助け出そうとパーティから抜けた。果たして、その決断はどう転ぶのか――。

 うーん、話が全然進んでないなあ……。
いや、文章も達者で面白いことは面白いんですがね。
でも魔哭領から次の目的地まで行くという目的があるのに、パーティに災難があって全然進んでないのがマイナスポイントです。

 ネタバレあらすじー。
『カーグイックの渓谷』という深い谷に着いて、これより先に進まなければいけないのにその手段がない。そんな折、ナッシェタニアが襲撃。みんなで迎え撃つが、チャモの腹の中に、この旅が始まる前に聖者同士が戦う模擬戦みたいなものをおこなっていた時、ナッシェタニアとチャモが激突して、その隙にチャモの腹の中の従魔にナッシェタニアの刃の聖者の力で刃のかけらを入れておいたのが発動。モーラによると、チャモはこのままだと数時間後に死ぬだろう……と言われ、ナッシェタニアを倒すためにアドレッドとフレミーとロロニアによって討伐隊が組まれる。だがその時、ゴルドフは『誠臣の兜』という自分の主の声が聞ける聖者の道具によって、ナッシェタニアの本当の叫びを聞いていたので一人パーティから離れる。→ゴルドフは一人だけで魔獣を倒して進み、ついにドズーという魔神の幹部の一人に出会う。ドズーとナッシェタニアは同盟を組んでいたが、先ほどアドレッドたちに襲撃を仕掛けた後、姿を隠せるテグネウの配下によって丸呑みされて隠されていた。ドズー、テグネウ、カーグイックの三人は、誰が一番六花の勇者を殺して自分たちのリーダーになるか賭けをしていた。だがその賭けをテグネウは違反しないぎりぎりのところで破ってナッシェタニアを攫ったのだった。ドズーと同盟を組み、ナッシェタニアを見つけて助け出すことを最優先にしたゴルドフ。しかしそれを知らないアドレッドたちはゴルドフと敵対する。ゴルドフはナッシェタニアを助け、チャモも助けることを望んでいたが、テグネウの配下にばれるとナッシェタニアが殺されるので黙ったまま。→そして戦い。ゴルドフはアドレッドたち三人を相手に一騎当千の働きを見せた。時間が経つうちに、魔獣の腹の中にいるナッシェタニアも目覚め、「ゴルドフ、いま私の近くで間欠泉が二つ上がったわ!」と誠臣の兜を通じて最後の希望を託す。そのヒントでゴルドフは身を隠していた魔獣を見つけて殺し、ナッシェタニアを助け出した。チャモも刃の仕込みの張本人であるナッシェタニアによってぎりぎりのところで助かった。→六花の勇者たちが揃っているところにドズーがやってくる。「私とナッシェタニアはこの世界が平和になるために策を練っている。次の魔神は平和を愛し、人々と共存出来るものにする」と言ってくる。仲間内にテグネウの遣わした七人目がいることもあり、にわかには信じられない勇者たちにドズーは語った。このナッシェタニアの持っている偽物の紋章は、三百年前の六花の勇者である『時』の聖者、ハユハが与えたものだと――。

 うーん、話が進まないなあ。
というか、ナッシェタニア以外にも仲間内の誰かがテグネウの遣わした七人目なんでしょうけど、みんな魅力的過ぎて「こいつなら裏切らせてもいいか」と思えるキャラがいない! 
山形先生、そういうところが上手いんだよなー。
私の希望的には牛女ロロニア辺りならなんとか我慢出来るのですが……。
主人公のアドレッドはもちろん潔白ですが、チャモ、ハンス、モーラ、フレミーなんかは絶対に裏切って欲しくないですね。

 でも今回は話が冗長に感じたので星3つ★★★☆☆ですね。もっとサクサク攻略してくれてもいいのよ?

posted by mukudori at 17:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月23日

ほうそうぶ2 (ほうそうぶ2シリーズ)01巻/宮沢 周

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インタビューチャンスを掴め!

