2017年10月16日

よろこびのうた (イブニングコミックス)/ウチヤマユージ

ほぼ一年ぶりの更新はこれだ!!
ブログ名が「ライトノベルな日常」なくせして、漫画のレビューでスマン!
理由というか言い訳を述べさせてもらうと、前回の更新後の数ヶ月はブログを書いてる場合ではないぐらいに忙しかったのもあり、そこから個人的な興味で「このシーサーブログって何ヶ月記事を更新しなかったら広告が出るようになるんだろう?」というのを試したかったのもあります。
結果→「1年更新無しで結構大き目なサイズの広告が出る」ことが判明しました。
いやあSeesaaさんの制裁、なかなか厳しーさー。でも猶予が1年もあるってことは他よりも大らかですね。
どうせ下らぬ揚げ足取りのネタバレブログですし、今度もまた1年超更新無しでその後もまだ1年経ってもこのブログが復活しなかったら、私が死んでると思って下さいやし。うん、これちょっと切実な話な。


 それじゃあ久しぶりのネタバレレビューはこれだ! おまえら、この記事を読んだら今すぐベートーヴェンの第九をYouTubeでも自宅にあるCDでもいいから聞け!! 特にクライマックスの合唱の部分な!! ……そして涙……しろ。
ちょっとネタバレなんだが……このベートーヴェンの『第九』は別名(いや、『第九』って有名な呼び方自体が『交響曲第9番「合唱付き」』という『第九』の正式な名称の略称なんだけれども)あまりにも第4楽章の合唱の部分が有名だからそこを取って『歓喜の歌』とも言うんだ。『歓』の字だけに何かの送り仮名を付けて訓読みで読むと何と読むかな……? というのを知っておくとこの漫画を読む時に少し泣けるし、知らない人は二度読みする知っておくとシンプルな絵柄であるこの漫画に散りばめられた伏線に気付いて読んでいる最中にも泣けるよ! 
漢字に広い人は「ハァ、それが? 何を当たり前のこと言ってんだよ」と鼻で笑うかもしれないけれど、おいら的にはこの漫画を初読する人も、二度読みする人にも知って欲しいマメ知識だ!
あとはドイツ語(第九の合唱の部分でも可)に少し詳しい人なら最初の部分とクライマックスのちょっとした作者の手描きによる第九の歌詞の部分もあるから余すところなく読んで欲しいね。

よろこびのうた (イブニングコミックス) -
よろこびのうた (イブニングコミックス) -

 最果てへ、ゆこうか?

 北陸のとある県にて、老夫婦の心中事件が起こった。世間の見解では、「認知症を患っている妻の介護を苦にした夫による無理心中」との見方が強かった。そしてこの事件を切っ掛けにして、世間は『老老介護問題』を周知して行くことになる。だが、この事件の舞台自体は辺鄙な田舎……どころか限界集落と呼ばれるほどの田んぼばかりの村であり、情報を持っていそうな親戚なども余所者であるマスコミたちをインタビューさせないどころか水をぶっ掛けるほどの完全シャットアウト状態だったので、すぐにブンヤたちはすぐに去って行った。そして数年後。都心の小さな出版社に勤めるまだまだ若い記者の青年がこの事件を引っ張り出して来て、『老老介護問題』の取っ掛かりになった『あの事件』をより知ろうとして例の村へとやって来るのだが……。


 ここから下、ネタバレあらすじー。ただし本書自体は現在母に貸していて記憶で書いてるので、詳細な部分が違っていたりしてても目を瞑ってクレマンソー。

 都内の雑誌記者の青年、近いうちに結婚を控えているが『あの事件』を今ならもっと詳しく知れるだろうと思って特集記事の一部にするために事件の舞台であった北陸へと行き、そこで警察や村民の態度が明らかにおかしいことや、変な場所にある車のブレーキ跡などに疑問を抱く。そうしているうちに頑な態度を軟化させてくれ、家に上げてもらえてようやくインタビューさせてもらえたのは心中した夫妻の義弟だった……。→認知症(昔は痴呆とも言っていました)を患っている奥さんを介護する旦那さんという年老いた二人暮らし。二人の間には子供は無く、ホームヘルパーも雇ってはいたが奥さんは認知症の症状のために他人が自宅に入ることを嫌がるため、なるべく旦那さんは自分だけで献身的に奥さんを介護しつつ、先祖代々の田んぼの手入れも軽トラに妻を乗せて来たりして常に目の届く範囲にいるようにしたり……と、夫は別段奥さんの介護を苦にも思っておらず二人は仲睦まじく暮らしていた。→本当に田んぼや畑ばかりで村人……というかお隣さんも数百メートル先といった有り様の村。そこには妻はおらずに自分の子供の養育手当を使い込んでは酒と競馬に使い込み、小学校中学年〜高学年の一人息子に満足な食事も与えず、気に入らないことがあれば暴力で黙らせる『赤星(あかぼし)』という父子家庭があった。いわゆる、虐待家庭である。狭い村であり、昔から住民の顔ぶれは減るばかりではあるが変わっていないので他の住民もその息子が虐待されているのは知っていたが「余所様の家の中までは口出し無用」といった『悪いムラ社会』の空気の中で赤星の息子は耐えつつも日々小学校に通いつつ、生きていた。→こんな辺鄙な村でも、小さな商店はあった。旦那さんはそこでいつも歩行能力をほぼ失った奥さんの介護用おむつや自分の嗜好品のタバコを買っていて、店主とも昔馴染み。梅雨の時期だったので少し離れた駐車場にセダンタイプの車の助手席に奥さんを乗せており、クーラーを点けておくためにエンジン掛けて待たせていた。そこに赤星(父)が酒を買いにやって来る。店主に「ここの酒は高い」「自分は上客なんだからもっと安くしろ」などと難癖を付けていたら、そこに村でも強面であり旦那さんの妹を娶ったのでいわゆる義弟関係にある板金屋が現れる(が、その妹本人は癌ですでに亡くなっているので実質的にはもう他人同然でもある)。ヤクザとも繋がりがあると噂されており、眼光でも腕っぷしでも敵わない板金屋が赤星(父)に対して苦言を呈しているとそそくさと退散する。すると駐車場の前の道路辺りで「あ! あの野郎の所為でツマミを買い忘れた!」と踵を返した赤星(父)は帰宅途中だった息子と鉢合わせし、その姿を見た赤星(父)は激昂して息子に「お前がいねぇからわざわざ俺が自分で酒も買いに行ったし、ツマミも買い忘れるし、あの野郎に馬鹿にされたんだ!!」と、雨がしとしとと降る公道の場で暴力を振るい出す。奥さんはそれを車の助手席から見ているけれど声は出せず、しかもその存在を赤星(父)に認識されて「そんなにじっくり見やがって、そこまで面白えんならもーっと見やがれっ! どうせ寝て明日になりゃ全部忘れるんだろうがボケババァッ!!」と、より息子への暴力を苛烈なものへと変えてゆく。奥さん、赤星(父)のその発言で自分の存在によってより酷く凄惨なものになったと認識した赤星(息子)への暴力を見ているだけの自分に耐え兼ねたのと赤星(息子)が口の動きで「たすけて」と言っているのに気付き、まともに歩けはしないがエンジンが掛かっている車の運転席へと倒れ込むようにしてハンドルを両手で握り、車を猛スピードで発進させる。
当然、赤星(父)に向かって。路上にて盛大な音が響き、商店にいた旦那さん、店主、板金屋もようやく事態に気付いて出て来ると――奥さんは運転席のエアーバッグによって無事だったが、赤星(父)は車のバンパーと山を切り拓いて作った道路のコンクリート壁に挟まれており、折れた骨が臓器に刺さっているであろうことや最初に追突されて挟まれた時のショックで即死だったろう、と目を見開いたまま動かない赤星(父)を板金屋が一見しただけで診断を下す。旦那さんは周囲のみんなに「妻は取り調べや裁判の場や刑務所なんかもこの身体では耐えられないから自分がやったことにしてくれ!」と言うがみんなは首を振る。けれどそこで板金屋がしばし考えて、「それだけの覚悟があるなら……俺が手を貸す。ここにいる俺ら全員が共犯だ。全て無かったことにしちまおう」と絞り出すように呟いた。→三人で急いで事故った車と赤星(父)の遺体を隠す。この時点で狭い村だし昔からの馴染みだし知識も豊富だし……ということで毎朝赤星(息子)が生傷をこさえながら憂鬱な顔で登校しているのを妻と一緒に「また父親にやられているのか……」と傍観していたすでに定年しているが元役所勤めの人間にも話を伝えて共犯に加える。そして実は板金屋は赤星(父)が怖がるぐらいだから当然というか、昔はかなり荒れていて自分の妻にもあまりよくしてやれずに借金をこさえたり、その妻が病気になった折にやっと夫としてなんとかしてやろうとしたがすでに病状は末期で手遅れだったのを悔やんでいた。なので旦那さんたちとの義弟関係は消滅したが、今は亡き自分の妻(旦那さんの妹)に苦労ばかり掛けてよくしてやれなかったという罪の意識もあった。亡き妻の治療費には旦那さんも援助はしてくれたがそれでも足りなかったので工面するためにヤクザと繋がってかなり危ない仕事もしていた。今では現在の自宅兼工場の立地とその腕を見込まれて銃痕などのある高級車を大型トラックなどで深夜に自分の工場に運ばれて来ては同じく運ばれて来た純正部品と交換してなるべく新品同様に直す……という、表の工場では直せない仕事を妻亡き後もずるずると請け負っていた。そこで使っていた濃硫酸に近い板金屋特製のものを、赤星(父)の遺体をドラム缶に入れて蓋も溶接して塞いだ後は小さな穴からそれを4人で代わる代わる漏斗で入れて骨まで溶かした。まるでそれが4人での犯罪の誓いの証明だとでも言うかのように。終わった後の溶けた遺体は、板金屋がヤクザが車修理の際に依頼の折に出る廃液を回収してくれるのでそれと一緒に回収してもらう、と言う。→遺体処理の後はすでに夜中になっていて、奥さんは気絶していたのを自宅ベッドに寝かせて元役人の妻に赤星(息子)共々、見てもらっていた。旦那さんが奥さんが目覚めたのを確認し、事故のことをさり気なく尋ねると「何のこと?」「何かあったの? 憶えてないわ」と言うので旦那さんたちは一安心。しかし赤星(息子)がうたた寝をしている居間でその子について「どう説明するか」「父親を殺されたことを恨んだらどうする?」「引き取り先も考えなければ……」……などと話し合っていると、寝ていると思った赤星(息子)が突如起き上がって「違います! 僕はそんな事思ってません。むしろあのおばあさんに助けてもらって感謝しているぐらいです!! だから全部黙ってます!」と涙ながらに訴えた。4人は警察、地域の役人には「父親が数日帰って来なくて保護している。昔から放蕩癖のある自堕落な男だから恐らく失踪したのだろう」と、酒瓶や競馬新聞やカップラーメンの空などのゴミばかり転がっている汚い赤星家の中まで見せて説明した。そして赤星(息子)が引き取られる先は村民全てが檀家となっている寺へ。そこは奥さんが中に飾られている『地獄絵』の屏風を見に行くのが好きな場所でもあった。この寺に引き取られる決め手となったのは、そこの住職の娘がつい先日離婚して、幼い子供(住職の孫娘)と一緒に帰郷して来たのだった。何故なら、その娘の結婚相手の夫は結婚当初は優しかったがややもするとDVをするようになり、最近になってから自分の見えないところで幼い娘(住職の孫娘)を虐待しているのが判明したから離婚して帰って来たため、住職の娘は他人事とは思えずに「何それ! ひどい、立派な虐待よ!」と赤星(父)をなじり、赤星(息子)を慰めて自宅へと喜んで迎えた。→赤星(息子)はそうして自分の幸せをようやく手に入れたような心境でいたが、ある日寺の本堂にて奥さんがいつものように旦那さんに連れて来てもらって趣味の『地獄絵』鑑賞をしている現場に出くわす。そこで奥さんが認知症の所為で事件のことは忘れているというのは『あの日の夜の寝ている振り』の時に知っていたので周囲に他に誰もいないのを確かめて、「あのぅ、おばあさんは憶えてないかもしれませんけど、ぼくは今すごく幸せに暮らせているので本当にありがとうございま……」「駄目よ、お礼なんて言っては。私があなたのお父さんを殺してしまったこと、あなたはきっといつか恨む日が来るから」と奥さんはしゃっきりとした口調で赤星(息子)の言葉を遮った。奥さんは、憶えていたのだ。だからあの事件からこれまで毎日、奥さんは認知症の症状ではなくて悪夢に魘されて夜中に目が覚めて飛び起きていた。――そして本堂の影で旦那さんも、この会話を聞いてしまっていた。→旦那さんは自分も、奥さんが自分が目を離した隙に良心の呵責に耐え兼ねて首を吊っていたり……という悪夢を見るようになって魘されるようになる。また、旦那さん自身も前々から高血圧に悩んで通院しており、ついに病院にて医師から危険域に入ったことを宣告される。覚悟した旦那さんはある日、いつものように自宅で過ごしている時、恒例となっている二人でクラシックを楽しむ時間の中、普段通りの口調で奥さんに告げた。

