2014年06月14日

給食争奪戦/アズミ

 お詫びの、今週2日目の更新です! 人間やろうと思えば出来るね!w
っていうか、本当は昨日更新したかったんですけど……何故か0時を過ぎた辺りで眩暈と吐き気がしてきて……原因は、腐った部分を取り除いた玉ねぎを入れたカレーを食べたこと(笑)だとわかりましたので、薬を飲んで早く寝ちゃいました。すみません!
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やっぱり、小学生は最高だぜ!!

 俺のクラスは、登校拒否でいつも学校に来ない子がいるため、給食が一人分余るのだ。だが、男子たちの元締めであるいけ好かないダイキが一番に自分の給食を食べて、主にプリンなどの魅力的なデザートを奪い去る。だが俺はもう我慢出来ない。知恵を巡らせ、友情に懸け、恋心を揺すり――いま、給食のバトルが始まる! 第20回電撃大賞、電撃MAGAZINE賞受賞作!!


 この記事を見てくださっているみなさまに、先に閲覧される際のご注意点を挙げておきます。

 この本は短編集であり、最初の「給食争奪戦」から、一つの学校の仲間、という繋がりにして短編集ながら話を広げて行きます。
……ですが、一つだけ。
私的にとても気になる話があったので、そこの矛盾や整合性を指摘しますので、「この本面白かったのに〜」「この作者の話が好きなのに〜」「ここに感動したのに、どうしてだよ!」……などと、すでに読まれていて、「あー、嫌な予感がするなあ……」と思われた方は
お願いですから、このページを閲覧しないでください
ブックマークなどから来て、管理人の過去の記事などをご覧になってくださるのでしたら、「shiftを押しつつ、現時点の位置以外のスクロールバー欄クリック」で記事は結構飛ばせますので、それで「記事を検索するウィンドウ」なり、「レーベルカテゴリー一覧」なりに飛んでください。
一応管理人も読んで三日は経つのですが、まだ胸がむかむかするので、それらを文章として書いて発散させている次第であります。
ここまでを読んで、「ケッ、しがない零細ブログの管理人の癖に、閲覧者サマにストレスの塊をぶつけてるのかよ! 生意気なヤツだ!」……などと思われた方は、こちらにどうぞ→「楽しいよ!」

 ということで、ネタバレあらすじー。
「給食争奪戦」……ダイキという男子がほぼ毎日デザートを奪っている五年二組の給食タイム。だがヤッチという少々のんびり屋で大食いな男子も負けてはいない。マコトという親友をからかわれたことがあったり、肩がぶつかっただけなのに、後日に青痣が出来るほどにそこを殴られたりしたので、テツはダイキになんとか泡を吹かせられないかと、一計を練る。それは『先生に手紙でこっそり告げ口』というもの。内容は、「早食いの人からお代わり出来るんなら、女子には不利!」「早食いで食べ物を詰まらせて、死者が出ている学校もあるんですよ! やめさせるべきです!」「お母さんもそう言ってました!」……などと。それを担任の田中(たなか)先生が読んで、「……という意見があったので、これからは余ったデザートなどは、先生とジャンケンして勝った人がもらえることにしよう。先生がいない時は、学級委員長の引いた、名前を書かれたクジで当たった人にな!」ということに決まる。そしてテツのこと(投書の人間)は、女子たちの間で「こんなに女子に優しい投書なんて……現代のジャンヌ・ダルクの仕業ね!」と好評。だがテツの考えはそれだけではない。ダイキに一泡吹かせるために、ヤッチに「ヤッチ、今日の給食でホウレンソウが出るから、それを苦手っぽく食べてくれないか?」と頼み、ヤッチ了承。テツが狙うのは、後日に予定してある――一年間の給食の中で一番美味しいデザートである、バレンタインのチョコレートケーキだった。だけれど、このころになるとダイキを貶めるためにテツも手段を選ばなくなってきて、マコトと意見の相違で喧嘩したり、サワコという女子に「テツ、あんたが『ジャンヌ・ダルク』だったのね! でも、そろそろダイキも勘付いてきてるわよ? ちょっとやり過ぎじゃない?」と言われたり、クラス委員長にくじ引きの不正行為を頼んだ辺りで――ダイキが「『ジャンヌ・ダルク』は女子の誰かじゃなくて、お前だったのか、テツ」と来られて、他人には一見では見えないところをダイキの手下二人と一緒に三人がかりで、マコトが助けに来るまでぼこぼこに殴られる。そしてバレンタインのケーキを賭けた決戦の日(この日の勝負は、先生にあらかじめ「「バレンタインの自分のチョコレートケーキを賭けてヤッチ(ダイキ)と勝負したいんです!!」」と言っておいたので、「わかった。なら、先生が見ている今日だけだからな!」と了承された)――出て来た給食の中には、「ヤッチが苦手」と見せかけていたホウレンソウのソテーが出たが、ヤッチは苦しんだ演技をしつつもダイキに勝利した。でもその後でヤッチは、「ホントは俺、本当にホウレンソウ苦手なんだよね」と言ったのだった。だが、バレンタインの当日に余るケーキはダイキが取るだろう、と思っていたが、そこにやって来たのは登校拒否だった薄井(うすい)くん。これはテツとマコトが喧嘩をしていた時、「テッちゃんに僕はいつも庇ってもらってばかりだったのに、何か出来ないかな、って思ったんだ。ウスくんもダイキには四年生のころにいじめられてたんだって。それで『僕が学校に来ることでダイキに一泡吹かせられて良かった』って喜んでるよ。ウスくんはアレルギーで食べられないから、ってケーキをくれたし。約束通り、二人で分けようね、テッちゃん!」……と、最初から全てはマコトの掌の上だったのだった。
「消しゴムバトル」……隣の五年二組の話。タケシというジャイアンのような暴君な少年が、以前クラスの給食のカレーの鍋を零したことで、サトウくんをいじめの標的にする。それで毎日「負けたやつが勝ったやつの言うことをなんでも聞く」という消しゴム当てバトルをしている。サトウくんはいつもビリで、タケシとその取り巻きの言うことを聞いている。ゲームを貸したり、漫画を貸したり……もちろん、返ってこない。だが、丸岡(まるおか)という、クラスのみんなの消しゴム集めをするのが趣味の男子に、ある日メモが。そこには「キミハ ナンデ ミンナノ ケシゴムヲ アツメルノ」とあり、クラスの秀才のアベくんと目が合ったのでアベくんを呼び出すと、「お前が僕のカンニングを知ってるのか?」と言われ、その場にはクラスに転校してきたばかりのアキという美少女もいたが、「私は知らない。メモがあったからここに来ただけ」と言う。それでみんなでメモの犯人捜し。そうしているうちに、「サトウクンヲ イジメカラ タスケロ」というメモが来て、みんなで知恵を練って、てっとり早くサトウくんを消しゴムバトルで勝利させることに。タケシとその取り巻き二人がサトウくんを攻撃してきて、いつもサトウくんの消しゴムが真っ先に机から落とされる「三対一」な一方的なバトルなのだが、そこにはサトウくんと一緒に考えて、消しゴムの裏面を水で濡らしたり、接着剤でいつもバトルがおこなわれるタケシの机に溝を作ったりした計略で生き残り――最後はサトウくんの『特訓』の成果でタケシに勝つ。サトウくんが改めてみんなにカレーのことを謝ると、アベくんも自分のカンニングを白状したり、ルイという男子たちも自分たちの万引きの犯行をばらしたりする。タケシはそんな空気の中で逆上するが、タケシの消しゴムも持っていた丸岡が「お前の消しゴムの秘密、ばらしていいの?」と言うと、消沈。実はタケシは、好きな子の名前を消しゴムに書いていたのだった。
「万引き競争」……ルイ、カズ、ノブ、キーちゃん……という仲の良い男子集団は、『万引き競争』をしていた。盗ったもので点数を付けて競争しているのだが、カズだけは以前に本屋で知らないうちに鞄の中に漫画が入っていて万引き犯に疑われたことがあって罪悪感があり、自分のお金で買った安いものを「盗ったよ」と言っているのでいつもビリ。だけどこの仲間たちは、「消しゴムバトル」のサトウくんが毎日タケシたちにねだられているものを万引きして机の中に入れておいてあげる、という一種の正義感の下でやっていたが、ある日メモが入っていたので「ばれたんだ!」と思ってやめる。その前に、「高校生が本屋で万引きするのを捕まえよう」と結託して、高校生が手にしていた漫画を鞄に入れて店を出た瞬間に、みんなで取り押さえる。店員さんを呼ぶが、高校生の鞄からは何も出てこない。だがカズが前に自分が万引き犯に間違われたことを思い出して、高校生の近くにいたお爺さんを呼んでくる。予想通り、そのお爺さんの紙袋の中に漫画が入れてあって、お爺さんはしかも引退した警官だった。そして「最近、万引き犯に間違われたことを盾に取って店から金品を強請る奴らがいるらしいが、もしかしてお前らか!」と言われて、居丈高だった不良な高校生はすぐに青ざめたのだった。それ以来、みんなは万引きをやめたのだった。だがメモの犯人はわからないまま……。
「転校少女」……文庫化のための書き下ろし作品です。おい、ふざけるな。なんでこんな題材で書こうと思ったの? 電撃MAGAZINEは読んでませんけど、「消しゴムバトル」でのアキのリストバンド設定を考えた時からこの話を書こうと思っていたんなら、この作者の底意地が悪すぎますよ? ……内容は、アキが三日も学校に来ないので丸岡がアキのアパートに行く。するともう逃げていたが、昔にアキと母親をDV、虐待をしていた父親がいて、自分の元から逃げ出したアキたちを母子を見つけて、その復讐のためにアパートに監禁していた。それに気付いた丸岡も監禁されるが、父親が外食している隙にアベくんが助けに来てくれる。警察を呼ぶが、父親は結局見つからないままなので、アキたちはまた誰も知らないところに転校したのだった。だが、丸岡にはわかった。アベくんが「僕の靴箱にメモが入ってて、アキのアパートへの地図や鍵もあった」と言う。……メモの犯人は、頼りないと思っていた担任の岡田(おかだ)先生だった。岡田先生は「自分には教職は向いていない」と思いつつも教師を続けていて、実家の離島で酒屋を営んでいる父親が「家を継がないか」と言ってきたので二学期には退職することになっていた。だが最後に、この五年一組で起こっていた問題を解決したくて、隣の二組の『ジャンヌ・ダルク』のことを聞いて、無記名のメモを使うことを利用した。岡田先生が最後の仕事だとはみんなに知らせずに、終業式で読んでいた『夏休みの過ごし方』のレポートを綴じているバインダーの中に、「メモヲ アリガトウゴザイマシタ ボクラハ ソレデ スクワレマシタ」と丸岡が仕込んでいて、それを見た岡田先生は思わず涙したのだった。
「学園祭を台無しにしたのは誰だ」……高校の学園祭で「リーダーの断髪」を賭けてクラス同士が勝負。この高校の学園祭はクラス分けのアルファベットに則したものを展示物にすることを決定。ダイキがリーダーをしているH組は安直に「ホテル(HOTEL)」にするが、ある日クラス中にペンキがぶちまけられていて、企画を「ゾンビもののホラー(HORROR)お化け屋敷」にすることにする。それで人が嘘を吐いているかどうかを確認出来る「音」が聞こえる主人公が、犯人を捜しつつも学園祭の出し物を作り直して行く。風見(かざみ)という絵の上手な女子にデザイン画を描き直してもらって、その通りに作ると見事なゾンビのお化け屋敷が出来た。風見に「犯人、見つかって欲しいと思う?」「もちろんよ」と言って「本当(真実)の音」が聞こえていたので風見はシロだと思っていたが、最初にうっかりペンキを零してしまったのは風見だったのだ。そこに偶然隣のクラスのテツとマコトがやってきて、風見を庇うためのこの「ホテル(HOTEL)」から「ホラー(HORROR)」への変更の妙案を考え付いたのだった。風見は本当に「誰かが自分のことを犯人だと言ってくれて、みんなに真正面から謝りたかった」のだ。なので人の嘘と真実がわかる主人公――ヤッチは「事件が起こった時、『ホラーにテーマを変更しろ』ってメモを同じ小学校の仲間だった丸岡に送ったのはお前だったのか。あの時の丸岡は隣のクラスだったからわからなかったけど、お前らにはしてやられたな、テツ、マコト」と言い、「まあな。メモの案は秀逸だっただろ? 同じ小学校の仲間ならわかると思ったんだよ」「でも、ヤッチのクラスにまさか優勝までされるとは思わなかったよ」と話した。そこにはダイキもやってきて、「小学校のころはあんなにいがみ合ってたのに、こうして協力してるなんて、なんか変な感じだな」「そうそう、あの不思議なメモの犯人だけど、隣の岡田先生で〜」と輪を作った。後夜祭では、他のクラスのリーダーの断髪式がおこなわれていた。

