2016年02月01日

ねじまきカギュー全16巻/中山敦支

 お久しぶりです、こんばんは!
本当に久しぶりの更新は、「ケモノガリ3連続」はちょっときつかったので、病床の上で軽く読めたオススメ漫画の紹介です。パソコンはともかくネット使えない環境で長期入院とか……マジ勘弁っすわw

 ところで、みなさんは生きている上でこの世の中には苦手なものがたくさんありますか? 私は当然、完璧超人ではない普通の人間ですからたくさんあります。そんなものに一度出会った時、みなさんは自衛をしてますか?
 例えば一度事故をして嫌な思いをした人が、もう一度、事故した現場に猛スピード&アグレッシブな調子で飛び込んで行くことなんて、普通ならやらないでしょう?
自分の考えと行動が絶対的に正しいと思っていても、自分や事故相手(たとえそれが電柱に掠る程度でも)をも傷付ける可能性があるという思慮が少しでも念頭にあるのなら、もうその道は避けるか注意しながら通り過ぎましょうよ。そうすれば誰も傷付きませんって。
 あと、商品の購入時などは注意書きなどをよく見てから買いましょうね。
初めて入った個人レストランで初めて頼んだメニューを注文して食べてから、「クソマズイ! 別にアレルギーでもないけど自分にとっては味が嫌いだから他のやつに取り替えろ!」と、店側が賞味期限の切れた食材を使っていたり衛生管理状態を悪くして調理してでもいなければ、店員も「それでは、これ以上食べないでください。今回は代金はいただきませんが、もしも次回がありましたらご注文は避けてくださいね」と、そりゃ暗に「二度と来るなよ」を含ませた慇懃無礼な対応にもなりますって。「ざけんな! お客様は神様だろ!」とクレームを付ける人は「ニーチェ先生」
ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ) -
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でも読んでください。……まあこれはジョークですが(笑)。
そういうトラブルでお客も店側もお互い嫌な気持ちになるのは勘弁して欲しいでしょ? だからここもかなり前から、目に入るようなページには注意書きを載せています。
それとも個人レストランや個人小売店ではなくマニュアル重視なチェーン店であっても商品の搬入の最終決定は主に店長クラスですが「これの陳列状態はおかしいから、倉庫に下げるか改善しろ!」と苦情を言うのが製作者さんご本人であっても、店も面白そうで売れそうだと思う商品には仕入れに時間を割いて、金を払って、また陳列に時間を割いて立ち向かってるんですよ。
だから店が「オススメ品だ!」と思ったならば自信を持って紹介しますし、「いろんな部分が駄目だなあ……。しかし誰かが興味を持って見るかもしれないから、購入されそうな時にはこちらなりの姿勢で説明しておこうかな」というサービスをする店員もいるかもしれません。それがお客にとっては話を聞いて行くうちに嫌悪を覚える展開を予測出来るような押し付けサービスだと思ったら、拒否して逃げる権利がお客にはあるんですよ。強制的に椅子に縛られて、「これを買うまで帰さないぜ!」とでも言われたなら、もう警察に行ってください。
 いくら甘く甘〜く『嘘』という糖衣を被せた薬の方がその人には良くっても、過剰摂取すれば甘さは毒にもなります。苦い薬に当たってしまったら、口に入れた時点で吐き出して喚きますね。子供なら特に。
ですが大人なら、苦い薬も気にしないように我慢して飲み下せるし、次は前の薬は捨てて違う薬を選ぶか、オブラートに包んで飲むなりするのを、大人なら自分で取捨の判断が出来るんだから……ということを忘れないでください。
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中山敦支

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愛ってなんだろう?

『花は桜木学園(はなはさくらぎがくえん)』の新任教師でありながら、「変な女子にばかり好かれる」という女難体質の葱沢鴨(ねぎさわ かも)。貧弱で女子よりも弱いため、いつものように女子たちに追いかけ回されているピンチに現れたのは、蝸牛十兵衛(かぎゅう じゅうべえ)。中国拳法に似たものを使う美少年だと思っていたのは、なんとカモと小学校が同じで年下の幼なじみだった少女の『カギューちゃん』!? そしてカギューは「カモ先生を守るために強くなって中国から帰ってきた! だから約束どおり、将来はお嫁さんにして!!」と言って、カモの受け持つクラスに編入してきたのだった。


