2014年07月24日

ディバースワールズ・クライシス 01/九條 斥

 はっはっは! 「いやあ、週一更新がぎりぎりですわ……」な私が、2日連続更新でびっくりされたかい!?
 実は、三連休の時に家に引き籠もって読んで、ストックを溜めていたんですよ!w
ディバースワールズ・クライシス (MF文庫J)ディバースワールズ・クライシス (MF文庫J)
九條斥 えむけー

メディアファクトリー 2012-11-21
売り上げランキング : 587457

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ディヴァースワールズ・クライシス

『魔モノ』と戦争をしている某国。そこの勇者として選ばれた少女・クロワは、ある時オズドゥロイという骸骨の中ボスレベルのモンスターに苦戦し、あわや倒されようとしたところに現れたのは――アルという少年だった。アルの剣技は強く、勇者の力を与えられたクロワと比肩しても遜色無いぐらいだったので、アルの「着いて行ってもいいかな?」という言葉に頷く。第8回MF文庫J新人賞、審査員特別賞受賞作!


 あー……。これはこれは……きっついな……
この作者はカバーの折り返しにも書いてあるように、岡山県出身で大阪在住なんですよね。
だから「よし、岡山の誇り! しかも応募当時が18歳だと!? いまは大阪の方の大学に合格して執筆してるとか……リア充め!!w」とご祝儀がてら買ってみたんですが……女主人公・クロワの一人称で進んで行って、なお且つ心情を共感出来ないのが結構厳しい。
さすが、「若者贔屓」で有名な日日日審査員先生(自分が十代のころにMFなどで受賞したから)が選んだだけありますね!
 あとイラストレーターのえむけーさん、ヒロインたちの乳がどいつもこいつも垂れ過ぎです。

 ネタバレあらすじー。今作ね……ぶっちゃけ、要らないシーンで水増ししてる感があるので、その辺りは削って行きますのでちょっと短いです。
 クロワ、アルに「仲間志願」をされたので、助けられたのもあって渋々承諾する。しかしだんだんと、自分に優しくてピンチに助けに来てくれるアルのことが好きになって行く。→とある都市で、とうとう告白。だがアルには「アル、お願い。魔王を倒した後でもずっと一緒にいて」「……ごめん、それは出来ないんだ」と断られるが、実はアルは、違う異世界で魔王を倒したことによって呪いを掛けられて、『どこかピンチに陥っている惑星や異次元に現れるようにされた』……という設定持ちだった。なので、この国でも魔王を倒したらまた別の世界に行くらしい。→それに納得しながらもクロワはアルにキスを仕掛けたりしつつ、一緒に魔王軍が近くに来ている都市に行く。そして魔王軍が襲来して、魔王のレインドロル(見た目は美しい少女)と戦うが、クロワは大怪我を負って敗北し、アルと一緒に援軍に連れられて逃げ出す。そこの都市長である国王の側近のゼフィールとその手下に夜中に襲われて、「言葉の通じる魔モノと取り引きをした。お前の首を差し出せば見逃してくれるそうだから、私たちのために犠牲になってくれ」「私は勇者よ!? そんなことをしなくても、ちゃんとその魔モノは退治してあげるわよ!」「おや、まだ気付いてないのか? お前は国の魔力利用によって過去の記憶なども消された、単なる孤児院の少女だぞ?」「えっ!?」と衝撃の事実を告げられて、そこにアルが助けに来てくれる。ゼフィールの話した通り、クロワは「人間に対しては剣を向けられない」ように設定されていた。そこにアンジュという義勇軍のリーダーが「クロワちゃんのその呪い、解きたくはないかい?」と言ってきたのに頷き、クロワは「本当の私は孤児院出身で、庶民のみんなが知っているような『二年前に天から遣わされて、いきなり首都の大聖堂の中に現れた』――ってものじゃあなかったのね……」と記憶を取り戻す。→魔王と決戦、二回目。今度は前に負わされた傷も治り、クロワは獅子奮迅の活躍。魔王が再生も出来ないほどにピンチになるが、他の魔モノたちが魔王に自分たちの魔力を送る。だが魔王は「私はこれ以上魔モノたちを殺したくはないのだ! やめてくれ、皆の者!」と願うも、魔モノたちは死ぬまで自分の魔力を魔王に与えて死ぬ。その屍の上に立った魔王は、クロワの説得もあって心が乱れて、クロワの使う勇者の剣に付いている魔石に吸い込まれる。だが魔王が最期に放とうとしていた強力な魔力弾は落ちてしまい、爆心地のクロワが死を覚悟するも――アルが助けに来てくれた。この世界は救われたのでアルは別の次元に転送されようとしていて、その転送魔法陣の上に乗っていると何事にも干渉されない……という性質を活かしてクロワの盾になったのだった。そしてアルはどこかに消えて行った。→『国を救った勇者さま』としてクロワは栄誉を受けているも、側にはアルがいないので気落ちしたまま。そこに剣の魔石の中に封じられたレインドロルが話し掛けてきて、「私とお前の力を合体させれば、あの男のように異次元に行けるぞ? 私も残った魔モノたちと一緒に安全に暮らせるような異世界に行きたいしな」という誘いに、罠かも……とは思いつつもクロワは承諾する。魔王との二回目の戦いで記憶操作されていた以前よりも力が上がっていたのは、アルとキスをしたから――。だからきっと、この絆がアルのところに飛ばしてくれるかも、と思っていたのだ。そうしてクロワはアンジュたちに「もう、この国に魔モノはいないわ。だから勇者の私は天国に帰るの。王様によろしくね」と言って、異次元に飛び出したのだった。