 ……うむ。
「給食争奪戦」は確かに受賞作だけあって、面白かった!! 受賞のページで審査員の面々が褒めていたのもわかります。これを30Pそこらで(応募時は「短編は30Pまで」という縛りなのでした。実際に改稿したり印刷して、私たちが手に取っている文庫の文章では約58Pあります。そう考えると、改稿もしたのかもしれませんが、すげえ密度の話だな!!
だけど……そこからだんだん、つまらなくなってくる。
最終的には、「超能力」ですからねwwwww なにそれww ふざけんなwww
 ……でもね、アスミ作者先生?
「転校少女」はいろいろと駄目でしょう?
実の父親を「あの男」と呼ぶぐらいのアキの性格なら、「アキちゃんってお父さんがいないんだってー。可哀想ー」「あのリストバンドって、お父さんの形見らしいよ?」「本当なの、アキちゃん?」と言われたら、「違うから! 私にお父さんなんていない!」と言うような感じで絶対に否定しますよ?
そんでもって、なんで岡田先生は警察も呼ばずに一人で父親を捕まえに行ったの? 馬鹿じゃねえの? ああいうやつに武力で対抗するには、それ以上の武力が必要なんだよ。もしくは司法の力がね。なのであの絶大なチャンスで父親を取り逃がした岡田先生は教師のくせに、アキをまた父親から逃げつつ怯えて暮らすようなよりひどい環境に貶めた駄策を取った、としか言いようがありません。

 ……もうやめておきます。実は、これは二日掛けて書いている記事です。なので最初の方で少々攻撃的な感じでご注意点などを記述しておきましたが……これ以上「転校少女」に言及して書いたら、またいつかの作者の人格批判にまで行きそうになるので、本当にやめておきます。
とりあえず、「転校少女」を読まれたらもやもやしたものを感じることになるとは思いますが、最後の「学園祭を台無しにしたのは誰だ」まで読んでください。これも「転校少女」と同じく、文庫化のための書き下ろしですので。
そこで最後まで読まれて、ようやくアキも読者も幸せになれますから

 今回はすごく評価に悩みましたが、最初の読後の衝撃と苛立ちとつらさは換算せずに、二回目に読んだ構成の上手さや感動だけで評価します。星4つ★★★★☆。少し気になるところがあるかもしれませんが、オススメです。

 結局きりぎり更新ですみません!
ああ、そういえば今日の土曜プレステージも「容疑者Xの献身」ですね! この映画はすごく好きなのですが……最後にどうして松雪泰子が自白したのかが理解出来なくて、「大事な娘も捕まるし、せっかくの石神の行動を無碍にして、馬鹿だなあ……」と思う私はおかしいのでしょうかね? 「最愛」はすごくいい歌だと思うので、最後まで流してくれないフジテレビが憎い……!w いや、柴咲コウのアルバムは持っていますがねw さあ、来週は「真夏の方程式」だ! 絶対見よう!!

posted by mukudori at 23:38 | Comment(12) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月31日

エロマンガ先生 (2) 妹と世界で一番面白い小説/伏見 つかさ

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俺の義妹がこんなに可愛いわけがない

 紗霧にエルフやめぐみが出会ったりして、やっと友達と呼べるようなやつらが出来た。だが正宗の方は企画書を編集さんに持って行ったら、出版出来るレベルだけど、それは一年後!? そこでレーベルの「世界一面白いラノベ新人作家天下一武闘会」という賞の話を担当さんから聞いてエントリーすると、このレーベルで『唯一』正宗より年下で超売れっ子の、千寿ムラマサ(せんじゅ -)という作家が何故か敵愾心剥き出しでエントリーしてきて!? どうなる正宗……いや、和泉マサムネ先生!


 ああ悔しい! けど面白い!!
いや、前回でめっちゃ疑問点を挙げたじゃないですか。
今巻でそれらの理由をだんだん教えてきてくれて、「なあ、母さん。天国からAmazonは使えるのだろうか?」とか、「えっ、両親……もしかして二人とも死んでんの!? でも、『母さん』ってことは、『義母さん』ではないし……」と思わされた……と思ったら、次に「二人で暮らすのに叔母さんに約束したもんな。紗霧もだ。そのためにも、一年後に出版するだなんて俺たちは待ってられないんだよ!!」と「その約束って何?」とまた新たな疑問を提示される。
 ……ねえ、お願い伏見先生。読者を焦らして遊ばないでください。マジで。
 あとこれは前巻での私の読解力が足りなかったのか……紗霧が前巻で「私……好きな人がいるの」と言われて主人公は振られたことを確信する。……とか書きましたけど、今回のプロローグで紗霧が「えっ、あれで伝わって……ないの!? ばか〜〜!!」とか言ってるから、それは主人公の勘違いでした。テヘペロ☆ でも、プロローグで結構その描写に力を入れてるから、前巻のはあえてミスリードさせる部分だったのかもしれませんね。え、読み直せって!? ……サーセン……。私の部屋の本棚、『読んだ本』→『本棚の奥に突っ込む』→『新刊買って前に置く』ってやってるから、もう取り出すの無理っす(笑)。

 ネタバレあらすじー。
 正宗、新作の企画書を作るために売れっ子のエルフに相談。するとエルフ、「せっかくお隣さんなんだから、エロマンガ先生に会わせてよ!」というので仕方なく自分の家の二階に連れて行くと、紗霧が「スカイプでなら」という譲歩で扉越しにパソコンを使うと、紗霧は動画配信の時のエロマンガ先生の姿(アニメキャラのお面)&ノリで「ハアハア、エルフ先生ってめっちゃ可愛いね〜。あ、ゲームする? 俺、エルフ先生みたいな美少女見たことないよ〜」「えっ、こ、これがあんたの妹でエロマンガ先生なの!?」と、エルフに引かれつつも仲良くなる。二人がネット協力ゲームをするというので正宗がお菓子を買いに行って帰ったら、何故かノートパソコンのwebカメラの前で、エルフがスカートをたくし上げてパンツを見せていた。紗霧たちに「お前ら、何やってんだぁあ!」と叫ぶと、紗霧が元の姿に戻って「だって……あんまりエルフ先生が可愛い女の子だから、どんなパンツ穿いてるのか気になって……。これ、それを元に描いたイラスト……」「うぉっ、超可愛いなこれ! あと、可愛い女の子が見たければ、鏡を見ろ、紗霧」「にっ、兄さんったら……!」とほんわかするやり取り。→めぐみが正宗の携帯に電話してきて、紗霧とどうしても友達になりたいというので、てっとり早く行き着けの本屋でライトノベルを勧める。そして企画書の件でも「エロマンガ先生の描いたこのエロ可愛いエルフを元に、企画書を作るぜ! 手伝ってくれよな、紗霧!」「う、うん……。でも、この前のエルフちゃんに影響され過ぎて……ロリっ子ばっかりで普通の女の子キャラが描けなくなっちゃった。誰か可愛いモデル連れてきて、兄さん」と言われたのもあったので、めぐみがライトノベルに超ハマった辺りを見計らって「マサムネ先生(この時点で、めぐみには正宗がラノベ作家ということはばれている)、この前はラノベを『キモオタ小説』なんて言ってすみませんでした……。ラノベって超面白いですね!」「よし、いまのお前なら紗霧に会わせられる。とりあえず、目隠しと腕を縄で縛らせてもらうからな」「ええっ!? エッチなこととかされませんよね!?」と、めぐみに目隠しと縄で縛って紗霧の部屋に入れると、紗霧は「(兄さんに近付いてきて嫌な子だと思ってたけど……超可愛い!)」と雑誌の読者モデルもやったことのあるめぐみを凝視して、何枚もイラストを描く。そしてたまらず、めぐみのパンツを脱がせて「縞パン、可愛いね〜」と女子でなければ通報ものの行動を取る紗霧。だがそれで、「パンツも見られた仲だし、あたしたち、もう友達だね、和泉ちゃん!」「う、うん……さっきはパンツ脱がせてごめんね」というやり取りで、めぐみがわざとエッチなことを言ったりするビッチのふり(こういう子のことを「ファッションビッチ」と言うらしいです)をしていることを正宗は見抜いた。そして紗霧はめぐみの拘束を解いて、自分のオススメラノベをめぐみに貸すようになる。→めぐみのお陰で紗霧にインスピレーションが湧いて、いい企画書が出来たので編集さんに渡すと、出版GOサインが出る。だがそれは……一年後の話だった。正宗は食ってかかるが、神楽坂さんに「実は空いてた出版枠はあったんだけど……それ、全部売れっ子の先生に取られちゃったのよねえ……」と言われて、他のレーベルで書いているエルフが「わたしの出版社に来る? 紹介してあげるわよ? でもまずはその企画書を持って行っていいか、あんたの担当さんに訊きなさいよね」ということで、そっちに企画書を持ち込もうとするので、エルフも一緒に付いて行ってとりあえず神楽坂さんにお伺いを立てるが、出版社の前で黒髪のボブカットで着物姿の美少女に会う。その女子こそが、レーベル最年少の売れっ子作家、累計発行部数一千万部を打ち立てた、「千寿ムラマサ」だった。神楽坂さんは「えー、和泉先生のこの企画はかなりいいんで、是非うちで出版したいのよねえ……。あ、代わりにこの『ラノベ新人作家決定戦』を受けてみる? 優勝すると、長編小説に改稿して、すぐに出版されるわよ?」と言ったので、正宗はそれにエントリー。そこで着物姿の美少女(ムラマサ)が、「なら、私も……。私は千寿ムラマサ。和泉マサムネ、私はあなたの作品が嫌いですから、叩きのめします」と、何故か喧嘩腰で『新人作家対決』をすることに。→正宗は短編小説が得意でないので、エルフの指導を受けながら締切ぎりぎりの日に。そこに神楽坂さんに正宗の住所を訊いたセーラー服姿のムラマサ(14歳の中学生)が現れて、「この対決で私が勝ったら、君、私のものになりなさい。それで私だけのために小説を書きなさい」と言ってくる。そしてムラマサは和泉家のリビングで原稿を手書きで書き始め、「ん? 私は本屋で普通に売られている商品たちがあまりにつまらないから、自分で書いてるんだ。いまアニメ化されている大ヒットの『幻想妖刀伝』? ああ、そういえばそういう本も書いたような気も……」と言うので、正宗とエルフは驚愕して、ムラマサはやはり自分たちとは違う次元の人間だと知る。だが一仕事終えたムラマサは、「私は、君のアクションバトル小説が好きだった。でも今度はラブコメを書く、と言う……。私は、君の書いた『アクションバトル小説』が好きなんだ。最初に見た時からファンなんだ。だから、この企画が通ってしまうのを防ぎたいんだ。お金ならこれまでの一千万部以上出版された印税で結構稼いでいると思うから、それ全部あげるから、私のものになりなさい」「え、ちょ……それって同じラノベ作家として悔しいけど、億単位の金額よ!? ムラマサ、あんた本気で本気なのっ!?」と、エルフが突っ込みつつ、ムラマサは正宗の手をぎゅっと握って、びっくり仰天な大告白。ムラマサは、和泉マサムネのバトル小説を愛するあまりにラブコメ企画の邪魔をしたいのだった。そこに話を聞いていた引き籠もりな紗霧が階段まで下りてきて、「兄さんはあげないっ! 私が最初のファンだもん! 『私たちの夢』を実現させるまで、ずーっと一緒だもん!」とこちらも大告白。→そして『ラノベ新人作家天下一武闘会』の発表日当日。ムラマサの小説は――60Pまでの短編なのに規定違反の100Pも使って、なお且つ1巻で正宗が紗霧に宛てたような、純愛小説仕立てにしたムラマサから正宗へのラブレターだった。結果は、数十票ぐらいの僅差で正宗の短編が二位で負けるが、編集部より「千寿先生の作品は一位ですが、ページ枚数の規定違反なので失格とさせていただきました」と書かれており、二位の正宗の小説が繰り上がりで一位になったのだった。→エピローグ。正宗と紗霧は勝利を喜び合う。改稿されて9月に発売される予定のこの小説のタイトルは――「世界で一番可愛い妹」。予定イラストレーターは、もちろんエロマンガ先生だった。

