2015年02月26日

神様のメモ帳 (9)/杉井 光

 どうも、クズ野郎です!(挨拶)
「一週に一回ぐらいの頻度」が「二週に一回の頻度の更新」になってしまいました……。すみません。今月はたぶんこの2回しか更新出来ないと思います。でも未来のことは誰にもわからないので、この2月もあと3日ありますが、短時間で読めるやつあるかな?
 でもね、記念すべき「電撃文庫カテゴリ」の100作目の更新なので、思い入れのある作品をどうしても入れたかったのですよ!
 ……まあ、「例のあの事件」の後の初杉井作品レビューなので、ちょっと穿った感じの更新になったかもしれませんね……。かなりきっついこと言ってますので、杉井&杉井ファン&岸田メルファンの人は見ないようにしてください。
神様のメモ帳 (9) (電撃文庫)神様のメモ帳 (9) (電撃文庫)
杉井 光 岸田 メル

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たったひとつの冴えたやりかた

 高校の三年生に進級するのを目前に、鳴海が誰かにいきなり車で拉致された。その相手は、紫苑寺茉莉(しおんじ まり)という、アリスに良く似たアリスの姉だった。そこから始まる紫苑寺一族の財産争いに巻き込まれた鳴海。アリスは鳴海に問い掛ける。「君は、ぼくのことをどう思っているんだい?」と。ニート探偵最後の事件は、助手が推理をするのだった。


 う、うん……。アレだね、アレですね……。
とりあえず、メルメルはもうちょっとお仕事を頑張ろうか?(´・ω・`)
前にレビューしましたが、メルメルの絵を目当てに買っている今月のビーズログの死神姫の新刊には、少女向けラノベは基本的にカラーイラストを表紙だけにして、それで文庫本自体を安価にして少女たちの手に取り易くさせている……という戦略はまあわかるんですが、モノクロイラストがゼロでしかも次の巻からは絵師が変わるとか今月の死神姫の新刊をパラパラめくっていて最後に小野上先生の後書きの後に更にお詫びの文章を見て目玉が飛び出るかと思いましたよ、おい。死神姫はあと三冊ほど出せば終わるように小野上先生がプロットを練っているそうですが、それぐらいならまだやれるだろ? 小野上先生と何年付き合ってきてるんだよ、おまえ。
いや、メルにも「少女向けラノベのイラストは基本買い切りだから旨みが無いし。俺にも生活があるんだよ!」(これはあくまで私の想像です)とかで描く順番を後回しにする気持ちも社会人としてわからないではないのですが……それでも日本人としては義理と人情は忘れないでくれ。死神姫1巻のイラストとか、いま見たら結構荒くてひどいぞ? それでも内容が良かったのか続刊出来てずっと使ってくれてたのに……。メルよ、ツイッターで「金沢でのイベントの開催日前に行ってるけど、居酒屋でのホッケが美味い!」「おー、これはリアルポニョだな!」とかやってる暇があったら、絵の一枚でも描いてくれ。
おそらくビーズログ編集部はかなり売り上げの良い死神姫シリーズを頻繁に出したかったんでしょうが、メルの都合の所為で今月の死神姫の新刊が本当に約一年ぶりで、且つ小野上先生もなんとなく後書きからは「メルの都合が悪くて、それで死神姫の新刊がこんなに遅れた。だから他のシリーズも書いてたけど、死神姫ぐらいまでの売り上げは出なかった。残念だけど、私はさっさと発刊したいので、次の巻からは絵師が変わります」みたいなことを書いてましたよ(私なりの翻訳です。実際の文章はもっとオブラートに包んでいて柔らかいので、店頭でどうぞ!)。そう考えれば、小野上先生がビーズログで他の絵師さんと組んでのシリーズをいくつも並行して出していることも納得しましたね。やっぱり速筆なんですねー。
 そして杉井も集英社とかで新刊出したりしていますし、電撃からはまあ……かなりアレな事件とかありましたけど、メル絵には罪は無いし最後の巻だし……と思って買いましたよ。
