2016年09月11日

あくまで魔王の究極菜譜 ~行列のできる魔王食堂~/多宇部貞人

今回の更新は、去年の電撃大賞で金賞受賞のヴァルハラの晩ご飯 〜イノシシとドラゴンの串料理〜<ヴァルハラの晩ご飯> (電撃文庫) -
ヴァルハラの晩ご飯 〜イノシシとドラゴンの串料理〜<ヴァルハラの晩ご飯> (電撃文庫) -
↑こいつと一緒に読み比べしていたら、こっちのつい2ヶ月前発売のやつの方が先に読めてしまったので、たぶんこの時の自分はかなり腹減ってたんでしょうね。記憶から忘れないうちにこっちの方をアップさせていただきます、サーセン。
いや、私も今も腹減って夕食に日清のUFOを2つ食ってしまうという暴食王的な感じな有り様なんですがw でもソースと塩で味には変化を求めてみたよ!(そういう問題でもない)その辺りで本作の主人公に共感してサクサク読めたんでしょうか(笑)。

あくまで魔王の究極菜譜 ~行列のできる魔王食堂~ (電撃文庫) (電撃文庫)
多宇部貞人 zpolice

KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016-07-09
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余の仲間になれば、世界の半分……いや料理の半分をお前にやろう。

 暴食王・ベルゼブブ……彼が魔界を統一した理由は「最高の美味を味わいたいから」。そしてそんな彼が魔界統一記念に部下の四艶公(よんえんこう)を呼んで魔界の『究極菜譜』でのパーティを開こうとしていた時、勇者一味が襲撃してきて!? だがベルゼブブは勇者たちの攻撃など意にも介さない……どころか出されてくる料理たちに目を奪われているのに、魔法使いの魔法も蠅が引っ掻いてきたぐらいのレベルだ。しかし戦闘中で城が壊れてきて、料理に埃が舞い落ちろうとしていた時、ベルゼブブが身を挺して料理を守ろうとした。まだ一口も食べていない……そこを突いての勇者たちの攻撃でベルゼブブは命を落とす。次に目覚めた時、ベルゼブブは人界の赤子として転生していた。魔王としての知識と魔力は持ったまま。そして自分の両親は食堂を経営していて父親は腕の良い料理人だという。赤子らしくなく、ニヤリと笑ったその顔を、今は誰も知らない……。


 後で気付きましたが……これ、シロクロネクロより面白かったですよ作者先生。
……んなことを言ってても時間の経過もありますから、デビュー作と比較しても自然とスキルアップはしてますよね。

 さて、そんなネタバレあらすじは――今日もボルテージMAXで行くぜ!!(夕飯の焼きそばテンションがまだ残っている)
 魔王ベルゼブブ、魔界統一記念に助力してくれた四艶公を招待した晩餐会(祝賀会)を開く。そこに出す料理は『暴食大公(美食王)』なベルゼブブが魔界の超凶悪な魔物たちからこのベルゼブブ自らが狩りに行ったりもした超難関食材たちをも含む、木っ端悪魔だが手先が器用なインプたちが作る『究極菜譜(ターブル・ドット)』。しかし料理は出来ても、待てども待てども来ない四艶公たちにベルゼブブは「我慢ならん!」となって料理の匂いを嗅ぐだけに留めるが、それでもまだ来ない四艶公。そうしているとベルゼブブの屋敷に勇者たち三人のパーティがベルゼブブを退治しにやって来る……がベルゼブブは料理の匂いを嗅ぐのに陶酔しており、屋敷を管理しているインプ族たちが「魔王さま! ゆ、勇者たちが攻めて来てえぇっ……げふうっっ!!」と殺されているのにも気付かずに「おお、おまえたちよ。なんと素敵な姿をしておる。全部で三匹か……くっくっく、食いごたえがあるのう(妖精の蒸し焼きを見ながら)」「な、なんだと!? 魔王ベルゼブブのやつ、振り向きもせずにこっちのパーティの人数が分かるというのか!? 敵ながら、手強い……」とかまるでアンジャッシュの言葉勘違い系コントのような遣り取りをしているが、勇者たちとインプ族(料理にうっとりしている魔王は除く)の間で戦いがなされ、剣や魔法によってただでさえぼろくなっていた魔王城が壊れ始める。そこで魔王は「なんだ? さっきから周りがうるさい上に天井から埃が……――いかん! これではせっかくの料理が台無しになるではないか!!」と思って慌てて料理たちを避難させようとした魔王に隙が出来て、そこを勇者パーティが合体技を喰らわせるとついに魔王城は崩壊。それにはさすがに魔王ベルゼブブも敵わなかったようで、自分の身体よりも一口も食べれなかった『究極菜譜』を気にし、魔王ベルゼブブとしての生を終えた。→そして魔王が転生したのは、地上のハーヴェスタという冒険者が集う、活気のある土地であった。そこにいる料理人ジンとその妻ミモザ。魔王ベルゼブブはベルという名前を授けられて……なんと、前世の魔王としての記憶も魔力も持ったまま産まれ落ちてきた。そして最初の授乳の時には「こんなにも乳児の身体が求めてやまないものがあるのか! ママ殿、感謝する。他の母親のものも飲んでみたいが……さすがにみんなが寝静まった深夜に動くか……」と結構やりたい放題。決行時は自分の乳児の身体ではさすがに歩き回れないので、魔力を使って宙に浮き、隣のベッドに行こうとしたところをミモザや夜回りの看護婦に見つかって、翌日には魔法学校の講師を呼ばれて「この赤子はとてつもない魔力を秘めている! 大きくなったら是非とも私のいる魔法学校に!」とスカウトされる。→そして大きくなったベルは魔法学校に行かされ、暇な時は父親・ジンの経営する『スカイパレス』という大衆食堂の手伝いをして料理スキルを高める。その裏では正直、魔王時代の経験で主席の成績なんて鼻でもほじりながら取れる魔法学校なんて辞めて、さっさと人間世界の『究極菜譜』を作りたかった。そうした日々を送っていると、店の常連の冒険者・アドニスによってジンがいきなり倒れてしまって病院に搬送されたと聞かされる。原因は腱鞘炎だったが、ミモザがあまりに心配するしベルも良い機会だと思って「この機会にパパ殿はゆっくり休むがよい。余がその間、店を切り盛りしてみせよう」と告げる。ジンはしばらく渋っていたが、ミモザのお願いもあって頷いた。→そしてベルが店に戻ってこれからのことを考えていると、いきなり魔族っぽい角や剣を装備をした銀髪の少女が現れる。ベルは驚くが、しばらくして「その剣……お前は四艶公の一人のアースタ・ロット(愛称:アーシェ)か?」と言うが「そうだ! だがお前からは陛下の魔力を感じるが、神々しき陛下の御姿ではない!! どこにやった! 返せ、私の愛しき尊敬する陛下を!!」といきなり斬り掛かる。耳を貸さないアーシェにベルは市場で買ったフルーツをアーシェの剣を避けつつ、なお且つその剣でフルーツの皮を剥きながらフルーツロールケーキを作って喰わせた。すると甘党なアーシェは「こ、これは懐かしき陛下のロールケーキの味!! ま、まさか貴方が本当に魔王ベルゼブブ陛下なのですか……?」と言って土下座してくるところに四艶公の一人のメフィが「あーやっぱりこの人が陛下だったにゃー」と駆け寄ってくる。そうしてスカイパレスに集う四艶公の他二人、几帳面なフルーレと妖艶なルキ。全員、ベルゼブブが死んだ晩餐会の時は勇者たちの軍勢がそれぞれの城に押し寄せて来ていたため、晩餐会に行く余裕も無かったと言う。それで特に魔王にメロメロなアーシェは「きっと陛下はどこかで生き延びていらっしゃる!!」と考え、探すために人間界に下りて来た。それで四人は目下、ベルの野望のお手伝いをすることに。だって人間の寿命は魔族に比べて短いのだから。ちなみにこっそり魔王時代のベルゼブブに踏まれてぐちゃぐちゃのスライムにされることを望んでいたドMな魔軍師のアゲイト(男)も来ていたが、町民たちに踏まれまくって、這這の体で山奥に逃げ出しているとそこのログハウスに住んでいた老人に助けられ、どうやらその老人も魔族らしかった……。→四人の美少女(魔法で人間体に変身した)ウエイトレスが入って食堂は更に大繁盛。そうしていると、上層階から来たギルドのお達しが。なんでも、ベルの父親であるジンは昔上層階にあった貴族などが住み、上級者が集まる冒険者ギルドの食堂ギルドを束ねていたNo.1料理人であったが、現在の下層部に集うお金の無い住民や冒険者たちは栄養も無く不味い食事しか食べられないことを知り、その当時の名声を勝手に捨てていまの『スカイパレス』を開いたという。それで下層部の民たちはジンに恩義を感じてアーチを作ったり、カーテンを縫ってやったり、食堂のテーブルを作ってプレゼントしてやった……という涙ちょちょぎれる、ベルが産まれる以前の話があった。そのことを現在も上層ギルドの連中は恨んでおり、「ジンが入院している今だ!」と考えて一週間以内にスカイパレスの立ち退きを命じた。これには上層ギルドを統治して冒険者を束ねる『豪商会議』にて富と名声が周知されている五人の大物豪商たちが3:0の多数決にて(ただし無効票となった2票はその豪商たちが仕事に忙殺されて出席していなかったので無効票)決めているので、覆すには難しい。それでベルは諜報活動に長けているメフィに現在街にいる3人の動向を監視させるが、鼻持ちならないフランシスと元・冒険者なホークは見つかるが鉱山王のソーベインは遠目からでしかも姿しか見えなかった、と言われる。そしてベルは一番ジンのことを恨んでいるらしいフランシスに挑戦状を叩き付け、逆にフランシスに「それならば、自分の経営する料理ギルドの精鋭との料理勝負の場を設けましょう。判定人はそれぞれ、ホーク殿とソーベイン殿で。そうしたら、この会議の過半数も覆りますでしょう」と言われてベルは思わずその喧嘩を買った。→最初のホークに提供する料理はホークが昔冒険者だったころに食べた非常に強い『エンシャント(古代の、という意味)ドラゴン』を狩った際に食べたドラゴンステーキの味が、二度と食べられないので今でも忘れられない……という情報を訊いたので、ベルたちは勝つための『肉』を調達しに行った……。→勝負当日。対戦相手はフランシスのお抱え料理人のスコーピオン。微妙なエセ中国語でベルに軽口叩きながら調理して行くが、その技術は本物。出来上がるのはスコーピオンが早く、ベルは遅れを取り、スコーピオンの激辛丼料理に中毒を持たされたかのように食べているホークにベルは自分の肉丼のとある部分の肉を食べさせると舌が復活する。その部分は――タン(舌)。そしてベルの肉丼の肉の真実に気付いたホークの目からは思わず涙。そう、それはベルや四艶公が朝早くからエンシャント・ドラゴンを狩りに行って、鮮度が落ちないうちに〆て調理をしたものだった。ホークはこの肉の味をまた食べれたことに驚くが、ベルの言うところによると「実は、エンシャントドラゴンも普通のドラゴンも市場に出された時には味はあまり変わらんのだ。ただ、エンシャントドラゴンは狩ってから鮮度が落ちるのがとてつもなく速いのでな。それをホーク殿は狩った際、すぐにステーキにして食べた味を舌が憶えていたということだろう」と告げる。もちろん、この勝者はベル。→次は鉱山王ソーベインの説得。しかしソーベインは滅多に人前に出ないため、メフィの探知技術でも足取りが掴めない。そこにやって来たのはドMの魔軍師アゲイト。ソーベインに助けられたことをベルたちに教えると、アーシェが「――ハッ!? そういえば……以前私の父が人間界に侵略に行こうとした際……そのぅ、人にはちょっと言えないすこ〜〜し変わった性癖の持ち主の部下が一人いなくなったと言っていたような……」と言うので、ベルは「なるほど、アーシェのところの魔族ならば、その土地の特産品である知恵の実たる魔界の林檎が好物だろう。獲りに行ってくるか」と言ってみんなで一旦魔界に戻ることに。→魔法で魔界のアーシェの一族の治める土地の近くに転送されると、ベルたちはアーシェの城が他の魔族――ベルとあまり仲良くなかったルシファーの部下であるサタナエルたちの軍が攻め込んでいて、知恵の実を取るどころではなくなっているので慌てて全員でサタナエル軍を追い払うことに。雑魚たちは四艶公たちが担当するが、サタナエルだけは「貴様……知恵の実だけでなく、よくも畑を荒らして育っている野菜たちを足蹴にしたな!」と直々に成敗する構えを見せた。ベルは魔法で巨大なフライパンを出現させてサタナエルに応戦する。それでサタナエルは少年(ベル)がベルゼブブだと理解し、それに驚いている間にベルは宣戦布告とばかりにサタナエルを巨大フライパンをフルスイングで空に殴り出し、ルシファーの居城にヒットさせた。→サタナエル軍による侵攻戦争が終わり、アーシェが民に知恵の実を譲って欲しいと頼むが戦火が知恵の実の畑にも移っていて、残ったのはこの一つだけですが……と言われて最後の一つを自分たちの命を助けてくれたベルに渡そうとするが、ベルは「……要らぬ。この実はまだ熟しておらぬ! お主らは見事、この実を余の舌が満足するレベルまでに改良し、繁殖させてみよ!!」と言ってまた人間界に戻って行った。→料理勝負の前の日。スカイパレスに誰かがやって来る。その相手はフランシスが遣わした料理人であり――ベルゼブブの八代前の魔王だった『貪食王のベヘモット』だった。そしてベヘモットはポケットからベルがアーシェの土地の民に返した知恵の実を出して来て、「お前らにとってはよく見覚えがある果物だろう? まあ、所詮こんなものは二流の食材だから俺の腕に見合った物ではないから勝負には使わないがな」と言って挑発してくる。その上、ソーベインが魔族であることを知っていて自分が勝負の場に出す物であるベヘモットの所為で絶滅した『リヴァイアサンのヒレの煮込み』まで置き土産にして行って、その味にベルたちは敵ながら感嘆してしまい、次の勝負に頭を抱えた。→勝負当日。ベヘモットは警告通り、『リヴァイアサンのヒレの姿煮』を出して来た。魔族であるソーベインはそれを一口食べただけでもう脳内が魅了されてベヘモットの言うことを聞くようになる。ベルも高級食材のエビのクリームパスタを作る予定だったが、それを見てしまっては心の中で負けを認めざるを得なかった。厨房で立ち竦んでしまったベルだが、病床の父親が言っていた言葉を思い出し、いきなり適当な籠から林檎を取り出し、『グラタン・コンプレ(林檎のグラタン)』を作りだす。そんなベルに四艶公も敵も呆気に取られるが、ベルはほんのりと笑いながら調理をこなして行った。そして完成した林檎のグラタンを食べさせようとするが、ベヘモットが「あやつの料理は食べるでないぞ。そして俺の勝ちだと宣言しろ!」と命ずるので、ベルも観戦席にいるフルーレを呼び出して「フルーレ、命令……いや罵倒も含んだ口調でソーベインにこのグラタンを食べろ、と言え。居丈高に、だ」と命ずるとフルーレが罵倒も入れながらソーベインに命令するとベヘモットの暗示が解けたかのようで、ベルのグラタンを口にした。そう、ソーベインの小屋の中には何故か三角木馬や手枷やチェーンや鞭などの怪しげな物があった……とベルは思い出していて、昔人間界に来てそのまま魔界に戻らなかった時もアーシェの言う「人にはあまり言えない性癖の持ち主」→「ソーベインはドM」→「ドSな人間の女性に出会ったから、惚れ込んで魔界に帰ることを止めた」という理論でSッ気のあるフルーレの命令なら聞くだろうという策が成功した。そして正気に戻ったソーベインは「心を暖かくしてくれたベルの料理の勝ち」だと宣言した。その判定に憤るベヘモットは知恵の実をポケットから取り出すと、拳で砕こうとする。しかしベルはじっと静かに見守っているままで、「ベヘモットよ、お前にその実を砕くことは出来ぬよ。お主の料理を一口でも食べれば理解る。貴様もすでに根っからの料理人になっておるのだ。食材を無駄にすることなど出来ぬはずだ」というベルの言葉にベヘモットはその通りだったらしく、負けを認めて知恵の実をベルに投げて返して、また修行の旅に出掛けて行った。アーシェに知恵の実を渡すと、アーシェは感極まってベルに抱き着く。しかし四艶公の中でも戦闘向きで怪力なアーシェはベルの背骨に多大なダメージを与えたのだった。→エピローグ。父の見舞いに行ったベルは最後の勝負の顛末を話すとジンは息子が自分の言ったことの意味が理解ってくれたようで安心していた。そこでベルは父のために林檎を剥いてやることに。向こうが透けて見えるほど薄い皮、そして病床の父が食べやすいように小さくカットした林檎にした。なお、林檎の皮は一筆書きにされていて、「はやくげんきになってね」とベルの照れ隠しの文字が皿の上に書かれていた。この場には親子三人のほのぼのとした空間が広がっていた。きっとベルはジンが復帰した後も『究極菜譜』を求めて邁進して行くのだろう――。


