2014年10月07日

双子と幼なじみの四人殺し 02/森田 陽一

 今回、かなりきっついことを言ってますので、この作者のファンな方や正義感の強いお方は読まないで飛ばしてくださいねー。
双子と幼なじみの四人殺し 2 (GA文庫)双子と幼なじみの四人殺し 2 (GA文庫)
森田 陽一 saitom

ソフトバンククリエイティブ 2012-03-16
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迷悟、愛してる。世界で一番愛してる。

城崎南(しろさきみなみ)高校の生徒会室で、四人が殺された。それを見てしまった胡桃沢は、犯人に拉致される。犯人は胡桃沢に言う――「全部で、十二人殺す予定なの。だから、あなたはまだ含まれていない」と。そして迷悟の靴箱に詰められた、たくさんの手首たち――。犯人の狙いは? はたして、今回の犯人は誰なのか!?


 あーっはっはっはっは!!
いやあ、素晴らしく素敵なギャグ小説ですね!
はたして、これの作者は天然なのか、単なる馬鹿なのか……。
 たった300P弱に対して、突っ込みどころがもう突っ込み切れないほどに盛りだくさん!! お笑い芸人を目指したい人なら、是非この本を買うべきです!(ただし、ツッコミ役を志望する人に限る)
 1巻の時に「世紀末ヒャッハー学園もの」と書きましたが……うん、今回もまさしくそれだね! 私の頭が頭痛で痛いよ!
つか、三川が「学歴は重要よ。大学に行けるなら行っておきなさい。この高校は進学率、ほぼ百パーなんだから」とか言ってますけど……ちょっとこれ、理解出来ないですね。
前巻のレビュー「3万円もらったからって男子どもが女子2人と男子1人(双子と迷悟)を鉄パイプとバットで校内で襲撃する? しかも返り討ちにあって頭蓋骨陥没させられる? それで刑事事件にならない?」と突っ込みを入れましたが……そんな金に目が眩みまくりな世紀末ヒャッハーな低偏差値っぽい馬鹿どもが集まっていて、なお且つ名前的に公立っぽい高校(城崎南高校)なのに、なんでそこまで進学率が高いのかな? 私立の一応進学校なら、3年の生徒たち全員に無理矢理受験させて、高い合格実績をわざと作ったりするので、そう考えればなんとか納得は行くのですが……。でも、この高校の関係者……っていうか、登場人物たちがみんな馬鹿だとしか思えない言動なんですよ。これもまた1巻の時に気になっていましたけど……校長たちが警察に、「飛び降りは事件らしいけど、それを隠してただの自殺ってことにしてくれ!」と頼むあたりからして……ここは私立の学校なのか? でなきゃ、校長たちの「世間体重視!」な態度が納得いかないしなあ……。あんまり読み込んでないので、もし「○巻の○ページに、この高校は公立(私立)って書いてあるぞ。もっとちゃんと読め!」とおっしゃられるような私への突っ込みはコメント欄でどうぞ!w なお、これは1巻の時にかなり酷評しましたが、オークションで4巻までが安く出ていたので、余る送料がもったいないのでうっかり他の本と一緒に落札しました(笑)。なので、意地でも4巻までレビューしてやんよ、チクショウ!w 万が一にも、3巻から面白くなるかもしれませんしね! でもAmazonレビューでは星が……うん、見なかったことにしましょう! ねっ!
 そんで更に続けて三川が「でも私レベルになると、試験なんかを受けたり、卒業しなくても、向こうから勝手にいろいろ与えてくれるのよ」とか言ってますけど……お前、『保健医』って1巻の14Pできちんと書かれてるからな? そこは忘れてねえぞ?(重版分ではどうなっているかは知りませんが) まず、そんな職業は現在の日本には無いし、日本で『医者』を名乗るならば最低でも医師国家試験を受けて合格しなきゃいけないからな? なお、ちらっと見た3巻の最初の登場人物紹介のページではこの三川のことは作者が気付いたのか編集が気付いたのかは知りませんが、『保険医』になっています。こちらは現代日本にもちゃんとある職業ですが(というか、基本的にブラック・ジャックみたいにもぐりじゃなくって、普通に病院で患者を診ている医者のことはこう呼びます。保険会社と契約している医師のことも)……高校にも配属されるのか? どんだけ金持ちな高校だよ。
 あとこれ、誤用への突っ込み。
271P、「〜秤(はかり)は嬉しそうに微笑んでいた。浮き足立っているようだ。」ってありますけど……「浮き足立つ」っていうのは、「恐れや不安を感じて逃げ腰になる。落ち着きがなくなる」って意味ですからね? おそらく、「浮き立っていた」の方と間違えていたんでしょうけど、初歩の初歩な間違いなので、作者も編集もプロ失格ですね。特に編集は、ちゃんと今回の原稿を読んだのか、と訊きたいですね。重版分では直してくださいよ……って、あ、ごめんなさい! もうこのシリーズは4巻で終わったから、重版なんかもほぼ見込めないんでしたね。サーセン! てへぺろ☆