「お前、憶えとるんじゃろう?」

 ――と。
奥さんは一瞬硬直して言い訳を考える顔になるが、やはりそこは長年連れ添った夫婦。すぐに肯定した。それを見て旦那さんは更に続ける。
「すまんなぁ、遠回しに言うたり訊くのが苦手で。自分も血圧がもう大変だと医者先生に言われたんじゃ。けれどお前独り置いて行く訳にはいかん。だから――一緒に死んでくれるか?」
 それはとてつもなく残酷でありながらも、そんな単語の上っ面の意味など楽々と含包するほどの愛情に満ちた、旦那さんなりの奥さんへの二度目のプロポーズのような言葉。
死んで当然のような男でも、殺人を犯してしまったことを認知症はそんなに都合良く忘れさせてはくれず。苦しむ妻のことを知っていても黙って見守るしかなかった旦那さん。けれど自分にも病死の危機が迫っているのを知って、選んだのは心中。
 そこからの二人は終活≠ノ向けて準備を始める。二人とも悪夢を見ることも少なくなり、死ぬ時期や方法を決め、住職の娘さんが「正式にうちの子にならない?」と打診した赤星(息子)へと出来れば自分たちの遺産が渡るようにと遺言書を作成しておき、もう面倒を見なくても良い田んぼの種籾から作った塩むすびを食べて「美味しくて幸せ」と言ったり、心中の時期が近くなったら季節も考えてと久しぶりに少し遠出して豪勢に旦那さんの身体のことも考えて控えていた天麩羅蕎麦(つけ)を食べに行ったり……。こんな日々の中で心なしか奥さんの認知症の症状も以前より良くなって来たように旦那さんも周囲も感じているという皮肉。
 最後まで「他人に迷惑を掛けないように」と考えていた二人は(主にやったのは旦那さんだけど)、共犯になってくれた3人にも死ぬ直前にそれぞれの自宅のポストに手紙を入れて別れを告げる。
旅立ちの場所は、この村の田んぼの真ん中にある先祖たちが眠る墓たちの中に聳え立つ、とっくに廃棄された昔ながらの直火式火葬場。そこまでは車で行って、旦那さんが予め用意していた薪を組み、灯油をぶちまけ、寝転んでも痛くないように毛布も敷いたけれどもそこにも早く火が回るようにちゃんと灯油を滲み込ませ……。準備が終わるまで車の中から奥さんは旦那さんを見守っていた。そして旦那さんは奥さんをそこまで手を引いてエスコート。
 田舎でしかもこんな場所なので周りはしーんとしたもの。赤星(父)を轢殺したセダン車から警察にバレないようにするために「妻の車椅子を載せるために」という理由を付けて買い替えた車のエンジンは点けたままで、それを使ってなるべく自分たちの死体を早く見付けてもらうように、と旦那さんたちはいつも聞いていたベートーヴェンのCDを車のオーディオに入れて、リピート設定にして最大音量で掛けておく。
 周りに響くベートーヴェン交響曲の数々。けれど火葬場の中に入って分厚い鉄のドアを閉めてしまえば、それも二人にはかすかにしか聞こえない。寝転んでみると旦那さんは「さすがに毛布に灯油を滲み込ませたのは臭いから失敗したかなあ」という軽口も叩けるほど。でもやっぱり点火の前には奥さんに「本当に睡眠薬なんかはいいのか?」と気遣うけれど、奥さんは「いいんです。苦しまずにあなたと死ねるなんて、そんな幸せなことがあったら堪りません」と言いながらお寺の『地獄絵』にある、龍が口からの炎の息で亡者を焼いているのを思い出していた。旦那さんも頷き、時刻は日付を少し過ぎた頃についにマッチで点火がなされた。季節は冬。外も中も同じぐらいに寒いので二人は身体を丸めてくっつきながら。
    外では高らかに鳴り響くベートーヴェンの交響曲第九番の合唱部分、『歓喜の歌』。

「これがお前が嗅ぎ回っていた事件の真相だ」と板金屋の家に上げられて出されたビールに仕込まれていた睡眠薬により、いつの間にか青年記者は縛られていて目の前には共犯の3人が揃っていた。そして板金屋たちは青年記者に問う。「別に今ここでお前をどうこうするつもりは無い。お前がしつこいから全部話してやっただけだ。ただ、お前が自力であの人たちのことを暴く前に俺たちが先手を取って『全部話した』ことの意味を寝転がってる今、よく考えろ。そして街に帰ってからこのことを記事にはしねえと確約しろ。もしここで口先だけで約束して記事にしたら……後でてめえやその家族がどうなるかぐらいは理解しておけよ」ほぼ脅迫のようなものだったが、青年記者は真相を聞かされてからは意外とすんなりと受け止めていた。そして無事解放されて町のホテルに戻ると、携帯には電話着信やメールだらけ。それらのほとんどがすぐ間近に結婚式を控えている自分の恋人からのものだった。『たしかに仕事で間に合わないかもとは言ってたけど、本当に今日のドレスの選びと試着の予定もすっぽかすんだから! ギリギリまで待ってもあなたと連絡が着かないから、背格好も同じぐらいなあたしの弟を連れてあなたのタキシードの選定をしたんだから! 本番で似合わなくっても我慢してよね!』という写メまで添付されたりしたお怒りの文言たちだった。青年記者は自分にも心だけでなく書類上と周囲から認定と認識されて近日中に大事な伴侶が出来ることについて改めて考え、生涯を連れ添って生き……そして共に死んだあの夫婦について思い耽り、自分の大切な婚約者へ謝罪ととりあえずご機嫌取りをするために電話を掛けるのだった。