 あー、紗霧もエルフもめぐみもムラマサも……出てくる女の子、みんなめっちゃ可愛い!!
紗霧は最近になって、引き籠もりでも着る服を正宗のために変えたりして……もう頭撫で撫でしたいいいい!! こんな妹欲しい! 桐乃よりもスレてなくて、純粋なのがいい!
エルフも可愛い! 仕事で出版社まで行くのに、ツイッターで「和泉マサムネ先生とデート中なう(ハート)」とか書いちゃうし!! それを見た紗霧が嫉妬して「兄さんの浮気者……」と機嫌が悪くなるとか!
 でも、エルフが書いた設定資料でムラマサのスキルに『憧憬一途(リアリス・フレーゼ)』とか、作中に出していいの!? それ、ダンまち(これの2巻以降もいずれレビューします)の主人公のスキルなんですが……GA文庫に許可取った?
 そしてめぐみにラノベを勧める辺りで「R.O.D」や「マリみて」と同じように「幻想妖刀伝」という、アニメ化中のムラマサの作品がオススメされていて、「ん? こんなタイトルのラノベ、あったっけ?」とわざわざ検索しましたよ!w

 今回は文句のつけようがないぐらい、面白かった! まあ、両親の生死とか叔母さんのこととかもありますけど……星5つ★★★★★、持って行きな! 超オススメです!
もうすっごく面白い展開が続いていて、私も初めてジャンプを読んだ時にように続きが待てないから、9月……いえ、8月ぐらいに3巻出してください、伏見先生!
次巻の紗霧たちヒロインの活躍(可愛い姿)を早く見たーい!!

posted by mukudori at 22:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月24日

エロマンガ先生 01 妹と開かずの間/伏見 つかさ

 サーセン! ちょっと今週は金曜日まで忙しかったので、ぎりぎり土曜日更新でっす!

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伏見 つかさ かんざきひろ

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どん! どんどんどん!

 高校生にしてライトノベル作家である和泉正宗(いずみ まさむね)には、親が連れ子同士で再婚したので、中学生の義妹、紗霧(さぎり)がいる。だがこの義妹は……引き籠もりだった。口も利かず、ご飯を求めている時は、一階にある正宗の部屋に、二階の部屋から「どんどんどん!」を足を踏み鳴らして催促する。どうしたらこの義妹が引き籠もりを脱してくれるのか……、と頭を悩ませている正宗だが、ある時、紗霧の本当の正体を知って!? 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の作者&イラストレーターの送る、新兄妹小説!!


 あー、良くも悪くも、伏見節だなあ……。
 まず、前作の「俺妹」では血の繋がった兄妹だったので、「えっ、お前らそんな終わり方でいいの!?」的な、なかなか後味の悪いエンドだった(当方の「俺妹」のレビュー自体は7巻までで止まっていてすみません)。
そこを今度は「義兄妹」にしてきたのはいいと思います。結婚出来るし!
 だが、ちょっと主人公がハイスペック過ぎる。顔はもちろん「俺妹」の京介の方がいいのですが(正宗はちょっと童顔)、中一のころにライトノベル大賞(おそらく、というか断言してもいいぐらいに電撃大賞だと思います)の一番下の賞を獲ってデビューして、メディアミックスこそは無かったけどちゃんと一シリーズを想定していたエンディングまで書いて本にしてもらって、サイン会まで開いた。ちなみに何故か再婚した両親たちは家に全くおらず、料理も上手で紗霧に料理を作ってあげている。しかも超速筆で、編集さんが「プロットを持ってきて」と言ったのに『完成原稿を三巻分ぐらいまで持ってくる』……って、どんなハイスペック野郎だよ。「原稿を三巻分持ってくる〜」の元ネタは、「禁書」の鎌池先生&担当編集の三木さんが話していたことだと思いますけど。でも、こいつは高校に通いながらですよ?
 そんでもって、今巻はまだ一巻のくせに、「父母が何故かどちらも家に不在の謎」、「紗霧が頑なに引き籠もっている謎」、「現在中学一年生の紗霧が小学生のころから(正宗のデビュー作からずっと担当)イラストレーターとして活躍していて、『絵はお母さんに習ったから』という謎」、「正宗が『昔、俺が無料でネット上で小説を公開していた時に、ファンメールもらって嬉しかったなあ。あの人、いまごろどうしてるのかな?』……という謎の人物の示唆」、「正宗が言っていた、『このレーベルで、俺より年下の作家がいる』というまたも謎の人物の示唆」、「紗霧の『私、好きな人がいるからっ!』という一巻ラストで取ってつけたような、ひどい終わらせ方」、「山田エルフ(やまだ -)の本物(?)のエルフ耳の真相」、「紗霧が一年前に医者にも認定された引き籠もり具合(具体的にどういう病気でだ?)」……などなど。
伏見先生の文章は比較的サクサク読める部類に入るんですが、これらの謎を読者に与えるだけ与えて全く回収してくれなかったのでストレスがマッハ
 ……何度でも言おう。
せめてタイトルに「1」とか起承転結の「起」でも通し番号があったら「ああ、続き物なんだな。まあ、この作家さんは実績あるからなあ」と思えてまだ許しますが……デカいタイトルの後でサブタイトルみたいな感じで続刊前提はやめてくれ
少女向け小説なんかによくありますが
一例:「かぐや物語〜まさか私が美少女戦士になるしかないのですって!?〜」「かぐや物語〜私のペットの金毛のウサ太郎がまさかこの美丈夫になったの!?〜」「かぐや物語〜ついに月へと帰還! 私は時の帝さま、ウサ太郎のどちらを選べば!?〜」
みたいな感じで一度本棚から落とせば、「どれが何巻だかわかんねえよ」とブチ切れたくなること間違いなしな一品揃いですよ! 女性なら本屋の少女向け小説棚に行くのは楽勝でしょうが、男ならAmazonなどで一度「彩雲国シリーズ」とか「今日から魔王〜」とか私も有名どころしか知りませんが、あの辺だけでも検索されて見るとよろしいのではないでしょうか。表紙だけではなく、サブタイトルもキラッキラしてますから。

