2011年07月02日

ケモノガリ 2巻/東出 祐一郎

ケモノガリ 2 (ガガガ文庫)ケモノガリ 2 (ガガガ文庫)
東出 祐一郎 品川 宏樹(GAINAX)

小学館 2010-07-17
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ククリナイフの英雄

 暴力には更なる暴力で。絶望を与える者には、それを上回る恐怖と驚愕で。豊富な武器で押し寄せる者たちには、己の手に握りしめたたった一振りの刃で。次に楼樹――『ロキ』が目を付けたのは、独裁国家の指導者だった。そこで暗躍するレジスタンスとともに、ロキは一人、また一人とクラブの会員たちに復讐の牙を立ててゆく――。


 うーん、前作よりは爽快感は少し劣る、かな?
でも子供たちとのほのぼのシーンが出てきて、表紙にあるようにメイドさんも出てきて、その点では満足です。基本的に殺戮シーンが多いので、こういう場面を見るとほっとするんですよね。

 さて、敵が一大国家というのに対して、こちらはほぼロキ一人。
ですが文中にもあるように、
『かつて、戦場には英雄がいた。ただ一人で、戦況を引っ繰り返す英雄が。だがしかし、時代が流れ武器が洗練され、銃器が生み出されるに至って英雄の時代は終わりを告げた。それもそうだ。銃弾を躱せる英雄などいない。運よく避けることは出来ても、己の意志で音速を凌駕する銃弾を躱せる人間など存在しないはずなのだ。
 だがしかし。
 英雄はここにいた。理不尽な暴力に対してそれを上回る圧倒的なまでの膂力を行使する、血染めの英雄が。』

――そしてロキは英雄となります。レジスタンスを率いて、一対九ぐらいまであった戦力差をモノともせず。
 でもそのシーンが軍隊VS群衆って感じだから、今回はロキの無双加減(「主人公TUEEEEEEE!! カタルシス」)があまり感じられなかったんですよね。一度はエンターティナーに毒を盛られて死にそうになるし(笑)。まあ死ななかっただけで充分すごいんですが、その点ではもっとロキに主人公補正がかかっても良かったんじゃ? と思いました。もっとこう、一騎当千な呂布みたいな感じを望みたいんですよ!(笑)

 あと、今回のキャッチコピーにした「妖刀・ククリナイフ」(笑)。これ、1巻で適当にロキが会員たちのいる部屋のインテリアを拝借したものをずっと使っているんですが……すごすぎる。チェーンソーと相対しても刃こぼれせず、大量殺戮・切断・投擲と思いのまま。今回は、エンターテイナーの使っていた「透明ナイフ」も拝借して使用しているんですが、これは使い勝手はいいんですが基本的に消耗品なのでやっぱりロキにはククリナイフですね。

 そしてこれからこれを読む人は、絶対に挿絵を先に見ないことをオススメします(本気)。まあ、ぶっちゃけ、レジスタンスのおばあちゃんが黒幕なんですけどね。その挿絵というのが、これまたすごいんですよ。
『あやかしびと』の鈴ルートのときのラストバトルのように(分かる人にはわかる比喩)、「あー、東出祐一郎のダメなところ、ここで出ちゃったかー」といった感じです。

 その辺りを考慮して、今巻は星4つ★★★★☆ですね。

posted by mukudori at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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