 終わり。


 この話は確かに赤星一家のことで胸糞展開がありつつも、そこに至るまでの構成と限界集落や老老介護の在り方などの要素が含まれていて、最後の展開が分かっていながらも最初から旦那さんと奥さんの幸せそうな……『まさに理想の老夫婦像』を見せられているので、なんとも考えさせられる漫画でしたね。
 私個人の感覚が偏っているとかおかしいと言われてもいいですが、個人的には赤星(父)がドクズなキャラクターとして描かれているのでどうしても「こいつぐらいなら殺してもいいだろ。つか、なんでみんなそんなに罪の意識感じるんだろうか?」と思って、あのシーンは周り(奥さんと赤星(息子)も)が完璧に口裏を合わせたら、奥さんだけが警察に捕まって取り調べをされていればさすがに一人殺してるけれども認知症もあるのだからギリギリ懲役回避出来るんじゃね? とか考えたりするんですが。
でもあの奥さん特攻のシーンではかなり疑問があるんですよね……。私はそんな車に興味は無いので旦那さんが奥さんを乗せて待たせていたあれがセダンタイプの車(たぶんトヨタかな?)ってことぐらいしか分からないのですが、さっきまで駐車してたのに……奥さんシフトレバー、いついじったっけ? コマ見る限り、奥さんって助手席から右に倒れる感じでハンドル両手で握って車発進させてるんですよね。ええ、両手で。しかも体勢は運転席の方に少し傾いてハンドルだけ握った感じでほぼ移動してないっぽいし、歩行機能落ちてるならアクセル……どうやって踏んだの? しかもあんな急発進して逃げる暇も無く追突して殺せるくらいの猛スピード。だから↑でも奥さんがしっかりしてて赤星(息子)が「おばあさん、助けてくれて本当にありがとうございます。でもあのクズの所為でおばあさんの手を汚させてしまってすみません。でも、あのままだったら僕が殺されるところでしたから。だから僕はなんとでも証言します。今後、僕が枕を高くして眠れるようになるためにも(←これは奥さんのための詭弁)、嘘をついてでもどうか捕まらないでくれませんか?」とか言ってれば、「奥さんウトウトしてて横に倒れたらシフトレバーに『偶然』お腹が当たってシフトがドライブモードに入り、そのまま座席とシフトに挟まってジタバタしてたら『偶然』身体が運転席の方に落ちて行って『偶然』手がアクセルペダルを思いっきり押しちゃったぜ! テヘペロ☆」で旦那さんが保護責任を問われて、まだ『老老介護問題』が周知&問題視されてない頃だからそこを突っ込んで争えばイケルと思うんだけどな……。しかしこの案の場合、奥さんの身体がエアーバッグでほとんど保護されてないのになんでほぼ無傷? とか警察が疑問視しそうでもありますし、奥さんの認知症の程度も問われて裁判が最高裁まで行きそうな気もするので裁判中ずっと旦那さんへの深い愛で「わたしはいつも、貴方へそんなにも負担を掛けていたのねえ……」とこれはこれで悪夢で魘されて奥さん不眠になりそうなのと、奥さんの本来の性格がやはりこんな計画に乗るほど私のようにクズじゃないので無理でしょうね。
 というか元々、定年したとはいえ辺鄙な村の中に顔見知りの役所の人間がいて毎朝赤星(息子)を見掛けては「あら見て、お父さん。あの子、また……」「……ああ。またあの父親にやられちまったみたいだな」とかお前ら呑気に会話してんじゃねえよとは思いましたね。この元・役所勤めがさっさと知り合いの伝手を使って児相のお偉いさんのところまで連絡して、赤星(息子)を保護させてれば最初っから全て解決でこんな悲劇は起こらなかったと思うんですが。赤星(息子)の児童手当も使い込んでるし、まともな食事も与えてないし暴力振るってる時点で緊急性アリだと思うのですが。赤星(父)の遺体処理した後に失踪したように見せかけるため、アリバイ作りも兼ねて公的機関の人間を家に呼んでもすんなり「(そりゃこんなゴミ溜めの家に住んでて呑兵衛で競馬にずっぽりハマってる親なら失踪してもおかしくねーわな)」みたいな感じで納得して通ってるぐらいでしたし。
「通報をしなかったのは『村社会』ゆえ、元・役所勤めはそんなコミュニティ関係を壊したくないから」という意見もあるとは思いますが……赤星(父)はそんなコミュニティ関係すらも自ら壊しに行ってますからね。ただでさえ人の数少ない集落の集会にも顔出さないわ、地元に根差した商店であっちもカツカツでやってるのに難癖付けて値切ろうとしてるし。
 でもって奥さんは信心深い人だったから『地獄絵』も好きでお寺にもよく行ってたから罪悪感を人一倍抱くようになったから記憶も残って魘されるようになったんでしょうけど、やっぱりお寺で再会した赤星(息子)が言おうとしたお礼の気持ちは本音であり本心だったと思います。これまで赤星(息子)はあの村の中で大人たちは自分の家のこと、父親が暴力振るってくることを知ってるくせに自分を見て噂するだけで、商店で酒やツマミやらの買い出しに行かされる度にそこの店主も何も言わずに子供に酒を売って……で。学校の教師たちも当然見て見ぬ振りだったんでしょうね。
で、外で暴行されてて初めて目撃者がいるシチュエーションになり、それがたまたま奥さんで、もしかしなくても小学生の自分より非力な老婆かもしれないけど口は「たすけて」と頼ってしまうんですよね。家で二人だけなら加害者(父親)に「すみません」「ごめんなさい」とか謝罪の言葉を述べて耐えてれば時間の経過を待つだけで済むんですが、家などの密室でなくて家族や親族以外の他人の目があれば「助けてくれるかも」なんてほんの少しだけの期待を抱いてしまうんですよね。
ただ、幼少期はひどく甘やかされていて愛情による洗脳をされてからの手のひら返し虐待でよくある「ママやパパは昔は優しかったから、今の状況は自分が何か悪いことしたのがいけないんだ」の思い込み被虐待児以外に現在の状況を理不尽に思っていても虐待を耐えて受けているしかない幼い子供は。奥さんは「あなたはいつかきっと、父親を殺した私のことを恨む日が来るわ」と言っていましたけど、その後のコマがすぐ旦那さんが影で聞いてて奥さんの記憶の真相を知ってしまうシーンになっているので、構成上仕方ないのかもしれませんが、十中八九、赤星(息子)は反論してたか大恩のある奥さんの言葉なので黙るしかなかったと思うなあ。それまでの状況を考えても、赤星(息子)はあのあと自宅に帰っても腹の虫の治まらない父親による一方的なリンチで殺されてもおかしくなかったと思うので。

 そんでこの漫画は題材が実在した事件を元ネタにしていまして、後書きのページで作者が「事件のキーワード(取っ掛かり)を借りただけで、あくまで最後に至るまでの内容は自分の想像で描いただけです」と言っているのですが、この後書き漫画を読んだ後の自分の感想としてはちょっと言い訳がましくて見苦しいと思いました。
いくら作者がそこで「フィクションです。事件で着想は得たとしても中身は100%フィクションで自分の想像で描いてます」と言い張っていても、作者の勝手な創作活動でほんの十年程度前に実在した『実際にあった事件の人々≒作中のキャラクターたち(少なくとも旦那さんと奥さんは実在していた人々)』に内容的にもえぐいことをやらせてるんですよね。死体に鞭打つどころの行為じゃないというか。遺族の方々すらも「この板金屋ってあの人がモデルかな?」「旦那さんにご兄妹はいないけど、奥さんのほうに妹はいるよねえ……こっちは生きてるけど(笑)」などと読んだら近しい人々は想像してしまうでしょうよ。だから遺族や関係者各位やご近所の人々からクレームが来て廃版になったのかな、とも邪推してしまいます。
 これもあってなのか今回の本自体のリンクは電子書籍版しか貼っていませんが(というか紙版はネットショップには新品の在庫がどこも無いのでこれしか貼れない)、自分は幸い紙書籍版を手に入れることが出来たのですが扱っていている事件が事件だけに紙書籍の方はおそらく初版分を発行してから反響がかなりあったものの、その内容自体の倫理観を問われたゆえに読みたい人たちの声とそのテーマを伝えたい気持ちが作者や編集にもあったから電子書籍という形で今は読者に渡っているんでしょうね。
だから紙書籍版の新品は現在なかなか手に入れることは困難です。自分もデカイ本屋巡りをした挙句、最初っから無いだろ……と思って候補から外していた近所のTSUTAYAにて見つかるという奇跡w 中古書店ならまだ売っているみたいですが、大手チェーン店ならともかく個人中古書店はやはり価値を理解っているみたいで、帯付きの物は特に結構イイお値段で売ってましたよ(笑)。
 あと自分は電子書籍屋を利用しないので知らないのですが、帯のキャッチコピーも秀逸です。そしてこれは紙版を所持している人間だけの特権(と言うと鼻に付くような言い回しになってすみませんが)ですが、読後にカバーを外すと……なんていうかもう、怖いというより、切ないです。
自分は電子書籍サイトはたまに「ジャンププラス」の無料立ち読み漫画を読んでるぐらいで他は使ったことが無く、文庫やコミックスを購入するとどうなっているのかという勝手が分からないのですが、紙版購入してから着手する前にいつも通りオマケを探す感じで(オタク思考)ちらりとめくった時に表紙の仲睦まじげな夫婦二人の姿が一瞬で「うわあぁっ! おぉぉ……」となる瞬間は、バンタム級ボクサーにすれ違いざまに顔面にパンチを喰らったような衝撃でした。
読了後にまたカバーをめくってその下を見ると今度は「うわぁぁ……。なんでだよぉぉ……なんでだよぉぉ……」と今度はヘビー級のボクサーに腹にズドンと重いのを一発喰らってもんどりうってる感したね。それほど腹……いや、胸に「クル」けどでも最初に気付いちゃってるからやっぱり見てしまう。

 自分にとって『死』についての倫理観を今一度考えたり、構成は上手いけれどもそこを作者にも訊きたくなること(この時点で作者の思うつぼなんでしょうけれど)、あらゆる社会問題への提起が詰め込まれている中身……だけれども所詮それは紙の上であるのでそこについてもまた自分が考えさせられてしまう内容。
判断に困りましたが、傑作ではあるので星4つ★★★★☆。
実在の事件を参考にしたのではなくて作者がテキトーに作ったフィクションの事件であり、同じくらいにハイレベルな内容であり、そして今も世間で紙版を楽に手に入れることが出来るような環境だったならば5つ星だったんですがね……。惜しい!
posted by mukudori at 05:48 | Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月01日

ねじまきカギュー全16巻/中山敦支

 お久しぶりです、こんばんは!
本当に久しぶりの更新は、「ケモノガリ3連続」はちょっときつかったので、病床の上で軽く読めたオススメ漫画の紹介です。パソコンはともかくネット使えない環境で長期入院とか……マジ勘弁っすわw