 ネタバレあらすじー。
 高校一年生でラノベ作家を兼業している主人公。ペンネームは「和泉マサムネ」でほぼ本名。『銀狼シリーズ』というのを最近終わらせたので、その記念に初めて人前に顔を出して、サイン会を開くことに。その後の自分の評判が気になったので、エゴサーチ(作家や著名人が自分の名前や作品名などを検索して、悦に浸る行為。たまにひどいことを言われているのにもぶち当たる、もろ刃の剣)をして、「和泉先生、やっぱり若かったー!」「結構ゆったりお話させてくれたよなー。感想言えたし!」「俺なんか、握手もしてもらったぜ!」などと嬉しい感想をにんまりとしながら見て行くが……「和泉マサムネのサインの字、下手くそwww」というきっつい文章が目に入る。ブログなので実物の写真も上げられていて、「同意w」「うお、本気で汚いw」「小学生の落書きレベルww」などというコメントもあった。それでショックを受けたので、見たくはないけど、どうしても見てしまい……それが、自分のラノベの挿絵を描いてくれていた『エロマンガ先生』のブログ記事だということに気付く。エロマンガ先生とはデビュー以来の長い付き合いだが、担当編集を通して仕事をしているので、顔も性別も年齢もわからない。でも主人公は「ケッ。いつもめちゃくちゃエロ可愛い挿絵を描いてくれてるのは嬉しいけど、どうせ小汚い萌え豚おっさんだろ」と思っている。→そんなエロマンガ先生の情報を集めて行くと……動画サイトでイラストを生放送で描く読者サービスもやっているらしいので見に行く。生放送ではもちろん匿名でやっているが、流れるコメントで「エロマンガ先生キター!!」「待ってました!」「今度もエロイやつ希望!」と、もうファンにはバレバレ。エロマンガ先生は声を変質させる機能とお面を被っていて、その状態で主人公の『銀狼シリーズ』の紅兎ちゃんというキャラを描いて行く。全部描いたところで、「んじゃあ、今日はこの辺で。次に描くキャラは、このアニメ誌の中からリクエストしてちょ」と言って去った辺りで、着替えようとしていた。――webカメラを起動させたまま。そこで主人公はその部屋の後ろに置いてある、『自分が紗霧のために作った夕飯』を見て、「うおおおおおおぉぉぉぉおい! カメラを早く切れ! 早く! 取り返しのつかないことになるぞ!!」と、二階の紗霧の部屋をノックする。それでwebカメラは無事切られ、紗霧が『別名:開かずの間』のドアを開けて出て来た。「兄さん……。生放送見て、たの……?」「ああ。お前がエロマンガ先生だったんだな。俺が作家の和泉マサムネだよ」「そんな『エロ……』とか卑猥な名前の人なんて知らない。でも偶然だと思ってたのに……兄さんが本物の和泉先生なの?」「そうだとも。なんなら、俺が初めて挿絵のラフをもらった時に、エロマンガ先生に原稿用紙100枚分の感想を贈ったことや、『ヒロインの胸をもっと大きくしてください!』って注文したことを語ろうか?」「……うっ。やっぱり、兄さんなんだ……。あと、そんな卑猥な名前の人なんて知らないもん……」と、二人は初めて裏の顔を語り合った。→そして紗霧もちょっとは心を開いてくれると思ったが、相変わらず引き籠もり。そこに神野めぐみ(じんの -)という紗霧のクラスメイトが家にやってきて、「こんにちはー! あたし、和泉ちゃんのクラスメイトなんですけど、入学式があってから一度も来ないので、心配でお家にきました。紗霧ちゃんに会わせてくれないですかー?」と言ってくる。そしてめぐみは痴女発言をして、主人公が「(こいつ……臆面もねえ痴女だ! ビッチ乙!!)」と思いながら、「紗霧は、自分の部屋で自分にしか出来ないことをやってるんだよ。いつか心の扉が開くと思うから、いまはそっとしておいてやってくれ」と言う。だが紗霧が「どんどん!」と二階から足踏みをして主人公を呼び出し、「あの女……誰? 私、絶対に会わないけど……念のために、コレしていって」とスマホと同期させられるワイヤレスイヤホンを渡された。そしてめぐみのいるリビングに戻ると、「お兄さ〜ん。和泉ちゃんをなんとか学校に来させたいんですけど〜。あたし、学級委員長だからぁ〜。あれ? お兄さん、もしかしてあたしの香水にドキドキしちゃってますぅ?」「そんなことはない!」『このクソビッチ。兄さんも、鼻の下伸ばさないで』「(伸ばしてねえよ!)紗霧はな、パソコンを使ってすごいことをやってるんだ。だからそんな熱心にならなくっていいよ」「そうなんですか? ……じゃあ、ネット回線、解約してください。これでみんな万事解決です!」『ふざけるなあああああああああああああああああああああああっっ!!』と、めぐみの暴論に、紗霧がイヤホンからも周囲に響くような大声を放つ。それでイヤホンの存在に気付かれ、めぐみはわざと主人公に抱き着いたりする。「お兄さん、いまドキドキしてますねー? ちゅーとかしたことありますぅ?」という発言で、紗霧が「ドンドン! ドゴドゴドゴンッ! ドガッシャーーンッッ!!」という盛大な破壊音を鳴らして、ようやくめぐみは帰る。→ある日、主人公が担当さんにプロットを持って行こうと出版社へ。だがそこでは、担当の神楽坂(かぐらざか)さんという女性編集が中学生ぐらいのエルフ耳の女子と押し問答をしていた。なんでもこのエルフ耳の女子は、別の出版社で書いている、「山田エルフ」というアニメ化もする売れっ子作家らしい。主人公も前に著作を読んで感動したことがあるので、ファンだった。だがエルフは「エロマンガ先生を紹介してくれるだけでいいって言ってるでしょっ! ブログに何回も依頼のメールを送っても、エロマンガ先生は返信してくれないのよっ! アニメ化作家のわたしの作品のイラストを描けるんだから、光栄なことなのにっ!」という理由で出版社に押しかけてきたらしい。そして神楽坂さんが主人公に気付いてエルフとの話を打ち切ろうとするも、エルフは、「あんたが『和泉マサムネ』ぇ? そんなメディアミックスもしてない小物の作家より、わたしの作品で描いてくれた方が、エロマンガ先生も喜ぶから、あんたからも言ってやってよ!」と喧嘩腰。なので主人公も「うるせえ! お前だって、冒頭で意味もなくヒロインを全裸にしてるだろうが!」と言い返す。エルフが弓のおもちゃ(?)を出した辺りで警備員がやってきて、エルフは連れて行かれる。そして主人公は神楽坂さんにプロット……というか、出版原稿そのもの×三巻分×三シリーズを見せて、「これです! ちゃんと見てくださいね!」と押し付けた。後日、「この前のアレ、全部没ね。どれもこれもつまらないから」と言われて泣く。→めぐみがまたやってくる。しかも、今度はクラスメイト全員を連れて。そこで始まるクラスメイトたちによる、「和泉ちゃ〜ん! 早く学校に来てね〜!」「待ってるから〜!」「遅れてる勉強も教えてあげるよ〜!」と、『小さな親切、大きなお世話』な大合唱。主人公は紗霧がきっといまごろ布団にくるまって怯えているだろうと思って、めぐみに頼んで「すまんが、近所迷惑だからみんな帰ってくれ。ああ、ちなみにこの家の両隣は空き家だが、昔ホラー小説を書いていた作家が自殺した家でもある。いまも誰もいないのにピアノの音が聞こえたり、窓ガラスから白いワンピースの少女が覗いているかもな。その子は騒がしいのが嫌いなんだ」と、嘘を吐いて帰ってもらう。そして家に入ると、紗霧が珍しく主人公を呼んできて、「兄さん……窓の向こうの家に、さっき白いワンピースの人がいた……。しかも、ピアノの音も聞こえてくるの……」「ああ、そりゃ幻聴だろ」「でも聞こえるの! 見に行ってきて!」と言われて隣の家に行くと、そこの庭に入ってピアノがある辺りのガラス窓を外から覗くと、エルフが全裸でピアノを弾いていた。思わずインターフォンを鳴らして、エルフが出てくるのを待つと、「あら、あんたじゃない。なんで最近、アニメ化で入ってきた印税なんかで一括払いして買って引っ越してきたこの家に? もしかして、わたしのストーカーなの!?」「違ぇよ! 単なる隣の家の住人だ! それにお前、なんで全裸でピアノを弾いてんだよ! お陰でうちの妹が怖がってるんだぞ! ついでに証拠の回覧板だ、ほら!」「あっ、本当ね……。ネタを出すのには、全裸でピアノを弾くのがわたしのスタイルなのよ! それを覗くなんて変態!」「じゃあ、今度からはカーテン閉めてやれよな!」と口論を交わす。でも興味はあったので、エルフの買った家の全貌を見せてもらう。そんでもって、「な、なんだこのすげえ自分の本とキャラのグッズの山……!」「重版される度に送ってこられるのよ。グッズもね。あまりに余るから、サインでもしてあんたにあげようかしら?」「えっ、マジで!? じゃあ、全部に頼むわ」「あら、あんたってわたしの下僕(ファン)だったのね」と主人公は作家として負けた気分を味わいつつも意気投合。以後、結構な頻度でエルフの家に通うことに。エルフと仲良くなったので、「じゃあこの前の件だけど、担当さんに頼んで、エロマンガ先生に俺の原稿と一緒にお前の原稿を読んでもらう、ってことにしてやろうか?」「いいの?」「まあどうせ、俺の原稿が選ばれるだろうしな」「言うわね……! 負けないわよ!」とエルフもやる気を出す。→一ヶ月後の「エロマンガ先生に読んでもらう締切の前日」にエルフの家を訪ねると、エルフはそれまでのだらけた姿が嘘のように、パソコンに向かって作業していた。締切当日に主人公がエルフの家を訪ねると、完成原稿を交換し合って読み比べ。エルフの原稿は、世に出したら確実に売れるレベルで面白かった。だがエルフは――「こんなのって――ずるいわ! これ、あんたが妹のエロマンガ先生に向けて書いた作品じゃない! 勝てる訳ないわよ!」「えっ、紗霧のことがエロマンガ先生だってわかったのか!?」「当たり前よ! 原稿に表されてるわ! まあ、こんな原稿で心を揺さぶられるのは、わたしとあんたと――あんたの妹ぐらいだろうけどね!」そう言って、エルフは自分の大傑作を破り捨てた。そして主人公は、いまこそ紗霧の『開かずの間』を開けられることが出来るのではないか、と思って、エルフの仕事部屋(二階)の窓から、隣の紗霧の部屋にダイブする。「えっ、あんたまさかそこから飛び降りるつも――ちょ、エロマンガ先生ーーっっ! あんたのお兄さんに怪我させたくなければ、その窓を開けてやりなさーいっっ!!」という言葉で紗霧が窓を開けると、主人公がその胸にダイビング。ようやく主人公は、『開かずの間』に入ることが出来たのだった。そして目の前で主人公の原稿を読み、「こんな恥ずかしいの、私は出版して欲しく……ない。それに、私……好きな人がいるの」と言われて、主人公は少し心を開いてくれたが、この原稿(ラブレター)で紗霧に振られたことを確信した。→エピローグ。紗霧は相変わらず、引き籠もり。でも主人公は「俺は、この原稿を絶対に出版出来るものにするからなっ!」と宣言すると、そこでこれまで「誰もいない時にトイレ(二階にもあるもの)やお風呂」などをしていて、完璧な『開かずの間』を形成していた紗霧は、主人公の前で一歩だけドアの外に出たのだった。

 うーん、評価が難しいなあ。
文章のリーダビリティとテンポはいいんですが、伏線張りまくりで回収していないのがなんとも……。
つか、両親のことは最低限でいいから、まだ子供な二人を置いて、いまいったい何をしているのか教えて欲しかった。それに比べたら、エルフの耳が本物かどうかなんて些事ですよ。
 それと、紗霧が三年前から(または、もっと前から?)プロのイラストレーターをしているきっかけとかも描写して欲しかった。
 とりあえず、副題の『開かずの間』はクリアしましたが……疑問がいっぱいです。
 星3つ★★★☆☆、ってところでしょうか。でもやっぱり書き慣れている伏見先生らしく、続きが気になるので、2巻も買ったよ!ww
 あとはまあ……たまには、「アンタ」や「兄さん」じゃあなくて、「お兄ちゃん」と呼んでくれる、ちょっと難はあるけど素直で可愛い妹が見たいです、伏見先生……。

posted by mukudori at 20:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月05日

煉獄姫 01/藤原 祐

 ゴールデンウィーク4日連続更新! 今日は3日目だ!
煉獄姫 (電撃文庫)煉獄姫 (電撃文庫)
藤原 祐 kaya8

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さあ、煉獄で踊りましょう――。

『煉獄』という不可思議な力を発見して、産業革命が始まった王国制度の瑩国(えいこく)。首都の匍都(ハイト)に住まう煉術師たち。国の第一王女であるアルテミシア(アルト)は、産まれながらにして身体に煉獄を宿す、最強の煉術使いだった。その弊害を隠すために、自分の父親である王によって城から離れた塔の地下牢に閉じ込められている。そこにフォグという、煉術の副作用を全く受けない少年が遊び相手としてやってきた。アルテミシアはフォグとメイドのイオだけが友達だった。だが、そんな瑩国にもいるレジスタンスや悪徳煉術使いたちを取り締まるために、アルトはフォグと一緒に街に出る。しかし、今回の取り締まりには『グラフの数珠』という禁術を用いた敵国の集団が関わっており――!? 「レジンキャストミルク」の藤原祐の送る、ダークネスファンタジー!