 ネタバレあらすじー。今回は蛇足な展開がありすぎて300P弱ですから、端折りまくれるので短いですよー。
 迷悟の高校の生徒会室で、4人が首を吊られて殺されているところに、胡桃沢がやってきて、それを口封じのために犯人は胡桃沢を拉致監禁。そして学校は休校になるが、1巻の時のような大々的な休校にはならなかったので、迷悟と双子たちは残念がる。同時に胡桃沢も失踪したが、それは誰も不思議がらなかった。→胡桃沢は殺人犯と見張りの男と共同生活をするが、結構気楽にやっている。なんだかストックホルム症候群になっているかもしれない。犯人は8人目を殺した後で胡桃沢に「殺していい?」と訊くが「嫌よ」と言われただけで「そっか、ならやめておくよ。お家に帰っていいからね」と言われて解放されるが、胡桃沢は「なんだかもう、あの子とは会えない気がする。……友達になれそうだったのになあ」と能天気。しかも普通に家に帰っただけで、警察には通報せず。→迷悟たちのところに犯人――久保園秤(くぼぞの はかり)という女子から犯行声明の手紙が。そこには、迷悟と双子が実父たちを殺した時の、一部の人間しか知らない事実が書かれていたので、なんとか解決しようと考える3人。三川が学校中に仕掛けている監視カメラのデータを見せてもらって犯人を特定。ここまでで推理orミステリー要素などは、一切無し。素直に怪しいと思った新キャラが犯人です。そして自分の設置した監視カメラで犯人がわかっていても、監視カメラの存在がばれたら嫌なので通報しない三川(一応、この学校の『保健』医)。警察は何回もこの学校で捜査をしているのに、どうしてこの監視カメラの存在を見過ごしているのかが不思議です。→秤とバトル。秤はものすごく強かったが、さすがに3対1では分が悪く、屋上から飛び降りて、逃げる。わー、すごーい……。→そして『秤』という名前は、本物の秤とその家族を殺した時に借りた名前で、今度はまた違う格好と名前で迷悟の前に現れるが……迷悟はそれを「お前……俺の異母姉だろ」と看破。そして秤の本心は、「あの双子は私の弟の迷悟にはふさわしくないから、連続殺人にかこつけて殺そうと思ったの!」というものだった。これまでに殺された人たち、涙目な展開。そこで「迷悟、愛してる。世界で一番愛してる」という、姉からの告白をされたのだった。