 カモ先生のネーミングについては、最初は「新撰組の芹沢鴨をネタにしたのか?」と思いました。まあそれも一因なのでしょうがカモの「一癖ある女子に好かれる」という設定で「鴨がネギを背負ってる」という意味だという、気付いた時にはくすりと笑えるダブルミーニングなネーミングジョーク。
 カギューも螺子形状に関係する拳法を使うので「ほほう、それで蝸牛(カタツムリのこと。または、人間の耳の鼓膜よりももっと奥にある、主に平衡感覚に関係する器官。カタツムリの殻によく似ている)という苗字か!」と唸るのですが……最終巻の16巻のオマケは嬉しくありつつもカギューとマブ姉の名前がなんで明らかに違うのか、とか二人の父親の所在について全く触れられていないこととかにはいろいろと疑問が余計に残るんですよね。

 今回の漫画は全16巻で完結しているので、1巻から最後の16巻まで美味しいところだけ取ったネタバレあらすじです。
 カモ先生、スケバンのゴツイ不良女をも女難スキルで魅了させて拉致られそうになったところでカギューが助けに来る。最初は男子だと思っていたが、カギューが螺子巻発条拳(ねじまきぜんまいけん)を放ったところで螺子巻拳を操るために締め付けていた身体中のサラシが取れて、女子だということがわかり、更に小学生の時にカギューが男子に名前のことでイジメられているところを助けた(ただしカモはその年下の男子たち多数組に負けた)時から仲良くなった。このカモの行動の背景には、両親を事故で亡くしたカモが当時担任だった女性の先生に助けられ、学校では一人ぼっちでコンビニ弁当を食べていたところをいつも一緒に先生が手作り弁当を作ってくれてお昼を食べてくれていたことで自信を付けたものがある。そして二人は仲良くなり、毎日一緒に遊ぶようになる。お互いの将来の目標を最初に出会った神社の鳥居に石で刻んだが、それからすぐにカギューは母親のいる中国へとおそらく本格的な螺子巻拳修得のために移される。その時にカギューは「再会した時には強くなっていて、自分がカモ兄ちゃんを守るんだ!」と決めていた。→再会後、カギューは花は桜木学園のカモの担当教室でクラスメイトとも仲良くなって学園生活を謳歌していた。カモの女難スキルによってのカモと仲の良いカギューに敵意を抱く女子もいたが、カギューの天真爛漫さや素直さとカモへの愛情の深さを理解させたりしてすぐに仲良くなったり。→しかしそこには、カモの親族の一員であり、3年生で風紀委員長で金持ち一族の一人娘な外見ロリータな犬塚紫乃(いぬづか しの)がカギューに難癖を付けてくる。その背景には紫乃も幼いころから親戚の集まり時には独りで遊んでいた紫乃を構ってくれたカモを好きなことがあって、それで「この学園では不純異性交遊は禁止だ!」と告げてカギューの友達たちと、紫乃の率いる風紀委員グループでバトル。結果的にカギューたちは勝ち、紫乃のロリロリな身体は、実は昔から父親からの次期総帥のための躾けによるものとカモがだんだん離れて行ったことでの精神的な閉塞感を持った理由のものだとわかり、カギューとのバトルの時にカモへの本音を言うと一時的に高校3年生らしい身体に戻った。その後は紫乃たちもカギューと友達になる。→しかしその際にカギューとカモたちに目を付けたのが学園の理事長の二千恵(にちえ)だった。ちなみにこの作品には珍しい名前有りの主要男キャラで、キリストの磔刑時のような茨の冠を常時着用。たぶん苗字の元ネタは「ニーチェ」だと思われる、のだが……有名な「神は死んだ!」、はどうしたよ……な矛盾スタイル(笑)。二千恵の一人娘の衿沙(エリザ)はカリスマ性のある学園の生徒会長で、「風紀委員を解体させたら学園の秩序はどうなるのか」、と糾弾してカギューとカモを学園のテロリストに仕立て上げた挙句、今度は生徒たちには自分たち生徒会が正義だと見せかけた上でカギューグループの戦いの場を作る。カギューたちが負ければ、カモはクビになるのでカギューは必死になる。この辺りでカギューの姉(本当の姉なのかは不明)である、マブルゥが中国からカギューが育ったか確かめにやってくる。ちなみにマブルゥはカギューと同じ螺子巻拳使いではありつつも、拳ではなく足技使い……でカギューに対するシスコンっぷりがすごく、この時点ではカギューよりも強い。生徒会戦ではボスの衿沙は自分の声帯に特性があって、それでカリスマ性をわざと作ったり生徒の心を操るようなこともしていた。しかし二千恵理事長はそれを「自分の本質をコロコロ変えて見せるなんて、個性の欠如だよね」と一蹴して、衿沙よりもカギューたちの方がやはり興味深いらしい。やっぱりカギューたちが勝つも、二千恵理事長に捨てられて精神崩壊し、幼児退行した衿沙を庇うためにカモは「僕は『あの先生』みたいに生徒を守れる先生になりたいんじゃなかったのか!」と思って全校生徒にはカギューたちは勝ったけれど、自分だけが黒幕で近くにいる手ごろな女子を操っていた、ということにする。その上で、衿沙に手酷いことをした二千恵理事長にカモは密かに「愛情を知らないあなたにはいつか本当の愛を教えてやる!」と覚悟した顔で宣言。