 ふむ……なかなか、面白い!
藤原先生のお名前はよく見ていたけれど、こういう容赦ない話を書くのかあ。
 アルトがフォグに依存しているところとか、可愛くて可愛くて! 「お仕事でお外に出る時は、絶対に私の手を握っていてね、フォグ」「わかってるよ、アルト」とかとか!
 ちょーっと設定厨なところも見られますが……それもまた面白い!

 ネタバレあらすじー。
 地下牢に幽閉されているアルト。遊び相手&護衛のフォグと一緒に『お父様から命令されたお仕事』をこなす。今回の仕事は煉術師たちが結成しているレジスタンス組織の撲滅。アルトの圧倒的な実力でほぼ皆殺しにするが、イパーシという若者は気まぐれで見逃してやる。→だがフォグが持って帰ったレジスタンスの陣に、王国の研究所の職員は驚く。それは、瑩国が発明した『賢者の石』よりも強力な力を出すことが出来る、『グラフの数珠』だったからだ。→アルトとフォグは所長に「民間の組織に潜入して、『グラフの数珠』を使う者たちを処分してこい」と命令される。そこでそのグループに潜入すると、アルトは初めて自分と対等に話して、外で遊んでくれたキリエという少女と出会う。そして組織の作戦の決行日。煉術使いが何人もいたが、なかなかターゲットは現れない。フォグが他のチームの様子を見に行くと、どこも殺人が起きていた。「オットーというメンバーに裏切られた。あいつが犯人だ」と、右腕を切断されたキリエの兄のミシェルが言う。だが、本当に裏切ったのは、生き残ったアルト・フォグ・キリエ・ミシェル――以外の3人の名の知れた煉術師たちだった。彼らに捕まったキリエとミシェルはアルトの目の前で殺される。だが3人が『グラフの数珠』を使って束になって掛かってきても、アルトの煉術で易々と殺される。そしてオットーに化けて(整形されて)いたのは、序盤に出てきたイパーシだった。イパーシはアルトとフォグが追いかけるも、川に飛び込んで逃げられる。アルトは全てが終わった後、少しの間だけお友達になっていたキリエを思い出して泣いた。でも、アルトの側にずっといても毒気を喰らわない「ホムンクルス」であるフォグは、ただ黙ってその手を握ってやった。→エピローグ。海を挟んで敵国である丁国(ていこく)の煉術師のグイードの元には、たくさんのキリエがいた「さっき、私たちの『お兄さま』に会ってきたわ。あと、噂の煉術師の女の子にも」「そうか。洗脳で一応お前の兄、ということにしたミシェルという若者には少々可哀想だったな。あいつが最期まで、お前のことを実の妹だと思って死んで行ったのは、実に笑えたよ」と、グイードによって作られたホムンクルスのキリエたちは言う。「この国を脅かす、煉禁術を使う悪党どもを排除してこい」と父王から命令されたアルトとフォグの戦いは、まだ終わってはいないのだ。

 このダークな感じ……いいねえ!
 アルトの無双加減がイイ! 「なんで最初に会った時、アルトの寄越した毒杯を飲み干したのに大丈夫なの?」という疑問に答えてくれるフォグの存在も、またいい。直属のメイドのイオも、不運な王女であるアルトを大層可愛がっている様子がいい。
 ただ……ちょぉーっと、文章の説明描写が多すぎるかなあ伏線も張っているように見せて後出しだし……。
 それと、アルトとキリエが仲良く遊ぶシーンにはもうちょっとページ割いて欲しいと思いました。そうしたら、終盤のキリエを殺された後のバトルで、アルトがいかにブチギレたかわかるのになあ。まあ、カラー口絵で結構わかるんですがねw アルトとキリエが路上で五目並べ→「アルト、キリエと何して遊んでるんだい? ああ、石並べゲームか。勝ってるかい?」「…………(無言で石グシャー)」……とか、本編には無いのでカラーで見れて良かったです。こういう遊び心を持った(もしかしたら、藤原先生がそういう指定をしたのかもしれませんが)イラストレーターさんは好きですね。

 次巻の展開が楽しみです。星4つ★★★★☆。オススメです!

posted by mukudori at 23:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月09日

思春期ボーイズ×ガールズ戦争/亜紀坂 圭春

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放課後猥褻倶楽部

 男子矯正法によって、日本全体の男子の肩身が狭くなった。そんな時、中学三年生で卒業間近だった、比嘉マサミチ(ひが -)、菊間リュウジ(きくま -)、飯沼ジュン(いいぬま -)の三人友達は女子バレーボール部の部室の潜入し、同学年の中崎ミイナ(なかざき -)の着替えを覗いてしまい、停学処分に。高校に上がるも中崎さんと同じ高校だったので、悪評が広がる。だが、思春期のリビドーには抗えない。こうなったら自分たちでエロ本を作ろう! ということになるが、新聞部や生徒会などが邪魔してきて難しい! どうする! どうなる思春期ボーイズ! 第20回電撃大賞銀賞受賞作!


 原題、Libidoの「放課後恋愛クラブ」か!! 何? 「〜濃いのしたいの〜」ってか!? 知るか、そんなもん! 私が小学生のころに、サターン版の攻略本が珍しくシュリンク無しでゲーム攻略本コーナーに置いてあったから、興奮しながら立ち読みしてたよ!! クラスメイトがFF7で夢中な時にな!! その本が無くなった時は涙したわ!(以上の事柄については、18歳以上の方のみ、パソコンで調べてください。わからない方は、そのままのあなたでいてください)
 ……失礼、少々取り乱しました。
まあ、そんな私のLibidoを開発してくれた神的ゲームと似たようなタイトルってだけで頭が高いのに、それならもちろん中身も伴ってなきゃいけませんよねー?
あー、つまらなかった! クソですね、この野郎!!
 推薦文は伏見つかさ先生です。
「健全な男子のための小説です。戦いと友情と笑いが詰まっています」
……ちゃんと中身読めよ……。そんな解説、ラノベの何割が当てはまっていると思ってんだよ……。

 ネタバレあらすじー。
 マサミチ、リュウジ、ジュン、中学の卒業間近に女子バレーボール部の部室に訳あって忍び込み、中崎さんの着替えを見てしまい、ばれて停学処分に。卒業式にも出れず、後日三人だけの卒業式がおこなわれる。→高校で中崎さんと同じクラス。めっちゃ目の敵にされる。そしてリビドー溢れる三人は、「自分たちでエロ本を描こう」ということになる。この高校には、『伝説のエロ絵師』がいるという噂を聞くも、見つからない。だがある日、マサミチは同じクラスの美人で中崎さんの友達の門倉(かどくら)さんの家の前を通りがかった時に、パンツが落ちているのを見つけて拾ってしまう。慌てて家の庭に投げ入れるも、その瞬間を新聞部の女子先輩の園村(そのむら)さんに撮られていた。それで処罰を下され、「女子寮泊まり込み一週間掃除」という処分になる。そこで超巨乳の柏葉(かしわば)先生に対してセクハラ上等の男子先輩の藤次(ふじつぐ)に出会い、「ああ、『伝説のエロ絵師』こと有沢(ありさわ)なら俺が知ってるぞ。紹介してやろうか」と伝手を得る。処分が明けて有沢先輩を紹介してもらい、三人の中で一番絵の上手いジュンが教えを乞う。だが、その途中で有沢先輩が生徒会から捜査され、ジュンに原稿などを渡して逃げさせる。ジュンがマサミチたちのところにもやってくるが、そこにも生徒会の家宅捜索が入る。なので泣く泣く原稿たちをドラム缶で焼却。「証拠隠滅したな!?」と言ってくる生徒会には、「ああ、いま焼き芋やってるんですよ。みなさんも食べます? 超美味いっすよ……あはは」と涙の味がスパイスとなって美味しい焼き芋を三人で食べた。→だが、有沢先輩はもしかしたら嵌められているかもしれない、という藤次先輩の言葉で生徒会に徴収された原稿を探すことに。なんと、それは女子寮の柏葉先生の部屋にあるというので三人の中では背の低いマサミチとジュンが女装して潜入。しかしすぐにばれて、女子寮は大騒ぎ。大混乱の末にマサミチは捕まってしまうが、ちょうどいい機会だと思って「柏葉先生! 有沢先輩は嵌められたんです! どうか詳しい調査を!」と「厳格」で有名な柏葉先生に泣きつく。→そして原稿がこっちの手元にも欲しいと思ったマサミチは、新聞部の園村さんを追跡していると部室の鍵を落としたので、中に入ってパソコンを操作するとデータがあったのでプリントアウト。それを藤次先輩に任せると、「この絵は……生徒会唯一の男子であり、副会長の堀トオル(ほり -)の絵柄だ! あいつ……俺たちの仲間だと思っていたのに! どうして!」と特定。堀先輩を呼び出し、「お前! なんでこんなことをした! 喰らえ、秘密兵器!」「こ、この穏やかで落ち着く香りは……!?」「ふっ……柏葉先生のむっちりなお尻の下に二時間敷いたハンカチだ。たまらんだろう」という説得で心の氷が解ける。堀先輩は「会長に脅されて仕方なくやった」と自白。ならば、この原稿にも会長が持ってきた資料があるはずなので、それを探す。マサミチはその間に、中崎さんと階段で転んで事故チュー。「うぅ……ファーストキスだったのに……」「で、でも俺は中崎さんのことが好きだから! 超好き! めっちゃ好き!」と言うと、まんざらでもない反応を見せてくれた。→とうとう生徒会の会議直前――だが、柏葉先生が「隣の高校の資料室にあったぞ。会長、お前の閲覧署名でな」と全てが会長の策だったことがばれる。会長は藤次先輩に「タッちゃん(藤次先輩の下の名前はタツナリ)が胸の大きい人ばっかりが好きだって言うからぁ!」という子供っぽいジェラシーで動いていたことを知り、藤次先輩は「だってお前、パット入れてんじゃん」「もう入れてないよぉ!」「ん? そうなのか? むにゅむにゅ」「断りも無く触らないでよ!」「じゃあ断る。触らせてくれ」「い、いいけど……。これからは私だけにしてくれる……?」「すまん、柏葉先生のおっぱいがある限り、無理だ!」「この野郎!」といい雰囲気になるも殴られる。→エピローグ。中崎さんは、マサミチとのことを「友達からなら……」と言ってきてくれる。だが、この思春期ボーイズたちは止まらない。今日もパンツの見えやすい歩道橋などの猥褻な話をするのだった。

 あー、つまらなかった! 苦痛の時間だった!!
何これ? 「園村の仕業でピンチに→女子に追い駆けられて→逃げる」……の繰り返しなんですけど? もっと構成を練ろよ。ワンパタすぎ。
あと、文章が説明文過ぎる。読んでてくどい。
 そんでもって、女子たちが『男子矯正法』とかいう読者に詳細を知らされていない法律を笠に着て偉ぶっていて訳わかんねえ上に、可愛くない。一番可愛いイラストが「ジュンとマサミチが女装して抱き締め合っている姿」ってなんなんだよ(真顔)。
 あと、マサミチたち(実家通い)と中学が一緒だった中崎さんはなんでわざわざ女子寮に入ってるの? 門倉さんは入ってないだろ? いや、「『男子矯正法』だけに頼らず、自分たちの身は自分たちで守りましょう! だからあなたも清廉潔白な女子寮に!」というのならわかるし、納得出来るんですけど……。でも、その前に通学のために電車に乗っていて「ここは女子専用車両なんだよ! 何入ってんだ! この変態親父!!」という描写もあったりして、わけわかめ。私の目玉がポーン(  Д ) ゚ ゚ え、寮って普通は学校の近くに作られてるよね……? しげ子の作者とこの作者は、一度自分の作品を真っ新な気持ちで熟読するといいよ! 感想サイトなんかを回ってみるのもいいと思うね! 反省しろ!