 ところで、みなさんは生きている上でこの世の中には苦手なものがたくさんありますか? 私は当然、完璧超人ではない普通の人間ですからたくさんあります。そんなものに一度出会った時、みなさんは自衛をしてますか?
 例えば一度事故をして嫌な思いをした人が、もう一度、事故した現場に猛スピード&アグレッシブな調子で飛び込んで行くことなんて、普通ならやらないでしょう?
自分の考えと行動が絶対的に正しいと思っていても、自分や事故相手(たとえそれが電柱に掠る程度でも)をも傷付ける可能性があるという思慮が少しでも念頭にあるのなら、もうその道は避けるか注意しながら通り過ぎましょうよ。そうすれば誰も傷付きませんって。
 あと、商品の購入時などは注意書きなどをよく見てから買いましょうね。
初めて入った個人レストランで初めて頼んだメニューを注文して食べてから、「クソマズイ! 別にアレルギーでもないけど自分にとっては味が嫌いだから他のやつに取り替えろ!」と、店側が賞味期限の切れた食材を使っていたり衛生管理状態を悪くして調理してでもいなければ、店員も「それでは、これ以上食べないでください。今回は代金はいただきませんが、もしも次回がありましたらご注文は避けてくださいね」と、そりゃ暗に「二度と来るなよ」を含ませた慇懃無礼な対応にもなりますって。「ざけんな! お客様は神様だろ!」とクレームを付ける人は「ニーチェ先生」
ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ) -
ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ) -
でも読んでください。……まあこれはジョークですが(笑)。
そういうトラブルでお客も店側もお互い嫌な気持ちになるのは勘弁して欲しいでしょ? だからここもかなり前から、目に入るようなページには注意書きを載せています。
それとも個人レストランや個人小売店ではなくマニュアル重視なチェーン店であっても商品の搬入の最終決定は主に店長クラスですが「これの陳列状態はおかしいから、倉庫に下げるか改善しろ!」と苦情を言うのが製作者さんご本人であっても、店も面白そうで売れそうだと思う商品には仕入れに時間を割いて、金を払って、また陳列に時間を割いて立ち向かってるんですよ。
だから店が「オススメ品だ!」と思ったならば自信を持って紹介しますし、「いろんな部分が駄目だなあ……。しかし誰かが興味を持って見るかもしれないから、購入されそうな時にはこちらなりの姿勢で説明しておこうかな」というサービスをする店員もいるかもしれません。それがお客にとっては話を聞いて行くうちに嫌悪を覚える展開を予測出来るような押し付けサービスだと思ったら、拒否して逃げる権利がお客にはあるんですよ。強制的に椅子に縛られて、「これを買うまで帰さないぜ!」とでも言われたなら、もう警察に行ってください。
 いくら甘く甘〜く『嘘』という糖衣を被せた薬の方がその人には良くっても、過剰摂取すれば甘さは毒にもなります。苦い薬に当たってしまったら、口に入れた時点で吐き出して喚きますね。子供なら特に。
ですが大人なら、苦い薬も気にしないように我慢して飲み下せるし、次は前の薬は捨てて違う薬を選ぶか、オブラートに包んで飲むなりするのを、大人なら自分で取捨の判断が出来るんだから……ということを忘れないでください。
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中山敦支

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愛ってなんだろう?

『花は桜木学園(はなはさくらぎがくえん)』の新任教師でありながら、「変な女子にばかり好かれる」という女難体質の葱沢鴨(ねぎさわ かも)。貧弱で女子よりも弱いため、いつものように女子たちに追いかけ回されているピンチに現れたのは、蝸牛十兵衛(かぎゅう じゅうべえ)。中国拳法に似たものを使う美少年だと思っていたのは、なんとカモと小学校が同じで年下の幼なじみだった少女の『カギューちゃん』!? そしてカギューは「カモ先生を守るために強くなって中国から帰ってきた! だから約束どおり、将来はお嫁さんにして!!」と言って、カモの受け持つクラスに編入してきたのだった。


 カモ先生のネーミングについては、最初は「新撰組の芹沢鴨をネタにしたのか?」と思いました。まあそれも一因なのでしょうがカモの「一癖ある女子に好かれる」という設定で「鴨がネギを背負ってる」という意味だという、気付いた時にはくすりと笑えるダブルミーニングなネーミングジョーク。
 カギューも螺子形状に関係する拳法を使うので「ほほう、それで蝸牛(カタツムリのこと。または、人間の耳の鼓膜よりももっと奥にある、主に平衡感覚に関係する器官。カタツムリの殻によく似ている)という苗字か!」と唸るのですが……最終巻の16巻のオマケは嬉しくありつつもカギューとマブ姉の名前がなんで明らかに違うのか、とか二人の父親の所在について全く触れられていないこととかにはいろいろと疑問が余計に残るんですよね。

