2014年12月31日

春日坂高校漫画研究部 第1号 弱小文化部に幸あれ!/あずまの 章

 さあさあ、やってきました、「ライトノベルな日常」毎年恒例! 年末年始連続更新〜!! 最低三日は続けてやりますが、それ以上は不明です。
初日の今日は、ちょっと最近の女子の感性に触れてみるために、角川ビーンズ文庫からですよ!
春日坂高校漫画研究部    第1号 弱小文化部に幸あれ!  (角川ビーンズ文庫)春日坂高校漫画研究部 第1号 弱小文化部に幸あれ! (角川ビーンズ文庫)
あずまの 章 ヤマコ

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弱小文化部に幸あれ!

 春日坂(かすがざか)高校の二年生で漫画研究部所属の吉村里穂子(よしむら りほこ)は、今日もだらだらと数名しか所属していない漫研でオタクトークに熱中。しかし、学校から「部活の数が多過ぎる」と言われて、部員の少ない弱小文化部たちは合併統合されることに!? どうなる漫研!! 「小説家になろう」に投稿されていた期待作!


 ……待て。ちょっと待てよ。
おいおい……こんなのが最近の若い女子高生たちに受けているのか……?
 まず、一人称視点での主人公(里穂子)の口調がどうにも乱暴でいただけない。外見はメガネに黒髪三つ編みの化粧知らずのモサい顔……なのに、地の文での語りでは「躾に効くのは痛みって聞いた気もするし。どっかの兵長みたいにさあ。」なんかのひどく乱暴な口調や、本当の口でも部活の男の後輩に「うるさい黙れ。お前は鼻からアイス食ってろ」とかさあ……。
いや、別に私が「うるせーなあ。女子に見た目だけで男子向けラノベのテンプレを求めてるんじゃねーよ」と言われればそれまでなのですが。
でもさあ、一人称視点でいくら苦手な相手とはいえ、ちゃんと主人公のことを考えてくれている年上の人間に対して呼び捨てとか嫌味を言い放題とかは……ね?
 そして更に看過出来ないのは……まあ、後述しましょうか。

 ネタバレあらすじー。
 主人公、漫研での友人や後輩たちと一緒にだらだらとだべったりする毎日。ちなみに唯一の男子部員でテニス部と兼部の五味(ごみ)という男子もいる。そうして出会って行く、クラスメイトのスポーツマンな岩迫(いわさこ)くんや主人公の兄貴と同じ高校で先輩の神谷(かみや)たちイケメン男子。でも主人公がそういうリア充たちを苦手にしているので、胸キュンイベントが発生してもイマイチそれに乗れない。→雨宮(あまみや)という別クラスの男子に呼び出されると、「悪いが、お前の兄貴に俺の兄貴がいびられて学校に行けねーんだ。復讐させてもらうぜ」と言われて人質にされて、河川敷にまで兄を呼び出されて喧嘩になったので、止めようと間に入ると主人公の顔面に拳が当たって鼻血が出る。そこに警察がやってきたので、主人公はどちらも捕まったら大変だ、と思ったので「全ては、私が悪いんです! この彼と付き合いたいのに、兄が反対しているんです!」と言い訳をして丸く収まった。ちなみに真相は単に雨宮の兄の万引きの瞬間を主人公の兄が見ていたから、脅されると思った……とのこと。→部活会議で「部費が少なくなったから、部員の少ない文化部を統合させて、『文化総合部』というものにさせよう」というものに、漫研も入っていた。なのでそれに当て嵌まる部の部長たちを集めて会議を開くが、放送部なんかは「別に俺たちは学校の機材があれば放送も出来るし」と言って会議から逃げようとする。だが別段、主人公たちはいつもイラストを描いたり漫画を読んだり……なのに、「上手く言葉には出来ないけど、漫研が無くなるのは嫌だ!」というテキトーな気持ちで統合されるのが嫌。それとは真逆に文芸部部長なんかは「この高校から、いまヒット作を出している有名小説家が出たのは知っている? 私も将来は小説家になりたいから、デビューした時に『高校の時は文化総合部で〜』なんて言いたくないの! ちゃんと胸を張って文芸部って言いたいわ!」というきちんとした理由があった。そうして次の会議での弱小文化部をどうするか、の投票の時にまでいろいろと根回しをする。文化系の部はほとんど統合に反対の票を入れてくれるらしいが、この高校は運動部の方が多いのでそっちの根回しに奔走するも、サッカー部のキャプテンに捕まって汚い部室をサッカー部だけでなく他の運動系の部の部室も掃除させられることに。→そして投票日。先生が公然と票を数えて行くが、「この高校で昔もね、こういうことがあったのよ。だから本当は『弱小文化部を統合〜』の話が出た時に、あなたたちがすぐに反対してきてくれればすぐに撤回していたのだけど、すぐ投票の話になったから……」と意味深な言葉を告げて、結果は過半数の23票獲得で文化部はそのままで存続決定。サッカー部の部長も単なるいびりではなく、主人公に部室を掃除してもらえた部の部長たちに裏で口を利いてやって反対票を入れさせたのだった。そうして、主人公たち漫研部員は抱き締め合ったのだった。

