2014年03月25日

狩兎町ハロウィンナイト 陽気な吸血鬼と機械仕掛けの怪物/木崎 ちあき

 俺のブログの「ビーズログ文庫」カテゴリがやっと火を吹くぜえええええ!!ww
 ……本当は、「死神姫の再婚」(岸田メル先生の絵に惹かれて集めているんです(笑))を一番に持ってきたかったんですけどね……。くそっ。
 さあ、新人なのにさっそく我がブログに二作品目をレビューされる木崎作者先生? 「電撃大賞と同時受賞!」の肩書きに恥じないものは見せていただけるんでしょうかねえ……?
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木崎ちあき かる

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正義のヒーロー、ヴァンパイア!?

 ここは狩兎町(かるとちょう)。高校生の日下部陽太(くさかべ ようた)は、ある日同じクラスで隣の席の相沢(あいざわ)という男子が吸血鬼に変身して襲ってきて!? そこに現れたのは、「正義のヴァンパイア」を自称する日本刀を持ったブラッドという美青年。陽太は彼から対ヴァンパイアの戦闘技術を仕込まれることとなり……。第15回えんため大賞ガールズノベルズ部門、特別賞受賞作!


 あー、つまんねえ! 本当にこの作者の作品はクソだな!
 どこを取っても、なんというか……見せ場が無い。読者の期待を裏切ってイライラさせる仕様です。読んでてむかっ腹が立ちます。
「吸血鬼」という手垢の付きまくった題材な上に、作中で「一般人でもそんぐらい知ってるわ、ボケ!!」と言いたくなるような説明をわざわざ語る、作者の薀蓄の披露……という名のページ数稼ぎ。全255Pですからね!

 さー、ストレス溜めるものアレなんで、さっさとネタバレあらすじ行こうか!
 陽太、深夜に町を歩いていると、クラスメイトの相沢と偶然出会って「知ってるか? 吸血鬼って鏡に映らないんだぜ?」と襲われる。そこにブラッドが助けにきて、相沢を追い払う。「大丈夫だったかい、君?」「カーブミラーに姿が映ってない……こいつも吸血鬼だー!!」と陽太はお礼も言わずに逃げ出す。そして両親は幼いころに交通事故で死んでいるので、伯父・伯母のマンションにお世話になっているが、家に帰ると相沢が先回りしていて、伯父たちの血を吸っていた。だが陽太が「けっ、どうせ世間体で俺を引き取っただけだろ……」と思っていた伯父たちは、「陽太、いまのうちに逃げろ……!」と自分たちの身を犠牲にした。そこにブラッドがまた現れて、一先ず陽太を自分の隠れ家の洞窟に案内してくれる。その後こっそりマンションに帰ってみると、伯父たちは生きていた――が、「母さん、夕飯はまだかい?」「安心して、あなた。目の前にこーんなに美味しい夕飯があるんですもの」と相沢によって吸血鬼にされていたので逃げ出し、ブラッドに「だから忠告しただろう」と助けられる。→「陽太くんの血は人間の中でも特に美味いので、吸血鬼に狙われるんだ。だから吸血鬼と戦って、勝てるようになろう!」とブラッドが提案。その底には「実は、陽太くんのお父さんの陽一郎(よういちろう)は手練れのヴァンパイアハンターだったんだ。自分の血が吸血鬼をおびき寄せるから、戦う側に回ったんだよ」「えっ、学者じゃなかったの!?」という事実があった。そして森に入って手ごろな吸血鬼を見つけて、ブラッドは「ほら、戦いなさい。君はちゃんと武器(聖水と木の杭)を持ってるんだから」と言う。陽太はビビりのままだったがなんとか野良ヴァンパイアの一人を殺す。ひょんな出会いもあって、ホストクラブを営む月影聖夜(つきかげ せいや)という普通の吸血鬼とも会話したり。→ブラッドと陽太の二人で夜の公園で話していると、そこに人間(?)が襲ってきてブラッドが対処。だがそいつは、「機械人間」だった。死ぬ寸前に自分の身体全体の「吸血鬼の嫌いな銀」で爆発して、ブラッドは陽太を庇い瀕死に。音に連れられて、見知らぬ吸血鬼が一体やってくる。以前はブラッドが後ろで見守っているお陰で倒せたが、いまはブラッドが瀕死なので恐怖心で動けない陽太の前に、自分のことを「ワタシはアンドロイドです」と名乗るメイド服の美少女が。陽太の持っていた杭を奪い取ると、美少女は楽々吸血鬼を倒した。→美少女に連れられて、近くの無人診療所でブラッドの治療。やはり銀の破片が背中いっぱいに刺さっていたのを抜き取ってやる。だがブラッドは血が足りなくなって、陽太を襲おうとするが、陽太は「お前ならいいよ」と首筋を差し出す。そこでブラッドも正気に戻って、外で野良猫を見つけて血を吸う。美少女は「ワタシは、ヴィクター・フランケンシュタイン博士の発明品です。対吸血鬼用として作られました」と自分の正体を告げた。「――ですが、博士は吸血鬼側に寝返り、自分の発明を悪用するようになりました。ワタシ以外の全てのヴァンピロイドは吸血鬼のために人間を捕獲するようにプログラムを書き換えられました。先ほど、公園であなたたちを最初に襲ってきたのがそのうちの一体です。博士は、『自分がもし道を誤った時はお前が止めてくれ』と言っていましたので、ワタシはその命令にずっと従っているのです」と、美少女――フランケンが言う。そしてブラッドたちも「協力するよ」と言ったので、ブラッドがフランケンに教えてもらった廃工場に行くと、そこには相沢が。そして置いて行かれた陽太はフランケンに「ブラッドさまには偽りの場所を教えました。陽太さま、力ずくでも博士に会っていただきます」と拉致される。→博士の研究所で拘束される陽太。だが、そこに現れたのは――死んだはずの自分の父親だった。「私は吸血鬼にやられて死ぬ寸前に『どうせなら……』と思って吸血鬼になったんだ。そして肉親の血を吸うと、寿命が延びると知ったのでね。悪いが父さんの餌になってくれ、陽太」と言われる。母親が一緒に亡くなったのも、血に飢えた父親が襲ったからだった。だが、「肉親の血を吸うと寿命が〜」は嘘だった。数ヶ月前に相沢と出会った陽一郎が、相沢に「(こいつは、家畜の血しか吸ってきてなかった俺の両親を殺したやつだ! 待てよ、俺のクラスメイトの日下部の父親か……。『肉親の血を飲むと寿命が延びる』と嘘を教えたらどう反応するかな? 『そんなことは出来ない!』って拒否したら即座に殺してやるけど。もしかしたら面白いことになるかもな……)」と吹き込まれていたからだった。→研究所で父親に立ち向かう陽太。銀の欠片で刺し殺した――と思ったら、『人間の皮』が剥がれて、中からはアンドロイドの骨格が出て来た。陽一郎は、自分で自分を改造していたのだ。周りはアンドロイドでいっぱい。逃げ惑う陽太に父親から銃が向けられ――その銃を持っている腕を、フランケンが吹き飛ばした。「さっきまでのは演技です。陽太さまに会わせれば、博士がまた元に戻ってくれると思っていました。ワタシの役目は、博士が人道に外れたことをした時に止めることですから」と言う。そして陽太はフランケンに「日下部陽一郎(メインコンピュータ)を破壊しろ!」と命令する。爆発の瞬間は、相沢を倒して駆けつけたブラッドが陽太とフランケンを回収して空を飛ぶ。そしてフランケンに「陽太さまにご案内したい場所が」と言われて、昔家族全員で暮らしていた家に。そこで陽太は、「お前を、全ての命令から解き放つ」と言ってフランケンを自由の身にした。→エピローグ。相沢は退学していた。陽太は実家から学校に通っている。そこに現れる二名の転校生――ブラッドとフランケンだった。「これから、家でもお世話になるよ、陽太くん。いやー、一度制服って着てみたかったんだよね。僕イケメンだから似合うでしょ?」「よろしくお願いします、ご主人さま」とクラスの席でも二人に挟まれて、陽太は頭を抱えたのだった。