 まさに魔王時代も転生時代も「(美味しい食事のために)一狩り行こうぜ!!」って感じでしたねww
 しかし難点としては主人公の名前が魔王時代が「ベルゼブブ」だから→人間名「ベル」というのは……ちょっとどこかの某GA文庫さんの看板タイトル作品の主人公を思い起こさせますね。ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫) -
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫) -
 それに魔王時代からのベルゼブブですが、「究極菜譜であっても、料理は独りで食べるより、気心の知れた大人数で食べた方が圧倒的に美味いのでな」などという我が儘ではありますし、基本的に特に料理に対しては敵地を侵略したりする暴君でしたが、普通の一般人らしいことも考えていたりして……。その辺りをヒントにして、だんだんと親父さんをも超える料理人になれるといいさ、ベル。
これで親父さんがベルゼブブの先代の魔王とかだったら面白いんだけどww
 それとちょっと気になったのが、あらすじの下手さ(この場合の『あらすじ』はうちで取り扱っているような『ネタバレあらすじ』的なあらすじではなく、普通に本屋に並んでいる紙の本に記載してあるような編集者が書く(たぶん)あらすじです)。
「表紙の女キャラのデザイン見りゃわかるだろ!」と言われればそれまでですが、帯の裏に書いてあるのを見ても、魔王のベルゼブブが転生した先が「人間界で〜」と書いてあるだけなので、それに電撃文庫から出ているお話なのでついつい『はたらく魔王さま』はたらく魔王さま! (電撃文庫) -
はたらく魔王さま! (電撃文庫) -

を想起してしまうんですよね。だからこっちの普通のジャパン的な人間世界に転生させた方が制約がたくさんあって、高校生ぐらいの子供が厨房を切り盛りするので親的に子供の学業や衛生面を心配して「ベル、店は任せるが……一ヶ月だけだ! お前が高校でトップクラスの成績なのは知っているが、それ以上を過ぎたら俺は這ってでも退院するからな!! 高校にはちゃんと行けよ!」「うむ、あい理解った、パパ殿!」……」「ママ殿! パパ殿の見舞いに毎日行くのは構わんが、とりあえず衛生管理者免状取得のために明日の一日だけは講習に通いに行って免許を貰って来てくれ! 今の我が店の免状の管理者名義はパパ殿なのでな」「分かったわ!」「……ということで四艶公も、店を開けたら手洗いはしっかりするように! O-157を始めとする食中毒には気をつけねばな!」とか法律に縛られたりして面白いじゃん? とか思えてしまったり。
 また、普通に本書の料理勝負でも
スコーピオン「くくく、ワタシの捌きたての柔らかい肉質の仔牛のロースト(適当)に敵う訳がないだろアルね!」
ベル「甘いな。人工甘味料のような甘さだな、お主の考えは。突っ込む気力も失せたわ」
ホーク「スコーピオン、確かに美味かったぜ。そんで、そっちの兄ちゃんは何を出してくれるんでえ?」
ベル「余の料理はこれだ」
スコーピオン&ホーク「「ナニィィ!?」」
スコーピオン「ワタシのと同じ料理じゃないアルか! パクリある! パクリには謝罪を(ry」
ベル「一食即解(食えば解る)」
ホーク「わかったよ……ん? これは、先に出されたスコーピオンのより、断然ウメェエエエエ!!」
スコーピオン「ど、どういうことアルか!?」
ベル「料理人の端くれともあろう者が、『イノシン酸』の効果を知らないのか。魚も肉も……実は獲れたてよりも数日熟成させてイノシン酸、つまり『旨味』が増した頃合いが最高に美味なのだ。ホーク殿の食した昔の思い出のものも、捌きたての仔牛ではなく牧場主がケチったのかは知らんが捌いてしばらく置いたものを使ったのだろうな」
スコーピオン&ホーク「「な、なんだってー!?」」

みたいな感じで。
 というか、最初はそういうのを期待してたのに読んだら「え、やっぱり料理っていう題材を扱っていても、なんでも最終的にファンタジー食材だからギャグで良い異世界設定なのかよ……」と思って少し期待外れでしたね。
 それとスコーピオンが勝負に使った『雨雲豚』なんですが……いくらファンタジー世界のファンタジー食材で揚げ焼きにしたとしても、現在の地球にあるような『無菌豚』のような表記はされていないので、ベルが地の文で「外はカリッと、中はレアになっているのか!?」とか書かれていたら、この後のホークは確実に病院直行コースだよな……と思いましたね。
それと、スコーピオンの『めっちゃ辛い揚げ豚肉丼』を食べた後ではホークの舌が麻痺して、後から出したベルの肉丼を食べても味がしない……という展開は新装版 中華一番!(1) (講談社漫画文庫) -
新装版 中華一番!(1) (講談社漫画文庫) -
で見ましたね。でもアレは悔しくもレオンが負けてしまいましたが、こっちはベルが魔王的無双をしてくれたのでスッキリしました。ええ、これこそ同位同食(医食同源)ですよ。この作者先生、絶対中華一番ファンだと確信しましたぜ……!!
 しかし読み始めてみたら意外とぐいぐいと引き込まれる感じだったので、もう少しばかり料理と食べたキャラクターの演出に意外性があれば良かったです。一番面白かったのはやはり最初の授乳シーンだったので。だって普通は授乳のテイスティングを読者(視聴者)に伝えるシーンとか無いですよ! これだけでこの本を買った半額程度の価値はありましたね。
次に全員でのエンシャントドラゴン狩り。ベルたちは自分たちの利益のためにやっているけれど、近くの村人とドラゴンの生贄にされる娘にとってはもう語り継がれる伝説レベルになっているのには、本編から少しずれているけれどそういう背景を見せてくれるから納得が行くし、別の面でも「俺TUEE!」で別の部分で僥倖になっているから一石二鳥で食前のお得感というプライスレスな感じを与えてくれるんですよね。
 ですが最後の最後でアドニスが「まー、魔王の記憶も魔力も持ってるようだけど、意外と人間界に馴染んでるようだし、一般人に危害を及ぼさない限りはもうちょっと見守っていようかねえ。何かあれば俺が出る、って感じで」とか言ってて、「は? お前、魔王ベルゼブブの城に特攻しに来た時はマジで魔王の小指一本ぐらいで殺されるぐらいだったのに、あくまで偶然で倒せたことを理解しとけよ? 」……という感じでしたので最後でクソ不味いデザートを出された気分でしたね。