 父親は名探偵。そんな家に生まれた主人公の皇沙門(すめらぎ さもん)は引退した親父の跡を継いでみせようと、こっそりと引退後もひっきりなしにやってくる依頼の一つを受けていた。それは幕縁学園高校に出没する謎で正義のレポーター、「兎レポーター」の正体を掴むことだった。容疑者は四人。果たして、沙門の行方はいかに!?


 あー、ヒドイものを読まされました……。
なんなのこのラノベ。
作者は読者の裏を掻いたつもりで鼻高々かもしれませんけど、バレバレですよ?
ラストバトル(おかしい……。一応普通の高校なのにこんな単語が出てくる……何故だ)の超展開さでは目が飛び出ました。

 さー、元気出して、ネタバレあらすじ行ってみよー!
 自宅に兎レポーターが「女子生徒を成績で脅して淫猥な行為を行っている教師のスッパ抜き」をしている映像が送られてくる。それを見た主人公が学園に編入後、お約束の「よ〜姉ちゃん、金持ってんだろ?」「身体でもいいぜ〜?」「いやっ、誰か……」ハプニングが起こって主人公助けるも逆に女子に「あたしは一人でも充分だったんだよ!」と逆切れされる。なんなのこの女子。一応ヒロインですが、インパクトはあっても好感はこの時点でかなりダウンですね。そして何故かクレープを奢らされ、服を買わされる。そんでもって自分の頼みごとなのに、主人公のたくらみがわかっているかのように「あたしの『兎レポーター疑惑』を晴らすために放送部に入って!」と頼む。散々たかっておいて、更にその頼みかい。お前……主人公が主人公体質じゃなかったら張り飛ばされてるぞ?→主人公、放送部へ。他にも3人のヒロインが所属している。天才発明家、生徒会長、びくびくっ子(正体は忍者)。→ある日、とうとう兎レポーターが予告動画を出してきたので、主人公たち、夜半の学校に忍び込み、待機する。しかし予告時間の0時より1時間前に兎レポーターが出現。その場では取り逃がす。→二度目も兎レポーターが出現。しかしまた取り逃がす。主人公の無能さがよく出てますね。→そしてヒロインたちとの色んな交流(イベント)があり、主人公はなんと全員が兎レポーターだったことを知る。今さらですね。→それを依頼人に報告すると、校内の動画サイトに全員の写真があり、「こいつらが兎レポーターです」という動画が流される。みんながイジメの標的になるが、ヒロインの「これは……あたし一人がやったことだ!」という放送のおかげでヒロインだけが狙われることに。案の定、兎レポーターによってスクープされた盗撮をしていた剣道部や怪しいガスを作って売っていた化学部の連中が襲ってくる。化学部に至っては、SPを部隊規模で雇い入れる。そして立ち向かう、兎仮面を被った4人の少女! ……ってカッコよく言ってますけど、この学校のヤツらホントどうしようもねえな。みんなクズですよ。そんでもって、化学部が最後の切り札として、子犬にとある薬品を注入すると……なんと巨大化します。ワー、ビックリ!!!! そこで颯爽と現れる、主人公。探偵グッズの切り札、「Dツール」(コナンでいう、アガサ博士の発明品を集結したような道具)を出したところで親父から電話。「もしもし? パパだよ。きっと今頃、巨大化した犬に襲われたりしてるんだろうね。だから私はこの依頼を断ったのに……。あ、ところでお前の『Dツール』には最終兵器があるから。ヒントはDかHだよ」親父……てめえエスパーかよ。これはさすがに「ご都合主義」では無視出来ない展開。そんでもって主人公が選んだのは――「俺は放送部員だ! だから『ほ』のローマ字のHを選ぶぜ!」と言って「HERO」モードに。これはなんと、歴戦を駆け抜けた親父の経験値全てが込められていたものだった! 主人公は圧倒的に上がった判断力に体力で巨大化した犬を手なずける。「こいつは、攻撃しようと思ってたんじゃねえ。ただ、遊んで欲しかっただけなんだ」とのこと。→ともかく、逆恨み部隊を退け、依頼人の正体について探ることに。するとそれは――なんと! クラスメイトのエロ魔人! 士堂だった! 主人公曰く――「この学校で俺と親しくなったのは、女子を除くとお前だけだからだ!」……………………。ワー、名推理ー……。しかも依頼理由が、「化学部の開発ガスを売って、この学校を買い取るには兎レポーターが邪魔だった。この学校の校則を変えて、女子は校内では下着か水着のみにしたかった」ですよ? 最後は父親が「学園の理事長とは知り合いだから、最初から主人公を転入させるつもりだった」と言って主人公も学校に残ってハッピーエンド!