 え、えーっと……なんで警察と胡桃沢の父親はすぐに動かなかったの?
4人も殺された高校の生徒で、なお且つ犯行の後に無断で欠席して家からも消えて、居所がわからなくなった……となると、もう犯人だと怪しむか、被害に遭ったか……と馬鹿でも考えると思うんですけど? おそらく一縷にメールを返した時点で胡桃沢の携帯は監禁されていたところか、その近くにあったんだから、誰かが警察に「胡桃沢がこの事件の犯人に拉致されたかも!」とでも言っていれば充電が切れてても、一縷に「野球の誘いだけど、暇だったら行くかも」と返信した時点の携帯の発信場所探知でわかったのに……本気でどいつもこいつも、馬鹿なの?
 そんでもって何人も殺されたのに、休校が短いのを残念がる迷悟と双子たち……どう見てもDQNです。本当にあり(ry
 そして犯人(秤)からの犯行声明の手紙を受け取っても、「これって手書きだけど、誰からだろう? でも全校生徒からの筆跡鑑定なんか無理だよね? だから警察には言っても意味無いよねー。これに書かれてる、私たちの犯行もばれちゃうしー」なのか。そこは犯人の指紋なんかが付いている可能性もあるんだから、警察に持って行けよ馬鹿ども。この時点で9人も殺されてるんだから、警察も学校も全校生徒の筆跡鑑定ぐらいはやるぞ? お前らの犯行の事実のことは、「こういうの書かれてますけど、全然身に覚えなんてありませーん」って誤魔化せばいいだろうが、厚顔無恥なクソどもよ。
 つーか、迷悟と双子たち……ぶっちゃけ、事件が起こっても起こらなくても、自分たちへの被害さえなければ、解決なんかも基本的に無関心だから、読んでいて感情移入が出来ないんですよね。
特に迷悟の女子相手への「……んな訳ねーだろうが、ボケ!」とかの、きっつい暴言はなんとかならないかなぁ……。読んでいて、「女子にはもっと優しくしろよ! 腹立つ主人公だなあ、おい!」って思いました。そりゃこんなにDQNなお前らがつるんでたら、いくら双子が可愛くても遠巻きにされるわ。
 そうそう、「可愛くて」で思い出しましたが……話中で一縷にラブレターが来た時、「双子でもあたしより朽縷の方が優しいし、可愛いのになんでだろ?」とか言ってたくせに、当の朽縷が「私はこれまでこんなのもらったことないし……」って言ってるところがまたまた矛盾ですね。
 そして命名に絡んでくるのですが、「一縷って名前はあたしの方が先に産まれたから、『一』なんだよ。朽縷の方は最後だから『朽ち』なんだ」って言われても……GA文庫の受賞者インタビューではこの作者が「一縷のことは、『一縷の望みを叩き潰す』みたいな感じで。元々、悪役だったので。朽縷はなんか、『チルチルミチル』みたいな名付けにしたかったんですよねー」って言ってるのを見てしまったら、後付け設定にしか思えませんでした。
 そんで出してきた、田口因圃(たぐち よりほ)という何でも屋まがいな男子や、一縷に告白してきた千歳泉(ちとせ いずみ)なんかの先輩女子は……出した意味あるの? 邪魔だし蛇足だから削れよ。
あと、作者のネーミングセンス……いちいち変換が面倒なので、頼むから一発で変換出来るやつにしてくんない? ……と思って↑にリンクを繋いでいるインタビューを見たら、予想通りに「西尾維新先生などのファンです。小説を読んだのは大学生のころ、サークルの部室に『ヒトクイマジカル』があって〜」だし……。
ついでに作者もさあ、今巻の後書きで「今回は1巻を超えないと! ……と思ってたくさん人を殺そうと思ったのですが、予想以上に死にましたね。あはは」じゃねーよ!! いくらフィクションでも、こんな救いも勧善懲悪も無い世界はやめてくれ。綾辻先生の「殺人鬼1〜2」殺人鬼 (新潮文庫) -
殺人鬼 (新潮文庫) - みたいに、グロ描写と意外な展開を楽しませるような小説でもないくせに……。
 あと三川、高校生に酒を飲ませるな。だから私が「世紀末ヒャッハー学園」って言ってるんだよ、この高校にいるクズどもよ。

 なんつーか……もう、初稿から出版までの間に、編集が読んだり手を入れたりしてなくて、一つも改稿していないような未熟なものを読まされた心境です。
評価は星1つ★☆☆☆☆……もちろん、スーパー地雷だよ!
残るはあと2冊ですが……金を出して買ったからには、私の心が挫けない限り、口直しをしつつ読みますよ!

posted by mukudori at 21:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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