2014年06月18日

死神姫の再婚 01/小野上 明夜

 俺のブログの「ビーズログ文庫」カテゴリがやっと火を吹くぜぇえええええええええええ!!
えっ、前にも同じ台詞を言っていたじゃないかって? えー、そうだったかな……ん? 「狩兎町〜」? 「ハロウィン〜」……? うっ、頭がぁあああああ……!!
……ごほん。
ともかく、俺のブログのビーズログ文庫カテゴリは、もうほぼ「この作品のために!!」 ……と言っていいぐらいに開設当時に設定したのですが、「やっぱり閲覧者さんには、男子向けライトノベルの紹介をした方がいいのかな……」と思って、読んだのはいいけどずっと紹介してなかったので、今日はちょっと力入ってるよ!
死神姫の再婚 (ビーズログ文庫)死神姫の再婚 (ビーズログ文庫)
小野上 明夜 岸田 メル

エンターブレイン 2007-09-15
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「死神姫」なんて呼ばないで

 先祖代々の自分の領地を守るため、年上の太った貴族と望まない結婚をする14歳のアリシア。だが教会での誓いのキスの前に、暗殺者が現れて旦那の貴族が殺されて!? それで「死神姫」という不名誉なあだ名を付けられて自分の領地に戻るも、財政は逼迫。とうとう困り果てて、お金はあるものの「残酷で悪徳な領主の『強公爵』」と噂されている成り上がり貴族のカシュヴァーン・ライセンの元に嫁に行くことに! 第9回えんため大賞ガールズノベルズ部門奨励賞受賞作!!


 ……うーむ。
この本は単に岸田メルさんの絵が好きなので購入しただけなんですが……少女小説って舐めてたけど……意外と面白い!!(小学生のころの図書館に古い「なんて素敵にジャパネスク」などはありましたが、読んでません) 少女小説家の人たち、舐めててすみません!
そんでもって7年前の作品(よく考えたら、結構古いですねw)とはいえ、「例のアレ」と同レベルの賞を受賞した作品……ということですが、そう考えると「例のアレ」がひどすぎる……。えんため大賞のガールズノベルズ部門のレベルが落ちたなあ……と思いました。いまこれを選考に出したら、きっと大賞ぐらい獲ると思いますよ? えんため大賞のガールズノベルズ部門っていままでに大賞が出たことが無いみたいですし。
キャラはテンプレながらも立ってるし、文章力もある。構成や伏線だって悪くない。内容も全248Pなのに詰められている。そしてラストにきゅんとときめき。……って、乙女か!w
まあ、私の岸田メル絵ファンフィルターが結構掛かっていると思いますが(笑)。

