2011年02月12日

シロクロネクロ 1巻/多宇部貞人

 毎年2月は電撃大賞の月!
だから今月は散財が多くて困ります……。でも買わなければ! 読まなくては!
さあ、まずは栄えある大賞作品から行ってみよー!(単に神メモ6巻の到着が遅いので大賞作品の紹介をしているだけです(;ω;) )

シロクロネクロ (電撃文庫)シロクロネクロ (電撃文庫)
多宇部貞人 木村樹崇

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 ……なーんて明るいテンションでやってみましたけど……これ、地雷でした。

死者に安らかな眠りは与えられない!?

 主人公、不二由真(ふじゆうま)はある日、闇の中から自分を呼ぶ声が聞こえた。その声に「未練はないか?」と訊かれ、とんでもないエロパワーで「それなら一度でいいからエッチがしたい!」と言い、目覚める。そばには美少女がいて、「あなたは一度、死んだの。そして私が蘇らせた」と言ってきたのだった――。


 これほど、竹宮ゆゆこ(帯の推薦文提供)を恨んだ日もありません。
引用↓
「熱くておばかで、でも意外なほどダークで、ちょっと何ページか読もうかしら、と思ったら、結局最後まで一気に読み終わってしまいました。バトルもラブコメもおもしろかったです! 大賞のオーラ、ばりばりでした!」

 これに釣られたのに! 釣られたのに! いや、でも竹宮ゆゆこは去年の「ご主人さんとメイド様」の帯の件もあるからな……(=当てにならない)。回避出来なかった私が悪いのでしょうか。

 さて、帯文にちょっと突っ込みを入れていきましょうか。
>意外なほどダーク
まったく全然これっぽっちもダークじゃない。だって死んだと思った敵は助かるし、最終バトルでは「俺に脱ぎたてのパンツをくれ!」ですよ。
>バトル
上記したとおり。
>ラブコメ
え? そんなのどこにあったの? と言いたい。パンツやおっぱいって言ってればラブコメになるとでも?
>大賞のオーラばりばり
おかしいな、私の目玉とゆゆこ先生の目玉は見えてるものが違うのでしょうか? 私的には銀賞がいいとこ、だと思いました。内容的にも。まさか「これはゾンビですか?」が流行ってるってだけで大賞決めたんじゃないだろうな。

 ここからは本文を追いながら、突っ込みを入れていきましょうか。
 文章は普通レベル……いや、中の下か下の上ってところですね。でも一番は主人公の一人称で進むのがよくない! この理由は後述します。

 由真を蘇らせたのは、雪路というクラスメイトでした。
そしてゾンビ蔓延る遊園地から逃げようとするものの――幼女ゾンビに見つかってチェーンソーでぶった切られます。
だけど「おい馬鹿やめろこんな状態でトリガー引いたらどうなるかわかってるのかドギュララララララララララッほらみろ刃がどんどん進んで俺の鎖骨をギュババッ断ち割ってヂュグヂュグ胸まで侵入してきたやべえ超痛え!」
 チェーンソーで切られているというのに緊張感がまったく無い! 痛みも全然伝わってこない! 「やべえ超痛え!」だけですまされると思うなよ。そんなセリフなら、昨日私が紙で指を切ったときに使ったわ!! ……あれ、地味に痛いよね(´・ω・`)
 そのあともスリーサイズやらおっぱいやらでバトルの緊張感が台無し。
そしてギャグが寒い。
「おお……間に合った! さすが下半身さん、パネェッス! 彼はもはや下半身ではない下半神だ。」
とかね。しかもこの「下半神」ネタを最後まで使い続けるのだから、私から出るのは苦笑のみ。

 そしてこの幼女ゾンビのマスターは万里王(まりお)、幼女ゾンビは万里王の妹で瑠衣(るい)というんですが……マリオとルイージかい! と突っ込みたくなりました。
こいつらの裏には黒幕がいて、雪路の持つネクロノミコンを奪おうとしてきます。
この黒幕がもう登場した瞬間からバレバレwww化学教師の八尾先生です。
 由真が、「雪路から教師の八尾先生もネクロマンサーだと今朝聞かされた。」と唐突に内心で読者に紹介してくるものだから、「こいつ、いかにも怪しい」と思わせるには充分でした。
せめて、由真が学校で怪我をして、保健室に運ばれるも、(由真はゾンビだから治りが早い。っていうか不死)雪路「私が保健室まで連れて行きます!」→保健室で由真「だ、大丈夫です! お、俺もう治りましたから!」→雪路「安心しなさい。この人は味方だから。養護教諭の八尾先生。私と同じネクロマンサーなの」……とでも紹介すればスムーズなのに。ここが展開の悪さですね。また、前述した一人称の悪さです。せめて三人称+一人称にしてれば良かったのに。

 それと、由真の親友二人の登場意味がまったくわからない。特にヅカは遠まわしな告白を由真にするだけして振られて、当て馬役にも何にもなってなくてただひたすら可哀想。存在無用。
 また、敵キャラだけどプラトーンもなんで出したのか意味不明。最後の最後でその必要性があるように書かれてるけど、でもそれって次回作を見据えてのことだよね? だから応募作の時点ではむしろ存在すらなくても良かったんじゃないかと思います。

 そして設定の矛盾。オ●ニーしたら消滅してしまう、とのことですがそれなら毎夜毎夜見るHな夢での夢精も駄目なんじゃないの? 描写はないが、絶対にこの主人公のことだからしてるよね、夢精。……ああもう、「オ●ニー」に「夢精」だなんて、清純派ブログを目指してるのに!ww
 あと、瑠衣が死んだ(消滅した)のは万里王が死んだからじゃないの? なのに万里王、最後でちゃんと生きてるし。なんでだ? 読み飛ばしたかな?

 それと由真の雪路への執着の理由がわからない。薄い。読者に全然伝わってこない。
興味を持った辺りの理由から、だんだん雪路が由真に心を開いて、あの冒頭の由真がゾンビになった遊園地デートへとつなげてもいいんじゃないかな。一緒にプリクラ撮った全貌(いつ撮った?)も明らかにされてないし。これも一人称の悪さですね。

 そしてラストバトル。
セブンという、今までは味方だった戦闘の師匠を敵に回してのバトルとなりますが、これも雪路と同じでセブンとの交流が少なすぎる! 勝っても「やった! 師匠を超えた! ……師匠、今までありがとうございました」っていうカタルシスに欠けるんですよね。

 バトル描写も上手くないのに長ったらしく書くし。
例:「ズガバシュドガズドン、幾重もの攻撃が俺を襲う。」とか。
擬音語が多すぎるんですよ!
 各章のサブタイトル「アナザー・デイに死ね」とか「明日はネバー・ダイ」とか、もう作者が007が好きなのはわかったから! そんなところ凝らなくてもいいから展開・戦闘描写をなんとかしろ!

 恒例の良かったところ探し……いえーい……。
・えーとえーと、タイ焼きに釣られる瑠衣ちゃんが可愛い。
・えーとえーとえーと……すみません、もう思いつきません。

 評定はもうみんな分かってると思いますけど……星一つ★☆☆☆☆です。こんなのB.A.D.以来だよ! 竹宮ゆゆこの推薦文は、もう信じない。

posted by mukudori at 00:00 | Comment(5) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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