 判定は星1つ★☆☆☆☆……超地雷です。

 ああ……やっと第20回電撃大賞の「電撃文庫部門」が終わったよ……。
――と思ったら、「博多豚骨ラーメンズ」と「僕が七不思議になったわけ」も買ってるんだよねー☆
特に豚骨ラーメンズの方はAmazonレビューがものすごいことになっているので、いまのうちから悪寒でゾクゾクしていますよ!w
というか、今回(第20回電撃大賞)のは駄作が多すぎて、ページをめくる手が止まって……ね?(同意を求める瞳で) 本来なら2月中に全部「連続レビュー!」って形で終わらせたかったんですけど……うぅ。懲りずに来年も待ってるぜ、電撃大賞!!

posted by mukudori at 17:37 | Comment(4) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月02日

王手桂香取り!/青葉 優一

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駒むす!

 中学一年生で将棋部の上条歩(かみじょう あゆむ)は、将棋部部長で先輩の大橋桂香(おおはし けいか)に恋している。三年生の桂香先輩と少しでも長くいるためには、中学校将棋リーグで勝ち進んで行かなければならない。だが歩は小学生に負けるぐらい弱かった……。そこに現れたのが、自分たちを『将棋の駒に宿った意識体』だと言う3人の美少女!? 彼女たちは歩を鍛えてやると言ってきて――!? 第20回電撃大賞銀賞受賞作!


 やばい……。前に「ゼロから始まる〜」の記事へのコメントで閲覧者さんに、「これは面白いですよー」とオススメいただいた通り、面白い! 一気に読んじゃいましたよ。こいつは第20回電撃大賞の当たりだな!
 いやー、最初は「電撃文庫で『上条』って名前を、しかも主人公に付けるとは……。この作者は怖いもの知らずだなあ……」と思っていたんですが、それらをぶっちぎっても面白い! まあ、西尾維新みたいな作風じゃない限り、名前なんてただの記号だよね。こちらとしては、単語入力が楽な名前を付けてくれる作者は大好きです(笑)。
 でもねえ……駒娘たちが「江戸時代に作られた家宝級の一品だから、思念が宿った。祖父から譲られたこれを使って将棋を真面目にやっている主人公に好感が持てたから、強くなる手伝いをしてやる」というのは……この設定、「ヒカルの碁」だろ(真顔)
 ライバルの二階堂(にかいどう)を倒した後、「前はてんで相手にならなかったのに、君はなんでそんなに短期間で将棋が強くなったんだい?」「えっ、えーと、ネットの将棋サイトで神さまレベルに上手い人に教えてもらったからかな……?」ここも、この後「頼む! その神さまと対局させてくれ!」とか二階堂が言ってたら、まんま「ヒカルの碁」の「sai編」のストーリーなぞってますよ。ちょーっとマイナスポイントですね。
 あと、主人公の「歩」って名前が駒娘の一人の「歩(ふ)」と重なるからって、作中で呼ばれる時は「あゆむ」「あゆむくん」……とひらがなにするぐらいなら、最初っからひらがな設定でいいじゃん? と思いました。
 今回の推薦文はなんと……プロ棋士九段の高橋道雄プロです。
「こんな駒たちがいたら、最高に楽しい! そして最高に強くなれる!!」
……とのことですが、「だよねー」としか思えませんでした。ジャンプで「ヒカ碁」が連載していた時も、「ヒカル、お前才能無いんだから、佐為に全部任せてとっととプロになって金稼げよ……」とか思っていた下衆野郎は私ですww 佐為が消えた時は泣いたなあ……。

 ネタバレあらすじー。
 主人公、一般の将棋クラブで相良純一(さがら じゅんいち)という生意気で毒舌な小学生に将棋でボロ負け。「いつか見返してやる……!」と思いつつ部屋で棋譜を並べたりしていると、いきなり三人の美少女が現れた。関西弁で姉御肌で爆乳の「香車(きょうしゃ)」、大和撫子な「歩(ふ)」、西洋ドレスを着ている「桂馬(けいま)」……彼女らは、祖父から譲られた将棋盤と駒に宿った、いわば九十九神だった。そして「あのクソガキ(相良のこと)、真面目なあゆむに対してホンマ腹立つわー。あゆむ、ウチらが教えてやるさかい、あのガキをコテンパンにしてやろうや!」「わたくしたちは長年将棋を見てきましたから、そこいらのプロよりも技量はあると思いますよ?」「桂馬(わたし)をちゃんと有効に使わないからよ!」……と言ってきた。駒娘たちは、人間体でない時は普通の駒になっている。しかも「ウチらはあゆむのことが気になって出て来たけど、他の駒たちはまだあゆむのことを認めてないから出てこないねん」と、まだまだあるらしい駒娘たちを想像させる。→相良と再戦。心の中で駒娘たちと会話してアドバイスをもらい、相良を倒す。すると相良は「ぼくの父さんはプロ六段なんだぞ! いまから来てもらうから、お前なんか将棋の駒を見るのも嫌になるぐらいぼっこぼこにしてやる!」と父親を呼んでくる。プロが来るというのでギャラリーが増え、相良父(プロ六段)も「はっはっは。私の息子を侮辱したらしいじゃないか。ああ、みなさん。今回は『指導対局』でなく、『真剣勝負』ですから、私も本気で行きますよ」と死亡フラグを立て(笑)、駒娘たちのアドバイスに頼って相良父もフルボッコにする。→翌日、将棋部で桂香先輩が「昨日、相良六段がただの中学生に負けたそうだけど……人相なんかの話を聞く限り、それってあゆむくんだよね?」と言われる。実は桂香先輩の父親は将棋名人であるので、そういう情報が流れてくるのだった。そして、一ヶ月後におこなわれる中学校将棋コンクール団体戦の三人のメンバーの最後の一人を探していた(すでに決まっている二人は、桂香先輩と副部長)。桂香先輩に誘われて将棋道場の開く試合に出るも、初戦から去年の中学校全国将棋コンクール準優勝の二階堂と当たって負ける。主人公のいまのレベルはアマチュア二段ぐらい、と言われる。決勝で桂香先輩と二階堂が対決する。拮抗した勝負だったが、桂香先輩の悪手をきっかけに一気に攻められて桂香先輩も負ける。→そして主人公は駒娘たちに先生役を頼んで、二階堂をいかに倒すかレッスンしてもらう。でも、もう二度と駒娘たちから勝負中のアドバイスはもらわない、と決める。二階堂のネット将棋の棋譜の履歴を見たりして、「もしかして二階堂は『横歩』が苦手なんじゃないか」という結論に至り、主人公は横歩対策ばっかりを勉強する。将棋部の副部長にも横歩で勝って、見事「三人目のメンバー」に選抜される。桂香先輩の家に行って、桂香先輩と対決。主人公は「僕が勝ったら、僕を大将にしてください。僕の手で二階堂を倒すために!」と宣言し、競り勝つ。→全国コンクールの手始めの東日本選抜大会で焦りながらも、これまでの駒娘たちの指導の成果で決勝まで勝ち上がり、二階堂と再戦を果たす。しかし横歩は対戦相手が承諾しないと出来ない戦法なので、駒娘たちが顕現して「二階堂〜、お前は大事な対戦には横歩は使わんのう?」「横歩で負けるのが怖いからって逃げるなんて……大和男児じゃないですわ」「苦手な戦法であゆむに負けるのが相当怖いみたいね?」と挑発して、決勝戦では横歩を使うことを二階堂が引き受ける。そして対局――。主人公は最初は上手く攻めて行っていたが、実はそれが二階堂の罠だったことに途中で気付く。だが時は遅く……王手を掛けられる。残りの持ち時間いっぱいに手を考えて逃げ惑うが、そのうちにこちらも持ち時間を使い果たして30秒しか手を考えられなくなった二階堂が悪手をしたのを見逃さず、そこで「あなたは桂馬をちゃんと活躍させなさいな?」といつも言っていた桂馬の言葉を思い出して攻める。……と、手が無くなった二階堂は30秒を使い果たして負ける。主人公たちは東日本代表校に選ばれる。二階堂は「お前、大橋のこと好きだろ。ま……俺もだがな。つい、あいつの前に出ると口が勝手に挑発しちまう。知ってるか? あいつの好みのタイプって『自分より将棋の強い人』なんだぜ。だから俺は、小学校のころから大橋に勝つために必死になった……。でもあいつはにぶいからな、全然気付かねえ。高校になったら、今度は仲間同士だ。俺は大橋にガンガンアプローチして行くぜ?」という真実が聞ける。そして焦った主人公は桂香先輩に告白こそ出来なかったものの、駒娘たちの後押しで二人きりのデートの約束を取り付ける。→エピローグ。家で駒娘たちに勝利を祝われる。そこで「やばい……。これであゆむに興味を持った女王(王将)が来た……!」と三人はガクブル。そこにやって来たのは「頭が高いぞ、小僧! わらわは将棋の神なり! ひれ伏せい!」とまた新たな個性的な駒娘が現れたのだった……。

 うん、相良親子を叩きのめす辺りは爽快でしたね!
 あと、将棋対決シーンで「7六歩」とか書かれてて、全然わからないから読み飛ばしても「くっ……ここで龍を落とすのか!? 取るか取らないか……どうする!?」「二階堂の頭ががくりと落ちた。僕は勝ったのだ!」とちゃんと必要なシーンと心情は書いてあるのでわかる。
でも、途中で出て来た『香車先生による将棋単語解説』は読んでも全然意味がわからなかったなあ……。「いや、もっとレベル下げて教えて! まずは歩の動きから!!」って言いたいw

 うーん、でも最初の方の相良親子の伏線とか、存在を示唆されるだけで全く出てこない桂香先輩の父親(名人)の伏線とかが放置されたままで、最後に女王が出てきて続刊前提なので……星4つ★★★★☆かな。「ヒカルの碁」のパクリっぽいところもマイナス要素に入れた評定ですが、続刊が出たら買うよ!

posted by mukudori at 00:34 | Comment(2) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月25日

韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ―/真代屋 秀晃

 ふう……ようやく一冊読み終えたぜ……(強敵と戦った後っぽく)。
あとまだ二冊もあるのかYO……orz
韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ― (電撃文庫)韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ― (電撃文庫)
真代屋秀晃 x6suke

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言葉は魔力。呪文はラップ!?