 ネタバレあらすじー。
 シルディーンという国。そこで没落貧乏貴族で、「死神姫」とあだ名を付けられて、貰い手が無くなったアリシア(三つ編みメガネっ子でぼんやり屋な15歳)を伯父がなんとか物好きで家名の威厳を欲しているアズベルグの暴君が統治しているライセン家に寄越す。アリシアの家は没落しているとはいえ、一応名門の「フェイトリン家」の血筋ではあるので。→行くとそこでさっそく、旦那のカシュヴァーンに「(33歳ぐらいね……)」と思いつつ、「安く買い叩いてすまなかったな。別にあなたはこの屋敷に大人しくいてくれるだけでいい。名門の血を俺の血筋に与えてくれるだけでいいんだ。それが後ろ盾にあるというだけで、中央にいる鼻持ちならないやつらが俺を『成り上がり』などと蔑称しないだろうからな」「あらまあ。伯父さまったら、私には余計な商売はするな、っておっしゃってたくせに、うふふ」と、どっちもどっちな初会合。合理的な考えが合って、その場で誓いのキスをしようとしたが、ティルナード・レイデン(ティル)という少し前に家を焼き討ちされたレイデン家の生き残りの少年と「翼の祈り教団」の聖職者のユーランという牧師が入ってきて、「僕は悪徳公爵に無理矢理嫁にされる、フェイトリン嬢を助けにきたんだ!!」と宣言するが、先にカシュヴァーンにアリシアがキスをされる。ティルは「こういう無理矢理な下剋上を許すもんか! 近くで野営しているから、絶対にアリシアさまをお前から奪ってやるからな!」と息巻いて逃走。→屋敷で、アリシアには「赤と黒の派手な部屋」と、ノーラというメイドが付けられるが、ノーラは「私はご主人さまの愛人ですのよ、奥方さま? うふふ」と挑発するが、アリシアの天然っぷりですかされる。そしてカシュヴァーンには「屋敷の外と庭の廃園だけには立ち入り禁止だ」と告げられる。その夜、ノーラに「廃園が気になりませんか〜?」と言われて、やはり気になったので着いて行くと馬車に乗せられて、森の奥に。そこで「あっ、灯りがありますよ!」「あら本当ね。……あら? ノーラに御者さんったら、私を置いて行くなんてうっかりさんね」と言われて外に出された挙句に森の中に置いて行かれる。そこでこの地域では「肥料要らず」と呼ばれている、甘い匂いを出す猛毒の草を食べていると「それは食べては駄目だ、少女よ! 何!? カシュヴァーンの屋敷から逃げてきたのか……! 私はトレイス。前はカシュヴァーンの右腕だったのだがね……」と微妙に誤解されて、山小屋に保護される。→そして夜が明けたところに、地域の代官がやってきて「税金を更に納めろ」とトレイスを脅したので、アリシアも「私はカシュヴァーンさまの妻ですわ! このような暴力はおやめください!」「何!? あいつ……こんな幼気な娘を騙しているのか!」「こんな冴えない娘が? ありえないことを。ふん、気でも狂ったのか」と言っているところにカシュヴァーンが来て、アリシアを強奪がてら代官の悪行を見て剣で殺す。屋敷に帰ると、ティルが来ていて「貴様は幼友達(トレイスのこと)は見逃して、代官は殺すのか!」と言われて思わず殴ると、ティルはとても怯える。ユーラン曰く、ティルは焼き討ちに遭った時からこのような暴力が苦手だと。そして機嫌の悪いカシュヴァーンの部屋にアリシアが近付き、「妻として、旦那さまのことをお慰めに参りました。お腹は減っていませんか? お夕飯を一緒に食べましょうよ」と言う。そこでアリシアはカシュヴァーンのトレイスに対する気持ちや「翼の教団」の矛盾や憎しみなどを聞く。それで二人は、本心を聞いてほんのりいいムードに。→数日後。トレイスはティルやユーランに説得されて、このライセンを統治した当初のカシュヴァーンの気持ちを再度慮り、自分から折れる。そして幼なじみたちは仲直りし、トレイスはカシュヴァーンの右腕に戻る。アリシアはそれを見守った。その後、屋敷の隠し部屋に偶然入ってしまい、そこでルアークという少年と出会う。しかも、そのルアークこそが「あれ? まあ顔を見られてないってのはいいことだけど……俺は前のアンタの旦那を殺した暗殺者だよ、死神姫さま。驚かないの? ははっ、面白いね! ティル&ユーランさまに言われてライセン公も殺す依頼を請けてるから、成功したらアンタの次の旦那にならせてよ!」と暗殺者だった。ルアークが去ったので、カシュヴァーンが危ない、と思って探す。そこで廃園に入ってしまう。中には何人もの女性の名前の墓石があった。