2015年04月04日

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 03 そう……巨龍召喚/竜ノ湖 太郎

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竜ノ湖 太郎 天之有

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そう……巨龍召喚

 箱庭にて、本格的に『ノーネーム』の復興をしている問題児たち。飛鳥も耀も頑張っているが、その中でも十六夜は……なんと、この階層の権利書をギフトゲームに勝って奪ってきて!? その後には『龍角を持つ鷲獅(ドラコ・グライフ)』という連盟から、アンダーウッドという巨大樹の麓での収穫祭に招待され、十六夜だけをホームに置いて参加することにするが……耀はいつも一緒だった三毛猫がいないことに気付き、更には十六夜が大切にしていたヘッドホンを壊してしまったことでパニックに!? アニメ化もされた人気シリーズ、第3弾!


 世間では、この問題児シリーズが「第一部完結! 伏線回収スゲー!! それに次からは、タイトルや絵師も変えて六月に発刊だってよ!!!」……と、楽しそうにやっておられますが、うん、ごめん!
三巻とか、マジで「え、いまさらレビューすんの?」と言われても仕方ないっすよねww
ですがね、一応私の中のルールとしては、新作を買う度にさっさと『ネタバレあらすじ&レビュー』をしていたら、これで満足して実際にその本を買わない人もいるだろうなー。
……とも考えているので、最低でも発売日から一ヶ月ぐらいは間を空けて、このような記事を投稿しているのですよー。
でもたまに、大好きな作家さんの作品なら我慢出来ずに読んでしまって投稿することもありますが、そこは勘弁してくださいm(。_。)m