 ……ンな訳あるかあ!
なんなの? この学校の生徒も教師ももれなくクズなの?
誰がこんな学校に行かせるか! 名探偵の父親も馬鹿としか言いようがありません。
あ、ちなみにタイトルの「ほうそうぶ」は「放課後捜査倶楽部」の略称でもありました!
星? イラストもモノクロはもれなく手抜きなのであげたくないぐらいですが……星1つ★☆☆☆☆です。地雷です。

posted by mukudori at 17:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月12日

六花の勇者 02巻/山形 石雄

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愛には愛を。嘘には嘘を。

『七人目』のロロニアが現れたが、そんなことで右往左往してはいられない理由がモーラにはあった。凶魔の三統領の一人、テグネウが持ちかけてきた、自分の娘との命の取引。モーラは期日までに六花の勇者のうちの一人を殺さなければいけない、でなければ娘に寄生させた虫型凶魔が娘を喰い殺す……という。王道ファンタジーの邪道なミステリー! 第2弾!


 いやー、面白かった!
今回の主役はモーラと言ってもいいでしょう。
まさか三十路のおばさんに共感出来る日が来るとは……おっと、山の方からなんだか「三十路って言うな!」とのやまびこが聞こえてきた気がします。

 この前の犯人はちゃんと「犯人」と言う形で上げられましたが、今回は断定的な「犯人」というものはありません。
こっからネタバレ全開です。





 部屋の隅でガタガタ震える準備はオーケー? それじゃあネタバレあらすじです。
三年前。モーラ、テグネウとの取引で六花の勇者の一人を殺さなければいけないことに。→テグネウが勇者たちに襲い掛かってくる。ついでにモーラに「約束の期限はもうすぐだよ」と告げに。その場では勇者たちはなんとかテグネウを退ける。しかし、テグネウの正体がわからない。→モーラ、テグネウとの取引のことは仲間たちに内緒のまま。一人でなんとか取引をこなそうとする。ハンス、アドレッド、ゴルドフの中から一人を殺そうとする。→結果、ハンスに決定。死闘の末にハンスの頸動脈を搔っ切って殺す。これで取引は完了された。しかし、『鮮血』の聖者ロロニアの力によって、ハンスは再び復活する。モーラはこの瞬間のために三年間ロロニアを育てていた。終わった今、モーラも仲間たちに真実を話す。→アドレッドも、テグネウの本体がわかったという。それは、テグネウが戦う前に食べていたイチジクの実が本体だという。そして新しい凶魔に取りつく、寄生型の凶魔なのだ。→七人目のことは相変わらずわからないままだが、みんなは旅を続けることになりました。

 ……といったところです。
いや、前巻の最後でロロニアが来なかったら、モーラの計画どうなってたんだよ! 完全に運頼みじゃん!
とかいう苦言もあるんですけどね。
でも面白かった! 三十路越えのおばさん……おっと、モーラが孤軍奮闘する話ですね、これは。いつの間にか、モーラと同じ思考になっている。完全にモーラ主人公の回でした。惹き込まれるなー。