 そんな感じで星4つ★★★★☆。
でも普通の料理漫画が好きな人には逆にあまりオススメ出来ない……。ですが一風変わった「俺TUEE!」が読みたい人にはオススメです。
あ、食戟のソーマが好きな人にはオススメかもしれません(笑)。四艶公、カワユスですから。でも食事を食べて「はあ、はあ……もう駄目ぇ……」「もっと食べたいのぉ……」とかしどけなく言ってますけど服が弾けているとかの描写や挿絵は無いのであしからず。
四艶公の中では表紙で一番目立っている「陛下、陛下!」と仔犬のように懐いているアーシェが個人的にはやっぱり一押しですが、ルキは現在の人間たるベルには恋愛感情無さげなので除外してフルーレとメフィが今後デレてくれることを期待しています。
posted by mukudori at 04:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月14日

ソウ―SAW 1巻/行川 渉、ジェームズ・ワン(監督)、リー・ワネル(原作)

 どうも、お久しぶりです! ……とかばっかり言ってる気がするなあ……(自虐w)
本当はGWに更新したかったんですが、GWは大家さんの幼いお孫さんたちが来られる予定だったので「子供の日用のお菓子の詰め合わせ」をプレゼントするために妖怪ウォッチ系の食玩やらポテチ系やら好みそうなお菓子を買い出しに行ってたり、Wordでフリー素材を使って作った紙をお孫さんたちの名前と一緒にプリントして適当な大袋に貼り付けてあげたり、と……。
・今回分かったこと……Word2013、結構複雑で使いにくいよ!!(笑) やっぱりシンプルな2003ぐらいのころが使いやすかったですね。

今回は、自分でもいまではちょっと笑える話がある映画原作の文庫本をチョイスしてきました。
かといって当時はあんまり笑えないアクシデントがありまして、その映画自体を先に見た訳ではなく、いまも映画本編は見ておらず……orz
ここから先は、下で語らせていただきます(笑)。
ソウ―SAW (角川ホラー文庫)ソウ―SAW (角川ホラー文庫)
行川 渉 ジェームズ ワン リー ワネル Leigh Whannell

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犯人はこの中にいる!!

 いきなり拉致され密室で目覚めた二人の男性、アダムとゴードン。面識の無い二人の足はお互い反対の壁に鎖で繋がれており、しかも真ん中には血塗れの男性の死体が!? そして密室の中にあるいろんなヒントを拾って行くと、だんだんと自分たちの助かる道……しかし一歩間違えれば、死へと一直線の道が待っていた!! 希代のサスペンス監督、ジェームズ・ワンの大出世作を文庫化!!


 いやね、実はこの映画……私も興味があってSAWの1巻のDVDソウ [Blu-ray] -
ソウ [Blu-ray] -
を借りたんですが……………………見て行くうちに、「んんん?」と思って、「え、なんでこのオッサン警察たち、『ジグソウがまた現れたのか……』とか言ってんの?」とか疑問に思っていて、そしてエンディングクレジットまで見たら「オイ!! これ、『SAW』は『SAW』でも『2』の方じゃねーかバカー!! 『1』から順に見るつもりだったのによ、コンニャロウ!!」
と思わずTS○TAYAで借りたそのDVDのパッケージ(念のために言っておきますが、中身は空ですよ。そしてラベルシールはちゃんと「SAW1」となっていましたが詐欺表記じゃねえかww)を柔らかいソファーに投げつけてしまいました。当時のやるせない気持ちをどうしようというか、脱力したというか……微妙に冷静な頭でしたので、パッケージはどこも破壊させていませんよw
返却時には一応その旨は伝えたのですが、新人さんだったのか若い女性店員さんが「あ、すみませーん。探して直しておきまーす!」と言った対応だけで、カチンときましたがかといって女性相手に怒鳴る訳にもいかず、しばし心がもにょる……というか狭量になり、しばらくそこのTSUT○YAではDVD系を借りていませんね。
いやもうマジで、レンタル店でCDやDVDとかは返却時だけでなく借りる時も、中身の確認は必須ですよ!! 店員さんでも、レンタルする客でもね。遊び半分でそういうシャッフルイタズラをする阿呆もいる訳ですから。
もう五年ぐらい前だから笑える話……としてやっとこういう話題に出来ますね(笑)。ちょっとストレス解消になりました。


 さあ、ネタバレあらすじだ!
 アダムとゴードン、風呂場っぽい密室に片足を鎖で繋がれて閉じ込められ、二人のちょうど真ん中には男の死体が。ちなみにゴードンは医者。そしてレコーダーをなんとか入手して聞くと、二人宛てにメッセージが。アダム宛てのものは取るに足らないものだが、ゴードンへのメッセージは「六時間以内にアダムを殺さないとお前の大事な二人の家族を殺す」というものだった。そしてヒントを更に探ると、アダムの近くにあるトイレのタンクの中に糸ノコギリが二つあって、アダムが鎖を切ろうとするが細い糸ノコギリは壊れてしまう。それを見たゴードンは「きっと違うんだ……。たぶんこれは、僕たちの足を切って逃げられるものなら逃げてみろ、ということなんだろうアダム……」という絶望の推理をする。→殺人鬼、『ジグソウ』を追うタップ刑事たち。そこでは少し太っていながらも満足な生活をしている男の家で、その男が鋭利なワイヤーに刻まれて死んでいた。そこにも条件の入ったテープレコーダーが残されており、太っちょ男が以前手首を切って入院したことに少し怒っているようで、「そんなに死にたいなら手伝ってやろう。それとも生きたいなら、少し身体を刻んでも玄関まで行くんだね。玄関にはあと二時間オートロックが掛かるようにしてあるよ。でも死にたいなら、このままベッドの上にでも寝転んでいるといい」と言われて太っちょ男は焦って玄関まで行った結果、玄関に張り巡らされていたワイヤーにザックリと刻まれて、その上皮膚の一部をジグソーパズルのように切り取られていた。その犯人をタップ刑事たちは追っていた。そしていろんな現場に落ちていた犯人のものらしきイニシャル入りのペンライトを拾ったタップたちが『ジグソウ』として目星を付けていたのは――ゴードンだった。→心身共に衰弱するアダムとゴードンたち。口論で興奮したアダムが手近なミラーガラスを割ってゴードンに「テメェ、これでサクッと殺してやろうか!?」と言ったら、ふと、そのガラスがマジックミラーなことが分かり、その奥に更に強化ガラス……そしてまた奥にビデオカメラが仕掛けてあって『ジグソウ』がライブ中継して自分たちを見ていることを二人は気付く。そしてここまで冷静だったゴードンも落ち着きを失くし、いまごろ『ジグソウ』に誘拐されている妻と娘の写真を見せるために、それを入れている財布をアダムに投げる。すると『ジグソウ』がゴードンに肩入れしていた大きなヒントがアダムに逆に伝わってしまい、アダムのずる賢い性格で、そのヒントが書かれた写真はこっそり抜き取られ、ゴードンは「チクショウ! こんなくだらないことまで『ジグソウ』がやったのか!」と激昂する。→少し過去の話に戻る。タップ刑事がゴードンが『ジグソウ』だと目星を付けていて、何度もこれまでの犯行の監視カメラを見ていたら、そこで『ジグソウ』の拠点が分かる。相棒のシン刑事と共に踏み込むと、そこには『ジグソウ』に捕まって、いまにも残虐な機械に殺されそうになっている男が。シンにその機械の解除を頼んで、タップはなんと『ジグソウ』に出会ってそれを見逃さず捕まえて拳銃で脅すが、一瞬の隙を突かれてタップは喉を浅く切られる。そして殺されそうになっている男の機械を解除することを諦めたシンはショットガンで壊し、タップは「俺のことはいいから、『ジグソウ』を追え!」と言ってシンを送り出すが……それが生きている相棒を見た最後の姿だった。銃声が鳴り響き、シンが『ジグソウ』を殺ったと思ったタップだが、切られた首を止血しながら追って行くとシンはジグソウの拠点に仕掛けられた罠に引っ掛かって、上から豪雨のように降ってきた銃撃によって殺されていた。そしてタップは『ジグソウ』に深い恨みを持ち、刑事を辞め、現在もゴードンを蛇のような執念で追っているのだった。→アダムとゴードンの密室で、時間はどんどん過ぎて行く……。しびれを切らしたアダムが「おい、明かりを消してみろ! ヒントはそこにある!」と言うとゴードンは訝りつつも電灯のスイッチを消すと、自分の近くのタイル壁に蛍光塗料で『X』の文字が書かれて浮かび上がっていた。そしてその壁を壊すと小さな黒い箱が。しかしゴードンにはアダムがいきなりこのヒントを提示したことが分からないのでアダムを疑い始める。それで問い詰めると、アダムは自分に都合の悪いことは隠して「ゴードンの財布にあった、『ジグソウ』が撮ったらしきお前の妻と娘を監禁している写真に書いてあったんだ。お前が見たら、パニックになると思って抜いておいたんだ。ほら、返すよ」と言って写真を返すと、ゴードンは更に『ジグソウ』、そしてアダムへの怒りがつのる。それでもまずは冷静になってこの箱の中を確かめることに。中には受信専用の携帯電話と二本のタバコと小さなメモが。そのメモには「ゴードン先生よ。このタバコは、血液に浸すと毒性を帯びる。アダムを殺すには、別に銃なんかは要らないのさ」という『ジグソウ』からのメッセージが入っていた。そしてアダムにメモ以外のことを伝えると、「タバコだと!? 人類の発明の中では最高のものじゃないか! 一本でいいからくれよ!」とかなりのスモーカーなアダムは食いつく。そしてゴードンは中心にある死体から流れる血液をタバコの先に密かに浸し、ゴードンに投げた。――そこで電気が消される。→タバコを吸ったアダムは満足げに肺まで煙を行き渡らせると、いきなり痙攣を始めて痰のようなものを吐き出し、そして動かなくなる。ゴードンは勝ち誇った顔で「どうだ、『ジグソウ』! 俺はアダムを殺したぞ! さあ、ここから出せ!!」と言うが、その瞬間「いってぇっ!! なんか鎖から電気が流れてきたぞ!!」と言って死んだはずのアダムが跳ね起きた。そう、アダムは死んでいなかった。ゴードンがタバコを渡して明かりを消した時、カメラでしか見ていない『ジグソウ』に対して聞こえないように『死んだふり』をする作戦を伝えたのだ。しかしそれは何故か『ジグソウ』にバレてしまった。そこでアダムも自分が拉致された時のことを思い出して、それで自分が一方的にゴードンの顔を知っていることを話す。アダムはチンピラではなく、探偵のようなゴシップカメラマン。ゴードンも家族思いのただの優しい人当たりの良い医者ではなく、実は医者仲間や研修医を食いまくっている女好き。アダムは尾行とそれをタップに依頼されていてゴードンがいつもの安ホテルで研修医の女性としっぽりしようとする際を捉えようとしていた。それは、ゴードンの娘が「パパ、お部屋に男の人がいたの! 本当なの!」と言っても眠るまで軽くあやしただけで自分はこれから急患があって病院に呼ばれた……と言って拉致された日のこと。機嫌を悪くするゴードンはアダムからその依頼人の特徴を訊くと驚き、「そいつはタップ元刑事だ! あいつ、証拠品があるとかで前に僕を付け回していたんだが『ジグソウ』の根城で相棒を亡くしてからおかしくなったらしく、刑事を辞めてからは僕のストーカーのようになっていてね……。だが、まさか『ジグソウ』に対して執念深いタップが犯人だとは思えない」と推理していると、アダムが「実は糸ノコギリの入っていた袋に、俺が撮った依頼の写真たちもあったんだぜ。お前に俺の職業がバレないように隠してたけどよ。この際、どうでもいいさ。ほら、見るか?」と袋ごと投げると、その中に数枚にはゴードンの家を遠くから写したものが。ゴードンがそれをよく見てみると、窓のところには縛られている自分の妻と娘。……そして、ゴードンが働いている病院の雑用係をやっているゼップという男がニヤニヤと笑いながらその傍に立って写っていて、ゴードンは犯人がゼップだと分かってキレる。ついにゴードンがアダムを殺さないといけない時間がやってきて、『ジグソウ』(ゼップ)から「さあゴードン医師。そろそろアダムを殺さないと、君にとって大切な家族を殺すよ〜?」という放送が掛かる。→ほぼ同時刻。タップが見張っているゴードン邸。そこではゴードンの妻が意外にも格闘術に秀でていて、娘を庇いつつも縄を解いてキックやらパンチやらの応酬の末にゼップから銃を奪う。ゼップの巧みな話術で隙を突かれて銃はまた奪われて、ゼップはゴードン邸の二階から逃げ出す。それを見ていたタップは「ようやく見つけたぜ、『ジグソウ』!!」とゼップを追い掛けて行った。→ゴードンは腹を括って自分の糸ノコギリを手にし、それで鎖に繋がれている右足首を切断した。外科医なので、止血関係もシャツなどで応急処置をしていたが、それでも夥しい出血量。それで自由になったゴードンはポケットに入っていたヒントの銃弾を手にし、中央にいる頭を撃って死んだらしき男の死体から銃を奪い、それに銃弾を込めて……「や、やめろよゴードン……!」と怯えるアダムに向けて、這いずるように片足で歩きながら拳銃を向け、一発の銃撃が鳴った。→やっと全てが終わった。この密室で生きているのはゴードンだけ……と思っていたら、扉が開いてゼップが現れる。当然、憤激するゴードン。しかし片足を失っているのでゼップにとっては怖くもない。「あなたはよくやったよ、ゴードン先生。でもタイムリミットからは過ぎてしまっている。その代償は必要だ」と言ってゴードンに銃を向けるが、その身体に突然下から巻き付いてきたのはアダムだった。ゴードンはアダムの急所ではなく、血は流れてもなるべく身体機能を損なわないところを撃ったのだった。またも『死んだふり』作戦だ。そして後ろからはタップも追い掛けてきて、バランスを崩したゼップを銃で撃ち、とうとう『ジグソウ』――ゼップは絶命する。歓喜する三人。これで全員が助かった――はずだった。→まずはゴードンを病院に連れて行こうと、ゼップを撃った銃を拾おうとしたタップがいきなりどこかから撃たれて即死。振り向く二人の目の前には……これまで自殺死体だった男が立ち上がって銃を構えていた。そして特殊メイクらしき血糊などを剥がして行くと、その素顔はゼップが病院にてよく話をしていた癌が全身に転移していた余命いくばくもない患者のジョンだった。この場に生きている人間では、ゴードンしか知らない顔だ。そして実はゼップもジョンに遅効性の毒薬を仕込まれていて、この事件を手伝わないと解毒薬をもらえないという共犯者になるために脅迫されていた。そしてジョンは、オスカー俳優も真っ青の演技力で自殺死体を演じながら、最高の位置でこの舞台を見ていたのだった。まさに希代の殺人鬼――『ジグソウ』である。ついにゴードンは貧血で倒れ、ジョンはアダムが「ゴードンが生き延びる、または苦しむための材料でしかなかった」ことを告げる。足首の鎖を解錠する鍵もあったが、それは序盤にアダムの乱暴な失策で失っていた。絶望するアダムに、ジョンは糸ノコギリを渡して目の前で薄笑いを浮かべる。逆らおうにも、『ジグソウ』――ジョンは鎖から電気を流すリモコンのボタンをずっと持っていた。更なる絶望に、アダムは死に瀕しているゴードンに向けて、「なあ、医者先生なゴードンよ。教えてくれよ、上手に、痛く無くってこの糸ノコギリで切るやり方ってやつをさあ。俺はアンタみたいに、死ぬような痛みに耐えて、足を犠牲にしてでも自分の命をかけてこんな糸ノコギリで切断する相手も、守るべき財産もないんだよ……。だから馬鹿な俺に教えてくれ、誰でもいいから助けてくれよ……」そうして『ジグソウ』がアダムに設定した最後のチャンスの10分は過ぎて行った……。→密室な浴室に一人の男の声だけが響く。――「ゲームオーバー」――。


 いやあ、面白い!! 二転三転する展開は本当に読めなかった!
 しかし序盤に出てきたゼップやらジョンやらの濃い性格やら特徴やらで名前有りキャラなのにその後全然関わってこない辺りで(特にゼップ)「たぶんこいつらのどっちかが『ジグソウ』だよな……」と思って読んでいました。それにタップが『ジグソウ』の犯行を思い出す度にやけに「生きているということに感謝しろ」とか何度も何度も言っている辺りで。それで「癌が転移しまくって余命宣告されてるジョンと、病院を回っていろんな患者から生きることについて聞き、特にジョンから洗脳されまくっているゼップの単独犯か、もしくは二人組か?」、と。
 しかしながら、行川先生の後書きを読むからに映画版とはEDやキャラの死亡状況などは少し変わっているらしい。「どっちにしても、救いが無いのは共通している」とは言っているが(笑)。
 少し苦言を呈させてもらえば、ジョンの初登場時には「大腸癌が身体中に転移し、前頭葉にも摘出不可能な腫瘍がある……」と書かれていた。そしてジョンが扮する自殺死体役だが、アダムが「うおっ、傍にある拳銃といい、この出血量といい、頭部の変形具合といい……こりゃあ間違いなく死んでるな」という台詞もあるが、特殊メイクなどに安易に頼らずに『ジグソウ』には、医者でジョンを診ていたゴードンが研修医に紹介するほど稀有な症状のジョンが死体を演じている時、そこを利用してゴードンには「おい、アダム。その死体はどんな傷で死んでいるんだ?」「俺はお医者サマじゃねえから詳しくは知らねえよ。たぶん自分でドタマを撃ってるぐらいしかな。ほら、鏡を割ってやったからこれで反射して見な!」「おかしい。あの拳銃ぐらいの口径の銃痕だけじゃあこんな大きな傷にはならない……。それにこの奇形な頭蓋骨……どこかで見たような?」とか言わせて改めて時間を置かせて「これはもしかして、病院の患者のジョンの死体じゃないか?」というところまで推理させて欲しかった。
 あと、完璧に近い死体役を演じていたジョンが電気ショックのボタンをいじる時の動きにも二人が気付かないのは少しご都合主義かな。
それに全身に癌が転移している人間が、どれだけの抗がん剤を打ってたら何時間も痛みに耐えて死体役を演じられるんだよ。医療用麻薬ぐらいの強い違法麻薬、もしくは違法ドラッグを飲んでいたとしてもゼップが密室に入って来てからそのすぐ後にいきなりタップが来て、ゼップが『ジグソウ』だと思ったみんなが議論している間にタップが落としていた銃を拾うチャンスを得るまでずっと息を殺して寝転んでいたんだから、起き上がった時に長時間寝ていたことでの筋肉の強張りや血流が下肢の方に一気に廻ることよる眩暈でのふらつきぐらいはあるはずなのになあ。なのに素早く動けて反動のある銃をしっかりと操作してタップを殺せたりもするし。
 その辺りで少々腑に落ちないところがあったので、全体的には面白かったけど、少し減らして星4つ★★★★☆。オススメだよ!
 後書きでより一層気になる要素が増えたので、もしかしたらまたDVDを借りに行くかもしれない……。今度は借りる時に中身を確かめてな!www


↓こっからは別に読まなくてもいい、SAW1と脱出ゲームと逆転裁判との類似点語りと逆裁のネタバレ。

 なんとなくですが、このSAW1の話って一時期流行った『ブラウザの脱出ゲーム』に似ていますよね。そこらじゅうにヒントが隠されていて、それらを集めて順番に使うとようやく密室から脱出出来る……って辺りが。
  私も脱出ゲームはちょっとだけやりましたが、「いやいやお前! 暖炉に火を点けるのにすでにマッチは持ってるんだから、机にある本をその机の上にあるハサミを拾って紙屑にして燃やせば燃料資材になるだろ! なんでそんな『しかし燃やせるものがない……』で終わるんだよ!!」とか思うことがしばしばあり、クリアした瞬間は楽しいんですがそれまでの過程でイライラすることが度々ありましたね。
出来の良い脱出ゲームなら、もっと自由度もあったりして、一手ずつ詰めて行かないといけないやつでも理に適っていたりしたんでしょうが、最初に出会ったサイトにあったやつがちとお粗末だったんですかね。それであんまりハマらなかったですね。
 逆転裁判シリーズも、大抵一作につき四話構成だと思うんですが、1,2話辺りは簡単すぎて「え、ここでコレを突っ込んだら駄目なの!? もう傍聴人レベルでも分かってることだろ? なんでわざわざ迂遠したところから指摘して持って行かなきゃいかんの!? むしろこの小さい簡単な『ムジュン』を探して指摘する方が大変だよ!!」とストレスが溜まる溜まる……。
でも好きなんだ!!
「異議あり!!」
が通った時がスカッとするから!
でもナルホドくんの声優さんがまさかのカプコンの一般社員だったという事実には後で知って驚いたなーww