それをカシュヴァーンに見られて、「本当に約束を何度も破るな。特にこれは俺のトップ・シークレットだったのだ。あなたには失望したよ」と言われてしまう。アリシアは茫然としつつも、「(ティルナードさまに、ルアークのカシュヴァーンさま暗殺の仕事をやめさせてもらわなければ!)」と、こっそりとまた夜に抜け出して、ティルたちのテントに行く。そこでルアークもいて「お前、まだ殺せないのか! この役立たず!」「だって、あの人って隙が無いんだもん。超一流は、殺せる時に殺すのが基本だし」「ほほう? 『暴力は嫌い』と言っておきながら、暗殺者を寄越すのか、レイデン伯爵は?」とカシュヴァーンが来る。そしてティルが逃げて、ルアークとカシュヴァーンが一騎打ちのところに、アリシアが割って入って「やめてください二人とも! そうだわ! ティルナードさまはもういないのだから、カシュヴァーンさまがルアークを雇って差し上げて!」と、決闘を止めるアイデアを出し、二人は唖然として決闘をやめて共闘する。そして屋敷に帰り、カシュヴァーンは「あの薔薇の廃園には、俺の母親が埋まっている。俺の父親が、愛していた『薔薇育て狂い』の最初の妻を殺して以来、気がふれたらしく次々と妻や召使や領地の娘たちを殺して行った……。トレイスの姉もな。それだから俺は、あの男を殺して同じように薔薇園に埋めてやったのさ」と全てを告白。ついでに「俺は22歳だ。33歳だと!? なんだその具体的な数字は!」と笑うところもあり。→平和な日々だと思っていた数日後。逃げたティルが改めて決闘を申し込んできて、カシュヴァーンが受ける。だがその場にカシュヴァーンの背中から剣を突き立てたのは――トレイスだった。「そこの『翼の祈り教団』の司祭さまが、死んだ私の姉に『天国に行ける翼』をくださると言ったから……!」そのユーランは、「早くやっておしまいなさい、ティルナードぼっちゃん! いまがライセンが弱っているチャンスです!」と言うがティルは出来ない。その上、実はレイデン家が焼き討ちされたのも、このユーランの仕業だった。そして傭兵たちも雇っていたユーランはトレイスに、とどめを刺せ、と言うがトレイスが出来ないので死神姫――アリシアに『肥料要らず』を塗った、「一撃必殺」のルアークの得物の針を貸してもらう。そしてアリシアは「最期に、カシュヴァーンさまにせめて翼を賜る儀式をしてくださらないかしら、ユーランさま?」「いいですけど、変な気を起こさないように。あなたの腕では私に傷すら付けられませんよ」と言われてユーランがカシュヴァーン&アリシアのところに近付いてきたところで――自分の手に、アリシアは針を突き刺した。驚いて、その倒れる身体を受け止めようと近付いたユーランを見計らって、アリシアは「えいっ」とユーランに針を突き刺した。→エピローグ。ルアークの毒針を受けても、アリシアだけは死なずに寝込んでいた。起きると、側には手を握ってくれているカシュヴァーンが。実はアリシアは……貧乏貴族ゆえに、昔から自分の領地にあった『肥料要らず』をむしゃむしゃと食べていて、耐性があったのだった。真相を聞いたカシュヴァーンとルアークは思わず笑う。そしてアリシアの家もティルのレイデン家が面倒を見ることになってアリシアはほっとしつつも、トレイスやルアークやティルたちと笑い合うカシュヴァーンを見て笑顔になったのだった。

 うーん、ちょっと「天然にもほどがあるだろ、この馬鹿娘!!」と言いたくなるところもありましたね。ノーラに騙されて、すぐそこに見える庭の廃園に行くのに馬車にわざわざ乗せられた時点で気付けよ!w
 つーか、ノーラと「秘密ですわよ」という約束してたとはいえ、カシュヴァーンに告げ口しろよ!
そういうところにイライラしました。いくら少女小説で人気な「天然主人公像」なのかは知りませんが、ご都合主義過ぎるキャラ作りだなあ……と思いました。

 でもそこらの男子向けの新人賞を獲った新人作家の作品よりも面白かったですよー。
星4つ★★★★☆かな。オススメです!

posted by mukudori at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビーズログ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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