 今回の漫画は全16巻で完結しているので、1巻から最後の16巻まで美味しいところだけ取ったネタバレあらすじです。
 カモ先生、スケバンのゴツイ不良女をも女難スキルで魅了させて拉致られそうになったところでカギューが助けに来る。最初は男子だと思っていたが、カギューが螺子巻発条拳(ねじまきぜんまいけん)を放ったところで螺子巻拳を操るために締め付けていた身体中のサラシが取れて、女子だということがわかり、更に小学生の時にカギューが男子に名前のことでイジメられているところを助けた(ただしカモはその年下の男子たち多数組に負けた)時から仲良くなった。このカモの行動の背景には、両親を事故で亡くしたカモが当時担任だった女性の先生に助けられ、学校では一人ぼっちでコンビニ弁当を食べていたところをいつも一緒に先生が手作り弁当を作ってくれてお昼を食べてくれていたことで自信を付けたものがある。そして二人は仲良くなり、毎日一緒に遊ぶようになる。お互いの将来の目標を最初に出会った神社の鳥居に石で刻んだが、それからすぐにカギューは母親のいる中国へとおそらく本格的な螺子巻拳修得のために移される。その時にカギューは「再会した時には強くなっていて、自分がカモ兄ちゃんを守るんだ!」と決めていた。→再会後、カギューは花は桜木学園のカモの担当教室でクラスメイトとも仲良くなって学園生活を謳歌していた。カモの女難スキルによってのカモと仲の良いカギューに敵意を抱く女子もいたが、カギューの天真爛漫さや素直さとカモへの愛情の深さを理解させたりしてすぐに仲良くなったり。→しかしそこには、カモの親族の一員であり、3年生で風紀委員長で金持ち一族の一人娘な外見ロリータな犬塚紫乃(いぬづか しの)がカギューに難癖を付けてくる。その背景には紫乃も幼いころから親戚の集まり時には独りで遊んでいた紫乃を構ってくれたカモを好きなことがあって、それで「この学園では不純異性交遊は禁止だ!」と告げてカギューの友達たちと、紫乃の率いる風紀委員グループでバトル。結果的にカギューたちは勝ち、紫乃のロリロリな身体は、実は昔から父親からの次期総帥のための躾けによるものとカモがだんだん離れて行ったことでの精神的な閉塞感を持った理由のものだとわかり、カギューとのバトルの時にカモへの本音を言うと一時的に高校3年生らしい身体に戻った。その後は紫乃たちもカギューと友達になる。→しかしその際にカギューとカモたちに目を付けたのが学園の理事長の二千恵(にちえ)だった。ちなみにこの作品には珍しい名前有りの主要男キャラで、キリストの磔刑時のような茨の冠を常時着用。たぶん苗字の元ネタは「ニーチェ」だと思われる、のだが……有名な「神は死んだ!」、はどうしたよ……な矛盾スタイル(笑)。二千恵の一人娘の衿沙(エリザ)はカリスマ性のある学園の生徒会長で、「風紀委員を解体させたら学園の秩序はどうなるのか」、と糾弾してカギューとカモを学園のテロリストに仕立て上げた挙句、今度は生徒たちには自分たち生徒会が正義だと見せかけた上でカギューグループの戦いの場を作る。カギューたちが負ければ、カモはクビになるのでカギューは必死になる。この辺りでカギューの姉(本当の姉なのかは不明)である、マブルゥが中国からカギューが育ったか確かめにやってくる。ちなみにマブルゥはカギューと同じ螺子巻拳使いではありつつも、拳ではなく足技使い……でカギューに対するシスコンっぷりがすごく、この時点ではカギューよりも強い。生徒会戦ではボスの衿沙は自分の声帯に特性があって、それでカリスマ性をわざと作ったり生徒の心を操るようなこともしていた。しかし二千恵理事長はそれを「自分の本質をコロコロ変えて見せるなんて、個性の欠如だよね」と一蹴して、衿沙よりもカギューたちの方がやはり興味深いらしい。やっぱりカギューたちが勝つも、二千恵理事長に捨てられて精神崩壊し、幼児退行した衿沙を庇うためにカモは「僕は『あの先生』みたいに生徒を守れる先生になりたいんじゃなかったのか!」と思って全校生徒にはカギューたちは勝ったけれど、自分だけが黒幕で近くにいる手ごろな女子を操っていた、ということにする。その上で、衿沙に手酷いことをした二千恵理事長にカモは密かに「愛情を知らないあなたにはいつか本当の愛を教えてやる!」と覚悟した顔で宣言。→その後もカモはカギューグループ以外の生徒たちから白い目で見られつつも普通に学園に残って授業をしていた。生徒会戦の前に衿沙の出していた条件により生徒会が解体したので生徒会選挙があったりするけれど、あんまり話には関係ないので省略。とりあえず、カギューたちの推薦で紫乃が出馬してなんとか当選。ほとんどの仲間を書記やら会計やらの職務に就かせるが、カギューのことはカモに深く関わらせるためにあえて紫乃は外した。紫乃は二千恵理事長と前生徒会が推奨してきた『個性主義(キャライズム)』は撤回し、『平等主義』を何度も主張して生徒の心を掴んだから、カギューを近くに置いておくと、良くも悪くも素直なカギューはそれに縛られて、ずっとカモの味方でいられないと思ったらしい。→そしてカモは同僚で『黒幕宣言』をした後でも構ってくれている森(もり)先生という若い美人教師によって二千恵理事長の実の父親のいる場所の情報を聞いて、二人で会いに行く。そこは田舎の古びた療養所で、二千恵理事長の父親は二千恵の話を出すといきなり怯えたが、しかしカモの懇願と決意した瞳を見ると「もう、これきりにしてくれ……」と言って二千恵理事長が産まれた当時のことから話してくれる。二千恵理事長は産まれた時から母親には普通に可愛がられていたが、父親にはなんとなく異端児だと思われていて育って行くうちにしばらくは麒麟児として育っていた。だが、父親はしばしば子供らしくない部分を見てしまう。そのうち、「もう一人でもある程度の料理も出来るようになったから家事には心配ないし、家の財産も適度にあるし……」と呟いているのを聞いたその日の夕方、二千恵理事長(子)は家族3人が暮らしている家の前で近くの線路の遮断機が閉まっている中に靴がレールに挟まって閉じ込められているふりをして両親に助けを求めると、母親は二千恵理事長(子)を突き飛ばして列車に轢かれて死亡。葬儀の日でも泣かないのを不審に思った父親が「おまえは、母さんが死んでも……悲しくないのか?」と訊くとそれまではぶつぶつと「愛情がわからない……。僕にずっと愛を注いで犠牲になった母親が死んだのに、僕には愛情がわからない……」と言っていたのにいきなり嘘泣きをしたので本格的に自分の子供を気味悪がるようになった。しかし二千恵理事長が育って大人になって教職に就くようになると、同僚の女教師と付き合うように。その後、同棲したのちに結婚して子供(衿沙)を宿す。それで父親も「こいつにもやっと愛というものがわかったのか」と安心したら、出産予定日に父親に二千恵理事長から連絡があって、「子供は産まれたけれど、その後で医療事故があって母体は……」と暗い声で言われて、二千恵理事長が赤子も母体も連れてそそくさとどこかに行ったことを知り、父親は「まさか医療事故というのもあいつが!?」と、次は自分が殺される危惧をして教育現場から引退し、今に至る。実は……その衿沙の母親であり、二千恵理事長の結婚相手は、芙蘭(ふらん)という名前の……カモを救ってくれた恩人である女の先生だったのだ。そして森先生の新たな情報で、芙蘭先生が二千恵理事長の所有する島に植物状態でいるらしい、と聞かされてカモはカギューや森先生たちと一緒に、一度衿沙の見舞いに行った時に自分のことを「パパ!」と呼んで警戒心なく抱き着いてきた衿沙も連れて行った。前生徒会役員であった衿沙のクローンの双子姉妹にも芙蘭に会わせてやりたい、との思いから。もちろん、カモも『恩人の先生』に会いたいのは当然だったが。→島に着くと普通にさびれた感じの島で、山の上にあるのが二千恵理事長の屋敷だと島民から聞く。着いた時間は遅かったので、民宿に泊まって翌日に山を登ることにすると、眠りに入っていた夜半に大人も子供も……島民全員がカモたちを殺すために襲撃してきた。その初撃はいなして、ここの島民たちを養ってくれている二千恵理事長の命令だからだ、と言う島民たちをいかに無力化するか悩んでいると、そこに2人の少女が(しかし片方は熊ほどにデカくて筋肉もあって男かとも思うほど)。1人は二千恵理事長が世界中から探してきた最高の殺し屋の5人のうちの1人で、カギューが相対するも螺子巻拳が効かない『ジグザグ拳』というものを使ってくる。だがその殺し屋たちはカギューを殺さずに拉致したのでカモたちは追おうとするが、島民はその殺し屋たちに自分たちが逆に殺される、と怯えてカモたちを追って山狩り状況になるのでカモたちは山でばらけることに。バトルはまあ省略で、ほとんどカギューたちが勝ちます(というか、半分以上は森先生の功績)。カギューは(とりあえず)害の無い殺し屋が作った仮死状態になる薬を飲まされていて、そこからカモへの愛で現世に戻る選択をし、改めてジグザグ拳の使い手と対峙すると、静観していたマブルゥすらも「なんかに目覚めて綺麗になったな、カギュー。あ〜、喰っちまいてえなあ〜(あたしがカギューとバトルしたいぜ、の意)」と言ってしまうほど。そしてカギューがバトルして勝つと、カモと衿沙だけがその奥にあった部屋に入ることを許可される。中ではやはり芙蘭先生が眠っていて、熊似の殺し屋が「二千恵理事長に雇われてから薬に詳しい私がずっと診ているが、この人が植物状態から目覚めたことはない。無駄だとは思うが、もしも目覚めたならば好きにするといい。私はそこまで命令されていないからな」と言っていたが、カモと衿沙が近付いてカモが「先生、僕は昔の貴女の生徒で貴女に助けられた人間です。この子は、貴女の産んだ愛する子供の衿沙です」と言うと手がぴくりと動き、芙蘭先生が衿沙の名前を呟いて目覚めた。その時にカモはベッドの近くで指輪の箱のようなものの中に、少し曇った緑の丸っこいガラスの欠片が入っていることに気付く。船で陸に戻るとみんなが待っていて、双子たちも母親に抱き着いて泣いていた。衿沙の幼児退行状態もだんだと元の年齢に戻ることが多くなっていた。→そしてカモと森先生は、喪服を着た状態で二千恵理事長と会食の場を設ける。『愛』を教えるために。まずはカモからの「僕がこの場で一番、あなたのことを愛していますよ」から始まり、それでも効かない二千恵理事長に近寄ったカモは芙蘭先生を助けに行って、目覚めたことを告げると少し二千恵理事長が動揺したのを見て、懐から芙蘭先生のベッドサイドにあった『あの箱』を取り出す。中の緑のガラス欠片を二千恵理事長の胸に当て、「これは僕が小学生のころ、カギューちゃんと川で遊んでいて見つけて、恩人の芙蘭先生にあげたものです。昔は宝石だと思っていましたが、今見るとただのラムネ瓶の破片が水流で丸くなったものです。大人だった先生はそれを大事に受け取ってくれていた。普通なら、ガラクタにしか見えないもので、年月が経ったら捨ててしまうようなものだけれど、今もこうして存在している。……けれど、あの島の屋敷のベッドの脇にこんなに綺麗な箱に入れて置いてあるだなんて……結婚をしていたあなたになら、これを大事にしてくれていた思い出話をしていたことにも、この箱を眠る芙蘭先生の近くに配置していたことにも納得がいくんです。僕にはわからないことですが、もしかしたら出産後の医療事故はあなたの仕業でもないのもしれません。つまり二千恵理事長――あなたは確かに、芙蘭先生を……奥さんを心配し、愛していたんだそこまで聞いた二千恵理事長はふらふらとした足取りで「ご高説はもう……いいよ。ありがとう、カモ先生」と理事長室に入って行き、椅子に座る。そして眠気を感じると何故か上から自分の眠っている顔を見ていることに疑問を抱く。そう、この時点で二千恵理事長は安堵を得たためか死んでしまっていて、幽体で「ああ、これが愛情を理解している人間の顔なんだね」と分かって地獄へと旅立った。しかしその様子を監視カメラで見ていたのは二千恵理事長のクローンな少年と、生前の二千恵理事長が雇っていたあの島で生き残っていた殺し屋2人(熊女とジグザグ拳の女)。少年は「まあこれで一応愛はわかったから、次は……そうだ、衿沙の幼児退行から閃いた、『PTSD』とやらを理解したいね」と言いつつ、どこかの部屋から去った。殺し屋の少女たちを連れて。→その後、カモは森先生に「二千恵理事長の後釜はあなたよ。この学園の生徒たちを見守ってあげて。ただし、影からね。二千恵理事長は世界中に表や裏の人脈や権力があったわ。間接的とはいえ、彼を殺したあなたには、各国のいろんな思惑が降り掛かってくるだろうから、私の所属する組織が守ってあげるわ」と言われて森先生は姿を消し、カモは学園の理事長になるも、毎日の生徒への挨拶や集会への参加は常に大画面越しに。カギューや紫乃たちが必死に探すも、見つけられない。しかし森先生に出会ったカギューはカモの所在を問うと「あなたがあの学園を卒業した日の午後に裏門に来なさい」と言われた。その後はカギューは大人しく森先生の助言に従って、友達たちと学園生活を謳歌していた。→卒業式ではあらかじめ録画しておいたカモの動画がプロジェクターで映されて卒業生を激励。カモ本人は、『ある覚悟』を決めていてその光景をこっそりと2階の通路から見ていた。卒業式が終わった後で裏門に行くと、そこでは本物のカモがいた。カギューは「己(オレ)、卒業までちゃんと頑張った! だからもう、これ以上カモ先生と離れていたくないんだ!!」と叫んで逃げようとするカモに触れようとするが、それを阻止したのは森先生。彼女も得意体質で卓越した格闘術だけでなく、いろいろな効果をもたらす体液を出せたり液体にもなれる人間だった。しかしカギューは「人を動かすのは愛の力なんだ!」と這這の体でなんとか倒す。最後に森先生は満足した顔になり、カモがこの後すぐに自分が渡した毒丸にて自殺することを告げ、「私はなかなか死ねないけれど、貴女もカモキュンと同じように現実に耐えられなくなったなら、これを呑みなさい」と言って丸薬を渡してくる。カギューが理事長室に入ると、そこにはもう死亡していたカモの姿が。慟哭するカギューは森先生の言葉を思い出し、丸薬を取り出すと自分の口唇に挟んでカモへの初めてのキスと同時に半分に割って、「あなたのいない世界なんて意味が無いのに……」とお互い呑むようにした。→エピローグ。紫乃が総帥になった犬塚グループの経営する幼稚園では、これまでに敵から味方になって行った少女たちの子供たちが遊んでいた。そこに大きなリュックを背負って中国からやってきた幼い子供は――。