ですが、まさかのカラーピンナップは使い回しで、モノクロイラストは約340Pの中で4枚のみ……という、「え、ギャグですか?」と訊きたくなる代物でしたね。しかも他の仕事でカラーばっかり描いている弊害なのかは知りませんが、なんだか線がぼやけた感じで……正直、神メモ4〜6巻の時がメルメルの絶頂期でしたね。
そんでもって、帯のあらすじには「茉莉というアリスにそっくりな姉が〜」とかありますが、一枚だけモノクロイラストに出てきた茉莉……ごめん、全然似てねえわ。後述しますが、ここちょっと重要ポイントです。
しかし、「メルルのアトリエ+」が面白いことは認めましょう! ……って、あれはメル絵だけじゃあなくてもガストの製作側が上手いんですよねww

 メルメルへの愚痴はここでちょっとだけ一区切りして、ネタバレあらすじー。
 高校三年に上がる予定の鳴海、進路をみんなに訊かれて悩んでいるところにアリスの姉の茉莉がやってきて、車で高級マンションに拉致される。そこで茉莉が海外で「マリィ・ショーン」という名前でモデル&ファッションブランドの社長をやっているアリスの実姉だということと、アリスとパリで一緒に暮らしたい……ということを聞かされる。解放された鳴海がアリスのところに行っていろいろ聞いているうちに、「もしや、君はぼくの姉様に会ったのか。何を言われても、ぼくはこの部屋からどこにも行かないよ」と看破されたので真実を話すことに。→後日、アリスから鳴海の携帯に着たメールで「○○ビルのアスタ・タタリクスというところに行きたまえ」と命令されたので行ってみると、そこにはなんと紫苑寺一族のアリスの親戚である螢一(けいいち)という、アリスそっくりの環境でパソコンを操っている男がいた。独特な喋り方と横柄な性格とパソコンにやけに詳しいことから、「まさか、あなたがアリスのメールアカウントを乗っ取って僕にここまで来させるためのメールを!?」「そうだよ。君は有子(ゆうこ・アリスの本名です)の助手だけあって、意外と頭は回るようだね」と、事態を把握した。それで鳴海が螢一にもらった名刺を持ってアリスのところに帰ると、すぐさまそのアパートに医者やら弁護士やらが来ていてアリスの部屋のドアの前に集っていた。今度こそ本物のアリスに携帯メールで「隣の部屋からベランダ伝いに入ってくるんだ!」と言われたので、普通の住人を装って隣の部屋に入ってアリスのところに潜入する。すると、年がら年中冷房をガンガンに効かせているアリスの部屋のエアコンが停められて、マシンたちが熱暴走。その隙を狙った螢一がアリスのパソコンにクラッキングしてきて、「やあ、久しぶりだね、有子。ソフトウェアよりもハードウェアが重要だと教えただろう? このパソコンたちの権限を返して欲しければ、私に従いなさい。外に出て、紫苑寺家御用達の病院に行くよ。そこで話があるんだ」と、見事にやられてしまった。何故螢一にいまのアリスの居場所がわかったのかというと、鳴海がもらってきた名刺に薄い探知チップが仕込まれていたからだった。→病院に行くと決めたアリスだが、鳴海に付き添いを頼む。その病院には紫苑寺家の現在の当主である老人の光厳(みつとし)と、その妹(照美・故人)の息子である光紀(みつき・アリスと茉莉の実父だが、いまは植物状態)が入院しており、あと一日か二日が限界で昏睡状態な光厳は遺言書に「全財産は甥の光紀に」と書いていたので、他の親族たちがなんとか光厳がその遺言を撤回して、自分たちにも財産が渡るようにしたくて集まっていた。しかし部外者の鳴海はとりあえずのところは光厳が死ぬかしない限り、外にいまの紫苑寺家の情報を流されては困るので、紫苑寺家専用の棟を持っている病院にある精神病患者を隔離していたと思われる施設にてほぼ監禁状態にされた。深夜になって、茉莉が一人で鳴海のための食事を持って来てくれる。「大丈夫かしら、鳴海くん? アリスや私たちは大丈夫よ。あの子は、紫苑寺家の中に閉じ込められていた時、螢一さんがマシンの扱いを育てた子だからね。ねえ、君はアリスのことをどう思ってるのかな?」「そうですね。――かけがえのない相棒、でしょうか」「そう。きっとアリスも――」などと喋って茉莉が去ったその後でうるさい警報が鳴り響き、焦っている様子の螢一が鳴海に「先ほど君に食事を持ってきたのは茉莉さんか!? それは何時何分だった!?」と訊かれて、暇なので腕時計を見るしかなかった鳴海は茉莉と過ごした時間を正確に答えると、「ナースも『すれ違った』と言っていたし、ということは……やはり犯人は……」「あの、何がですか?」「さっきの警報は聞いたかい?」「はい」「死んだんだよ……」「もしや、アリスのお祖父さんがですか?」「違うんだ。光紀の方が、だ。その時のアリバイが……有子だけには無かった」と、アリスが父親殺しの容疑者にされて、鳴海はそのまま屈強なボディガードに連れられて自宅に戻される。アリスは警察には渡されず、またしても紫苑寺家に閉じ込められることになった。→数日が経ち、アリスから動画付きのメールがやってくる。そこには「探偵事務所とぬいぐるみたちをよろしく頼む」「いままでよく働いてくれたね。残りのドクペは君への報酬だよ」とは言っているが、少し痩せているアリスが映っていた。探偵事務所に行くと、やはり物足りないものを感じ、三人のニートたちと四代目にアリスを取り戻すことを依頼する。→少佐がアリスからの動画に入っていた雑音から近隣の駅を探し出し、『アスタ・タタリクス社』の入っているビルだとわかるが、それは螢一がわざと入れたフェイクの情報だった。ビルに行って、螢一にそう笑われ、ついでに「ところで、この後で光厳祖父さんが死んだら、光紀はいないので私の祖父に財産相続権は移ることになるな。有子はいまのところ私が保護しているけど、私の祖父がどうやら狙っているようでね。そうそう、あの子はドクターペッパーと麺と具抜きのラーメンだけは食べるんじゃあなかったのか? いまのところ、何も口にしないから衰弱しているんだ」「じゃあ、いますぐアリスを解放してくださいよ!」「いやいや、私はそれでも有子の生きた美しい人生だったと思っているよ。緩やかな死を選んだんだろう」と、マジキチな返答をされる。しかし数日のテツの監視でそこに医者なども出入りしていることがわかり、やはりアリスはそのビルにいるらしいと目途を付ける。鳴海は最後の事件でも、自分が詐欺師になることを選び、立ち向かう。→決行日。螢一が出勤してくるところを待ち伏せて、一緒にビルのエレベーターに。十四階で降り、そこでいつものアスタ・タタリクス社の受付嬢と挨拶をした螢一は鳴海を社長室に入れてくれる。それで鳴海は事前に前から顔見知りだったゾディアック社の社長たち(黄兄妹)に「このタイミングでこんなニュースをネットに流して欲しい」と依頼していて、螢一に「アスタ・タタリクス社が顧客情報を流出!」というニュースを携帯で見せて、螢一は一瞬焦って自分のパソコンでも情報を確認しようとするが、「……などと、そんな情報ぐらいで私が焦ってこのパソコンをいじって、それを窓の外から望遠鏡などでタイピングを覗いてクラッキングでもするつもりでしたか? 甘いですね。このパソコンにはパスワードの他にも私の指紋認証が必要なんですよ。まあ、念を入れて窓のカーテンは閉めますがね」「そうですか。では、どうぞ」「な、何っ!? これは私のマシンでは……ない!!」「すみません、それは実は……アリスのものですよ。探偵事務所に同じものがあったので、すり替えるのは楽でした」「いつの間に……!?」「昨日のうちです。この部屋は……実は、十四階ではなく、ゾディアック社が管理している『十二階』の部屋ですよ。エレベーターの表示をいじったんです。それと受付嬢さんにも。この女性には本当に申し訳ないと思っていますが、こっちのジゴロな仲間に落としてもらいました」と鳴海が螢一を嵌め、そうやってアリスが自分のパソコンの師匠である螢一に付け入る隙を与えた。