→その後もカモはカギューグループ以外の生徒たちから白い目で見られつつも普通に学園に残って授業をしていた。生徒会戦の前に衿沙の出していた条件により生徒会が解体したので生徒会選挙があったりするけれど、あんまり話には関係ないので省略。とりあえず、カギューたちの推薦で紫乃が出馬してなんとか当選。ほとんどの仲間を書記やら会計やらの職務に就かせるが、カギューのことはカモに深く関わらせるためにあえて紫乃は外した。紫乃は二千恵理事長と前生徒会が推奨してきた『個性主義(キャライズム)』は撤回し、『平等主義』を何度も主張して生徒の心を掴んだから、カギューを近くに置いておくと、良くも悪くも素直なカギューはそれに縛られて、ずっとカモの味方でいられないと思ったらしい。→そしてカモは同僚で『黒幕宣言』をした後でも構ってくれている森(もり)先生という若い美人教師によって二千恵理事長の実の父親のいる場所の情報を聞いて、二人で会いに行く。そこは田舎の古びた療養所で、二千恵理事長の父親は二千恵の話を出すといきなり怯えたが、しかしカモの懇願と決意した瞳を見ると「もう、これきりにしてくれ……」と言って二千恵理事長が産まれた当時のことから話してくれる。二千恵理事長は産まれた時から母親には普通に可愛がられていたが、父親にはなんとなく異端児だと思われていて育って行くうちにしばらくは麒麟児として育っていた。だが、父親はしばしば子供らしくない部分を見てしまう。そのうち、「もう一人でもある程度の料理も出来るようになったから家事には心配ないし、家の財産も適度にあるし……」と呟いているのを聞いたその日の夕方、二千恵理事長(子)は家族3人が暮らしている家の前で近くの線路の遮断機が閉まっている中に靴がレールに挟まって閉じ込められているふりをして両親に助けを求めると、母親は二千恵理事長(子)を突き飛ばして列車に轢かれて死亡。葬儀の日でも泣かないのを不審に思った父親が「おまえは、母さんが死んでも……悲しくないのか?」と訊くとそれまではぶつぶつと「愛情がわからない……。僕にずっと愛を注いで犠牲になった母親が死んだのに、僕には愛情がわからない……」と言っていたのにいきなり嘘泣きをしたので本格的に自分の子供を気味悪がるようになった。しかし二千恵理事長が育って大人になって教職に就くようになると、同僚の女教師と付き合うように。その後、同棲したのちに結婚して子供(衿沙)を宿す。それで父親も「こいつにもやっと愛というものがわかったのか」と安心したら、出産予定日に父親に二千恵理事長から連絡があって、「子供は産まれたけれど、その後で医療事故があって母体は……」と暗い声で言われて、二千恵理事長が赤子も母体も連れてそそくさとどこかに行ったことを知り、父親は「まさか医療事故というのもあいつが!?」と、次は自分が殺される危惧をして教育現場から引退し、今に至る。実は……その衿沙の母親であり、二千恵理事長の結婚相手は、芙蘭(ふらん)という名前の……カモを救ってくれた恩人である女の先生だったのだ。そして森先生の新たな情報で、芙蘭先生が二千恵理事長の所有する島に植物状態でいるらしい、と聞かされてカモはカギューや森先生たちと一緒に、一度衿沙の見舞いに行った時に自分のことを「パパ!」と呼んで警戒心なく抱き着いてきた衿沙も連れて行った。前生徒会役員であった衿沙のクローンの双子姉妹にも芙蘭に会わせてやりたい、との思いから。もちろん、カモも『恩人の先生』に会いたいのは当然だったが。→島に着くと普通にさびれた感じの島で、山の上にあるのが二千恵理事長の屋敷だと島民から聞く。着いた時間は遅かったので、民宿に泊まって翌日に山を登ることにすると、眠りに入っていた夜半に大人も子供も……島民全員がカモたちを殺すために襲撃してきた。その初撃はいなして、ここの島民たちを養ってくれている二千恵理事長の命令だからだ、と言う島民たちをいかに無力化するか悩んでいると、そこに2人の少女が(しかし片方は熊ほどにデカくて筋肉もあって男かとも思うほど)。1人は二千恵理事長が世界中から探してきた最高の殺し屋の5人のうちの1人で、カギューが相対するも螺子巻拳が効かない『ジグザグ拳』というものを使ってくる。だがその殺し屋たちはカギューを殺さずに拉致したのでカモたちは追おうとするが、島民はその殺し屋たちに自分たちが逆に殺される、と怯えてカモたちを追って山狩り状況になるのでカモたちは山でばらけることに。バトルはまあ省略で、ほとんどカギューたちが勝ちます(というか、半分以上は森先生の功績)。カギューは(とりあえず)害の無い殺し屋が作った仮死状態になる薬を飲まされていて、そこからカモへの愛で現世に戻る選択をし、改めてジグザグ拳の使い手と対峙すると、静観していたマブルゥすらも「なんかに目覚めて綺麗になったな、カギュー。あ〜、喰っちまいてえなあ〜(あたしがカギューとバトルしたいぜ、の意)」と言ってしまうほど。そしてカギューがバトルして勝つと、カモと衿沙だけがその奥にあった部屋に入ることを許可される。中ではやはり芙蘭先生が眠っていて、熊似の殺し屋が「二千恵理事長に雇われてから薬に詳しい私がずっと診ているが、この人が植物状態から目覚めたことはない。