 まあ、ページ数が約260Pと少なくて一気に読めたのは良かったです。
でも、序盤で世界観の説明の地の文(クロワの一人称で語られているもの)が多過ぎ。この世界では魔モノが〜、私は神に選ばれた勇者で〜、国の南部はもうとっくに放棄されて〜……など。中盤でもまだ世界観の説明多過ぎ。しかも、ゼフィールたちは一応まだ国に認められている勇者のクロワに危害を加えたのに、取り引きしてきた魔モノ討伐イベントが終わればそのまま放置とか……。
 それに後付け設定多過ぎ。『転送魔法陣の上に乗っていると何事にも干渉されない』とか、最後の最後で「ハア? そんな設定どこに出て来たよ!!」と言いたくなります。魔王も気が抜けて(もしくは「これ以上、配下の魔モノたちを犠牲にしたくない」と諦めて?)クロワの剣の魔石に吸収されるとか、ラスボスなのに倒す展開が粗過ぎる。あれ? このシーンって落丁で1P抜けちゃったのかな? ……とか思いましたよ。
 つーか、台詞の中の読点も多過ぎるんだよこの作者。
例:「〜それに、アルにも、もう嫌われちゃったの」とか、「それで、昼間の件……ほら、魔力について、研究の進み具合を訊いていたじゃない」とか数え切れないほどあります。それによって、会話のテンポが悪くなっています。
 そんで、クロワが序盤は結構クールで助けてくれたアルのことなど「少しは出来る男子ね」みたいな感じであんまり気に掛けていない風なのに、いきなり「あなたが好きよ!」となるのは……もうちょっと乙女の心情描写が欲しいかなあ。まあ、同じ年頃の少年が臆面もなく「君は可愛いよ」、「せっかく可愛いのに、もったいない」、「うん、この花も似合ってる」……などと言ってきて、ピンチにタイミング良く助けに来られたら「私は勇者よ。魔王を倒す以外に目的なんかないし、他のことに回す心など無いの」とかクールぶっていても、積極的にキスや添い寝をねだるまでに落ちるものなんですね(笑)。おのれ、アル……イケメン補正か!w
 あとえむけーさんよ……表紙のクロワなんですが、「私は勇者だから、八百年前の勇者の髪型を真似してるのよ」作中で何度も言わせておきながら、クロワの髪が剣の柄に隠れて普通のショートカットに見えるんですが? ぶっちゃけ、作中の下二つ結びよりもショートカットに見えるこっちの方が好みです。旧約禁書の20巻の表紙の女の子もとある魔術の禁書目録(インデックス)〈20〉 (電撃文庫) -
とある魔術の禁書目録(インデックス)〈20〉 (電撃文庫) - 、タイトルロゴで髪が隠れてるんで、「ほう、ストライプニーソックスのこの子はボブカットなのか。なかなか可愛いぞ」と思いつつ読んだら、本当はロングヘアーだった時の衝撃と言ったら……!°・(ノД`)・°・
 ついでに、結構歳の行っているであろう騎士が「勇者さま! この魔石には、超強力なパワーが籠められていて〜」と、若者やギャルのように『超』って使うのはやめてくれ。二度目の決戦前のシーンなのですが、これで一気に緊張感が無くなりました。「とてつもなく強力な〜」や「魔術師が三百人集まったほどに強力な〜」でいいじゃん? この辺りが、審査員選評で日日日作者先生が「この作者は年齢に見合わないほどの文章力を持っている」と褒められていましたが、ちょっと作者の十代の若造っぽさが現れていますね。

 サクサク読めるのはいいんですが、話の先が読めるのもあって……星2つ★★☆☆☆かな。プチ地雷です。

posted by mukudori at 02:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。