 でもせめて2巻でテグネウとの決着はつけて欲しかったですね。
 そんな訳で星4つ★★★★☆です。

posted by mukudori at 19:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月21日

覇道鋼鉄テッカイオー/八針 来夏

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童貞王、ここにあり。

 とある銀河のとある辺境。悪漢の手から逃げ惑う一人の少女の前に、ジャンパー運送の武侠、カザンとルゥランの二人が現れた! 少女はなんと、銀河連邦の姫で、悪徳武侠に追われているという!? そして二人に対する因縁の相手も現れて――!? SD大賞受賞、圧巻の武侠アクションバトル!


 かみおーさんオススメの小説。
これがまた、心底読み難かった!! ……や、面白いんだけどね。

 さすが後書きでも「審査員の方々から全員一致で『読みづらい』とのお言葉をいただきました」と書いてるだけあるぜ!

 内容は王道です。
姫ピンチ! そこに主人公二人が現れて助ける→姫、自分の護衛を依頼。二人にとっても因縁の相手なので承諾。→なんやかんやでバトル、バトル、バトル!! だが因縁の相手に負け続けの主人公たち……。→先人の遺した兵器、テッカイオーを探し当てる。→テッカイオーを使って最終バトル! 二人の力を総集してなんとか勝ちました! 敵も敵ながら天晴れな最後でした!
 ……というロボット物の王道ストーリーです。

 しかし困ったのは地の文章。
世の中のラノベが「下半分はメモ帳」とか言われている時代に、これまたくどい・濃いんですよ。
たとえば、
 瞬間、『テッカイオー』は開いた口蓋から衝撃波を放射した。それは大気を介して放たれる普通の衝撃波ではない。その叫び声に籠もった激情によって空間を振動させ、対象を破砕する獅子咆哮(ディストーション・ロア)だ。その壮絶な空間振動波を叩きつけられ、『ザンガイオー』の堅牢無比であった氷結装甲(フロストアーマー)に致命的な亀裂が入り、それに覆われた機体本体にも同様に破壊の傷跡が刻み込まれる。
こんなのが同様のレベルで非常に長く、続けざまに差し込まれている。
「その」とか「それ」とか何回使うんだよ!
作者、空間恐怖症なの? とでも言いたい気分です。

 けれど、熱いものは熱い!
「……父様が言ってたよ。敵ながらも、外道ながらも敬意に値する達人がいると」
 そうか、とグラントラムは呟く。
「人生とは、満足感だ」
「貴様の人生観には興味がないけど?」
「少なくとも俺は、貴様の父親と戦っているときはこの上ない充足感に満ちていた。……あの頃はまだ気付いていなかったがな。俺にとっては貴様の父親との戦いが生きる意味であり……そして貴様の父親にとっては、お前が生きる意味だった」

とか。
カザンとルゥランのそれぞれの、
「時限陰毒殺を完治させて、一緒にいる理由を全て消してから……初めて俺はルゥランちゃんに言える――好きです、俺と結婚して下さい――って」
〜(ざっくりと中略)〜
「時限陰毒殺を完治させて、一緒にいる理由を終わらせて――ボクはようやく子供のころからの気持ちを言えるんだ。好きです、ボクと結婚して下さい――って」

お互い通じ合ってるこの気持ち! たまりませんね。

 あとは小ギャグもちょいちょい挟まれていて面白い。
「マッハ5000です」
「鈍いな、蝿が止まるぞ」
 ……もちろんそんな気合いの入った蝿など存在しないが、感覚としては正しい。


 ただ、作中のギャグ全てが生きているかと言えばそうではない。
ラストのバトル中に
「俺は史上最強の童貞だーーーーッッ!!」
とか笑っていいのかシリアスなのかわからん感じになったりするなど、つまりは不器用なんですよね、作者が。
語彙力などは相当あるんで、もうちょっと修行してリーダビリティに溢れた文章を書いてもらえるとこちらとしても読み易いです。星3つ★★★☆☆。

posted by mukudori at 00:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月04日

六花の勇者/山形 石雄

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ファンタジーとミステリーの化学反応
 
 闇の底から魔神が目覚めるとき、大陸を魔が覆う。そこに六花の勇者目覚めり。六花の勇者は6人で一人でも欠けても、増えてもいけない。必ず、6人なのだ。
だがしかし、集合の祭壇に集まった六花の勇者は何故か7人いて――!? すなわち、それは誰か一人が偽物ということになる。ミステリーファンタジーの開幕!