アリスはよろよろと監禁されていた部屋から出るも、そこには螢一が前に「自分の祖父がアリスを狙っている」と言っていたカタギではない黒服がいて捕まえようとするが、螢一の咄嗟の行動でまたパソコンを素早くいじって自分の権限を戻し、アリスを閉じ込めていた扉を閉めてガタイの良い黒服を挟む。鳴海のいるところまでやってきたアリスを鳴海は抱き締め、下からも黒服がやってくるので意を決してアリスに「絶対に僕から離れるなよ」と言って、十二階の窓を抜け、そこに少佐が事前に用意してくれていた縄を掴んで、下まで降りた。アリス奪還作戦はここに完遂した。→そして後日、光厳が死んだことを知らされ、アリスは喪服ドレスを纏って鳴海と一緒に病院に行く。今回の探偵は鳴海なので、アリスは螢一に預けておいて、光厳のそばにずっと付いていた茉莉と二人で話す。光紀を殺したのは、茉莉だった。あの夜、鳴海に食事を持ってきてくれた茉莉は――実は茉莉のブラウスを着たアリスで、茉莉の行為を知ったアリスが身代わりになるために光紀の命を繋いでいる警報の作動時間をいじったり、わざと食事のトレイを持った姿でナースとすれ違ったりしたのだった。さらに鳴海が語るのは、光厳がやけに光紀を可愛がっていて財産を相続させようとしたのは……四代目の推測だったが、実は光紀は光厳とその実妹の照美の間に出来た子供ではないか、ということ。そして茉莉とアリスの母親だと思っていた光紀の愛人のホステスは、アリスが産まれるよりも前に自殺しており、つまりここから導き出されるのは――茉莉が実の父親の光紀と関係を持って、それで産まれたのがアリス。茉莉は姉ではなく、十一歳でアリスを産んだ実の母親だったから、他の親族たちが財産相続権を巡って「ホステスとの間に出来た子供になど、相続権があるのか?」「他の男とのものじゃあないのか?」「ならばDNA鑑定でもしてみるか」と言われて、このまま光厳が光紀よりも先に死んだら光紀が財産を受け取ることになるとどうしても茉莉とアリスのDNA鑑定を実施するであろう親族たちなので、それを考えた挙句の行為は、「光紀に先に死んでもらって、財産相続権を光厳の弟である螢一の祖父に渡るようにする」というものだった。「有子にはどうしても隠しておきたかったのに、ばれちゃったのね……」と茉莉は力無く語るが、鳴海は「いえ、アリスはたぶん知っていましたよ。あいつがお父さんにもらった本で、好きな作家さんのペンネーム……『ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア』っていうんですが、本名は『アリス・シェルドン』なんです」「それが……どうしたの?」「本の後書きにもあるんですが、そのアリスの母親の名前は――『マリィ』なんですよ」「っ!!」「もしかしたら、アリスのお父さんはアリスに気付いて欲しくてあの本をプレゼントしたのかもしれませんね。そしてアリスも、わざと『アリス』とこれまで名乗っていたのだとするかも……」最後まで推理を聞いた茉莉は泣き、最後は自分で警察に出頭した。→エピローグ。時間は流れ、あのアパートから出て引っ越しをしたアリス。ヒロはジゴロをきっぱりと辞め、ミンさんと結婚をして二人でラーメンはなまるを人気店に。テツは相変わらず。少佐はミリタリーFPSゲームの会社を立ち上げ、マニアからの人気を。四代目も会社などを大きく手広く手掛けている。彩夏は少佐の大学に進学。鳴海は結局進路が決まらずにニート暮らしをしているが、書いていた小説が賞を獲ったので作家に。最終巻を書き上げて、編集者にデータを送ろうとしていたら、スマホのコロラド・ブルドッグが鳴って、それに出ると玄関の前にはアリスがいた。身長も少し伸びたが、変わらない生意気な表情で「君の小説にはところどころに直したいところがあるんだよ。まったく、ぬいぐるみたちやぼくの描写はなんだい! 編集者に送る前に直すぞ! さあ、家に上げたまえ。君に語りたいことは千夜一夜では終わらないからな!」そうして、ニート探偵はまた二人になったのだった。

 よし、読んだ! 読み終えた!!