 うん、お前さあ……二次も含む同人活動やってるからって、放送部部長に
「統合が嫌で、もしも同好会に格下げになったら、これからはお前がリクエストしてくるアニソンとかレンタル出来なくなるかもな。そこはゴメン。先に言っておく」
「ううん。それなら私のお気に入りのアニソンUSB貸してあげるし

 …………おぃぃいいい!!
やっぱり、「なろう作家」は所詮「なろう作家」なのか……?
どう考えても、違法行為です。ハイ。
あとさあ、その前に「いつもの昼休みの放送、楽しみにしてるんだよ? だって、私がリクエストしたアニソン、よくかけてくれるし」「あれ、お前だったのかよ!」って言うなら、もうそのUSBメモリのデータを放送部に貸してやって「一週間に何日かでいいから、これに入れてる順にかけて行ってね〜」とか言っとけよ。そうしたら放送部も部費に悩まなくて済むんだよ。クソ女が。
 あ、ついでに「アニソンUSB」って単語が地味に気になりました。あのね、「USB」っていうのはインターフェイスのことだからさ、その後に「メモリ」とか「ハードディスク」とか付けておかないとなんのことだかわかんねえぞ? 編集仕事しろや
そんで更には「いいなあ、蝉は。木にへばりついて鳴いているだけで小学生に乱獲されてる蝉に比べれば、私の人生イージーモードだというのに」……これに至っては、文章が意味不明で脳がフリーズしましたよ。
「私の人生イージーモード」というのがよくわからない。その前の文章である「小学生に乱獲〜」に繋がっているなら、「人生イージーモード」な表現はイミフだからそこは「私の人生なんてイージーモード〜」にしなきゃだし、「木にへばりついて鳴いているだけで〜」に繋がっているなら、「私の人生よりイージーモード〜」とかにしなければワケわかりませんよ。助詞が足りない。編集仕事し(ry
 あとな、蝉は土の中で七年過ごしてやっと地面に出て羽化して、一週間という短い期間で子孫繁栄に頑張って死ぬんだぞ? そんな虫とはいえ生命の一生をテメエごときの「気持ちを表現するのがよくわからないけど、この漫研が無くなるのはなんでか知らないけど嫌!」っていう、これまでに特に目に見えるようななんの活動もしてない漫研で、後のたった二年間の高校生活と比べるな。蝉に失礼だよお前。
 それに「主人公がサッカー部だけでなく他の運動部の部室も掃除〜」のところですが、親友で剣道部と兼部の北川(きたがわ)とテニス部と兼部の五味と入院中の部長……はまあ除外していいとしても、まだ後輩(一年生)の女子二人が残ってんだろ? こういう時こそ手伝わせろよ。薄いんだよ、キャラが。だから最後に抱き締め合うところでも、感動がやって来ない。主人公だけが「なんだか私だけがキツイこと全てをやらされて可哀想でしょ? だからみんな私に同情しろよ!」みたいに見えるんですよね……。
 そうそう、先述した「胸キュンイベントなのにイマイチ乗れないところ」ですが……
例:主人公、アニメ映画を観るために友人と映画館へ。そこで女連れの神谷と出会う。
「やっほーリホちゃん。映画観に来たの?」
「ねえ神谷くーん。何よこの子ー?」
「友達の妹だってば」
「はい、そうですけど?」
「リホちゃん、何観るの? やっぱあのアニメ?」
「えー! やっだぁ神谷くん、この子ってオタクってやつなのー?」
「……うるせえよ。誰が何を好きでもいいだろうが。お前、やっぱ帰れ」
「ちょっ!? アタシをなんだと思ってんのよ!! 帰ってやるわよ! フンッ!!」
「あの……あの人を帰らせてもいいんですか?」
「いいっていいって。映画なんて前戯みたいなもんだし。じゃあ俺もリホちゃんと同じやつ観ようかな」
「今日私が観るのは三部作の二部目なので、まずは一部目を観てからどうぞ」

……とかさあ……。
神谷が主人公のオタクさを馬鹿にした女子を手酷く振ったところで、もっと掘り下げてキュンキュンさせろよ! なんで「三部作の二部目なのでまずは一部目を〜」になるんだよ! 「じゃあ、この後はレンタル屋で一部目を借りて一緒に見ます?」とかさ……。
 まあでも、ちょっとは良い部分もありましたよ。
クラスメイトのギャル系の女子生徒に話し掛けられた時に「数学の先生萌え!」な感じの話になって行って、「あー、なるほど。やっぱり女子同士って話が合うんだ。これまでにこういう子を見掛けだけで判断して逃げてきたのは悪かったなぁ。」とオタク友達だけにとどまらず、新しい交友関係を知って築いたのはヨシとしましょう。

 さあ、星の数は……星2つ★★☆☆☆!!
普通なら星1つだけの地雷ですが、2つ目の星の分は最後の2P分のオマケとして描かれた四コマ漫画の分ですよ! クソが!!
こんなんで2014年を締めくくりましたが、みなさん良いお年を〜(´∀`*)ノシ

posted by mukudori at 03:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 角川ビーンズ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする