2012年06月12日

六花の勇者 02巻/山形 石雄

六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
山形 石雄 宮城

集英社 2012-04-25
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愛には愛を。嘘には嘘を。

『七人目』のロロニアが現れたが、そんなことで右往左往してはいられない理由がモーラにはあった。凶魔の三統領の一人、テグネウが持ちかけてきた、自分の娘との命の取引。モーラは期日までに六花の勇者のうちの一人を殺さなければいけない、でなければ娘に寄生させた虫型凶魔が娘を喰い殺す……という。王道ファンタジーの邪道なミステリー! 第2弾!


 いやー、面白かった!
今回の主役はモーラと言ってもいいでしょう。
まさか三十路のおばさんに共感出来る日が来るとは……おっと、山の方からなんだか「三十路って言うな!」とのやまびこが聞こえてきた気がします。

 この前の犯人はちゃんと「犯人」と言う形で上げられましたが、今回は断定的な「犯人」というものはありません。
こっからネタバレ全開です。





 部屋の隅でガタガタ震える準備はオーケー? それじゃあネタバレあらすじです。
三年前。モーラ、テグネウとの取引で六花の勇者の一人を殺さなければいけないことに。→テグネウが勇者たちに襲い掛かってくる。ついでにモーラに「約束の期限はもうすぐだよ」と告げに。その場では勇者たちはなんとかテグネウを退ける。しかし、テグネウの正体がわからない。→モーラ、テグネウとの取引のことは仲間たちに内緒のまま。一人でなんとか取引をこなそうとする。ハンス、アドレッド、ゴルドフの中から一人を殺そうとする。→結果、ハンスに決定。死闘の末にハンスの頸動脈を搔っ切って殺す。これで取引は完了された。しかし、『鮮血』の聖者ロロニアの力によって、ハンスは再び復活する。モーラはこの瞬間のために三年間ロロニアを育てていた。終わった今、モーラも仲間たちに真実を話す。→アドレッドも、テグネウの本体がわかったという。それは、テグネウが戦う前に食べていたイチジクの実が本体だという。そして新しい凶魔に取りつく、寄生型の凶魔なのだ。→七人目のことは相変わらずわからないままだが、みんなは旅を続けることになりました。

 ……といったところです。
いや、前巻の最後でロロニアが来なかったら、モーラの計画どうなってたんだよ! 完全に運頼みじゃん!
とかいう苦言もあるんですけどね。
でも面白かった! 三十路越えのおばさん……おっと、モーラが孤軍奮闘する話ですね、これは。いつの間にか、モーラと同じ思考になっている。完全にモーラ主人公の回でした。惹き込まれるなー。

 でもせめて2巻でテグネウとの決着はつけて欲しかったですね。
 そんな訳で星4つ★★★★☆です。

posted by mukudori at 19:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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