 ――はい、クソ長いネタバレあらすじ終わり! これでも短くしようと努力はしました……一応。
 巻数も適度にあって読み応えがあり、話のテーマ自体やキャラも好きなんですが……やっぱりなんとなく途中で設定の破綻とかが見えてくるんですよね。最後は駆け足過ぎて、その辺りが「やっぱりこの作品って、ウルジャンかヤンジャンか忘れたけどコミックスで換算するなら担当さんに最後の3巻分ぐらい前から宣告されてた打ち切りだったの?」とも勘繰ってしまったり。16巻なんかものすごくオマケがあるし。まあ、週刊少年ジャンプなら新人だと3巻も続いたら御の字ですよ。
 特に生徒会との対決が終わってからは「カモの女難設定どこ行ったよ!」とツッコミたいんですよね。その時点で気絶していた衿沙の洗脳能力が切れていたとは思うんですが、カモが独りで「テロリストなのはぼくだけだ! いやあ、この年ごろの女の子って単純だから騙すのも楽だったよぉ〜」と全校生徒に向けて下衆っぽく告げた時に一般生徒の女子たちのほとんどが「ええ〜。あの先生って優しいから好きだったのにこんな本性だったの〜?」とすぐに手の平返しをした時は、「衿沙が声で洗脳していた時はともかく、今でもカモを嫌いになるのか?」と疑問を抱きましたね。第1話の冒頭でもかなりの数の女子に追われていたカモなのに……。二千恵理事長が発端であり推奨している『絶対個性主義』の学校に通っているぐらいの女子なら、ほとんど結構濃いキャラしてんじゃないのか?
ラスト近辺では「森先生の正体にはもっと大きな謎があったんじゃないか?」と思ったぐらいに「貴女の本当の正体は……!」と言いかけたカモの言葉を途中で封じさせるぐらいの引きの強さを見せたのに、結構あっさりと日本の上層部から派遣された二千恵理事長の行動を監視するためのエージェントだったのはちょっとなあ……。その程度の、上から大臣ぐらいの人間が命令出来るような立場なのに、二千恵理事長所有の島での世界中から探して集めた5人の最強・最凶の殺し屋の下位とはいえ2人を同時に相手して一気に殺せる強さがあったのはちょっと……。自分でもラストのカギューとの戦闘時には「私はあえて言うなら最初からレベル99の勇者だったのよ」とか言ってたので、もう少し世界観の広がり……というか大物っぷりを見せて欲しかったなあ。オマケで出てきたカギューの母親ともし戦うことになるとどっちが強いのかも気になりますね。
エピローグでも二千恵理事長が「この双子たちは開発した衿沙のクローンだから二十歳ぐらいまでしか生きられないよ」と前に言っていたにも関わらずに生きていて自分たちとそっくりな子供を成しており、双子たちがまだ存命なこと。

 あと、この漫画はいろいろな意味で「濃かった」ですね。
週刊少年ジャンプで連載中の『斉木楠雄(さいき くすお)の〜』
斉木楠雄のΨ難 1 (ジャンプコミックス) -
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で確か結構最近の話だったと思うのですが、斉木の友人の不細工認定されている燃堂(ねんどう)がラブレターをもらった話で、共通の友人である海藤(かいどう)がそれを知って驚き、「1Pも使って驚きの顔芸すんな。手抜きだと思われるだろうが」とか心の中でツッコミを入れているんですが、『ねじまきカギュー』を読んだ後だったので「いやいや、こんなの軽いだろ……」と笑えもしませんでしたし、使い古されたオチなんだろう? と思っていたらそのとおりで冷静に読むだけでしたね。『斉木〜』は話によって当たり外れがあるからなあ……。
『〜カギュー』は主要キャラはほとんど女子なんですが、その表面的には優等生や可愛いはずの女子たちにも容赦なく顔芸や女の醜い面を出させてくる! しかも見開き2Pの全面使って!(笑) なので「あ、これは来るな……」と思ったら覚悟して次のページを開きましょう。

 そして生徒会編のバトルで衿沙が負けてからは、結構キツイ描写が多い。
二千恵理事長の「たかいたか〜い」からの衿沙の幼児退行からわかる、二千恵理事長が自分の『愛』への疑問を解消するためだけの自分の母親殺しや衿沙たちへの精神的虐待の事実。
カギューたちによる、二千恵理事長の所持する島に入ってから最初は歓迎してくれた島民全員による夜半の襲撃で老婆の身近な武器を持った幼い子供への「1人狩(殺)ったら500円だよ」とか、『ジグザグ拳』の使い手が普通に「ウゼェ、邪魔すんな」な理由で幼い子供を殴って殺ってる(たぶん)ことや、水域のスペシャリストなロリータ服女がカギューの仲間たちを水辺に誘い込むだけの理由で、かなりの数の島民を湖に水死させているのとかね……。
サンデーで連載していた『トラウマイスタ』
トラウマイスタ 1 (1) (少年サンデーコミックス) -
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も大概作者の個性と狂気を感じましたが、今作ではカギューのカモへの一途さと乙女モードの可愛さがあったりで最初は騙されましたね。最初だけは!(ここ強調)

 うん、でもね……やっぱり出てくる女の子たちが可愛いのと(特に紫乃と衿沙が幼児退行してカモを「パパ」と呼んでいた時から、ピンチの時に元の精神年齢と声帯特性能力使いに戻ってもカモを守ろうとした時が最高!)、「神はいるのか?」「天国や地獄はあるのか?」並みに難しい16巻帯にもある『愛ってなんだろう』という、一歩間違えれば「シリアスを意識しているつもりなのに下手なラブコメに見える」になるような重いテーマに、作者なりの回答を見せてくれたのは良かった。
あ、言っておくとこの漫画が学園ラブコメだったのは最初の3巻までぐらいだと思っていてください。私的には2巻でもギリギリ『学園ラブコメ』と判断していいのか迷いますが。それより後からは作者なりの『愛』を確固たるものにさせるための『純愛を貫くためのバトルもの』です。

 さあ、腱鞘炎がどんどんひどくなっている手でまたまたクソ長くなり、ほぼ一日仕事で書き連ねたこの作品の評価ですが……星4つ★★★★☆! オススメです!
……が、個人的主観で「グロい」とまでは言いませんがキツイ描写があるので、心臓が悪い人はちょっと避けた方がいいかな(笑)。
posted by mukudori at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月15日

ワールドトリガー/葦原 大介

 お盆連続更新最終日!
今日は久しぶりに超オススメな漫画の紹介だ!
ワールドトリガー 1 (ジャンプコミックス)ワールドトリガー 1 (ジャンプコミックス)
葦原 大介

集英社 2013-07-04
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それは世界の引き金

4年前、三門市(みかどし)に突如黒い異界からのゲートが現れた。そこから出て来た怪物……『近界民(ネイバー)』による被害は甚大。だがその場に数人の武器を持った人間たちが現れる。彼らは自分たちを「我々はこの日のために力を蓄えてきた」と言い、近界民たちを撃退。以後、三門市には大きな『ボーダー』という組織の本部を作り、違う惑星がこちらの世界に寄って来てそこの近界民が、『トリオン』と呼ばれる人間に備わっている隠れた力の器官を抜き取ったり、トリオン能力が高い人間を攫うためのトリオン兵を送る時に、出来るだけそのボーダー本部の近くにゲートが開くように設定したり、近界民相手の戦闘員となる若き隊員を育成したりしている。中学三年生の三雲修(みくも おさむ)が12月に自分のクラス転校してきて出会ったのは白髪の小さな男子、空閑遊真(くが ゆうま)。二人で不良に連れられて警戒区域に入っていると、ゲートが開いてトリオン兵が現れる。実はボーダーのC級隊員だった修が『トリガー』という武器を出して不良たちを助けるも、自分がピンチになったところに変身した遊真が。戦闘後に遊真が「おれはこの世界の人間じゃない。お前らで言うところの近界民だな」と言ってきて――!? 10月からアニメも開始する、週刊少年ジャンプ連載中の人気作!!


 さて、感想……というか、布教を。
いいから黙って買って読め!!
 いや、実はこの作者のことは前作の「リリエンタール」賢い犬リリエンタール  1 (ジャンプコミックス) -
賢い犬リリエンタール 1 (ジャンプコミックス) - の時から、3話(だったかな?)でリリエンタールが姉のてつ子の嫌がらせで段ボールとタオルだけのベッドを作ってもらったら「ここがわたしの寝床ですか!? ふわふわですな! ふっわふわ!! ……ここに来る前までは石の床でしたので……」泣かせることを言いやがったので、それ以降熟読し始めたのですが……4巻打ち切り。うん、まあ……「あんこくまじん編」とかあんまりファンな目線でも面白くなかったしね……。でもアキラとうちゅうねこが初めて出会う回とか面白かったなあ。
 そして作者の葦原先生をウィキペディアで調べたら「東京出身の岡山育ち」と書かれていたので、地元びいきな私としては「なにぃ!?」と驚きつつもリリエンタールの単行本全部購入して保存。あー、どこの高校出身なのか教えてくれないかなあ。もちろん、作陽出身の岸本先生の「NARUTO」も好きですし、矢吹先生も好き。「ToLOVEる」は最高です。でも最近の「NARUTO」はちょっと展開を引き伸ばしすぎだ……orz 早くこの戦いを終わらせて、ナルトVSサスケで「「どっちが火影になるか勝負だってばよ!!」」ってやってくれ。この前まで電撃文庫作家の成田先生と組んでジャンプで連載してた、天野洋一先生も好き。だが「無刀ブラック」の作者よ……アンタはもうちょっと頑張れ。NEXTに載せられていた新作(「アラトラマン」ってタイトルだったっけ?)は結構面白い話だったよ。
そして普通にジャンプからしばし離れていたら……なんと、いつの間にか葦原先生が新作連載をしていたことに気付く(笑)。その時は単行本も2巻まで出ていたので急いで集め、「こっちはコミックス2巻までしか持ってねーから内容知らないのに、何この実力派エリートが活躍してるカッコいい戦略バトル!!」って思いながらもジャンプを再講読。

 内容はラノベみたいに「ネタバレあらすじー」ってやりたくても、連載中なので細かいことは後で覆されたりする展開が有り得るために上手く説明出来ないので、ご勘弁を。
まあ、このレビューを読んで、ちょっとでも興味を持たれたらコミックスを買ってください。漫喫で4巻まで読んで、後から集めるのもアリ。ええ、最低でも4巻まで読んでください。そこまでがもう長い序盤ですから(笑)。
 ちな、最新の7巻は9月4日に発売。8巻はアニメの放映と同時になるように、連続して10月に発売です。

 まー、簡単な主要キャラ説明とストーリーの筋説明ぐらいはやっておきましょう。
・空閑遊真……白い頭の15歳。一応父親は人間だが、地球にはこの度初めてきたので自分のことを近界民だと言っている。いろんな惑星で少年兵士として戦ってきたが、強い敵に遭って瀕死になったところを父親が命を懸けて残した『黒(ブラック)トリガー』で命を長らえた。嘘を見抜くサイドエフェクト(トリオン能力の高い人間が持っている、超能力みたいなものです)があり、口癖は「おまえ、つまんないウソつくね」。大抵の人間はこれをやられると驚く。普通のトリガーでも強い。修の勧めでボーダーに入隊。所属はB級に上がった修が隊長の三雲隊に。
・三雲修……冷や汗掻きメガネな中三。大人びたところもあるが、口癖(?)は「なっ……!」と、なんでも驚くこと。家庭教師の大学生の先生が近界民によって攫われたっぽいので、その先生の妹を守るためにボーダーに入隊。基本は弱いが、いざという時には頭脳を発揮した戦いを見せる。
・雨取千佳(あまとり ちか)……トリオン能力がものすごく高い、中学二年生のロリっ子。なのでトリオン兵によく狙われる。前述した修の家庭教師の先生の妹。小学校のころにも仲の良かった友達がいきなりいなくなったので、それからなんでも一人で抱え込もうとするように。修と遊真の勧めでボーダーに入隊。所属は三雲隊。
・迅悠一(じん ゆういち)……ボーダー設立当初からいる古参の「実力派エリート」と自称しちゃう19歳。師匠だった最上(もがみ)さんが遺した黒トリガーの『風刃』を持っているが、遊真をボーダーに入れる際に「近界民をボーダーに入れられるか!」という上層部の反対を押し切って、ボーダーA級の上位部隊を相手にして倒し、「代わりにこっちからはこの風刃を渡すから、見逃してよ」と言って遊真のことを気遣う。黒トリガー持ちは自動的に部隊に所属しない単独行動のS級になるが、風刃を手放したのでA級に。出会った人間の未来が視えるサイドエフェクトを持つ。
 ……以上の4人が、公式で言われている「主人公たち」です。

 こうして
 遊真と修の出会い。→遊真と千佳をボーダーに入れるようにする。→ボーダーの仲間内で「近界民の遊真が入隊」することへの妨害に遭ったので、迅が暗躍してこっそり処理。→近くに『大規模侵攻』が予定されていることを迅の予知で知る。→『アフトクラトル』という13本も黒トリガーを持っている惑星の精鋭部隊(攻めてきた6人中の4人が黒トリガー持ち)が攻めてきて、トリオン能力の高い千佳が狙われるのを修たちが守る。迅の予知では、「最悪の未来ではメガネくん(修のこと)が死んで千佳ちゃんが攫われる!」と言われていて、その「最悪の未来」を避けようとするが、なかなか未来は違う方向に転がってくれない。→ついに直々に千佳を捕まえようと、アフトクラトルの部隊の隊長であるハイレインが襲ってきて、修&千佳大ピンチ。(イマココ)
 ……かなりはしょりましたが、こんな感じです。

 いやあ、迅さんがいいんですよね。確実に自分が死ぬ未来も知っているからこその、あの落ち着きっぷり。
けど脇キャラもいい! 特にA級三位隊長の風間(かざま)さんとA級一位隊長の太刀川(たちかわ)さんにボーダー玉狛(たまこま)支部の小南(こなみ)先輩。強くてクールだけど身長158cmやら、激強いけど大学の単位がヤバいやら、強くて可愛いけどうっかり騙されやすい女子……とかね(笑)。
それらを知るためには単行本を買ったら、カバーを外しましょう。カバーを外しましょう。大事なことなので二回言いました。電子書籍版だと、あの充実したオマケが無いと思うので、買われるなら紙本版の方を推奨です。

 ただ、苦言もあります。
 連載期間が一年ちょいなのに……これまでに連載を3回も休載。まあこれは事故での骨折やら、インフルエンザやらなので理解出来るのですが……それでもジャンプの連載陣としては、もう特例措置になっている「ワンピース」の作者並みに多いですよね。
 そして……キャラが多い上に作画が淡白なので、初見の人にはキャラの見分けが付かないこともある。連載一周年記念の人気投票では80人以上紹介されてましたからね!w
コミックスを買ってるぐらいのファンだったらすぐ「ああ、前に名前だけ出てたあいつか!」とわかるのですが……この辺が一見さんには入りづらい理由かな?
でも前に「バクマン。」の作中ラストで主人公たちの渾身の力でジャンプの人気作品になった「リバーシ」をモブキャラに「これ面白いぜ! 単行本も6巻までだから、集めやすいし!」ある意味自虐のような言葉を言っていましたが、今回はそれに乗っかりましょう。
単行本、いま6巻までだから集めやすいよ!! ……(笑)。
ちなみに4、5巻の初版にはオマケにペーパーが付いていますので、近くの本屋さんにあったら集めておかれるといいと思います。一応、2、3巻もオマケのペーパーがあるんですけど、一部の書店さんだけに付いているそうです。

 読み込めば読み込むほどに味が出るスルメみたいな感じの作品です。
もちろん星5つ★★★★★の超オススメ作品です! 単行本、いま6巻までだから集めやすいよ!(念のためにもう一度)

posted by mukudori at 23:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月08日

俺物語!!/アルコ 河原 和音

やあみんな、mukudoriお兄さん&お姉さんだよ!
先週てっきり更新したと思って見過ごしていたよ! ごめんごめん(てへぺろ)。
ということで、今回は久々に漫画の紹介だ!
俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)
アルコ 河原 和音

集英社 2012-03-23
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私の私の彼は……?

 剛田猛男(ごうだ たけお)――彼は身長2メートル、体重120kg、柔道で国体に出たこともあり、困った人は見過ごせない漢≠セ。そんな彼の唯一の弱点は惚れっぽいこと。だが今日も今日とて、親友でイケメン幼なじみの砂川(すながわ)の方に好きな女子は寄って行く。今日、電車の痴漢から助けた女子の大和凜子(やまと りんこ)もそうだろう――と思っていたら!? 講談社漫画賞、この漫画がすごい(2013女性編)ランキング1位など、各賞総なめなラブコメ漫画の登場だ!

 やべ、超面白い
猛男の行動が面白いし、大和の健気さが可愛いったらない!
うっかり何回も読み返してしまいますね〜。

 1巻ほぼ全部ネタバレあらすじー。
 最初は猛男が大和も砂川のことが好きだと勘違い→だが大和は痴漢から助けてくれた猛男に一目惚れしていた。砂川とも一緒にいたがるのは猛男と二人きりだと緊張するから。猛男の家に押しかけてきたのは、駅員に訊いたからではなく猛男の高校の生徒に訊いたから。お礼のケーキを食べたその後、携帯をわざと猛男の部屋に忘れたのも繋がりを持ちたかったから→猛男、勘違いしたまま大和と二人きりのチャンスになっても「砂川にこんな良い子はお似合いだ!」と砂川のいいところばかりを話すので大和涙目で去る。→猛男、砂川に大和が泣いたことを相談すると、「そりゃあの子、お前のこと好きだから」「え? 砂川のことが好きなんじゃないのか?」……とか話してるうちに砂川の家に大和来訪。猛男、ベッドの下に隠れる。「なんで猛男くんわかってくれないの〜! わたしはこんなに好きなのに〜!」「はい、もう一回言って」「え? えっと、猛男くん好き〜!」(ベッドの下から這い出る猛男)「大和! 俺も好きだ!」「猛男くん……!」「はいはい。バカップル成立おめでとー」……ということでめでたくハッピーエンド。
 でも現在、4巻俺物語!! 1 (マーガレットコミックス) [コミック] / アルコ (著); 河原 和音 (原著); 集英社 (刊)俺物語!! 2 (マーガレットコミックス) [コミック] / アルコ (著); 河原 和音 (原著); 集英社 (刊)俺物語!! 3 (マーガレットコミックス) [コミック] / アルコ (著); 河原 和音 (原著); 集英社 (刊)俺物語!! 4 (マーガレットコミックス) [コミック] / アルコ (著); 河原 和音 (原著); 集英社 (刊)まで出ているので、ラブラブカップルになった後でもいろいろな展開が待ち構えていますが、そこは猛男の漢パワーでなんのそのw
火事場のビルに突っ込んで人命救助した後、3Fから飛び降りたり、山で遭難した時にイノシシを仕留めたりしますからねww
 つか、猛男のバイト先の喫茶店、「兄貴喫茶マッチョーズ」行きたいw ランニングに短パン&エプロンが制服で、メニューがプロテインティーとかww

 ともかく、超オススメな漫画であることには変わりないです! 一応カテゴリは少女漫画ですが、ギャグ漫画として男性でも読めるかと思います。
星5つ★★★★★! 今後に期待!
posted by mukudori at 23:43 | Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月25日

ヘルズキッチン/天道 グミ 西村 ミツル

 ハロー、みんな! mukudoriお兄さん&お姉さんだよ! 世の中のリア充カップルどもに恨みつらみの呪言を送る日であるクリスマス……ならぬ「苦しみます」の今日このごろ、いかがおすごしかな?
今日は久しぶりにオススメ漫画の更新だ!
 ところで告知だよー
12/31〜01/03までの4日間、連続更新しちゃうぜ!
中身は見てのお楽しみ! こりゃあ通わない訳にはいかねえぜ! 一人寂しく年末年始を過ごす貴方も、家族とワイワイ過ごす貴女も、mukudoriお兄さん&お姉さんと一緒に過ごそうぜ! 君は一人じゃない!
……ということでお楽しみに〜。
ヘルズキッチン(1) (ライバルコミックス)ヘルズキッチン(1) (ライバルコミックス)
天道 グミ 西村 ミツル

講談社 2010-10-04
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この世に食せぬものなど無いのだから!

 中学三年生の守屋悟は、進路に悩む普通の学生だ。だがそんな悟の前に、「地獄の悪食伯爵」を名乗るドグマという男がやって来た。なんでも、この世で一番の珍味は「最高の料理人の魂」でそれに見合うだけの器を持った悟を育て上げて食べようとのこと。果たして悟は一流の料理人になり、ドグマに喰われてしまうのだろうか――!? 元料理人の料理監修者が贈る、学園料理コメディ!


 これ、1巻だけ立ち読み用に開けてある本屋で読んだんですが、超面白かったです。
思わずその場で大人買い……は手持ちのお金が無かったのでしなかったんですが、家に帰ってネット通販で大人買いしました。
そしたら嬉しいことになんと全巻初版のクリアカバー付き! ひゃっはー!