 音川真一(おとかわ しんいち)は、高校の生徒会長だ。何があってもルール違反は許せない、嘘を吐くと嘔吐感に襲われる……といった不憫な体質の持ち主である。そんな真一が校内見回りをしていたところ、とある教室が黒魔術の儀式場に!? そこの魔法陣から出てきたのは、マミダラ・ミファソラ・メフィストフェレス――という、大悪魔・メフィストフェレスの娘!? しかも「一目惚れしたよ! だから私と魔界で結婚してね、真一!」と無理矢理契約を結ばされ!? 第20回電撃大賞金賞受賞作!


 うーん、最初は絵で「こいつは駄作の香りがプンプンするぜぇーーッッ!!」と判断していたんですけど、甘かった……!
いや、読み終えてみるとこのくどい文章がポップな絵柄に意外とマッチしてるんですよね。もうこの絵師さん以外なんて想像出来ない! ってぐらい。編集いい仕事してんなー。
 あ、この本の推薦文は音楽クリエイターのヒャダインです。
「文字が脳内で音に変化! 音楽を体感するバトルシーンは小説の域を超越! 壮絶! 猛烈! 豪傑! プチョヘンザ! めーん。」
……ごめん。あなたの言ってること、全然わかんない(真顔)。

 さー、ネタバレあらすじ行こうか!
 主人公、恒例の放課後の校内見回り中に変な黒魔術の儀式場と化している教室に入り込み、そこからマミダラという美少女悪魔が召喚される。気に入られたようで、窓をぶち破って空を飛び跳ねて家まで連れ去られる。そこを新聞部でゲスイ記事ばかり作っている梨田(なしだ)という男子生徒にスクープされていた。→翌日の新聞部の記事で、『生徒会長が美少女と不埒なランデブー!?』という写真付きで掲載されたので進退を問われ、「それなら生徒会長を辞任してやるよ! ただし、取り壊したい第三校舎の不良どもを叩き出したら俺は続投するからな!」と生徒会内で取り引きをして、第三校舎に赴く。『黒魔術部』という部活には夜原(よるはら)という女子がいて、「あなた……昨日私が呼び出そうとしていたメフィストフェレスさまを横から取りましたね……? あなたを殺して、メフィストフェレスさまは私のものにします!」といきなりナイフで切りかかってくる。ので、主人公はマミダラに「おい、助けろ!」と言うと「もう契約したんだから、真一には悪魔の力があるよ? 『ノイズを取る、このマイクバトル』って言ってみて!」と提案されて従うと、『サタニックマイク』というアイテムが出てきて、周囲一帯をラップバトルの戦場にした。このエリアではリリック対決をして、その言葉の中に込められたメッセージが相手の精神を攻撃し、どちらかの心が負けを認めるまで続く……といったものだった。常日頃から心の中では校則を守らない生徒たちに罵詈雑言を飛ばしている主人公は楽々快勝。しかも、『倒した相手には三十分だけ勝った方の言うことを聞くようになる』という能力なので、その意気のまま隣の『ヒップホップ部』にも対戦を挑み、勝利。そして「第三校舎から出て行く」ことを命令すると、そこに近所の不良も泣いて逃げ出す、と評判のヒップホップ部の部長である司馬坂軍馬(しばさか ぐんば)が現れ、「俺がいない間に部員が負けた以上は命令に従うが、せめて最後に――ヒップホップコンサートをやらせてくれ!」と言ってくるので、不良にトラウマがある主人公は渋々承諾。そんでもって、サタニックマイクは使う度に主人公の寿命を削る、とマミダラから聞いて「こんなもん、もう使うか!」と主人公は決意する。→そして翌日から、ラップ好きなマミダラが人間体をとって、ヒップホップ部のイベントプロデューサーとしてヒップホップ部の中で「姫!」と呼ばれる。だが、梨田は諦めていなかった。主人公にどうしても恥を掻かせたいらしく、付け狙う。コンサートのチラシを商店街で配っている時に、主人公がジュースを買ってくるために一人になったところを二十代ぐらいのチンピラに因縁を付けられる。裏路地で「金出せよ」と脅迫されていたところに通り掛かるマミダラたち。マミダラは「なに真一に手ぇ出してんのよ!」とチンピラを爆発させる。そこで真一は、「マミダラも、俺にサタニックマイクをわざと使わせようとしなくて助けてくれて……いいやつだ!」と意識を変える。しかしその瞬間は路地裏のポリバケツの中に隠れていた梨田に激写されていた。梨田は、生徒会副会長で主人公を好いており、家が教会なのでシスターでエクソシストの森崎留華(もりさき るか)に写真を渡す。「やっぱり生徒会長には悪魔が憑いていましたか……。私の大事な生徒会長に……許しちゃおけんぞ、こんボケがぁああ!」(キレると関西弁に変わります)と、マミダラ討伐を決意し、実家の教会から『ウリエルギター』という「音色を聞いた相手に、演奏している間はなんでも言うことを聞かせられる」という聖物を取ってきて準備する。主人公はさっそく「これまではぐらかされてきましたけど……会長には悪魔が憑いていますね?」「はい、そうです」「じゃあ、私がその悪魔を殺しますよ? いいですね?」「はい、好きにしてください(ん? 何でこの言葉を喋ると同時に嘔吐感が……?)」と犠牲になる。→コンサート当日。主人公が会場内にいないことをいぶかりながら、マミダラがオープニングラップをかまそうとしたところに、シスター姿の森崎がやってきて、ウリエルギターを掻き鳴らす。その場にいたコンサートを聞きに来ていた学校の不良たちに「あなた方は、いますぐ染髪や腰履きや素行不良を直す、とこの誓約書に誓わんと殺すで! メフィストフェレスはその姿で不良たちにM字開脚でもして楽しませてあげーや! ふひゃーはっはっはっはっは!!」と無理矢理命令を利かせる。だがそこに夜原が「メフィストフェレスさまには手出しさせない……!」と、二階にいたのでウリエルギターの音が届かなくて耳栓をして駆けつけてくるが、森崎の格闘術には敵わない。なので「(森崎によって、いまごろマミダラは殺されてるんだろうか……。ん? なんだ、この胸の痛みは?)」と遠くで感傷に浸っている主人公を見つけ出し、「あなたの能力でしか、森崎は倒せないの! お願いだから、メフィストフェレスさまのために来て! 森崎はあなたの嫌いなルール違反を犯しているのよ!」という説得でルール違反は許せない主人公は立ち上がる。コンサート会場でマミダラに「メフィストフェレスは体内で魔力が暴走して死んじまえええ!」と告げた森崎に、「森崎! そのシスター服は校則違反だ! そして生徒会の許可なく演奏することも! 更には不良どもを洗脳して無理矢理誓約書を書かせることも!」と鬼の首を獲ったようにして、主人公がぎりぎりのところで現れ、サタニックマイクを発動させる。しかし森崎は、家から勘当された兄がラップ好きだったこともあって、主人公と互角に渡り合う。だが、これまでのコンサート舞台を用意するための付き合いでヒップホップ部の連中を仲間だと思い、マミダラにも「胸も大きいし、何より可愛い」と感じていた主人公の力が最終的には勝った。しかし、最後のウリエルギターの力が効いていたらしく、マミダラは瀕死の様相で「森崎……。いいラップだったよ……。最後だから、握手したいな……」と弱弱しく告げたのだった。→エピローグ。結局、主人公は生徒会選挙で再選し、「最後にコンサートを開いてやる、というヒップホップ部の要望が聞けなかったのだから、第三校舎の取り潰しも出来ません」と生徒会を言いくるめてヒップホップ部たちは残留。ヒップホップ部にだけ悪魔だということがばれたマミダラは――ぴんぴんして今日も元気に歌っていた。逆に森崎は「こんの悪魔が……ようもやってくれたなあ……?」と左手にギプスを嵌め、全身に包帯を巻いていた。最後のあの時、マミダラはM字開脚をさせられた仕返しとして、「最後だから握手して……?」と演技し、握手は嫌がられたので思いっきり至近距離から爆発させることは出来なかったが、森崎に充分な報復をしていたのだった。「なに? なんか文句でもあるのー? あーあ、あの時ちゃんと握手してくれてたらもう二週間ぐらい退院を遅らせてあげれてたのにねー」「思いっくそあるわい、ボケ。仕方ねえから、お前らの土俵で勝負してやるさかい、準備し! コテンパンにしてやるわ!」と、ラップを音楽と認めた森崎は今日からマミダラと一緒にリリックを刻むのだった――。

 マミダラがだんだん主人公にとって可愛くなって行くところがいいですね。
 ですが、肝のラップが致命的に面白くない
例1:【私服厳禁、土足厳禁、ヒゲも厳禁、タカり厳禁、サボり厳禁、バイク厳禁、威嚇厳禁、ケンカ厳禁、遅刻厳禁。下校時間無視、騒音苦情無視、学院行事無視。三号棟に滞在するテメエらの十二の大罪。くれてやるよ今日中に引導。果たすのはそう十二神将】
例2:【善悪の境界が曖昧だ? その発言が間違いだ。悪魔は悪だから悪魔なの。あなたの言葉は意味不明。新たなライムはマジウゼエ。喰らえ、アバドンの猛攻を。あげろ、懺悔の咆哮を】
……とかですね。ええ、全315Pで数えきれないほどのリリックを作ったことは認めましょう。でも下手。例に挙げた前者なんて、「厳禁、厳禁」言ってるだけじゃん……。
 ついでに『ノイズを取る、このマイクバトル』っていうサタニックマイク召喚台詞のセンスの無さも致命的。
特に275Pでは、森崎との最終バトルなのに、普通に「ノイズを取る、このマイクバトル」って言ってたので、そこは「!!」とか普段は落ち着いている主人公が激昂しているのを表すためにもエクスクラメーションマークを付けて欲しかったですね。

 星3つ★★★☆☆かな。普通です。少なくとも、「ゼロから始める〜」や「水木しげ子〜」よりは面白かったよ! ちょっとだけね!w ……いや、しげ子が酷過ぎたんだとも言えますが……。

posted by mukudori at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月13日

水木しげ子さんと結ばれました/真坂 マサル

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真坂マサル 生煮え

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呪うなら自分を呪いなさいな

 僕、楠見朝生(くすみ あさお)は現在、『死体を埋めるための墓』を掘っている。隣で死体の内臓を弄んでいるのは、水木しげ子(みずき しげこ)さん。新しい高校でのクラスメイトだ。とても美人だけど、常人とは一線を画しているところがある。……主に、グロイ方面で。さて、埋めましょうか。『交通事故に遭った猫の死体』をね。たった一度きりの第20回電撃大賞、20回記念特別賞受賞作!