 戦う司書シリーズ戦う司書と恋する爆弾 BOOK1(集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 山形 石雄 (著); 前嶋 重機 (イラスト); 集英社 (刊)でお馴染みの山形先生の最新作!
これはかみおーさんのところの記事を見てから、ずっと読みたいと思っていました。ミステリーとファンタジーの掛け合わせ……いいじゃない。

 最初に総評を言うと、これは読まなきゃ損! ですね。
ミステリー色が強くもありながら、ファンタジーの剣や魔法のわくわく加減も忘れてはいない。
バトルもスピード感があってすばらしい。
まさにSD文庫はたまにこういうの出してくるから侮れないんだよなー。

キャラ立ちはいいです。
7人もいますがすぐに覚えられます。
・アドレッド……主人公。勝つためなら卑怯な手もいとわない。小細工型ヒーロー。
・ナシェッタニア……某国の姫。剣の聖者。ちょっと世間知らずな面もあり。
・フレミー……火薬の聖者。実は魔族と人間のハーフで、魔族に育てられたが裏切られたため、憎悪を抱き復讐に走る。
・ゴルドフ……ナシェッタニアの国の寡黙な騎士団長。
・チャモ……当代最強と目される、沼の聖者。ロリ系。戦い方は、自分の身体の中の沼を嘔吐して、そいつが自由意思を持って戦う。ちょっとこのロリは萌えないかな……。
・ハンス……猫のような風体の、変ななまった喋り方をする男。実は暗殺者だが頭も切れる。
・モーラ……山の聖者。この中では一番年かさ。

 まあ最初に思ったことは、誰か一人が偽物の六花の紋章をつけてるんだから、水で洗えよ。ってことでしたね。それとも現物に忠実に、刺青にでもしてあったのかなー?

 ここから下は犯人のネタバレありなのでお気をつけを。









 いやー、やっぱりナシェッタニアが犯人でしたね。
こんな感じで、ミステリーが苦手な私でも犯人がわかるぐらいです。

 中盤にかけてアドレッドが結界の仕組みをおさらいしている場面を読んでいるときにピンときました。
地域一帯に魔物を封じ込める(=中の人間も出られない)結界が作られたと錯覚させて、神殿に解呪を施そうとしつつも、実は新たな術式で本当の結界を施そうとした――イコール最後に石版に触ったナシェッタニアしかいないだろう、と。

 でもあやうくプロローグの「アドレッドさん、貴方のこと……信じてたのに!」という台詞と、アドレッドに最初に近づいてきたという「こいつがヒロインか!?」要素に惑わされそうになりました。
本当のヒロインはフレミー(女・火薬の聖者)って時点で気づくべきだったよなー。もしくは表紙のフレミーを見た時点で。

 それにしてもゴルドフ不憫すぎる……。ナシェッタニアを信じてここまでやってきたのに……。

 それでもナシェッタニアを退けた最後の最後のエピローグで新たな、ロロニアという少女がまたまた「六花の紋章」を携えてやってきます。そして「あれ……ところでみなさん、なんで7人もいるんですか?」とくる訳ですよ! 最初にふりだしやんけ!
話が全然進まなかった気がするので、このエピローグのエピソードはいらなかったなー。とっとと6人で魔神を倒しに行って欲しいです。
 その点を加味して星4つ★★★★☆ですね。

 いや、でも本当に面白いんで、是非読んでみて下さい!

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2011年01月25日

ニーナとうさぎと魔法の戦車1巻/兎月 竜之介

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魔法の戦車は、首なし戦車

 戦争孤児のニーナは食べ物を盗みに結婚式会場へとやってきた。運悪くそこで見つかり――殺されるかと思ったら、なんと女ばかりの戦車隊の隊舎に連れて来られた!? そこでは風呂に新しい服に食事が与えられ――そしてニーナは女隊長にこう紹介された「みんな、新しい砲撃手が見つかったぞ!」――と。第9回SD新人賞「大賞」受賞作!


 この作品は一言でいうなら、荒削りの一言ですね。
文章的には、これなら「二年四組交換日記」の方が上ですね。

 まず、3人称視点なのに思考がいきなり飛び飛びで読みづらい。例を挙げますと、
(ニーナの視点)「ラビッツが出動している間、サクラさんはすごく暇そうだな。そんなことを思い浮かべているときだった。」
(誰かの声)「伏せ――」
(誰かの視点)「危険を察知したドロシー。」(ここでやっと↑の台詞がドロシーだとわかる)
(けれどすぐに入れ替わって神の視点)「だが、それでも遅すぎる。先頭を走る重戦車ばりの小隊が、突如として大爆発を起こして吹き飛んだ。」

……という風に。

 だがキャラクターが上手い。
主人公だけれども活発ではなく後ろ暗い過去がある所為でむしろ最初はネガティブ思考なニーナ、豪胆なドロシー、高慢ちきな貴族のエルザ、寡黙な実行者キキ、いつも眠たがりのクー。
テンプレと言えばテンプレなんでしょうけど、作者がこの5人に上手く役割を与えて好感が持てるように動かしているんですよね。
 
 あと上手いのは……というより題材的に上手くなくてはいけないのは戦闘描写。
ですが、私にはこれが少々ぎこちなく感じてしまいました。例えば、
「移動要塞から高らかに放たれるマドガルドの声。」「途端、火山が噴火するかのように山の斜面が爆発を起こす。だが、長距離砲が爆発を起こしたわけではない。」
 ここも、「移動要塞から高らかに放たれるマドガルドの声。」「ドガァァンッ!!」「途端、火山が噴火するかのように〜」と言う風に、間に擬音語を入れればいいものの、作者の癖か極力擬音語を入れないんですよね。そこが私が「荒削り」と表現した理由です。文章はまだこなれてないんだから、もっと擬音語・擬態語に頼ってもいいと思います。

 それとそれと……「女ばかりの戦車隊」ということで期待した方も多いのではないでしょうか?(笑)
百合描写も匂わせる程度にはあります。一緒にお風呂に入ったり、他の隊のオネーサマな双子がニーナを誘ったり。
 でも私が一番百合してるなと思ったのは、最終決戦のエルザとクーの仲の良さですね。
「クー、頑張って!」
「エルザ、レバーを……」
「あんなのは飾りじゃない。私はね、クーの手が握りたいの! あなたを励ましたいの!」
「……そういう情熱的な言葉、好き」
「二人はお互いの手を強く握り合った。」

どうですか、諸兄の方々。この仲良しさは。

 台詞回しも、展開もごく普通でそこまで上手くないんですが、一点褒めたいところがあります。
この作品、原題は「うさパン! 私立戦車小隊/首なしラビッツ」というんですが、ポップに恐ろしげですね。特に「首なし」というあたりが。みなさんもそう思われたんじゃありませんか? でも私は変えずにこのままで良かったと思います。
何故なら――
「私たちには人を殺す機会が何度もあったも、けれど、私たちは首なしラビッツの名に懸けて絶対に人間を殺したりはしなかった!」
「首なし……『奪った首が一つもない』……」
「大正解だよ、ニーナ!」

という大どんでん返し! これには驚かされました。ここが大賞として評価されたあたりだと思います。だからこそ変えて欲しくなかったなー。続刊も出たみたいだし、最初から続刊を視野に入れての命名だったんでしょうか?

 ともかく言葉で説明出来ないのがもどかしいくらい、「荒削り」な小説でした。まあそこは作者もだんだん、こなれてくるでしょう。荒削りにちなんで、あなたも平行世界のニーナに好物の「粗挽き」ソーセージでも送ってあげてください。
 星……4つに近い3つ★★★☆☆です。

posted by mukudori at 19:27 | Comment(6) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月12日

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない/朝田 雅康

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これぞまさしく、学級パズル

 私立伯東高校の2年4組は問題児ばかりを集めたクラス。そんなクラスを纏めようと、委員長が提案したのが「交換日記」だった。果たして交換日記は個性豊かな35人を纏めることが出来るのか――!?

 
 この作品、色々なところで好評ですよね。……生徒の氏名を特定する「パズル小説」として。
「ここ」からダウンロード出来るPDFファイルを印刷して使うといいです。
……ですが、天邪鬼な管理人はあえて初見はこの氏名一覧表を使わずに(口絵には最初にちらっと生徒の顔に目を通しただけで)読んでやろう! と思ったのでした。

 ……で、その結果はというと……惨敗でした。
人物の相関図は一応入ってくるものの、後半になるにつれて日記の呼び方があだ名から氏名に変わることが多くなるので(例:幸薄男→西くん)、頭の中で全然整理出来ない!
島さん? 中島さん? 誰それ! いっそもう最後まであだ名呼びで統一してくれ! ……ってな風に。
 つまり、名前で混乱しまくって話に入り込めず、全然面白くなかったです。初読は。

 
 ここからはちゃんとプロフィールシートを使っての再読。――これが面白い!
2度目ということもあるかもしれませんが、ちゃんとキャラクター名が理解出来る! 物語が追える!
ちまちまプロフィールシートを埋めて行くのが面白いんです! やりきった後には達成感がありましたね。

 でも苦言が少々。
この作品、SD大賞佳作なんですけど……審査員よく通したなwと思いました。私たち読者のように挿絵もプロフィールシートもあるわけじゃないのにw読むのが難関だったろうなーと思います。
 あと、活躍してないキャラクターが意外と多い。そりゃ35人も動かせるわけないだろ、と言われたらそうですが、登場させる以上はどこかで役割を与えないといけないと思うんですよ、作者は。
特に御三家弐とか、せっかく才女とかマドンナとか美味しいキャラいるんだから使って行こうよー。
それと委員長が口ばっかりなところもちょっとなー。みなもの強さを少しでいいから分けて行動して欲しかったです。
 それに加えて、読み終わっても35人の結束感が薄いんですよね。ただみんな自分のやれる範囲のことをやっただけ、って感じで。担任の愛川先生に少しは報われて欲しかったです。「あのバラバラだった生徒たちにこんな結束力が!」みたいな感じで。
 ついでにロシア諜報部はさすがに高校生の手に余るんじゃないかなー。ちょっと物語を拡大させ過ぎた感があります。

 ここからは萌えたキャラの話。
最初に口絵を見た時から気になっていた登校拒否児童2、みなもちゃん!! ロリなのに強くって男前で……素敵だーーーー!!!
「殺さないだけ、ありがたいと思えよ」

カッケエエエエエエェェェェェェ!!!
 それとあだ名的に次に気になっていた虐待男くんと濃い関係にあったのがなんともほほえましい……。イラストレーターの庭さんも「好きだ」と言っている通り、私もこの二人が大好きです。将来はもう、婿に行くしかないね! 久留米くん!!

 学園……いえ、学級パズルとはこういうことを言うんですよ、某靴大賞の先生
 
 とりあえず、活躍してないキャラクターが多いことと、物語のパズル的な面白さで相殺して星4つ★★★★☆というところで。

posted by mukudori at 22:01 | Comment(9) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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