無駄だとは思うが、もしも目覚めたならば好きにするといい。私はそこまで命令されていないからな」と言っていたが、カモと衿沙が近付いてカモが「先生、僕は昔の貴女の生徒で貴女に助けられた人間です。この子は、貴女の産んだ愛する子供の衿沙です」と言うと手がぴくりと動き、芙蘭先生が衿沙の名前を呟いて目覚めた。その時にカモはベッドの近くで指輪の箱のようなものの中に、少し曇った緑の丸っこいガラスの欠片が入っていることに気付く。船で陸に戻るとみんなが待っていて、双子たちも母親に抱き着いて泣いていた。衿沙の幼児退行状態もだんだと元の年齢に戻ることが多くなっていた。→そしてカモと森先生は、喪服を着た状態で二千恵理事長と会食の場を設ける。『愛』を教えるために。まずはカモからの「僕がこの場で一番、あなたのことを愛していますよ」から始まり、それでも効かない二千恵理事長に近寄ったカモは芙蘭先生を助けに行って、目覚めたことを告げると少し二千恵理事長が動揺したのを見て、懐から芙蘭先生のベッドサイドにあった『あの箱』を取り出す。中の緑のガラス欠片を二千恵理事長の胸に当て、「これは僕が小学生のころ、カギューちゃんと川で遊んでいて見つけて、恩人の芙蘭先生にあげたものです。昔は宝石だと思っていましたが、今見るとただのラムネ瓶の破片が水流で丸くなったものです。大人だった先生はそれを大事に受け取ってくれていた。普通なら、ガラクタにしか見えないもので、年月が経ったら捨ててしまうようなものだけれど、今もこうして存在している。……けれど、あの島の屋敷のベッドの脇にこんなに綺麗な箱に入れて置いてあるだなんて……結婚をしていたあなたになら、これを大事にしてくれていた思い出話をしていたことにも、この箱を眠る芙蘭先生の近くに配置していたことにも納得がいくんです。僕にはわからないことですが、もしかしたら出産後の医療事故はあなたの仕業でもないのもしれません。つまり二千恵理事長――あなたは確かに、芙蘭先生を……奥さんを心配し、愛していたんだそこまで聞いた二千恵理事長はふらふらとした足取りで「ご高説はもう……いいよ。ありがとう、カモ先生」と理事長室に入って行き、椅子に座る。そして眠気を感じると何故か上から自分の眠っている顔を見ていることに疑問を抱く。そう、この時点で二千恵理事長は安堵を得たためか死んでしまっていて、幽体で「ああ、これが愛情を理解している人間の顔なんだね」と分かって地獄へと旅立った。しかしその様子を監視カメラで見ていたのは二千恵理事長のクローンな少年と、生前の二千恵理事長が雇っていたあの島で生き残っていた殺し屋2人(熊女とジグザグ拳の女)。少年は「まあこれで一応愛はわかったから、次は……そうだ、衿沙の幼児退行から閃いた、『PTSD』とやらを理解したいね」と言いつつ、どこかの部屋から去った。殺し屋の少女たちを連れて。→その後、カモは森先生に「二千恵理事長の後釜はあなたよ。この学園の生徒たちを見守ってあげて。ただし、影からね。二千恵理事長は世界中に表や裏の人脈や権力があったわ。間接的とはいえ、彼を殺したあなたには、各国のいろんな思惑が降り掛かってくるだろうから、私の所属する組織が守ってあげるわ」と言われて森先生は姿を消し、カモは学園の理事長になるも、毎日の生徒への挨拶や集会への参加は常に大画面越しに。カギューや紫乃たちが必死に探すも、見つけられない。しかし森先生に出会ったカギューはカモの所在を問うと「あなたがあの学園を卒業した日の午後に裏門に来なさい」と言われた。その後はカギューは大人しく森先生の助言に従って、友達たちと学園生活を謳歌していた。→卒業式ではあらかじめ録画しておいたカモの動画がプロジェクターで映されて卒業生を激励。カモ本人は、『ある覚悟』を決めていてその光景をこっそりと2階の通路から見ていた。卒業式が終わった後で裏門に行くと、そこでは本物のカモがいた。カギューは「己(オレ)、卒業までちゃんと頑張った! だからもう、これ以上カモ先生と離れていたくないんだ!!」と叫んで逃げようとするカモに触れようとするが、それを阻止したのは森先生。彼女も得意体質で卓越した格闘術だけでなく、いろいろな効果をもたらす体液を出せたり液体にもなれる人間だった。しかしカギューは「人を動かすのは愛の力なんだ!」と這這の体でなんとか倒す。最後に森先生は満足した顔になり、カモがこの後すぐに自分が渡した毒丸にて自殺することを告げ、「私はなかなか死ねないけれど、貴女もカモキュンと同じように現実に耐えられなくなったなら、これを呑みなさい」と言って丸薬を渡してくる。カギューが理事長室に入ると、そこにはもう死亡していたカモの姿が。慟哭するカギューは森先生の言葉を思い出し、丸薬を取り出すと自分の口唇に挟んでカモへの初めてのキスと同時に半分に割って、「あなたのいない世界なんて意味が無いのに……」とお互い呑むようにした。→エピローグ。紫乃が総帥になった犬塚グループの経営する幼稚園では、これまでに敵から味方になって行った少女たちの子供たちが遊んでいた。そこに大きなリュックを背負って中国からやってきた幼い子供は――。