 この前の記事で「このブログ2月恒例の電撃大賞受賞作、連続レビューするよ!」とか言ってたのに、一日開いてしまってすみません……。
いやね、前のレビューといい、あんまり電撃大賞受賞作がクソだから、ちょっと読み進めるのが苦痛で……。
 あ、推薦文は「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の入間人間先生です。
「これが大賞じゃない? 相変わらず、見る目のない連中だ」
……とありますが、単に第13回の自分の投稿作(「みーまー」の元作品)が最終選考(審査員全員が読む)で落とされたことをネタにしているだけですよね。普通に読んだら、絶対に大賞なんかやらない、という感想を抱くはずですから。……だから、ね? 入間先生? 「ごめん、忙しくて読んでないや。てへぺろ☆」って言っていいんですよ?

 ネタバレあらすじー。
 主人公は少し前に拉致られて、『誰かの血液』を注入された。それ以来、自分の左の小指に赤い糸が見えるようになる。そして、「自分の父親が十歳の女の子をナイフでめった刺しにして殺した。父親は牢屋で首吊り自殺。でも本当は冤罪でしたー。ごっめーん」という事件のお陰で高校を転校せざるを得なくなる。その初日の通学途中で猫が車に轢かれて、その死体を持ったしげ子と出会い、なんやかんやで山に行って死体を埋めることに。その所為で血みどろ・どろどろになって、クラスメイトからも遠巻きにされているしげ子と一緒に登校したことで初日から目立つ主人公。→屋上庭園に行くと、同学年の帆代樹(ほしろ いつき)という少年と出会い、友達に。樹にも赤い糸が見えた。家に帰ると非通知着信が来て、「君に血液を与えた人間だよ。駅に来るといいものが見られるよ」と言われて行くと、赤い糸が繋がった男女がおり、女性が男性を電車が来る直前にホームに突き飛ばして殺した。それによって主人公は、この赤い糸が結ばれた人間同士はどちらかが殺し合うことを知り、「1、糸を見るには、まず糸が結ばれた人を見なければいけない」「2、その糸から目を離さなければ、糸を追うことが出来る」「3、糸は物体を通れない」……ということを確信する。つまり、主人公としげ子もいつかは相手の命を奪い合うようになる、と。→樹の糸も気になった主人公はその糸を辿って行くと、樹の家に天城苗(あまぎ なえ)という中学生が「よくもお兄ちゃんを殺したくせに、のうのうと! お前らなんか死んじゃえ!」と言ってガラスに石を投げて割っている場面に出くわし、「(ああ、この子が樹の糸の先なんだ――)」と思って、樹の家に「大丈夫ですか?」と入る。そして樹の母親に「樹は小学校のころの遠足で、自分をいじめていた子を橋から突き落として殺したの。さっきの子はその妹さんなの」と理由を聞いて、もてなされる(ここの部分、後で重要なんでちょっと覚えておいてください)。そしてしげ子は後で苗に「とある自殺スポットの廃病院に樹くんがよく行っているらしいわ。自殺を考えているのかもね。いっそあなたの手で突き落として復讐したら?」と吹き込む。実際に行ってみると本当に樹がおり、苗もやってくるが――苗はお膳立てされても、主人公の説得で思いとどまる。だが実は樹は『他人を高いところから突き落としたい症候群』だった。これまでに何人もの自殺志願者を突き落としてきたと言う。そして苗は突き落とされ、翌日に樹の糸は消える。しかし苗は足の骨を折っただけ。実は家に帰って「家族に話して、明日自首するよ」と言った樹がノイローゼ気味の母親に殺されたので、本当の樹の糸は母親に繋がっていたのだった。……はい、これでまず「糸についての確信・1」に矛盾しましたね。つーか、苗を見た時点(せめて、樹の母親と会った時点)で繋がってない、ってことはわかるはずなんですけどねえ……。なんで設定忘れてんだよ、おい作者。→次の事件。引きこもりのクラスメイトの男子・日影日和(ひかげ ひより)と家の弁当屋が潰れて行方不明な四隅月絵(よすみ つくえ)の事件があったりしますが、話の本筋に関係ない無駄話なので省略します。→最近話題になっている、『人の身体の一部を壊死させて、菌を身体中に回らせて殺す』といういままでに3人を殺した『グールマン事件』の特集をテレビで見ていると、そこに招致された心理学者の長滝六郎(ながたき ろくろう)の指に六本もの赤い糸が見えたので、しげ子に「もしかしたら、こいつが!?」と相談する。しげ子と一緒に長滝に会いに行くと、長滝は「よくわかったね。確かにあと6人殺す予定で監禁しているよ。でもその隠し場所は警察にも君たちにも教えないけどね」と言ったので、しげ子がスタンガンを喰らわせる。そして主人公が長滝の車で拉致。そして途中で長滝が拘束から抜けて反撃しようとしたところに、しげ子が運転している主人公にわざとスタンガンを喰らわせて、行き止まりで事故を起こす。その時に気絶した長滝の胃から、飲み込んだ携帯電話を取り出す(ビニール袋に包んで、糸を歯に引っ掛けていた)。その携帯の履歴には何度も掛けているところがあり、掛けてみると自動で携帯に映像を送ってきた。それは被害者たちの監禁場所だった。厄介ごとはごめんなので警察に連絡をして、その場を去った主人公たち。→主人公の姉、冬羽(とわ)が怪しい男のフリーライターと結婚を嘱望していることを紹介される。だが、主人公の目には姉の左小指からお腹に向けて、赤い糸が見えていた――。……はい、二回目の「確信、1」の覆しが出てきましたね。新しい命を妊娠しているだけで、まだ赤ん坊の顔も見てないのに……。何? 作者……痴呆なの? 男は主人公にこっそりと「実は、俺が君に血液を注入した相手なんだ。俺には昔、23本もの糸が着いていた。もし水木しげ子を殺してくれたら、糸の呪いを断ち切る方法を教えるよ」と言ってくる。主人公は2年前に焼け落ちたしげ子の家に行ってディナーを振る舞われ、男から渡された薬を仕込もうとするが――。→翌日、男に会う。「ああ、糸が消えてますね。しげ子を殺してくれてありがとう。でも、ごめんなさーい。本当は糸を断ち切る方法なんて無いんですよー。あっはっは」とのたまう男の目の前に現れたのは――しげ子だった。主人公は事前に、しげ子行きつけの『トビラ堂』という骨董品店兼闇医者に行って他人の小指と付け替える手術をしてもらったのだった。そしてしげ子は「この人の名前は水木楽(みずき らく)――昔は優しかった、私の兄です。そして、ある日いきなり豹変したので地下室に閉じ込められていて、二年前に私が『今日はお兄ちゃんのお誕生日だから』と思って出してあげた途端に両親を惨殺して放火したんです」と過去を語って、兄妹のガチバトル。だがそこに主人公のありがたいご高説()を飛ばして、楽はふらふらと道路に出てトラックに轢かれる。楽は死ななかったが、ほぼ脳死状態。主人公の姉はそれでも離れずにそばにいることを決意した。→エピローグ。「しげ子」という名前は、実はしげ子の母親の本名。でも母親が亡くなったことで、しげ子はせめてもの形見として名前を受け継いだのだった。本当の名前は、主人公とだけの秘密だった――。

 うん、クソッたれのダメダメだね!

作者さあ……本当に馬鹿なの?
なーんで自分でわざわざフォントいじりまでして書いた設定(70P)を何度も忘れちゃうかなあ。
最後の「糸は、『呪い』なんかじゃない! これから起こる悲劇を回避する術を教えてくれる、『希望の糸』なんだ!」というお言葉には読んでて寒気が走りましたよ。悪い方のね。ハイハイ、偽善者乙ー。お前さあ、楽に「前に君に見せた電車轢殺事件は、結婚詐欺師(もう海外に逃亡している)に騙された女性に『あなたの無念を晴らすことは出来ないかもしれませんが、同じようなことをしている男がいますから、そちらで代用しては?』って俺が吹き込んだから事件が起こったんだよ」って聞いてるのに、馬鹿なの? アホなの?
 あと、明言はされていませんが……この話って本当は短編部門に送られてきたんじゃないの? と疑いたくなります。
それぞれの事件が独立しており、特に日影と四隅の事件なんか挟んだ意味が全くわかりませんでした。単なるページ稼ぎなら削れよ。ただでさえ、値段600円超えてるんだから。
 そして微妙なファンタジー(?)要素。
しげ子が屋上庭園で育てていた食虫植物――ならぬ『食鳥植物』とか、別に話に関係ないんだし削ってもいいですね。
『トビラ堂』もあまりに、話(しげ子)にとってご都合主義過ぎる役割。しかもノブオ(店主であり、医者)が両方のまともな目玉が無いのに、かなり難易度の高い手術が出来る腕前……ってどういうことだよ、おい。
そんでもってゲーセンのレースゲームぐらいしかしたことのない、たった十六歳の主人公が、しげ子に命令されて長滝の車をいきなり運転出来るってどういうことだよ。シフト操作とかどうやってわかんの? ご都合主義過ぎる(2回目)。
更には、しげ子が縛っている長滝を拷問しようとして腹にメスを入れた時に「その時何故か、コツッ、と音がした」って描写だけで済ませるのはどうして?(これは後で「長滝が携帯を胃の中に入れている!」という主人公の推理(笑)に繋げるため) 普通なら長滝も胃に貫通するぐらいまで(しかも、その時の体勢的に携帯電話は背中の方に落ちていたと思われる)深くメスを刺されたら、悲鳴ぐらい上げてもいいような気がするのですが。ついでに長滝がしげ子のメスを奪って自分の指を切り落として拘束から逃げ出すところもありましたが、そんなの無理に決まってるだろ。しかも2本も? ハイハイ、すごいでちゅねー。まず骨の部分でメスが刃こぼれするっちゅーねん。第一、どんだけ小さい携帯だったら飲み込めると思うんだよ。どこの世界でそんな携帯売ってるんだよ。しかもビニール袋包みとか……仮にそんなものを飲み込めたとしても、歯に糸を繋いでるんだったらたった一度だけでなく、常に嘔吐反射起こりまくりだっちゅーねん。少しは調べて書け、馬鹿作者。ついでに辞書で『現実味』と『整合性』という単語を引いたらどうですか?
 伏線回収もなってない。
父親が冤罪を被せられた事件の本当の犯人は? クラスメイトで人気者の虹子(にじこ)を出した意味は?

 唯一褒められるのはイラストぐらいでしょうか……と思ったら、生煮えさんってあんまり描き分け出来てないんですよね。樹と虹子とか、口絵カラーで並べてみたら、目とかまったく同じなんですが。あと、長滝も原文では「口髭のある〜」とか書かれてるのに、つるっつる。あっはっは。
そんなことで星1つ★☆☆☆☆。超地雷のスーパー駄作です。

posted by mukudori at 20:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする