2011年01月12日

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない/朝田 雅康

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)
朝田 雅康 庭

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これぞまさしく、学級パズル

 私立伯東高校の2年4組は問題児ばかりを集めたクラス。そんなクラスを纏めようと、委員長が提案したのが「交換日記」だった。果たして交換日記は個性豊かな35人を纏めることが出来るのか――!?

 
 この作品、色々なところで好評ですよね。……生徒の氏名を特定する「パズル小説」として。
「ここ」からダウンロード出来るPDFファイルを印刷して使うといいです。
……ですが、天邪鬼な管理人はあえて初見はこの氏名一覧表を使わずに(口絵には最初にちらっと生徒の顔に目を通しただけで)読んでやろう! と思ったのでした。

 ……で、その結果はというと……惨敗でした。
人物の相関図は一応入ってくるものの、後半になるにつれて日記の呼び方があだ名から氏名に変わることが多くなるので(例:幸薄男→西くん)、頭の中で全然整理出来ない!
島さん? 中島さん? 誰それ! いっそもう最後まであだ名呼びで統一してくれ! ……ってな風に。
 つまり、名前で混乱しまくって話に入り込めず、全然面白くなかったです。初読は。

 
 ここからはちゃんとプロフィールシートを使っての再読。――これが面白い!
2度目ということもあるかもしれませんが、ちゃんとキャラクター名が理解出来る! 物語が追える!
ちまちまプロフィールシートを埋めて行くのが面白いんです! やりきった後には達成感がありましたね。

 でも苦言が少々。
この作品、SD大賞佳作なんですけど……審査員よく通したなwと思いました。私たち読者のように挿絵もプロフィールシートもあるわけじゃないのにw読むのが難関だったろうなーと思います。
 あと、活躍してないキャラクターが意外と多い。そりゃ35人も動かせるわけないだろ、と言われたらそうですが、登場させる以上はどこかで役割を与えないといけないと思うんですよ、作者は。
特に御三家弐とか、せっかく才女とかマドンナとか美味しいキャラいるんだから使って行こうよー。
それと委員長が口ばっかりなところもちょっとなー。みなもの強さを少しでいいから分けて行動して欲しかったです。
 それに加えて、読み終わっても35人の結束感が薄いんですよね。ただみんな自分のやれる範囲のことをやっただけ、って感じで。担任の愛川先生に少しは報われて欲しかったです。「あのバラバラだった生徒たちにこんな結束力が!」みたいな感じで。
 ついでにロシア諜報部はさすがに高校生の手に余るんじゃないかなー。ちょっと物語を拡大させ過ぎた感があります。

 ここからは萌えたキャラの話。
最初に口絵を見た時から気になっていた登校拒否児童2、みなもちゃん!! ロリなのに強くって男前で……素敵だーーーー!!!
「殺さないだけ、ありがたいと思えよ」

カッケエエエエエエェェェェェェ!!!
 それとあだ名的に次に気になっていた虐待男くんと濃い関係にあったのがなんともほほえましい……。イラストレーターの庭さんも「好きだ」と言っている通り、私もこの二人が大好きです。将来はもう、婿に行くしかないね! 久留米くん!!

 学園……いえ、学級パズルとはこういうことを言うんですよ、某靴大賞の先生
 
 とりあえず、活躍してないキャラクターが多いことと、物語のパズル的な面白さで相殺して星4つ★★★★☆というところで。

posted by mukudori at 22:01 | Comment(9) | TrackBack(0) | 集英社SD文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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