※ここから↓逆転裁判シリーズ4までのネタバレ
 そして逆裁シリーズって1から真宵ちゃん一族の憑依能力が便利すぎるからかもしれませんが……「主人公たちの師匠や親や友人が殺された!」とかキツイ展開になっても「後でどうせ憑依とかで意思疎通出来るんだろ……」という感じで感慨深くない。1は法廷デビュー後に美人お姉さま師匠が殺された事件を扱うことになるナルホドくんのメンタルすげえ……とか思ってたら、その後ロリっ子にその死んだお姉さま師匠の霊が憑依して、せっかくのロリっ子がむちむちボディのレディに……orz(一過性のものですが)。
4に至っては、就職先の有名弁護士事務所のやり手の師匠が悪人の裏切者でナルホドくんを弁護士からほぼニートの転落人生に貶めた張本人で、新主人公の新米弁護士のオドロキくんのせっかくの法廷デビューは、さっきまで隣でアドバイスをしてくれていた師匠を真犯人として訴える……というとんでもないことに。3まで青スーツでトンガリ頭で格好良かったナルホドくんがいきなりピアノを弾けないピアニストという肩書きで無精ひげ生やしていい歳してパーカー姿&ニット帽子という、ぶっちゃけホームレスみたいな姿になっているのも厳しい。そしてオドロキくんのライバル的立ち位置な、検事と売れっ子ロックバンドのリーダーを兼任している響也は親友のバンドメンバー(こいつも一応刑事)が犯罪者で絶対法廷が終わった後でマスコミに叩かれてるよな、これ…………というかなりの胸糞展開が最終話まで続く……。
キャラ個々人ではいい味を出しているので、惜しいことこの上ない。

近日発売の新作逆転裁判6 (【初回限定特典】「遊べる!  逆転劇場 2本セット」が入手できるダウンロード番号 同梱) - はどうしようか考え中ですね。
もうカプコンが逆裁の終わりを見せてくれたら、一気に一つのソフトかDLデータに全部纏めて販売してくれないかね。ソフト自体は二つぐらいには分けてでもいいので。もう1〜3までは3DSを買う時に売ってしまったし。
ただし、レイトン教授とのコラボまではもう要らない。
すでに柔らかくない私の頭では、一応買ったアレはレイトン教授たちの方に移ると、いくらヒントコインを使っても分からないところがあったりして、さすがに攻略サイトに頼らないとEDまで行けなかったぞ……。
posted by mukudori at 02:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 一般小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月01日

ねじまきカギュー全16巻/中山敦支

 お久しぶりです、こんばんは!
本当に久しぶりの更新は、「ケモノガリ3連続」はちょっときつかったので、病床の上で軽く読めたオススメ漫画の紹介です。パソコンはともかくネット使えない環境で長期入院とか……マジ勘弁っすわw

 ところで、みなさんは生きている上でこの世の中には苦手なものがたくさんありますか? 私は当然、完璧超人ではない普通の人間ですからたくさんあります。そんなものに一度出会った時、みなさんは自衛をしてますか?
 例えば一度事故をして嫌な思いをした人が、もう一度、事故した現場に猛スピード&アグレッシブな調子で飛び込んで行くことなんて、普通ならやらないでしょう?
自分の考えと行動が絶対的に正しいと思っていても、自分や事故相手(たとえそれが電柱に掠る程度でも)をも傷付ける可能性があるという思慮が少しでも念頭にあるのなら、もうその道は避けるか注意しながら通り過ぎましょうよ。そうすれば誰も傷付きませんって。
 あと、商品の購入時などは注意書きなどをよく見てから買いましょうね。
初めて入った個人レストランで初めて頼んだメニューを注文して食べてから、「クソマズイ! 別にアレルギーでもないけど自分にとっては味が嫌いだから他のやつに取り替えろ!」と、店側が賞味期限の切れた食材を使っていたり衛生管理状態を悪くして調理してでもいなければ、店員も「それでは、これ以上食べないでください。今回は代金はいただきませんが、もしも次回がありましたらご注文は避けてくださいね」と、そりゃ暗に「二度と来るなよ」を含ませた慇懃無礼な対応にもなりますって。「ざけんな! お客様は神様だろ!」とクレームを付ける人は「ニーチェ先生」
ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ) -
ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ) -
でも読んでください。……まあこれはジョークですが(笑)。
そういうトラブルでお客も店側もお互い嫌な気持ちになるのは勘弁して欲しいでしょ? だからここもかなり前から、目に入るようなページには注意書きを載せています。
それとも個人レストランや個人小売店ではなくマニュアル重視なチェーン店であっても商品の搬入の最終決定は主に店長クラスですが「これの陳列状態はおかしいから、倉庫に下げるか改善しろ!」と苦情を言うのが製作者さんご本人であっても、店も面白そうで売れそうだと思う商品には仕入れに時間を割いて、金を払って、また陳列に時間を割いて立ち向かってるんですよ。
だから店が「オススメ品だ!」と思ったならば自信を持って紹介しますし、「いろんな部分が駄目だなあ……。しかし誰かが興味を持って見るかもしれないから、購入されそうな時にはこちらなりの姿勢で説明しておこうかな」というサービスをする店員もいるかもしれません。それがお客にとっては話を聞いて行くうちに嫌悪を覚える展開を予測出来るような押し付けサービスだと思ったら、拒否して逃げる権利がお客にはあるんですよ。強制的に椅子に縛られて、「これを買うまで帰さないぜ!」とでも言われたなら、もう警察に行ってください。
 いくら甘く甘〜く『嘘』という糖衣を被せた薬の方がその人には良くっても、過剰摂取すれば甘さは毒にもなります。苦い薬に当たってしまったら、口に入れた時点で吐き出して喚きますね。子供なら特に。
ですが大人なら、苦い薬も気にしないように我慢して飲み下せるし、次は前の薬は捨てて違う薬を選ぶか、オブラートに包んで飲むなりするのを、大人なら自分で取捨の判断が出来るんだから……ということを忘れないでください。
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愛ってなんだろう?

『花は桜木学園(はなはさくらぎがくえん)』の新任教師でありながら、「変な女子にばかり好かれる」という女難体質の葱沢鴨(ねぎさわ かも)。貧弱で女子よりも弱いため、いつものように女子たちに追いかけ回されているピンチに現れたのは、蝸牛十兵衛(かぎゅう じゅうべえ)。中国拳法に似たものを使う美少年だと思っていたのは、なんとカモと小学校が同じで年下の幼なじみだった少女の『カギューちゃん』!? そしてカギューは「カモ先生を守るために強くなって中国から帰ってきた! だから約束どおり、将来はお嫁さんにして!!」と言って、カモの受け持つクラスに編入してきたのだった。


 カモ先生のネーミングについては、最初は「新撰組の芹沢鴨をネタにしたのか?」と思いました。まあそれも一因なのでしょうがカモの「一癖ある女子に好かれる」という設定で「鴨がネギを背負ってる」という意味だという、気付いた時にはくすりと笑えるダブルミーニングなネーミングジョーク。
 カギューも螺子形状に関係する拳法を使うので「ほほう、それで蝸牛(カタツムリのこと。または、人間の耳の鼓膜よりももっと奥にある、主に平衡感覚に関係する器官。カタツムリの殻によく似ている)という苗字か!」と唸るのですが……最終巻の16巻のオマケは嬉しくありつつもカギューとマブ姉の名前がなんで明らかに違うのか、とか二人の父親の所在について全く触れられていないこととかにはいろいろと疑問が余計に残るんですよね。

 今回の漫画は全16巻で完結しているので、1巻から最後の16巻まで美味しいところだけ取ったネタバレあらすじです。
 カモ先生、スケバンのゴツイ不良女をも女難スキルで魅了させて拉致られそうになったところでカギューが助けに来る。最初は男子だと思っていたが、カギューが螺子巻発条拳(ねじまきぜんまいけん)を放ったところで螺子巻拳を操るために締め付けていた身体中のサラシが取れて、女子だということがわかり、更に小学生の時にカギューが男子に名前のことでイジメられているところを助けた(ただしカモはその年下の男子たち多数組に負けた)時から仲良くなった。このカモの行動の背景には、両親を事故で亡くしたカモが当時担任だった女性の先生に助けられ、学校では一人ぼっちでコンビニ弁当を食べていたところをいつも一緒に先生が手作り弁当を作ってくれてお昼を食べてくれていたことで自信を付けたものがある。そして二人は仲良くなり、毎日一緒に遊ぶようになる。お互いの将来の目標を最初に出会った神社の鳥居に石で刻んだが、それからすぐにカギューは母親のいる中国へとおそらく本格的な螺子巻拳修得のために移される。その時にカギューは「再会した時には強くなっていて、自分がカモ兄ちゃんを守るんだ!」と決めていた。→再会後、カギューは花は桜木学園のカモの担当教室でクラスメイトとも仲良くなって学園生活を謳歌していた。カモの女難スキルによってのカモと仲の良いカギューに敵意を抱く女子もいたが、カギューの天真爛漫さや素直さとカモへの愛情の深さを理解させたりしてすぐに仲良くなったり。→しかしそこには、カモの親族の一員であり、3年生で風紀委員長で金持ち一族の一人娘な外見ロリータな犬塚紫乃(いぬづか しの)がカギューに難癖を付けてくる。その背景には紫乃も幼いころから親戚の集まり時には独りで遊んでいた紫乃を構ってくれたカモを好きなことがあって、それで「この学園では不純異性交遊は禁止だ!」と告げてカギューの友達たちと、紫乃の率いる風紀委員グループでバトル。結果的にカギューたちは勝ち、紫乃のロリロリな身体は、実は昔から父親からの次期総帥のための躾けによるものとカモがだんだん離れて行ったことでの精神的な閉塞感を持った理由のものだとわかり、カギューとのバトルの時にカモへの本音を言うと一時的に高校3年生らしい身体に戻った。その後は紫乃たちもカギューと友達になる。→しかしその際にカギューとカモたちに目を付けたのが学園の理事長の二千恵(にちえ)だった。ちなみにこの作品には珍しい名前有りの主要男キャラで、キリストの磔刑時のような茨の冠を常時着用。たぶん苗字の元ネタは「ニーチェ」だと思われる、のだが……有名な「神は死んだ!」、はどうしたよ……な矛盾スタイル(笑)。二千恵の一人娘の衿沙(エリザ)はカリスマ性のある学園の生徒会長で、「風紀委員を解体させたら学園の秩序はどうなるのか」、と糾弾してカギューとカモを学園のテロリストに仕立て上げた挙句、今度は生徒たちには自分たち生徒会が正義だと見せかけた上でカギューグループの戦いの場を作る。カギューたちが負ければ、カモはクビになるのでカギューは必死になる。この辺りでカギューの姉(本当の姉なのかは不明)である、マブルゥが中国からカギューが育ったか確かめにやってくる。ちなみにマブルゥはカギューと同じ螺子巻拳使いではありつつも、拳ではなく足技使い……でカギューに対するシスコンっぷりがすごく、この時点ではカギューよりも強い。生徒会戦ではボスの衿沙は自分の声帯に特性があって、それでカリスマ性をわざと作ったり生徒の心を操るようなこともしていた。しかし二千恵理事長はそれを「自分の本質をコロコロ変えて見せるなんて、個性の欠如だよね」と一蹴して、衿沙よりもカギューたちの方がやはり興味深いらしい。やっぱりカギューたちが勝つも、二千恵理事長に捨てられて精神崩壊し、幼児退行した衿沙を庇うためにカモは「僕は『あの先生』みたいに生徒を守れる先生になりたいんじゃなかったのか!」と思って全校生徒にはカギューたちは勝ったけれど、自分だけが黒幕で近くにいる手ごろな女子を操っていた、ということにする。その上で、衿沙に手酷いことをした二千恵理事長にカモは密かに「愛情を知らないあなたにはいつか本当の愛を教えてやる!」と覚悟した顔で宣言。→その後もカモはカギューグループ以外の生徒たちから白い目で見られつつも普通に学園に残って授業をしていた。生徒会戦の前に衿沙の出していた条件により生徒会が解体したので生徒会選挙があったりするけれど、あんまり話には関係ないので省略。とりあえず、カギューたちの推薦で紫乃が出馬してなんとか当選。ほとんどの仲間を書記やら会計やらの職務に就かせるが、カギューのことはカモに深く関わらせるためにあえて紫乃は外した。紫乃は二千恵理事長と前生徒会が推奨してきた『個性主義(キャライズム)』は撤回し、『平等主義』を何度も主張して生徒の心を掴んだから、カギューを近くに置いておくと、良くも悪くも素直なカギューはそれに縛られて、ずっとカモの味方でいられないと思ったらしい。→そしてカモは同僚で『黒幕宣言』をした後でも構ってくれている森(もり)先生という若い美人教師によって二千恵理事長の実の父親のいる場所の情報を聞いて、二人で会いに行く。そこは田舎の古びた療養所で、二千恵理事長の父親は二千恵の話を出すといきなり怯えたが、しかしカモの懇願と決意した瞳を見ると「もう、これきりにしてくれ……」と言って二千恵理事長が産まれた当時のことから話してくれる。二千恵理事長は産まれた時から母親には普通に可愛がられていたが、父親にはなんとなく異端児だと思われていて育って行くうちにしばらくは麒麟児として育っていた。だが、父親はしばしば子供らしくない部分を見てしまう。そのうち、「もう一人でもある程度の料理も出来るようになったから家事には心配ないし、家の財産も適度にあるし……」と呟いているのを聞いたその日の夕方、二千恵理事長(子)は家族3人が暮らしている家の前で近くの線路の遮断機が閉まっている中に靴がレールに挟まって閉じ込められているふりをして両親に助けを求めると、母親は二千恵理事長(子)を突き飛ばして列車に轢かれて死亡。葬儀の日でも泣かないのを不審に思った父親が「おまえは、母さんが死んでも……悲しくないのか?」と訊くとそれまではぶつぶつと「愛情がわからない……。僕にずっと愛を注いで犠牲になった母親が死んだのに、僕には愛情がわからない……」と言っていたのにいきなり嘘泣きをしたので本格的に自分の子供を気味悪がるようになった。しかし二千恵理事長が育って大人になって教職に就くようになると、同僚の女教師と付き合うように。その後、同棲したのちに結婚して子供(衿沙)を宿す。それで父親も「こいつにもやっと愛というものがわかったのか」と安心したら、出産予定日に父親に二千恵理事長から連絡があって、「子供は産まれたけれど、その後で医療事故があって母体は……」と暗い声で言われて、二千恵理事長が赤子も母体も連れてそそくさとどこかに行ったことを知り、父親は「まさか医療事故というのもあいつが!?」と、次は自分が殺される危惧をして教育現場から引退し、今に至る。実は……その衿沙の母親であり、二千恵理事長の結婚相手は、芙蘭(ふらん)という名前の……カモを救ってくれた恩人である女の先生だったのだ。そして森先生の新たな情報で、芙蘭先生が二千恵理事長の所有する島に植物状態でいるらしい、と聞かされてカモはカギューや森先生たちと一緒に、一度衿沙の見舞いに行った時に自分のことを「パパ!」と呼んで警戒心なく抱き着いてきた衿沙も連れて行った。前生徒会役員であった衿沙のクローンの双子姉妹にも芙蘭に会わせてやりたい、との思いから。もちろん、カモも『恩人の先生』に会いたいのは当然だったが。→島に着くと普通にさびれた感じの島で、山の上にあるのが二千恵理事長の屋敷だと島民から聞く。着いた時間は遅かったので、民宿に泊まって翌日に山を登ることにすると、眠りに入っていた夜半に大人も子供も……島民全員がカモたちを殺すために襲撃してきた。その初撃はいなして、ここの島民たちを養ってくれている二千恵理事長の命令だからだ、と言う島民たちをいかに無力化するか悩んでいると、そこに2人の少女が(しかし片方は熊ほどにデカくて筋肉もあって男かとも思うほど)。1人は二千恵理事長が世界中から探してきた最高の殺し屋の5人のうちの1人で、カギューが相対するも螺子巻拳が効かない『ジグザグ拳』というものを使ってくる。だがその殺し屋たちはカギューを殺さずに拉致したのでカモたちは追おうとするが、島民はその殺し屋たちに自分たちが逆に殺される、と怯えてカモたちを追って山狩り状況になるのでカモたちは山でばらけることに。バトルはまあ省略で、ほとんどカギューたちが勝ちます(というか、半分以上は森先生の功績)。カギューは(とりあえず)害の無い殺し屋が作った仮死状態になる薬を飲まされていて、そこからカモへの愛で現世に戻る選択をし、改めてジグザグ拳の使い手と対峙すると、静観していたマブルゥすらも「なんかに目覚めて綺麗になったな、カギュー。あ〜、喰っちまいてえなあ〜(あたしがカギューとバトルしたいぜ、の意)」と言ってしまうほど。そしてカギューがバトルして勝つと、カモと衿沙だけがその奥にあった部屋に入ることを許可される。中ではやはり芙蘭先生が眠っていて、熊似の殺し屋が「二千恵理事長に雇われてから薬に詳しい私がずっと診ているが、この人が植物状態から目覚めたことはない。無駄だとは思うが、もしも目覚めたならば好きにするといい。私はそこまで命令されていないからな」と言っていたが、カモと衿沙が近付いてカモが「先生、僕は昔の貴女の生徒で貴女に助けられた人間です。この子は、貴女の産んだ愛する子供の衿沙です」と言うと手がぴくりと動き、芙蘭先生が衿沙の名前を呟いて目覚めた。その時にカモはベッドの近くで指輪の箱のようなものの中に、少し曇った緑の丸っこいガラスの欠片が入っていることに気付く。船で陸に戻るとみんなが待っていて、双子たちも母親に抱き着いて泣いていた。衿沙の幼児退行状態もだんだと元の年齢に戻ることが多くなっていた。→そしてカモと森先生は、喪服を着た状態で二千恵理事長と会食の場を設ける。『愛』を教えるために。まずはカモからの「僕がこの場で一番、あなたのことを愛していますよ」から始まり、それでも効かない二千恵理事長に近寄ったカモは芙蘭先生を助けに行って、目覚めたことを告げると少し二千恵理事長が動揺したのを見て、懐から芙蘭先生のベッドサイドにあった『あの箱』を取り出す。中の緑のガラス欠片を二千恵理事長の胸に当て、「これは僕が小学生のころ、カギューちゃんと川で遊んでいて見つけて、恩人の芙蘭先生にあげたものです。昔は宝石だと思っていましたが、今見るとただのラムネ瓶の破片が水流で丸くなったものです。大人だった先生はそれを大事に受け取ってくれていた。普通なら、ガラクタにしか見えないもので、年月が経ったら捨ててしまうようなものだけれど、今もこうして存在している。……けれど、あの島の屋敷のベッドの脇にこんなに綺麗な箱に入れて置いてあるだなんて……結婚をしていたあなたになら、これを大事にしてくれていた思い出話をしていたことにも、この箱を眠る芙蘭先生の近くに配置していたことにも納得がいくんです。僕にはわからないことですが、もしかしたら出産後の医療事故はあなたの仕業でもないのもしれません。つまり二千恵理事長――あなたは確かに、芙蘭先生を……奥さんを心配し、愛していたんだそこまで聞いた二千恵理事長はふらふらとした足取りで「ご高説はもう……いいよ。ありがとう、カモ先生」と理事長室に入って行き、椅子に座る。そして眠気を感じると何故か上から自分の眠っている顔を見ていることに疑問を抱く。そう、この時点で二千恵理事長は安堵を得たためか死んでしまっていて、幽体で「ああ、これが愛情を理解している人間の顔なんだね」と分かって地獄へと旅立った。しかしその様子を監視カメラで見ていたのは二千恵理事長のクローンな少年と、生前の二千恵理事長が雇っていたあの島で生き残っていた殺し屋2人(熊女とジグザグ拳の女)。少年は「まあこれで一応愛はわかったから、次は……そうだ、衿沙の幼児退行から閃いた、『PTSD』とやらを理解したいね」と言いつつ、どこかの部屋から去った。殺し屋の少女たちを連れて。→その後、カモは森先生に「二千恵理事長の後釜はあなたよ。この学園の生徒たちを見守ってあげて。ただし、影からね。二千恵理事長は世界中に表や裏の人脈や権力があったわ。間接的とはいえ、彼を殺したあなたには、各国のいろんな思惑が降り掛かってくるだろうから、私の所属する組織が守ってあげるわ」と言われて森先生は姿を消し、カモは学園の理事長になるも、毎日の生徒への挨拶や集会への参加は常に大画面越しに。カギューや紫乃たちが必死に探すも、見つけられない。しかし森先生に出会ったカギューはカモの所在を問うと「あなたがあの学園を卒業した日の午後に裏門に来なさい」と言われた。その後はカギューは大人しく森先生の助言に従って、友達たちと学園生活を謳歌していた。→卒業式ではあらかじめ録画しておいたカモの動画がプロジェクターで映されて卒業生を激励。カモ本人は、『ある覚悟』を決めていてその光景をこっそりと2階の通路から見ていた。卒業式が終わった後で裏門に行くと、そこでは本物のカモがいた。カギューは「己(オレ)、卒業までちゃんと頑張った! だからもう、これ以上カモ先生と離れていたくないんだ!!」と叫んで逃げようとするカモに触れようとするが、それを阻止したのは森先生。彼女も得意体質で卓越した格闘術だけでなく、いろいろな効果をもたらす体液を出せたり液体にもなれる人間だった。しかしカギューは「人を動かすのは愛の力なんだ!」と這這の体でなんとか倒す。最後に森先生は満足した顔になり、カモがこの後すぐに自分が渡した毒丸にて自殺することを告げ、「私はなかなか死ねないけれど、貴女もカモキュンと同じように現実に耐えられなくなったなら、これを呑みなさい」と言って丸薬を渡してくる。カギューが理事長室に入ると、そこにはもう死亡していたカモの姿が。慟哭するカギューは森先生の言葉を思い出し、丸薬を取り出すと自分の口唇に挟んでカモへの初めてのキスと同時に半分に割って、「あなたのいない世界なんて意味が無いのに……」とお互い呑むようにした。→エピローグ。紫乃が総帥になった犬塚グループの経営する幼稚園では、これまでに敵から味方になって行った少女たちの子供たちが遊んでいた。そこに大きなリュックを背負って中国からやってきた幼い子供は――。


 ――はい、クソ長いネタバレあらすじ終わり! これでも短くしようと努力はしました……一応。
 巻数も適度にあって読み応えがあり、話のテーマ自体やキャラも好きなんですが……やっぱりなんとなく途中で設定の破綻とかが見えてくるんですよね。最後は駆け足過ぎて、その辺りが「やっぱりこの作品って、ウルジャンかヤンジャンか忘れたけどコミックスで換算するなら担当さんに最後の3巻分ぐらい前から宣告されてた打ち切りだったの?」とも勘繰ってしまったり。16巻なんかものすごくオマケがあるし。まあ、週刊少年ジャンプなら新人だと3巻も続いたら御の字ですよ。
 特に生徒会との対決が終わってからは「カモの女難設定どこ行ったよ!」とツッコミたいんですよね。その時点で気絶していた衿沙の洗脳能力が切れていたとは思うんですが、カモが独りで「テロリストなのはぼくだけだ! いやあ、この年ごろの女の子って単純だから騙すのも楽だったよぉ〜」と全校生徒に向けて下衆っぽく告げた時に一般生徒の女子たちのほとんどが「ええ〜。あの先生って優しいから好きだったのにこんな本性だったの〜?」とすぐに手の平返しをした時は、「衿沙が声で洗脳していた時はともかく、今でもカモを嫌いになるのか?」と疑問を抱きましたね。第1話の冒頭でもかなりの数の女子に追われていたカモなのに……。二千恵理事長が発端であり推奨している『絶対個性主義』の学校に通っているぐらいの女子なら、ほとんど結構濃いキャラしてんじゃないのか?
ラスト近辺では「森先生の正体にはもっと大きな謎があったんじゃないか?」と思ったぐらいに「貴女の本当の正体は……!」と言いかけたカモの言葉を途中で封じさせるぐらいの引きの強さを見せたのに、結構あっさりと日本の上層部から派遣された二千恵理事長の行動を監視するためのエージェントだったのはちょっとなあ……。その程度の、上から大臣ぐらいの人間が命令出来るような立場なのに、二千恵理事長所有の島での世界中から探して集めた5人の最強・最凶の殺し屋の下位とはいえ2人を同時に相手して一気に殺せる強さがあったのはちょっと……。自分でもラストのカギューとの戦闘時には「私はあえて言うなら最初からレベル99の勇者だったのよ」とか言ってたので、もう少し世界観の広がり……というか大物っぷりを見せて欲しかったなあ。オマケで出てきたカギューの母親ともし戦うことになるとどっちが強いのかも気になりますね。
エピローグでも二千恵理事長が「この双子たちは開発した衿沙のクローンだから二十歳ぐらいまでしか生きられないよ」と前に言っていたにも関わらずに生きていて自分たちとそっくりな子供を成しており、双子たちがまだ存命なこと。

 あと、この漫画はいろいろな意味で「濃かった」ですね。
週刊少年ジャンプで連載中の『斉木楠雄(さいき くすお)の〜』
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で確か結構最近の話だったと思うのですが、斉木の友人の不細工認定されている燃堂(ねんどう)がラブレターをもらった話で、共通の友人である海藤(かいどう)がそれを知って驚き、「1Pも使って驚きの顔芸すんな。手抜きだと思われるだろうが」とか心の中でツッコミを入れているんですが、『ねじまきカギュー』を読んだ後だったので「いやいや、こんなの軽いだろ……」と笑えもしませんでしたし、使い古されたオチなんだろう? と思っていたらそのとおりで冷静に読むだけでしたね。『斉木〜』は話によって当たり外れがあるからなあ……。
『〜カギュー』は主要キャラはほとんど女子なんですが、その表面的には優等生や可愛いはずの女子たちにも容赦なく顔芸や女の醜い面を出させてくる! しかも見開き2Pの全面使って!(笑) なので「あ、これは来るな……」と思ったら覚悟して次のページを開きましょう。

 そして生徒会編のバトルで衿沙が負けてからは、結構キツイ描写が多い。
二千恵理事長の「たかいたか〜い」からの衿沙の幼児退行からわかる、二千恵理事長が自分の『愛』への疑問を解消するためだけの自分の母親殺しや衿沙たちへの精神的虐待の事実。
カギューたちによる、二千恵理事長の所持する島に入ってから最初は歓迎してくれた島民全員による夜半の襲撃で老婆の身近な武器を持った幼い子供への「1人狩(殺)ったら500円だよ」とか、『ジグザグ拳』の使い手が普通に「ウゼェ、邪魔すんな」な理由で幼い子供を殴って殺ってる(たぶん)ことや、水域のスペシャリストなロリータ服女がカギューの仲間たちを水辺に誘い込むだけの理由で、かなりの数の島民を湖に水死させているのとかね……。
サンデーで連載していた『トラウマイスタ』
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も大概作者の個性と狂気を感じましたが、今作ではカギューのカモへの一途さと乙女モードの可愛さがあったりで最初は騙されましたね。最初だけは!(ここ強調)

 うん、でもね……やっぱり出てくる女の子たちが可愛いのと(特に紫乃と衿沙が幼児退行してカモを「パパ」と呼んでいた時から、ピンチの時に元の精神年齢と声帯特性能力使いに戻ってもカモを守ろうとした時が最高!)、「神はいるのか?」「天国や地獄はあるのか?」並みに難しい16巻帯にもある『愛ってなんだろう』という、一歩間違えれば「シリアスを意識しているつもりなのに下手なラブコメに見える」になるような重いテーマに、作者なりの回答を見せてくれたのは良かった。
あ、言っておくとこの漫画が学園ラブコメだったのは最初の3巻までぐらいだと思っていてください。私的には2巻でもギリギリ『学園ラブコメ』と判断していいのか迷いますが。それより後からは作者なりの『愛』を確固たるものにさせるための『純愛を貫くためのバトルもの』です。

 さあ、腱鞘炎がどんどんひどくなっている手でまたまたクソ長くなり、ほぼ一日仕事で書き連ねたこの作品の評価ですが……星4つ★★★★☆! オススメです!
……が、個人的主観で「グロい」とまでは言いませんがキツイ描写があるので、心臓が悪い人はちょっと避けた方がいいかな(笑)。
posted by mukudori at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月08日

ケモノガリ 7/東出 祐一郎

まずは始めに――すみません!!
一ヶ月以上もブログを更新しないとか……なぁorz
実は左手首が重度の腱鞘炎に罹っていまして、右手だけでは本のページをめくるのも、タイピングするのも疲れるので「なあなあ」な感じになって休んでいました……サーセン……。
「どうせこんな90%ほど本の中身のネタバレをして、気に食わなかったら陰湿&陰険な突っ込みを入れてる管理人のブログに来る人なんてほとんどいないだろう」……と思って放置or閉鎖すらも考えていましたら、ご新規さん(?)やまだ更新を待ってくださっているみなさんのことがカウンターの数字でわかりましたので、まだまだ腱鞘炎は残っていますが、やっと読めた一冊をご紹介します。
改めて、来訪してくださっているみなさん、ありがとうございます!
これからも、結構更新が遅いとは思いますが、よろしくお願いいたします。
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僕はケモノを殺すために存在する、不退転の怪物になった。

 チリの沖にある、クラブが持つ孤島にCIAのスペシャリストたちと共に乗り込む楼樹たち。最悪なのは、そこにある核ミサイルを発射されることだ。シャーリーが選んだ信頼出来る9人のCIAと楼樹とイヌガミ。バチカンで自分を殺して成り代わろうとした弟からの本を読むなり形相が変わって、自分も戦地に行くことを決めた現役ローマ法王のヴァレリオ・ロベルティ。楼樹はアストライアに、イヌガミは姉・ゲルトの形をした殺人鬼・ロートケプヒェンを殺しに……。それぞれは向かう、最終決戦の地へと!!


 くうぅっ! いいねえ、いいねえ!!
魅せてくれるよ、東出先生!!
最初の辺りはちょっともたついている感じはありましたが、シャーリーを除く9人のCIA工作員の紹介(59P〜60P)とかは、それぞれの最期を見せられる度に、思わず59Pに戻ったりして!
でもそんな魅力ある工作員たちの絵が無いんですよね……。正直、カラーピンナップのシャーリーVSクレアよりはクラブの本部に突撃する12人(イヌガミもカウント)の絵が欲しかったなあ。ぶっちゃけ、このラノベの絵師さんには女の子の萌えやらセクシーやらエロティックなものは期待していませんので……。


 ネタバレあらすじー。まだ手首が痛いので、かなり端折っているのは勘弁してください。
 シャテアによってクラブのある本拠地の孤島が見つけられ、最高の装備と最高の人材たちでそこに行くことに。しかしその近辺の海には機雷が設置されているが、普通の船や飛行機などで行ったらバレバレな上に確実に狙撃されて殺されるので、ぎりぎりまで潜水艦で行って、そこからは泳いで陸に上がり、トラップや地雷がいっぱいのジャングルを抜けてクラブの本拠地に行くことに決定。→そのころ、バチカンのヴァレリオ法王は死んだ弟からの最期のプレゼントを開けるなり、その『本』の表紙を見て愕然とし、中身を読んで吐き気をもよおしたように蒼褪め、そして自分もクラブの本拠地に行くことを決めた。すでに燃やした『本』の内容はいまはもう、ヴァレリオ法王しか知らない……。→潜水艦から出たみんなは海中を泳ぐが、そこにはクジラの頭を被ったエンターテイナーが。楼樹が対応して倒すが、そこで楼樹は愛用していたククリナイフの『ヴィジャヤ』と『ソワカ』を海の中に落としてしまう。→CIAの職員たちは暗闇に紛れて暗躍しつつ、それぞれの仕事をこなす。しかし何人かはやるだけはやって死亡。→イヌガミ、姉のゲルトの匂いを察知して、みんなとは行動を別つ。ゲルトは猛獣の檻の中でイヌガミを待っていた。イヌガミもゲルトも、「この戦いが終われば、どっちが死のうとも自分たちの脳は壊れて、ただのケモノになる」と思っていた。檻の中の猛獣たちは調教された人喰い(マンイーター)ではあるのだが、二人に怯えていた。そしてバトルになり、ゲルトは過去を見ていて、イヌガミは未来を見ていた。二人の力は拮抗していたが、『大切な友』のいるいまのイヌガミの方がゲルトよりも勝っていて、ゲルトは死亡。イヌガミはそこまで大人しくしていた猛獣たちに喰われている姉・ゲルトの死体のその後を振り向きもせずに、檻から出て走って行った。『友』の匂いを追って。→楼樹はククリナイフが無いながらも敵の戦闘員の持っている銃やナイフなどを奪って殺しては前に進んでいた。そして出会う、『悲哀(グリーフ)』のサイクロプス・ジャック。楼樹は必死に拾った武器を使って戦うが、何故かジャックの身体にはナイフなどが刺さらない上に、吸い付くような感触をもたらしてくる。ジャックは遊ぶようにして素手の力だけで楼樹を殴って殴って……その光景をドローンによってアストライアに見せつけていた。ちなみにジャックは楼樹を殺したら、次はアストライアを殺すつもりだった。楼樹は首筋を掴まれて、もう駄目かもしれない……と思っていたところに、砂浜を走ってくる足音に気付く。――それは、失くしたはずの『ヴィジャヤ』と『ソワカ』を海から取ってきてくれたイヌガミだった。イヌガミは楼樹を掴んでいるジャックの右腕に噛み付き、楼樹は助かり、よく馴染んだククリナイフも手にすることが出来たが、ジャックの注意がそっちに向かったイヌガミの生死はわかっていたが、この機会を逃す訳にはいかなかった。楼樹はジャックの弱点に気付く。ジャックの身体は特別、皮膚が柔らかくて骨が丈夫なのだ、と。だからその分、ジャックがパンチを繰り出すのなら、タイミングを合わせてククリナイフの峰で打ちつつ、カウンターのようにしてジャックの骨にジャックのパワーでダメージを与え、自分の身体にはパンチが当たらないようにして躱す。それを繰り返していたら、さすがに鈍感で知能に障害があるように思われるジャックでも勘付き、「おいらの手がどす黒くなってきて、おかしいよぉおおお……! やだ、嫌だ、死にたくないよぉぉおお!!」と言うが楼樹は「なら、いままでお前は、そう懇願してきた人たちをどうしてきたんだ?」と言ってさんざんククリナイフの峰を当てて傷めつけたジャックの首筋を切り裂いた。そしてアストライアに繋がっているドローンからは、「とうとう、僕らの決着の時だ。待っているよ、楼樹くん」と流れてきた。→楼樹たちが戦っているころ、シャーリーたちはクラブの本部ビルに潜入し、順調に戦闘員たちを殺して行くが、そこで『謙虚(モデスティ)』のクレア・ゴッドスピードと出会ってシャーリーともう一人のCIA戦闘員だったクリーナーが拘束される。クレアはシャーリーをクラブに勧誘しようとするが、シャーリーは首を縦には振らず、そこに換気口から他のCIA仲間が入ってきて、アメリカのCIA本部で待機しているシャテアがパソコンですでにクラッキングしていたその部屋の電灯を消す。クレアは逃げたが、他の敵戦闘員は倒した。しかしシャーリーたちも、クリーナーは跳弾を二発も腹に喰らい、「ここは俺に任せて行け!」と言って死んだ敵戦闘員の残りの武器をありったけ集めて、この部屋が騒がしくなったことに気付いた敵戦闘員がまた集まって来る前にシャーリーたちを逃がして、自分の死を覚悟しながら入口のドアを見ていた。→エピローグ。楼樹は、死に至るイヌガミを撫でていた。「イヌガミ、ハインツ――君はずっと僕の大切な友達だったよ」と言い、もうイヌガミの時の記憶もハインツの記憶も無い、ただの犬は――ようやく、安息を得たのだった。

