2015年05月20日

イケニエハッピートリガー01/未味 なり太

イケニエハッピートリガー (MF文庫J)イケニエハッピートリガー (MF文庫J)
未味なり太 らいか

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この「幸せ」は、苦しい。

 高校生の高松裕(タカマツ ユタカ)は、ある日突然異世界に飛ばされた。荒廃した街で裕を襲ってきたのは、斧を持ったクマのぬいぐるみ!? それを倒した少女――エルとの出会いで、裕は変わって行く。第10回MF新人賞受賞作!


 うん、私的に嫌いじゃない設定に、ヒロインとの距離の詰め方。
そう……嫌いじゃないんだけど……いろいろな面で「まさかお前は突っ込み待ちなのか? 穴や粗がありすぎること、この上なし!」な作品でした。

 ネタバレあらすじー。
 エルの住む世界(ほとんど、いまの日本に似ている)で『自称:カミサマ』が人類にテレパシーで「私はカミサマちゃん! 君たちの世界がつまらないから、勝手に遊ぶよ〜。ここの人類みんなに超能力を授けてみたよ。しかもイケニエをくれたら、この世界を救済してあげよっかなー。食料問題とか環境問題とか、大変でしょ? そんなイケニエちゃんは――この子! この女の子一人だけ犠牲にするだけでいいんだよ〜。でもそんな彼女には、不死の身体を与えてみました☆ だから、殺すには――『彼女を幸せにすること』――以上! あ、ついでに言っておくと、この子が十八歳になっても死ななかったら、逆に人類みーんなを道連れにして殺しちゃうからねー☆」と言って、カミサマはそれ以来出て来ない。そのイケニエは――当時中学生のエルだった。→そんな世界に裕はいつの間にか入って行き、斧を持って空中に浮かんでいるテディベアに襲われる。逃げ回っているところにエルが来ていて、裕を助けてくれる。そして「あなた、なんで私のことを知らないの?」と訊かれても、裕もわからない。問答を交わしているうちに、裕は「じゃあ、俺がお前のことを幸せにしてやるよ」と言ったので、エルは叶わない願いだと思いつつも微笑んだ。そこにエルを保護しようとしてくる集団がやってくるのを感知したので、エルは裕の頭に一撃喰らわせて逃げる。→ベッドで目覚める裕。起きると、リタとアガサという二人の美少女たちが裕を見下ろしていた。リタは自分たちの持っている能力はいわゆる超能力で、個人差があるもの。そんな少年&少女の超能力集団のリーダーがリタだった。そしてリタは、「この世界にいるなら、裕にも超能力が目覚めているはず」と言うと、アガサに調べさせる。裕が持っているのは『約50メートル移動出来る瞬間移動能力』だった。喜ぶ裕だが、「うーん、瞬間移動能力者って結構多い能力な上に、君よりもっと500キロメートルぐらい移動出来る人もいるんだけどね……」と聞かされて落ち込む。→くよくよすることをやめた裕はリタやアガサと過ごしていたら、急に脳内にテレパシーが送られてきて、『次のテディは○○の街に20時ごろにやってくる〜』というのを聞く。それはほとんどの人類に聞かされているようで、リタが率いるチームでその街に行ってテディとエルが来るのを待つ。→20時ごろ。本当にテディが来て、そこにバイクでエルが突っ込んでくる。手榴弾などでテディを相手にするエルだが、そこを攻撃系の超能力者たちが狙うようにするリタたちの策略。リタは「保護のために〜」と言っているが裕は愕然とし、いくら不死だとはいえ、狙われているエルを自分の瞬間移動で庇う。自分を庇い、頭部に傷が付いた裕にエルは驚く。しかも裕は「自分を人質にして、ここから逃げろ」と言ってきたので、リタは手を出せずに二人は脱出。→エルの隠れ家に移っていた裕は、目覚めるとエルがずっと自分の看病をしてくれていたことを嬉しく思う。そして「俺は『お前を幸せにする』って言っただろ?」と言ってきて、二人でいまの隠れ家から離れて、自然のある郊外の誰もいない民家を勝手に借りる。エルが看病してくれたお礼に、裕は料理を作ってあげたり、放牧されて野生化した牛から牛乳を獲ってきて生クリームの載ったケーキを作ってあげる。裕の愛情が籠もったそれを笑顔で食べた瞬間、エルは鼻血を出したり、少しの咳で大量の血を口から溢れさせていた。→しかしそんな二人の幸せな生活も、またテディの襲来警報によって崩される。街に出向く裕とエルだが、テディはかなり強くなっていた。基本は瞬間移動で立ち回る裕だが、ビルの中に小学生ぐらいの少女を見つけたので避難させようと移動するが、その少女は「お前か……」と言ってテディで裕に攻撃してくる。裕はぎりぎりのところで逃げるが、そこでエルの弱点が出て、テディは手榴弾を使ってきて自爆。その近くにいたはずのエルはいなかった。裕は愕然としつつ、エルの姿を探し、名前を呼び続けたのだった――。

 うん、嫌いじゃないんだよ、こういう殺伐としつつもほんわかするようなボーイミーツガールの世界観
……あ、わかった! 以前絶賛しまくった、電撃文庫のこれに近いんだよ!→これ
 けどなあ……受賞作のくせに、なんで1巻で区切り良く終わらせんのかい、MF文庫J編集部よ? 投稿時はどんな原稿送ってデビューしたんだ、この作者は?
 あとは……文章力はかなり低いように感じましたね。さすがピチピチの24歳(1巻発売当初)。
それに加えて、あまり効果を成していないのに、やけに文章の中で使ってくる傍点(たまに強調したい文字の横に付いている「、、、」のことです)にはもう、こっちが恥ずかしいぐらいですよ……。
 それと、なんで最初にカミサマが「人類みんなに超能力を与えちゃいまーす!」って言ってるのに、裕が来た時点では十八歳以下の少年少女たちしか、前線に出て超能力使って活躍してないの?
リタが「団長」というトップリーダーの立ち位置らしいですが、こういう組織にはもっと大人が上にいて統括しているべきだと思います。つーか、大人がまるで絶滅したかのように、現在の時間軸では一人も出てないんですが……(過去の話には、エルの母親なんかも出ていました)。
 ここまで酷評ばかりですが、しかしらいかさんの絵は嫌いじゃないんですよ。私の個人的絵師買いさんランキングで首位を争っている岸田メルメルと庭さん……! そんな庭さんの絵に似ているので、カラーとか最高ですね! だがな、モノクロイラストな29Pのアレは看過出来ねえぞ!! 単にらいかさんがカラーイラストの方が色彩センスが良いので得意、っていうのを言い訳にしたらわかる気もしますが、どんだけだよ……orz 見た瞬間、思わず((((゜Д゜;)))) エッ、コレガプロノシゴトデイイノ? ……ってなったよ!

 イラストは好きですし、1巻で引っ張られてラストを見れないのは悔しいので、今月発売の2巻もたぶん買います。星は3つ★★★☆☆ぐらいかな。

posted by mukudori at 01:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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