 ――はい、クソ長いネタバレあらすじ終わり! これでも短くしようと努力はしました……一応。
 巻数も適度にあって読み応えがあり、話のテーマ自体やキャラも好きなんですが……やっぱりなんとなく途中で設定の破綻とかが見えてくるんですよね。最後は駆け足過ぎて、その辺りが「やっぱりこの作品って、ウルジャンかヤンジャンか忘れたけどコミックスで換算するなら担当さんに最後の3巻分ぐらい前から宣告されてた打ち切りだったの?」とも勘繰ってしまったり。16巻なんかものすごくオマケがあるし。まあ、週刊少年ジャンプなら新人だと3巻も続いたら御の字ですよ。
 特に生徒会との対決が終わってからは「カモの女難設定どこ行ったよ!」とツッコミたいんですよね。その時点で気絶していた衿沙の洗脳能力が切れていたとは思うんですが、カモが独りで「テロリストなのはぼくだけだ! いやあ、この年ごろの女の子って単純だから騙すのも楽だったよぉ〜」と全校生徒に向けて下衆っぽく告げた時に一般生徒の女子たちのほとんどが「ええ〜。あの先生って優しいから好きだったのにこんな本性だったの〜?」とすぐに手の平返しをした時は、「衿沙が声で洗脳していた時はともかく、今でもカモを嫌いになるのか?」と疑問を抱きましたね。第1話の冒頭でもかなりの数の女子に追われていたカモなのに……。二千恵理事長が発端であり推奨している『絶対個性主義』の学校に通っているぐらいの女子なら、ほとんど結構濃いキャラしてんじゃないのか?
ラスト近辺では「森先生の正体にはもっと大きな謎があったんじゃないか?」と思ったぐらいに「貴女の本当の正体は……!」と言いかけたカモの言葉を途中で封じさせるぐらいの引きの強さを見せたのに、結構あっさりと日本の上層部から派遣された二千恵理事長の行動を監視するためのエージェントだったのはちょっとなあ……。その程度の、上から大臣ぐらいの人間が命令出来るような立場なのに、二千恵理事長所有の島での世界中から探して集めた5人の最強・最凶の殺し屋の下位とはいえ2人を同時に相手して一気に殺せる強さがあったのはちょっと……。自分でもラストのカギューとの戦闘時には「私はあえて言うなら最初からレベル99の勇者だったのよ」とか言ってたので、もう少し世界観の広がり……というか大物っぷりを見せて欲しかったなあ。オマケで出てきたカギューの母親ともし戦うことになるとどっちが強いのかも気になりますね。
エピローグでも二千恵理事長が「この双子たちは開発した衿沙のクローンだから二十歳ぐらいまでしか生きられないよ」と前に言っていたにも関わらずに生きていて自分たちとそっくりな子供を成しており、双子たちがまだ存命なこと。

 あと、この漫画はいろいろな意味で「濃かった」ですね。
週刊少年ジャンプで連載中の『斉木楠雄(さいき くすお)の〜』
斉木楠雄のΨ難 1 (ジャンプコミックス) -
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で確か結構最近の話だったと思うのですが、斉木の友人の不細工認定されている燃堂(ねんどう)がラブレターをもらった話で、共通の友人である海藤(かいどう)がそれを知って驚き、「1Pも使って驚きの顔芸すんな。手抜きだと思われるだろうが」とか心の中でツッコミを入れているんですが、『ねじまきカギュー』を読んだ後だったので「いやいや、こんなの軽いだろ……」と笑えもしませんでしたし、使い古されたオチなんだろう? と思っていたらそのとおりで冷静に読むだけでしたね。『斉木〜』は話によって当たり外れがあるからなあ……。
『〜カギュー』は主要キャラはほとんど女子なんですが、その表面的には優等生や可愛いはずの女子たちにも容赦なく顔芸や女の醜い面を出させてくる! しかも見開き2Pの全面使って!(笑) なので「あ、これは来るな……」と思ったら覚悟して次のページを開きましょう。

 そして生徒会編のバトルで衿沙が負けてからは、結構キツイ描写が多い。
二千恵理事長の「たかいたか〜い」からの衿沙の幼児退行からわかる、二千恵理事長が自分の『愛』への疑問を解消するためだけの自分の母親殺しや衿沙たちへの精神的虐待の事実。
カギューたちによる、二千恵理事長の所持する島に入ってから最初は歓迎してくれた島民全員による夜半の襲撃で老婆の身近な武器を持った幼い子供への「1人狩(殺)ったら500円だよ」とか、『ジグザグ拳』の使い手が普通に「ウゼェ、邪魔すんな」な理由で幼い子供を殴って殺ってる(たぶん)ことや、水域のスペシャリストなロリータ服女がカギューの仲間たちを水辺に誘い込むだけの理由で、かなりの数の島民を湖に水死させているのとかね……。
サンデーで連載していた『トラウマイスタ』
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も大概作者の個性と狂気を感じましたが、今作ではカギューのカモへの一途さと乙女モードの可愛さがあったりで最初は騙されましたね。最初だけは!(ここ強調)

 うん、でもね……やっぱり出てくる女の子たちが可愛いのと(特に紫乃と衿沙が幼児退行してカモを「パパ」と呼んでいた時から、ピンチの時に元の精神年齢と声帯特性能力使いに戻ってもカモを守ろうとした時が最高!)、「神はいるのか?」「天国や地獄はあるのか?」並みに難しい16巻帯にもある『愛ってなんだろう』という、一歩間違えれば「シリアスを意識しているつもりなのに下手なラブコメに見える」になるような重いテーマに、作者なりの回答を見せてくれたのは良かった。
あ、言っておくとこの漫画が学園ラブコメだったのは最初の3巻までぐらいだと思っていてください。私的には2巻でもギリギリ『学園ラブコメ』と判断していいのか迷いますが。それより後からは作者なりの『愛』を確固たるものにさせるための『純愛を貫くためのバトルもの』です。

 さあ、腱鞘炎がどんどんひどくなっている手でまたまたクソ長くなり、ほぼ一日仕事で書き連ねたこの作品の評価ですが……星4つ★★★★☆! オススメです!
……が、個人的主観で「グロい」とまでは言いませんがキツイ描写があるので、心臓が悪い人はちょっと避けた方がいいかな(笑)。
posted by mukudori at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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