 あのさあ、陽太……なんで、まだ人を襲っていない吸血鬼を殺すの? 「現行犯逮捕」……という単語がありますが、せめて人を襲ってから殺してくんない? 相沢の家族みたいに、もしかしたら人間は襲わない吸血鬼だったかもしれないだろ?
 あと陽太、お前なんで父親を倒した後も普通に高校に通ってんの? 伯父さんたちのマンションにあるだろう必要備品はどこに行ったんだよ。そんで、相沢によって吸血鬼にされた伯父さんたちは結局どうなったの?
 あと一人残っているはずのヴァンピロイド四天王(ネタバレあらすじには書いていませんが、陽太が研究所に拉致された時に一体は倒してます)といい、父親を殺したヴァンパイアの正体が日記で破り取られていることといい……頼むから続刊前提はやめてくれ。あー、ストレス溜まるわー。このまんまの原稿で受賞したんなら、えんため大賞の審査員は目が曇ってますね。落とせよ。
 つーか、最初は「伯父さんたちだって、俺のことを疎んでいる」からの→「いまのうちに逃げろ、陽太……!」という伯父さんたちの本当の愛情を感じての陽太の感情が全然伝わってこない。「いままで勘違いしていてごめんなさい、伯父さん、伯母さん……! 助けられなくて……ごめんなさい!」とでもいいから、台詞にしてくんない? ちょっとは伯父さんたちのために泣けよ。
野良ヴァンパイア一体を倒すのにも勇気を使っていた陽太が、父親に真正面から立ち向かう時も全然カタルシスが無い。
なんというか……「ここぞ!」という時に作者が陽太の心理描写を見せてくれなくて、後から思い出したように出してくるから、肩透かしを喰らった気分です。最悪、欲しいところに欲しかった描写も無いし。

 さーて、評定だよー。もちろんわかっていると思うけど、星1つ★☆☆☆☆! 超地雷だよ! 新刊が出ても、この作者ってだけで敬遠しそうです。
作者はもうちょっと現実(リアル)に触れて大人になろうね!

posted by mukudori at 22:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビーズログ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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