 ちなみにこれの掲載誌の講談社の「月刊少年ライバル」は……みなさんあんまり耳にされたことはないでしょうね……。私もこれに出会うまではそうでした。近所のTUTAYAに至っては入荷すらされてなかったぜ! ……orz

 話の上のあらすじみたいに単純……かと思いきや、結構料理を絡めた人間関係が複雑なんです。
 舞台は「国立食農高等専門学校」――通称「食専」と呼ばれる料理の学校なんですが……何故か中学生の悟が編入出来てたり、修学旅行がおかしな時期にあったりしてこの辺はちょっと瑕疵が見受けられますなー。
 登場人物紹介ー。
悟……主人公。ドグマに料理人としての魂を育成されている。最初の料理からその片鱗は見せていたものの、7巻辺りから本格的に自ら望んで料理をしたがるようになる。
ドグマ……地獄の悪食伯爵。悟との関係はネウロとヤコのようなもの。いや、マジでそうなんですって。実体化も出来るよ!
 以下、食専の調理学部の面々。
立花……超嗅覚の持ち主。悟のことを友達……ではなく、ライバルに近いものだと思っている。しかし、悟がドグマのことを隠したことで心の行き違いがあり、応用生物学部の教授にかどわかされる。
半井……講師も認める天才料理人。悟のことをライバルと認める。
森崎……悟のいい友達。出会った初っ端から悟にこてんぱんにされて目覚める友情。
エレ……悟に出会ったことで自分の腕に自信をつけるチャーハン娘。悟にほのかな恋心?
サガネ……さっきゅん(悟のこと)LOVELOVE! な危ない包丁女。
松尾……ワシにとってうどんはソウルフードじゃけえ! な四国出身のお婆ちゃんっ子。
レヴィ……モテたいからこそお菓子を作る! な下心満載パティシエ。
雲居先輩……寮での悟と同室の先輩。常にカニを食べていて、血液を舐めて客の体調を把握したりしている奇行が見受けられるが、陰陽や五行を料理に取り入れたその実力は本物。
 ……などなど。
……という個性的な生徒たちが織り成す学園調理戦争コメディ(あれ? さっきと微妙に紹介変わってない?)です。

 料理描写が現実的で、読んでいてお腹が空いてくるんですよね。卵白に酢を入れると泡立ちの持ちが良くなる、とかは今度使ってみようかと思いました。
さーてそんなmukudoriお兄さん&お姉さんの食べたい料理ベスト3はこれだ!
3位、冷たくてあったかいスフレ!(1巻)おーっと、mukudoriお姉さんの女子力アピールだー!
2位、残り物を使った普通のハンバーグ!(1巻)mukudoriお兄さんも負けじと肉食アピールだー!
そして1位、爆音餃子!(7巻) これにはmukudoriお兄さん&お姉さん、両方ともよだれがじゅるり。まあこれは正確にはレーションであって料理ではないんですが……。本当に食べたい1位なら農学部のナオさんの作った普通のおにぎりですね。あっ、「腹減ってたからじゃね?」というツッコミは野暮だぜ!

 ともかく、物語完結前に月刊少年ライバルの休刊or廃刊が懸念されますが……3月発売の9巻、楽しみにしていますぜ、天道先生&西村先生!
星5つ★★★★★、超オススメです!

posted by mukudori at 20:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月14日

神様のメモ帳1巻(電撃コミックス)/杉井 光 Tiv

神様のメモ帳 1 (電撃コミックス)神様のメモ帳 1 (電撃コミックス)
杉井 光 Tiv

アスキー・メディアワークス 2011-04-04
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 発売されたからにはレビューをやらなきゃいけないでしょう!
祝・神様のメモ帳コミック単行本1巻発売!!

 電撃大王を買ってない我が身にとってはこの日がいかに待ち遠しかったか……ふふふ。にやにやが止まりませんよ。

まだ買ってないって方は、こちらから1話の試し読みが出来ますのでどうぞ。
続きが気になったら購入されるといいと思います。


 さあ、表紙から見て行きましょうか。
……アリス腰細ッッ!! 下半身ちっちゃっ!! ちょっとー……これは違和感?? 裏表紙の鳴海はかっこいいです。くそっ鳴海のくせに!

 さて内容。
1巻の内容丸々飛ばして、2巻から始まってます。彩夏が集中治療室にいる状態から。説明なしで。これはちょっと新規層の取り込みには向かないんじゃないかなー。

 メオやアリスの作画は可愛いですね。特にアリス。作者もアリス好きだから力入れて描いてるんじゃないかなー。

 逆に描き直しを要求したいのは……ミンさんとテツさんと四代目
ミンさんは大人の女性なのに、ちょっとロリっぽいんですよねー。そこが残念。あと、おっぱいもっと大きく!!
テツさんと四代目は……なんか……うん、もう……全体的に。男キャラは作者の力が入ってるコマとそうでないコマがあるんですよね。うーん、その辺ちゃんと作画して欲しいなあ。
でも、あの盃交わしが見られるんなら……買いますよ、2巻! そこの描写、特に丁寧にお願いしますTiv先生!(笑)

 逆に眼福だったのは、メオとアリスのお風呂シーンw
バスタオル一枚きりのメオの色っぽいこと! これで14歳なんだから……たまりませんなぁ(じゅるり)。

 あと、鳴海とテツとネモさんの寿司屋のシーンは笑いましたww
「自分何座や?」「わしはやくざ」「知ってるよ!」
こういうギャグはやっぱり漫画で読む方がテンポがいいですね。

 そして事件は急展開。草壁が見つかって、やくざに捕まったところで終了です。くぅ、(原作を読んでいるにも関わらず)気になる終わり方しやがるぜ!

 とりあえず、神様のメモ帳ファンなら買いってことで!

 そしてTiv絵が好きで財力がある人は、アリスが表紙の電撃大王5月号の電撃大王 2011年 05月号 [雑誌] [雑誌] / アスキー・メディアワークス (刊)1301924762bub9jh41811.jpg応募者全員プレゼント、アリスの「はたらいたら負け!」キーボードを買うといいんじゃないかな! ……もし買った方は使用感を教えて下さると嬉しいです。
え、私ですか? ノートPCなので使えないよ!!(´;ω;`)

posted by mukudori at 00:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月12日

エム×ゼロ 全10巻/叶 恭弘

 昨日は友人と遊びに行ったりバイトの面接があったりして更新出来ませんでした……。せめて最初の一か月は毎日更新しようと思ってたのに……(´・ω・`)
 さあ、そんな気を取り直して今回は初の漫画紹介をしましょう。私が一番好きな漫画です。
エム×ゼロ 1 (ジャンプコミックス)エム×ゼロ 1 (ジャンプコミックス)
叶 恭弘

集英社 2006-11-02
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現代世界×魔法×可愛い女の子の奇跡のコラボレーション!!

 第一志望だった私立聖凪高校に落ちた九澄はそれでも諦めきれず、4月になって聖凪高校を見学しに……? そこで運悪く魔法教師に見つかり、校内を追いかけまわされることに! そして実は聖凪高校が魔法も教える魔法学校だということを知り――!? 知恵と根性で乗り切れ! ハイテンションラブコメディ!

 この漫画のいいところは――まず、女の子が可愛いところです。前作プリティフェイスでも女の子が可愛いことで知られた叶先生。
そしてプリフェが終了して、画力がUPした今、女の子が可愛くないわけがない!!
下のウィジェットでわかるとは思いますが、カラーの塗りはちょっといま一つ……なので、ここはぜひ本を実際に買って単行本の綺麗な画質で見ていただきたい。モノクロが叶先生の真骨頂です。
女の子の透き通る陶磁器のような肌、触ると本物の弾力が伝わってきそうな柔らかさを確かめていただきたい!

 さて、男子なら気になるところがあるでしょう。なにせプリフェではジャンプ史上初の単行本での乳首修正(とらぶるよりもこちらの方が実は先なんです)をやってのけた叶先生ですから!! ……でもエムゼロではエロ成分は少な目……。その分、物語が面白いんですけどね!
ということで以下、管理人が過去にまとめたエロデータベース紹介です!
・モブキャラのエロ多目なら3巻
・観月のエロ&想像力を刺激させるエロなら4巻
・久美と桜庭の百合絡みが見たいなら5巻
・既存女子の裸が見たいなら6巻
・裸よりも大量の女の子の水着が見たいなら7巻

――以上ッ! 女の子が大量に登場するので、必ずあなたの気に入った子が見つかると思いますよw


 ここからは話の面白さについて語りましょう。
このエムゼロ、何が面白いって主人公の九澄が魔法学校に居るのに魔法を使えず、だけど周りには熟練の魔法使用者として認識されているという点です。
 もちろん周りは何かあったら「九澄助けて〜」と助けを求めてきます。だから表面上はゴールドプレート(魔法使用上級者)として見られている九澄は手を貸さないわけにはいかない!
 そこを乗り切るのに、知恵と努力と持ち前の身体能力と共謀者の先生の力で乗り越えます。あと大事なのがハッタリ
 この点でよく比較されるのが加瀬先生の「カメレオン」ですね。あっちが運だけ頼りなのに対して、こっちは運が少なく九澄のポテンシャルが大きいです。ので、見ていて好感が持てるんですよね。

 女子が可愛い可愛い、と言ってきましたが男子キャラだって負けてない!

「ロッキーホラーショー」がかっこいい永井支部長に、観月よりも早く出てきたツンデレ係の伊勢兄、影の努力家伊勢弟、(本当の)影の人・影沼、ムードメーカー津川……など九澄の友人関係も良い感じです。
キャラクターが魅力的なのがエムゼロのいいところでしょうね。
そんな管理人の一番好きなのはルーシーだったりします。次に観月。だから本編の最終回はルーシーエンドだと疑ってなりません。

 そして早すぎた最終回……ジャンプでも中堅に位置していたのに、このいきなりの最終回には納得出来ませんでした。
単行本で追加された作者の本音により、湧き上がる(想像させられる)作者ギブ疑惑……。だって叶先生、プリフェの時締切から逃亡したっていう話がありますから。それに半年以上読み切りを描いてないと、描きたくなる病が持病であったり……遅筆のくせに!

 願わくばジャンプSQでエムゼロ復活を願ってやみません。今度は作者ギブは無しでお願いします(笑)

posted by mukudori at 21:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする