2014年12月06日

ひとりで生きるもん! ~粋がるぼっちと高嶺の花~/暁雪

ひとりで生きるもん!  ~粋がるぼっちと高嶺の花~ (MF文庫J)ひとりで生きるもん! ~粋がるぼっちと高嶺の花~ (MF文庫J)
暁雪 へるるん

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底辺かける高嶺の花

 織田慶人(おだ けいと)はある日、クラスの人気者であり学校一の美少女の湊千紗(みなと ちさ)に告白された。……ただし、それは「お笑いの相方」として。千紗はそれで通っている高校の文化祭に出場したい、と言う。美少女なんて性悪しかいない……と思っていた慶人だが、はたして千紗は!? 第10回MF文庫J新人賞受賞作!!


 いやあ、久しぶりに正統派ラブコメを読みましたねー。
もちろん変猫も大好きですが、こういうド直球なのはたまに読むと心に沁みますねー……なーんてことを考える私ももう歳かな……。
 この話は一巻だけでほぼ完結しているので、私がよく口を酸っぱくして言っている「新人のくせに、続刊前提やめろやこの野郎」というのが回避出来たのも、大きなプラスポイントです。

 さあ、そんな期待値大のネタバレあらすじだよー。
 慶人、高校の小テストで先生が「わからん問題だったら大喜利風に答えてみろ。面白かったら点をやる」というのを実践すると、クラスメイトに大ウケ。すると、その後日から自分の机の中に手紙が入っていて、「このネタにアドバイスをください!」のようなものが何回も送られてくるので、そうして文通のようなものをしていると、ある日――クラスの人気者な千紗が話し掛けてきて喫茶店に拉致られ、「あの手紙の主はわたしなの。お願い、織田くん! わたしと一緒にコンビを組んで、文化祭のP1グランプリに出て!」と言ってくるので、悩みに悩んだ末に承諾する。→そうして千紗の行きつけの喫茶店のマスターや千紗の妹の小学生の七海(ななみ)とも出会ったりして、千紗とデートっぽいこともしたり。この時点で慶人は千紗にかなり惹かれていたが、千紗に手を出すと学校中の男子たちから恨みを買うことになるので、あくまで二人の関係は秘密だった。→しかし、そんなことをして文化祭のネタを考えているうちに千紗が文化祭の後は母親にフランスのケーキ屋からパティシエの腕を買われてオファーが来ているので、千紗たちはフランスに引っ越すことが決まっていることを伝えられる。慶人は千紗への想いを断ち切ろうとしたが、出来ずにP1グランプリに臨む。それで吹っ切れたのか、慶人はクラスメイトたちにこの関係を告げると、千紗を狙っている男子から「湊さんにそういう事情があるならしかたねえ。だが、この二発分が俺たち男子からの恨みだっ!」と言われて殴られるが……逆に素直にそう告げたことで文化祭までスムーズに進む。→文化祭当日。P1グランプリは毎年吹奏楽部が優勝していて、賞品におこめ券をもらう。千紗はそのことも漫才のネタに盛り込んでいて、クラスメイトたちもそれに笑って会場は爆笑の渦に。結果は五位入賞だった。少し残念だったが、「上位は音楽系の部活ばかりなので、個人たちの入賞は快挙だ!」と千紗に励まされる。その後のクラスの出し物の打ち上げとしてファミレスに集まる予定だったが、慶人の携帯に千紗からメールが着て、「ごめんね、慶人。いままで付き合ってくれてありがとう。打ち上げには、これから引っ越しの荷造りをしなきゃいけないから無理なの」と断られるが、そんな千紗をおかしいと思った慶人は千紗のマンションに向かうと、そこの玄関で千紗の母親に出会って、「あら、あなたが慶人くんね。千紗に何枚も写メを見せてもらったの」と言われてスムーズにマンションに入ることが出来る。千紗の部屋に行かせてもらうと、そこでは泣き疲れて眠っている千紗が。起こしてもしばし夢だと思われていて、千紗の本音が垣間見える。本物の慶人だと確認した後で千紗は真っ赤になり、「わたしがどんな気持ちであのメールを送ったと思ってるのよ!」と泣きながら言われて、そんな千紗に告白する慶人。二人の気持ちは通じ合い、開けっ放しになっていた千紗の部屋のドアからは七海と母親にもその状況が丸聞こえだったので、それを知った二人は恥じらって赤くなる。→千紗たちが日本を発つ日。空港でキスをねだってくる千紗に、慶人は恥ずかしがりながらもキスに応じた。その後のクリスマスの日。慶人の元に、フランスにいる千紗からクッキーと手紙が届く。そこには「クッキーを全部食べたら、良いチケットが出て来るよ!」と書かれていたのでクッキーを完食すると、『およめ券 有効期限:十年以内』と書かれたチケットがあったので、慶人は「十年後までなんて……そこまで待たせねえよ」と呟いたのだった。

 うん、伏線回収が見事なり!
まさかの「おこめ券」がラストの「およめ券」に掛かってくるとは……! きっと作者はこの変換に気付いた時、ガッツポーズをしたでしょうねw
でも「喫茶店のマスターがなんでこんなに湊家に優しいの?」とか、「千紗が慶人の内面描写以上にあんまり美少女していないよなー」……とか細かい部分への突っ込みはあるんですがね。
 あと、P1グランプリでの漫才を最初っから最後まで丸々書き切ったのは良かったのか悪かったのか……。正直、そこまで爆笑を誘うネタではなかったのですがね。でもその中で千紗が慶人に抱いている気持ちを伝えたのは良かったと思います。ですが「これでちゃんと本番のネタの台本にしてるんなら、逆にこれまで千紗の気持ちに慶人が気付かないのはおかしくないか?」とも言えますがね。

 うーん、評価が難しいのですが……星4.5に近い、星5つ★★★★★! オススメです!
そうだよ、MFに俺たちが求めているのは、こういう「ほんわかラブコメ!」な感じの安定性なんだよ! ……と、しみじみ実感しましたねw

posted by mukudori at 01:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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