 ネタバレあらすじー。
 飛鳥は『ノーネーム』の持っている畑をディーンで耕す。耀は二巻で知り合った『ウィル・オ・ウィスプ』のメンバーと交渉して、『一度点けたら消えないランタン』を流してもらうように。そして十六夜は、一巻の時に箱庭に来るなり殴り倒した白蛇(白雪姫という女性体も取れる)のギフトゲームにて勝利し、階層の権利書を取ってきたので、ジンは大感激。十六夜が風呂に入っていると、そこにレティシアやリリが十六夜をねぎらおうと背中を流すために入ってくる。そんな時に脱衣所ではいつも耀のそばにいる三毛猫が十六夜の持ち物からヘッドホンを盗って行って、自分も雲隠れ。→なので普通なら十六夜が行くはずだった収穫祭に耀が行く。→十六夜の過去話。あまりに人間として異質な能力を持つ十六夜は、孤児院を盥回しにされていた。誰かがその能力を悪用するために引き取っては捨てられたり、「こんな子供、自分たちの手には負えない!」と思われては捨てられ……。最終的に、悪用される前に相手を陥れることを覚えた十六夜は大金を貯めて、ネットで「俺を捕まえられたら、この金を全てやるよ!」と写真付きの広告を出すが、山の中の小屋でたくさんのアタッシェケースと一緒に待っていても誰も来ない。タイムリミットぎりぎりになって諦めていると、そこにやって来たのは金糸雀(カナリア)という二十代ぐらいの女性だった。そして十六夜は、『カナリアホーム』という十六夜のような特質的能力を持った子供たちが集まるところに入った。ヘッドホンも、ホーム仲間の焔(ほむら)という機械関係に強い少年が十六夜のために作ってくれたものだった。十歳で拾われてから金糸雀が死ぬまで、十六夜はホームにいた。→収穫祭に行った飛鳥たちはいろいろな種族に出会うが、そこには二巻で出て来た『サラマンドラ』のリーダー、マンドラの姉であるサラが現れて、「あの時は妹が世話になったね」と挨拶してくる。『ウィル・オ・ウィスプ』のジャックとアーシャとも再会。そうして収穫祭が始まるのを待っていると、耀は自分の持ち物の中に、十六夜のヘッドホンがあるのを確認して愕然とする。混乱しているところに黒ウサギが来て、「それはまさか、十六夜さんの……!?」「ち、違っ……!」と混乱しているところに巨人族が襲来してくる。収穫祭にやって来たみんなで奮戦していると、一人の女剣士が巨人どもをあっという間に倒してくれた。飛鳥たちはサラに連れられて、「おそらく、これが巨人族が攻めてきた理由だろう」と言って、『バロールの死眼』を見せてくる。サラは「いまはただの岩石にしか見えないが、一度封印を解けば百人程度の魔王ぐらいならば殺せるもの」だと言う。その後、こっそりと耀に着いてきた三毛猫が耀と再会し、ヘッドホンの経緯を飛鳥に話して、「三毛猫だけが悪いんじゃなくって、私の弱さも関係しているんだと思う。だから、これをなんとか直したい!」と告げると飛鳥も「ここは箱庭だもの。こんなに粉々になっていても、直す技術があるかもしれないわ。探しましょう!」と快く手伝うのを約束してくれた。→十六夜の過去、金糸雀が死んでから「弁護士だ」という燕尾服で山高帽の怪しい男が十六夜を訊ねてやってくる。十六夜に遺されたものは、金糸雀との日記のような分厚い原稿だった。読んでいると、あと少しで終わり……というところで金糸雀の文章は「いま君が時計を見ると、○○月○○日の、××時××分、××秒××だろうね。合っているかな?」と書かれていたので時計を見ると、その通りだった。その続きには、箱庭でのギフトゲームに近いものが書かれており、「十六夜が負けたら、ホームのみんなを連れて行くよ。このゲームの期限は十八時までだ」とあったので、十六夜も焦って解く。そして十六夜がそれの答えを提示したのは弁護士の男で、「そういや、生死の境目にやってくるっていう神霊がいたな。確か、名前は十字架の男爵(クロア=バロン)だったか」「お見事。正解だ。金糸雀が目を掛けていただけはある」と看破するとバロンは十六夜を襲ってきた。バロンの能力で異次元に移って攻撃をし合うが、『金糸雀とのゲーム』のタイムリミットが迫っていたので十六夜も本気になる。バロンもそれに気付き、いまいる異次元を収縮させて「このままだと、世界全てが崩落するぞ! 現実世界にいる、君のホームの仲間たちもだ! 助けたいのなら、君の『ギフト』を発現させろ!!」と言われたので、十六夜は異次元を崩壊させる。気付いたらカナリアホームに戻っていたので、金糸雀の手記の最後のページまで読むと、箱庭への招待状を開ける気分になり、喜んで箱庭へとやって来た。→耀、飛鳥、黒ウサギの三人でヘッドホンをどうにかしようと悩むが、そこに巨人族がまたも濃霧とともに襲来する。しかし、「この巨人族がケルト伝説のものならば――」と考えたジンによって、ジンは自分のギフトとなった『精霊使役者(ジーニアー)』を使い、二巻で倒したペストを呼び出して巨人族を悉く圧倒する。耀はその隙に、巨人を操っている竪琴の主を見つけて、一人だけで竪琴を奪った。→戦闘が終わり、ヘッドホンのことをみんなに話すと、最初の巨人襲撃の時に強大な強さを見せつけた女剣士はフェイス・レスと言うそうで、『ウィル・オ・ウィスプ』のリーダーのクイーン・ハロウィンが懇意にしている招待客らしい。彼女によって、耀が祈り、耀がいた元の時代に同じものがあったならばそれを召喚することが出来る、と。耀は「父さんが持っていたから家にはあるはず」と言って、苦しいこともあったけど、それ以上に楽しい友達が出来たので、箱庭に来た自分の判断は間違っていなかったんだ、と吹っ切れていた。→エピローグ。レティシアと一緒にアンダーウッドに来た十六夜。黒ウサギが訊くと、十六夜はポケットから小瓶を取り出し、「周囲に猫の毛がたっぷりと残っていたから、ここまであからさまだと怒る気にもなんねえよ。春日部の様子だと、あいつは関係してないみたいだしな」と、三毛猫の毛を見せた。しかし、そこで夜空の星が一つ、消えた。詩が流れ、耀が奪ったはずの竪琴が鳴り響き……なんと、アンダーウッドのところに巨大な純血の龍が出現した。混乱の中でレティシアも攫われ、十六夜たちは一方的にゲームに参加させられる。レティシアは攫われる前に「いいか、『十三番目の太陽を撃て』……!」と言い残した。最後まで迷い、金糸雀が昔箱庭にいて、そして異世界の日本で死んだということを十六夜には伝えないまま……。

