2014年10月16日

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い/西尾 維新

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)
西尾 維新

講談社 2008-04-15
売り上げランキング : 10575

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


並んで歩く

赤神(あかがみ)財閥の令嬢、赤神イリアによって、京都の北の沖にある鴉の濡れ羽島(からすのぬればじま)に集められた、五人の天才たち。その中の一人、玖渚友(くなぎさ とも)に付いて来たのは――ぼく。幼なじみである玖渚の言うところの「いーちゃん」だ。そして天才たちが殺されて行く悲劇を止めようと、「ぼく」たちは奮闘する。第23回メフィスト賞受賞の、一世を風靡し続けている、西尾維新のデビュー作! いや、ここまでが戯言だけどね。なーんちゃって。


 やった……。やっと読み終えたぜ!!
我が家のお茶をデカいヤカンで沸かす時の待ち時間で一日10ページ以上を目標にして読むこと一ヶ月強……。ついに、後書きまで含めて全553ページを読破! 分厚いんだよ、チクショー!!
 まあ「そんで、内容はどうだったのよ?」と言われると、「最初っから最後まで、『西尾節』の片鱗が見えたよ!」……としか言えませんね。
うん、面白くない訳ではないんだけど……さすが、応募原稿のページ数上限の無いメフィスト賞に応募しただけあって、ページ数がちょっと多いんじゃね?と感じましたね。
別段要らない知識や、偉人の言葉の引用や、最後まで意味不明な玖渚の役立たずな立ち位置とか……。いやまあ、玖渚がいることで、「ぼく」もちゃんと玖渚を守るために、結果的に探偵役をこなしているんですけどね。
 でも500ページ超えで分厚いのに、最初っから最後まで西尾節を貫いたのはすごいなあ。
なんだかんだで、島での後半の「やっと一回裏、今度は僕様ちゃんたちの攻撃のターンだよ、いーちゃん。僕様ちゃんは三番キャッチャー、四番のピッチャーはいーちゃんだよ」と来てからは、面白くって一気に読んでしまいましたね。「お茶よ、もっとゆっくり沸いていいんだよ……?」と思ってコンロの火を弱めつつ(笑)。
 つか、この本の元タイトルの「並んで歩く」を探していると、どうやらメフィスト賞の審査員である編集さんたちが「こいつ(西尾先生)って、よくもまあ、長文な原稿をうちに頻繁に送ってくるなあ。仕方ねえ、そろそろ受賞させてやっか」「でも、まだ若いし……ここでこの作者の進路を決めてもいいんすかね?w」「この人にちょっと会ってきたんですけど、一週間に350P書けるってよw」「「「スゲー!!!」」」(一同)的な裏事情を載せているページに当たったんですが……?w 確かにこれ(クビキリサイクル)がそのまま送られて来たなら、二十歳にしては文章力とか引用の引き出しとかがすごいとは思いますが……作家デビューに至るのって、そういうのも「アリ」なんですか?w

 ネタバレあらすじー。登場人物の名前ですが、変換が面倒なのでかなり省かせてくださいね。
 島の主人1人、天才5人、メイド3人、主人の御付1人、天才の付き人2人(一人はいーちゃんです。ちなみにどっちも男。他のキャラは全員女です)……な島の屋敷で、まず芸術の天才の伊吹かなみ(いぶき -)が首を切られて殺される。偶然地震が起こった後だったので、部屋の中にはペンキの大きな川が出来ていて、つまりその奥にいるかなみの死体には誰も触れられなかった『密室殺人』だと言われる。→次は、怪しいと思って密室に閉じ込めていた、学術の天才な『七愚人(しちぐじん)』の園山赤音(そのやま あかね)もまた、首を切られて殺された。→だけど主人公は、誰かの「どっちも首を切られて、肩と同じようにあんなに平らにされて……」という言葉で、全てがわかった。→犯人ではない、と見当を付けた人たちを集めて、一芝居を打つ。そこで一人になった時に襲ってきたのは――なんと、死んだと思っていた赤音だった。そこに他のメイドさんたちもやってきて主人公を守ったりしてくれて、かなみの付き人だった深夜(しんや)という男も共犯として吊し上げる。トリックは単純で、どっちも首無しな死体なのをいいことに、最初に殺されたかなみの死体をリサイクルして赤音の服を着せて、新たな一人の死体を作ったのだった。なので赤音は生きていた。言及しておくと、島の主人のイリアは昔に人を殺していたので警察が嫌い。なので今回の事件も警察に言うつもりは無かった。→そしてめでたしめでたし……とはならずに、主人公が京都の本屋で買い物をしていると、哀川潤(あいかわ じゅん)という、イリアがとても信頼していた『人類最強の人間』と出会って、無理矢理車に乗せられて拉致られる。その道中で、実は「島に来る前から、かなみは赤音と入れ替わっていた」という推理を聞かされて、それで主人公も「深夜が何故か赤音に協力していた理由」がわかってすっきりする。そして連れて行かれたのは……玖渚のマンションだった。終わり。

 うーん、簡潔に纏めるとこんな感じです。
たぶんこんなプロットを元にして他の作家さんが書くと、本作の半分のページ数にも行かないんじゃないだろうか?
それぐらい、ちと、要らない情報なんかが多過ぎるのですが……私が端折った最後の纏めに入って行く辺りでは、きっと「おお、こんな伏線があったとは!」と感動するかもしれませんね。
 ところで、どっかの誰かさんみたいに、「いーちゃん」ってあだ名な名前の無い主人公は、もしかして作者本人のことだったりしますか? 『I』SIN先生? なーんつって(笑)。
 ついでに書くことが少ないのでプチトリビアを披露すると……西尾先生のペンネームは、ローマ字での回文なのですよ。
上から読んでも、下から読んでも「NISIOISIN」!

 評価は……序盤は星3.5ぐらいだけど、最後の100ページの怒涛の追い上げが良かったので、繰り上げて星4つ★★★★☆かな? 2巻も楽しみです!

posted by mukudori at 01:07 | Comment(4) | TrackBack(0) | 一般小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。