2015年01月02日

紗央里ちゃんの家/矢部 嵩

紗央里ちゃんの家 (角川ホラー文庫)紗央里ちゃんの家 (角川ホラー文庫)
矢部 嵩

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そこは狂気の内側か?

ぼく≠ヘ夏休み恒例の叔母さんの家に父さんと一緒に泊まりに行くことになった。そこには従姉の紗央里(さおり)ちゃんがいるはずだ。しかし叔母さんの家に紗央里ちゃんはおらず、おばあちゃんすらも「風邪をこじらせて亡くなったから勝手に葬儀を上げた」ということになっていた。そしてぼく≠ヘ、異臭のするこの家の風呂場で、一本の小指を見つけたのだった――。第13回日本ホラー小説大賞受賞作!


 これの作者を、「お前さあ、なんでこんな文章書けるの?」って問い詰めたいぐらいに狂ってるなあ……。
例:
電話先の姉「紗央里ちゃんの家で人の小指を見つけた? 私に訊くんじゃなくって、110番しなよ」
ぼく「うん」
110?「はい、110です」
ぼく「あの、見つけたんです」
110「何を? 殺人自販機をですか?」
ぼく「いえ、小指を」
110「なんですか。こっちは忙しいんです。いまもあいつらがババッ。やってきてググッ。ああ、西條さんが、西條さんがあああああ!!」

とか、
ぼく「今日のぼくの焼きそばにはウインナーが入っていた」
叔父「いいなあウインナーぼくも食べたいなあ食べたいなあ」
叔母「我慢しなさい。一つしかなかったの」
叔父「我慢出来ないよ。食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい」
ぼく「ぼくのをあげましょうか?」
叔父「いや、君のじゃなくって普通にウインナーが食べたいんだ」
叔母「うるさいわね。ウインナーを入れる代わりに、この子の焼きそばには虫を入れたのよ」
ぼく「ああ、本当だ。黒いアゲハチョウの羽が入ってる。胴体は探しても見つからないから、きっともう食べてしまったのだろう。」

……こんな感じです。
ちなみにこの作者、1986年生まれで大学生時代の2006年での受賞ですから……普通に考えて、20歳の時にこんな狂った文章を書いていた……ということになりますね。ある意味ホラーな方向に才能が溢れていて末恐ろしいのですが、いま現在何をしているのかなー、と調べたら普通に角川ホラー文庫で出版してました(笑)。興味のある方はどうぞー。

 さて、ネタバレあらすじー。
 小学五年生なぼくと父が中学二年生の紗央里ちゃんの家に行くも、そこに彼女はおらず、叔父さん・叔母さん・おじいちゃん……の三人しかいなかった。しかも叔母さんは血塗れなエプロン姿で、その家の中は異臭で溢れていた。三泊四日の滞在予定で、まず初日に洗濯機の裏から皺の入った小指を見つけてしまい、ぼくはポケットに仕舞う。→「きっとおばあちゃんのものだ」と思って他にもあるかなー、と探していると紗央里ちゃんの部屋で漫画本の間に足首やベッドの布団の下に太腿、ペンケースの中にぎちぎちに十本の指、ドーナツ電灯の代わりに腸がぐるぐる巻きにされている……などとどんどん死骸を見つけて行く。→そうして二日目の夜にもよおしてトイレに起きたぼくは、普段は叔母さんがいるので近寄れない台所に行ってみると、冷蔵庫の中にはおばあちゃんが丸々と解体されて詰まっていた。そこでおかしなことに気付く。この冷蔵庫の中にはおばあちゃんが丸ごと入っている。……けれど、それならなんで洗濯機や紗央里ちゃんの部屋のところにあった手の指たちは――合計十一本なんだ? ……と。その瞬間、ぼくは左頭部に衝撃を感じて気を失ったのだった。→車で家に帰る日。とうとう紗央里ちゃんとは出会えなかった。そしてぼくの身体は――髪の毛は叔母さんに抜かれてぼろぼろ。爪も全部剥がされた。左耳の上半分は切り取られていて、もう無い。気付いた時には、叔母さんがぼくの髪の毛をブチブチと抜いていて、そこから逃げたぼくに父さんが黙って手当てをしてくれたのだった。帰路に着いているところで、ぼくは父さんに「おかしいと思わなかったの?」としつこく問い掛けると、父さんはキレて「うるせえなあ。俺は別に俺以外のことなら、どうでもいいんだよ!」と車を停めてクラクションを何度も鳴らす。そうしてぼくが何も言わないところに――「まあ、普通の人ならそうですよね。あの家は、どこかおかしいんですよ。だから、私もいずれ殺されるだろうと思って逃げてきました。でも君さあ、なんで攻撃された後もすぐに帰らなかったの? 普通、逃げるでしょ」「え? だって、最初っから三泊四日の予定だったし」……後部座席には紗央里ちゃんが座っていて、ぼくらと入れ違いになるように、ぼくらが滞在している四日間はずーっとそこに逃げていた、と言う。紗央里ちゃんは、紗央里ちゃんのものだと思っていた第二の死体はたぶんおじいちゃんのものだろう、と。ぼくが滞在している間におじいちゃんに会ったことを話すと「それはきっと幽霊よ。おばあちゃんはまだ生きている時も死んでいるようだったけど……あの人たちは、とうとう堪らずに自分たちの手でやっちゃったのね」と言われて、紗央里ちゃんはとりあえずぼくの家に来ることになったのだった。

 まあこんな感じなんですが、ともかく登場人物の行動が意味不明で、笑えない上に、ぼく≠熾ス気で虫や死体の指を口に入れたりするから共感出来ないので「読者に恐怖を感じさせること」を考えていないようで、もう訳がわからない!
「読んでいるこっちを狂わせたいのか?」と思わせるような筆致をあえてしているんだとしたら……うん、すごいね……。
だけど、最後まで「叔母たちが祖母たちを殺した理由」がわからないから読後感も微妙……。
ああ、そうだ。「B.A.D」に似てるんですよ、コレ。特に3巻の。綾里作者先生はもしやコレを読んだ後に書いたんじゃねーのか……?
主人公の姉が諦観者でまともだと思っていたら、やっぱり誰もまともじゃなかったり。一人称が前半と後半で気持ち悪く変わるところとか……ね。

 さあ、星はいくつかなー? って、訊かれなくても大体わかりますよねー……。ええ、星1つ★☆☆☆☆の地雷ですよ! この野郎!!

 とりあえずこれで連続更新は終わりですが……うーん、明日か明後日も余裕があれば更新する予定ですー。その代わりに週明けの休み明けが地獄だぜ!(笑)

posted by mukudori at 23:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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