 来たよ……。来たよ……。
またもの、「浮き足立つ」の誤用がな!!
スニーカー文庫リニューアル前の初版の12Pなのですが、本当に最初の十六夜が現代にいたころの内心でこう表現しているので、その後から「十六夜の持つ能力(知識や頭脳含む)は、そこいらの大人たちには理解出来ないぐらいすごいもの」などと描写されても「はあ? こんな誤用をするやつがか?」と思ってしまったので、それで少し冷めた目線になったかなあ。
 そして、165P! なんで地の文で女剣士(フェイス・レス)の格好を表現するのに、「顔の上半分を隠す白黒の仮面」やら「白いドレススカート」やら「美しい白色の髪の毛」、「白銀の鎧」を連ねて書いた後に、「〜これらは余すことなく、巨人族の血で染まっていたのだ。」とか書くのかなあ……。三人称に近い飛鳥の視点なのでしょうけれど、「全部が巨人の血で染まっていた。」なら、色とかはわかんねーだろ。
「巨人の血で全身が染まるぐらいに強い」のを強調したいのか、それとも「全身が白銀っぽい純潔な色で揃えていて美しい」のか……。どちらかを選択しなきゃいけませんよ、作者先生。
両方を兼ね備えたものにしたいのなら、「ほんのわずかに残って見える白銀が、彼女の元の髪の毛(ドレス&鎧&仮面)が美しい白だということを示していた。」とか書くようにしてくれ。
ですがむしろ、全身を血で染まらせない方がそのキャラを強く見せるように思います。たとえば、「女剣士(フェイス・レス)が自分の剣の刀身を払うと、鮮やかな血が散った。」とか。
 その後も読んでいて「あれ?」と思ったのが、190Pの三人称で地の文なのに耀のことを「悩む耀だが〜」「三毛猫を受け取った春日部は〜」と二つの呼び方で書いているので、一瞬「春日部って誰だよ!?」と混乱しました。
それにも関係するのですが、致命的に嫌だと感じたのは、「この三巻だけなのかな?」とは思ったのですが、ライトノベルとはいえ小説なのに、『…(三点リーダ)』や『―』を奇数で使うんですよね、この作者は。『小説 作法』でぐぐれば出て来るのですが、普通『…』や『―』を使う時は、『……』や『――』みたいな感じで二つ並べるのが基本なんですが。小学校高学年ぐらいの時に国語の授業の作文作法で習った気もします。
なので、ラノベだけに限らず他の小説家さんはほとんどそういう基本を守っているので、それに慣れたらこの部分が読んでいて気になって気になって……ちょっと苦痛でした。
 それにさあ、耀よ。竪琴を奪う時に、地の文で「倒すまでは行かずとも、あの竪琴を奪えれば……!」「自分で勝ち取った成果を、この腕で抱き締める。」とありますが……これさ、おまえ(耀)が最初からうじうじ・ぐずぐず悩んでなければ良かったんじゃね? 「あの竪琴を破壊出来たらラッキーだと思っておこう。でも、最低でも奪って、戦闘不能にしてやる!」とか。だから見せ場なのに、カタルシスが無いんですよね。もっと十六夜VSバロンの戦闘みたいに好戦的に行こうぜ! ニア ガンガン行こうぜ!!
でもまあ耀の性格を考えたら、他の女子キャラは明るい&大らか&尊大&突っ込み役な子ばかりなので、作者的にはキャラ被りの懸念があって、耀をボケ気味なキャラ&内向的な性格にするのは仕方ないのかもしれませんが。
 最後の突っ込みは249P。「三毛猫」のルビが「三(き)毛(け)猫(ねこ)」になってますよー。
 まあ、ちょっと苦言ばかりになりましたが、最後の方での耀が「父さんがこのヘッドホンはビンテージ物だって言ってたから」と言うので、「やっぱり耀は十六夜よりも未来から来た人間なんだな! それにこの巻の表紙にて十六夜のヘッドホンを着けている耀の姿を見ても、耳の部分のエンブレムが『炎』だから、もしかしたら十六夜のカナリアホーム仲間の焔が社長か技術者になって、自分の名前をデザインしたものをエンブレムにしたのかも!」とか、憶測するのが楽しくて止まりませんね!
 フェイス・レスもバロンがもう一度箱庭に甦らせた金糸雀なのかなー、とか考えたり。十六夜が戦闘中に嫌になるほど「こいつは生死を操る神! おまえにとっては、ゾンビなんかもお手の物だろ!」とか言ってますし。

 でも結構突っ込み入れたので、評価も同じく下がります。星2つ★★☆☆☆。プチ地雷だぜ!

posted by mukudori at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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