 けどな、杉井よ……。仮にも一時期は思いっきりファンだったんだから余計につらいんだ。
やめてくれよそういう陳腐なラストはさあ……(別名:主人公はこの作品を執筆している作者かもしれませんね☆病)。
こういう主人公=作者な作品で駄目な例としては、以前私がレビューしたことのあるコレとか、「王様ゲーム」シリーズですね。なんでみんな、主人公に自分の本名かPNを付けたがるんだ、この野郎。
どうして一人称小説の最後の最後で「その通り。あなたが現在読んでいるこれがその本なんですよ。タイトルは『神様のメモ帳』です」とか安易にメタ表現に走るんだ……? 私はジャンプに連載していた「めだかボックス」でかなり西尾節に打ちのめされて、「もうそういうメタ遊びとかはお腹一杯ですよ……」な心持ちなので、今巻のこれはきつかったなあ(´;ω;`) あ、そういえば杉井は例の事件が発覚した時に書き込んでいたスレを見る限りでは、ジャンプ読んでましたね。何? めだかに毒されて、主人公願望とか芽生えたの?
 そして、アリス奪還作戦はなかなか面白かったんですが、この巻を読んでから時間を置くごとに「たった一夜でその部屋の主人が気付かないぐらいに部屋を入れ替えることが出来る」とか……アレですよね。「デスノート」の「ジェバンニが一晩でやってくれました」って感じで、荒唐無稽に思えましたね。月と同じく、螢一もなかなかに神経質そうだから気付くと思うんだけどなあ。
 そんでもって、茉莉とアリスの真相ですが、まず最初に載っていた家系図で「なんで茉莉はこんなに個性的な名前なのに、アリスは『有子』で母親の『藍子(あいこ)』っぽく引き継がせているんだ?」と疑問を覚えたら、次に茉莉が登場してニートたちの話題に(主にヒロの)なった時に「彼女のことは知ってるよ。モデルもやってて、自分のブランドの服は自分で着てショーに出るんだけど、いままでに水着姿にはなったことがないよ。水着自体はブランドから出してるんだけどねー」とか言わせたら、もうすぐに「あっ、これは茉莉には誰にも見せられない傷とかがあるんだな。そんでもってさっきの名前の件も考えたら……」とすぐわかりましたよ。読者的に嫌な予感がね。そういう伏線()張りたいなら、ヒロには「彼女の水着姿とかも是非見てみたいんだけど、残念ながらあんまり露出の多い服は作らないんだよねー」と言わせた方が良かったのでは? 
 まあそんな気持ちもわかr……いや、全然わからんのだが、茉莉よ……「あの時は、お母さんがいなくなって寂しい思いをしているお父さんを慰めてあげたかったのよ……」じゃねーよ。小学校で変なところだけ習ってんな、この(一応)令嬢は。それとも藍子が「せめて子供(茉莉)には英才教育を!」と思って雇った外国人の家政婦どもが教えたのか? 嫌な意味合いでの『慰め』じゃねーか、カスが。十一歳の子供に実父とセッ○スさせる? 精神的に弱っていたとしても、実父は手ぇ出すなよ。そして茉莉は……なんで産んだの? 紫苑寺家が当時(その前にも、兄・光厳と妹・照美との間に出来た子である光紀の出産時の口止めに使用しています)病院を丸ごと買い取って、いまも植物状態の患者不審死事件を闇に葬るぐらいの財力と権力があるんなら、違法手段でいいから妊娠22週以降でも堕胎させろよ。アリスの年齢がわからないので茉莉の妊娠発覚当時が何年だったかわかりませんが、母体保護法(1996年以前は『優性保護法』という名前でした)でもなんでも使ってやれ。ですがこれで光厳が「自分の血を引いた子供(光紀)から出来た孫(茉莉)の更に子供(アリス・曾孫)……。これを逃したら、また子供が産まれずに、紫苑寺家の直系の血を残せないことになるかもしれん!」とか考えて産ませてたら、光厳おまえ、それは単に関わったみんなが苦しむだけだからな? と言いたいですね。鳴海が最後で「いえ、あなたがアリスを産んでくれて良かったです。僕はアリスと会えて楽しいことだらけになりましたから」とか感動をもたらすように言ってますけど……そういう難しい環境で産まれた子供は幸せにならない、って実際に作中でもアリスが軟禁状態で生かされていた紫苑寺家から逃げ出そうとする描写がされてますよね? 
 けれどまあ……アリスとその親の名前については、「たったひとつの冴えたやりかた」というアメリカの小説作品を自分の小説の中で使おう! と執筆当時から杉井は決めていたんでしょうが、茉莉と関係で「たったひとつの〜」の原作者のジェイムズ・ティプトリー・ジュニアが若いころに妊娠したが、堕胎に失敗して二度と子供を産めない身体になった……というのに対して皮肉的に、と言ったらMs.ジェイムズに失礼かもしれませんが、茉莉が頑張って帝王切開までしてアリスを産んだことにしたのは良かったですよ。
――が、しかし! 相手の男(実父)と当時の茉莉の年齢(十一歳)が全部ぶち壊しにしているがな!!
 そしてここまで読んでくれたお方たちに匂わせる程度に先述してわざと取っておいたことを述べますが……鳴海たちの「すごい、茉莉さんはまるでアリスと瓜二つな容姿だ」って、おいいいいい!! あのさ、茉莉のモノクロイラストと表紙のアリスや最後の鳴海と手を繋いでいるモノクロイラストのアリスって……もうかなりのレベルで別人なんですが? 「本当にそっくりだ」とかじゃあなくて、「アリスが大人になったら、このぐらいの顔立ちになって色気が出るんだろうか」ぐらいにしてくれ。
 そして事件の日に茉莉のブラウスだけを着て鳴海のところに行っても、どうしてナースたちだけじゃあなくって鳴海も誤魔化せると思ったんだよ、アリス。まあ……ちょっと私が落ち着いて、広い心になって捉えれば……辺りが薄暗かったから、声だけで鳴海は判断出来なかったのだと思っていても、鳴海が伏線()っぽく格子越しの会話でアリスの身長をかさ増ししていた台座のことに言及するなら、なんでこの紫苑寺家専用病棟のナース(ここポイントです)から「あの時すれ違った(ここもポイントです。『遠くから見掛けた』ならともかく、『すれ違った』なら、自分と茉莉(アリス)頭の位置の身長などを比較出来ている訳です)茉莉さまはいつもより小さかった」とかの証言を取れなかったの? 茉莉はモデルを出来るぐらいに身長あるんだから、ここまでの1〜8巻まで追ってきた摂取栄養偏っていて成長発達不良のアリスが文字通り背伸びをしても茉莉の真似は出来ないっつーの。もうこれで犯人わかるよなあ? 別にアリスの肉体的成長が悪いという訳ではないのですが(事実、エピローグで鳴海に再会しての「馬鹿にするなよ! ぼくの身長ももう六センチも伸びたんだぞ!」と言っているアリスは可愛いと思っています)、なんだかこれまで「クマパジャマもロリな服も似合う、小柄なアリス可愛いなあ。萌える萌える」と追っかけてきたファンたちを豆腐屋の車……じゃなく、軽トラの荷台に載せて深夜の山道の急カーブを時速120kmで攻めるような頭文字D的な振り落としをされた気分です。
 以上、仕方なくイラストを入れたあまりに……けれど、読者的にはその人物のイラストが無いと怒りたくなるような、誰よりも一番編集さんがメルにイラストの依頼をする時に頭を悩ませたであろう部分への突っ込みでした。

 結局、「この家(紫苑寺家)は狂気にまみれているんだよ」とか言っていた、狂人を演じていた螢一が最終的に私の中で株が上がりましたね。なんだよ、こいつが一番紫苑寺家の中で吾郎おじさんを抜いたら良識人じゃん……って(笑)。
 そうそう、最後に91Pな。フリガナのミス。「お母さん」が「お母(おか)さん」になってますよ、編集さん。
 あー、評定を下すのが私としても遺憾ですが、星1つ★☆☆☆☆。地雷だよ! 記念すべき最終巻なのに、こんなクソを見せてくれてありがとうよ! 杉井にメルメル!!
……しかし、「楽聖少女」がまだ残っていることを私は覚えていなければいけない。アーメン。

posted by mukudori at 04:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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