 いい……。実にいい!
 CIAのロックというコードネームの元・少年兵から成り上がったキャラがいまして、ロックは過去に『睡眠時間を入れない、世界で最長の18時間連続の拷問に耐えた人間』なので、それを聞いた楼樹は「それもすごいと思うけど、その後でもまたこんな仕事に復帰したあなたはもっとすごいと思うよ」と言った楼樹を改めて見て「こんな子供が戦うなんてな……」と自分の子供のころと重ねて思わず涙目になるんですよ。ここが渋い!!
 ラストのイヌガミと楼樹のやり取りでは楼樹が脳内で「イヌガミの命は、持ってあと一分程度だろう……」と冷静に計算しているんですが、それで撫でているとイヌガミは嬉しそうに尻尾を振って――そして一分後にその尻尾の動きが止まるんです。
 戦う度に、細い少年のその身体に殺人のための力を付ける度に、大切な何かを失う楼樹。
今巻ではイヌガミとハインツという、一つの身体に入っていた友を失い、次は最後であり最強の敵――アストライアに立ち向かう。
 ええ、こりゃもう星5つ★★★★★しかないですよ。
最終巻が楽しみです。あ、もしかしたら更新が6,7,8巻……と三連続でケモノガリになっても許してください(笑)。
左手首がまだめっちゃ痛いので、出来れば読みやすいやつがいいのですが……「エロマンガ先生」とかの萌え系を間に入れた方がいいでしょうかね?w
posted by mukudori at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月19日

ケモノガリ 6/東出 祐一郎

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東出 祐一郎 品川 宏樹

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全てが終わった時、果たして僕は僕なのだろうか。

 バチカンでの十二使徒ゲームが終わった後、楼樹たちは南米――ブラジル――へと渡っていた。シャーリーが「所属するCIAの調べでは、その地域に凄腕のクラッカーがいるみたい。その腕を借りられたら、もっと速くクラブを潰せるでしょうね」と言ってきたのだ。そうして楼樹がブラジルに偶然いた、クラブ会員で子供たちを生きたまま解体するのが趣味のイカレた医師を殺すと、手術台の上に拘束されてギリギリ助けられた少女――シャテア。スラム街で弟と一緒に暮らしていた彼女こそが、拾ったパソコンで電脳世界をジャックして遊んでいた、シャーリーの言っていた『クラッカー』だったのだった――。最終巻まであと3巻! 


 唸った!
東出先生の文章ではないと思うのですが、「これは上手い!」と思わず唸ったのが、今巻の帯の表に書かれていた「全てが終わった時〜」のコピーですよ!!
楼樹の悲痛な感情も感じられて、だんだんと楼樹の心が病んで止まってきているような風に思わされる!
こういうキャッチコピーって出版社の編集さんが考えて書く……と聞いたこともあるような? だとしたら、編集さんも文才……というか、文章センスがありますよね。すごい!

 ネタバレあらすじー。
 聖父(ファーザー)の一人である、《悲哀(グリーフ)》のサイクロプス・ジャック。アルカトルズ刑務所っぽいところに幽閉されている彼の知能はかなり低いが、戦闘能力は世界一と言ってもいいほどのものでアストライアのことを嫌っている。そしてアストライアの方もジャックを嫌っているが面会に行き、「ハワイで聖霊会議を開くので、君は釈放だ。みんなが揃うよ」と言われ、鎖などを自力で引きちぎって看守や他の囚人たちも皆殺しにして、その刑務所から出て行く。→楼樹、ブラジルでシャテアを救い、そこでシャテアが電脳世界でシャーリーが言うところの『パスズ』という、その地域の悪霊の名を冠した凄腕クラッカーだと知る。ちなみにシャテアはそこで助けてくれた楼樹に惚れて、「あたし、インターネットのクラッキングは得意だから、それでマフィアのやつらに協力してたの。だからそのお陰で、いままで身体だけは健康無事に弟と一緒に暮らせてたわ。つーまーりー……」「ちょっとー? 楼樹にはもう好きな女の子がいるのよ?」「うるさいなー、オ・バ・サ・ン!」「なっ!? 私はまだ二十代よ!!」と、色っぽさはあまり無いが、処女であるというモーションを掛けてくる。以降、シャーリーとはあんまり仲が良くない。ついでに、シャテアはマフィアの元でクラッキングをして遊んでいたが、ついにマフィアの敵であるCIAのサーバーに入って登録リストなどに手を出したため、扱いきれない、と思ったマフィアたちによって先述した医師に売られたのだった。→そうしてシャーリーはCIA本部に行くと、そこでこれまでクラブを潰す協力を頼んでいた職員仲間の男性に出会うと、監視カメラや警備職員にも聞こえないぐらいにこっそりと「ルシアン・カウフマン長官は、地下13階にいるぜ。君を待っているそうだ」と言われて、仲が良く、信頼出来ると思っていたその男がここまで自分を欺いていたことを知ってショックを受ける。→部屋に行ったシャーリーは、元・CIA職員だった自分の父親が死んだ後、自分もCIAに入って手ずから育ててくれたカウフマンが聖父だと信じたくはなかったが、ここまで材料が揃っているとクラブの幹部(聖父)だと信じるしかなかった。そしてカウフマン――聖父の《勤勉(ディリジェンス)》――はシャーリーをテーブルに着かせて、特別なルールのポーカー勝負を挑む。「5回先に勝利した方が勝者だ。それでなお、1回の勝利ごとに敗者に質問をして、敗者はそれに『誠実に』答えなければならない」と言われてシャーリーは頷くが、「昔、君の父君ともこれで勝負してね。君の父君は私に負けたから、君の母君と二人分の命を対価にして君はいま生きているんだよ」と衝撃の事実を告げられる。その上、「そして最終的な勝者――私が負けたら、クラブの会員を50名殺そう。しかし君が負けたら、何も知らないCIAの職員が、なんの罪もないアメリカ合衆国の国民を50名殺すように指示してある」と、言われて、自分ではなくて『なんの罪もない人々を犠牲にする』というカウフマンの趣味の悪さにシャーリーは動揺を隠せない。そしてゲームは始まった。→そのころ、楼樹とイヌガミとシャテアたちはシャテアがクラッキングで割り出した地下下水道からCIA本部内に入り込んでいたが、下水道には当然のように職員がいて、その中の一人が――なんと、カウフマンと同じ顔を持っていた。そう、カウフマンは実は自分の他に2名のクローンを持っていたのだった。→この作戦の数日前。シャーリーはもう退役した老年のCIA長官や幹部たちの家に訪れて頭を垂れ、クラブ関係の全てを伝えてこの作戦を手伝ってくれるように頼んでいた。作戦の日は、退役した幹部たちのための記念式典があったので、老人たちはそうして会議室から動き、そこにいた職員たちから銃などを奪って楼樹たちが下水道にいる時にすでに静かにCIAの内部を乗っ取っていた。→シャーリーはやはり聖父の一人だけはあるカウフマン相手に、ポーカーで一進一退の勝負をしていたが、お互い4勝していて、最後にシャーリーは『ハートのロイヤルストレートフラッシュ』で「勝った!」と思ったが、カウフマンがそれを超える『フォー・オブ・アカインド』という、フォーカードにプラスしてジョーカーを入れたポーカーでの最強の手を出してきたので敗北した。→絶望するシャーリー。罪なき人々の命を奪うのをやめるようにカウフマンに懇願すると、「ならば代わりにこの銃で君の頭を撃ち抜きなさい」と拳銃を渡されるが、シャーリーがトリガーを引くと……空砲だった。カウフマンは最後まで、シャーリーの絶望の顔を見たかったのだ。しかしそのすぐ後でシャーリーはやっとカウフマンを嘲るように笑った。楼樹と元・CIAの老人たちがこの本部内を占拠したことを知ったのだ。そしてFBIがこの部屋にやって来て、「CIA長官に成りすまそうとした人間よ。捕まえてちょうだい」とシャーリーが言うと、連行されていくカウフマンは最後に「『23』だ、シャーリー」と呟いて捕まって行った。→楼樹たちは合流し、カウフマンが告げた『23』の意味を探ろうとする。そしてシャテアがCIAのサーバーやネットに繋いでもいないパソコン本体、CIA職員でクラブの息が掛かった人間のスマホを探ると『23――《慈愛(アフェクション)》、ゼーレン・オルリック』という、聖父の一人の情報のことだとわかる。→ゼーレン・オルリックはアメリカが誇る世界的なバイオ・遺伝子関連企業のCEOであり、楼樹たちは目を疑うが信じるしかないと思ってオルリックの会社にヘリで乗り込むことに。すると途中で以前、十二使徒ゲームにて楼樹が殺したはずのバズーカ・バンシーたちがいて、楼樹は「あいつらは、確かに僕が倒したはずなのに――!!」と狼狽する。しかしそれでも手は冷静にバズーカ・バンシーたちを殺し、オルリックが待ち構えていたところに辿り着く。オルリックは楼樹の姿を見ると自分に何かの注射薬を打ち込むと――全身の筋肉が膨張・肥大し、手指や爪は肉食動物のように鋭くなって、つまるところ遺伝子操作をしたのだった。→楼樹はオルリックの一撃を喰らって、神経が痛みを伝えてくる。しかし脳内は違うことを告げてきて、「『人間である赤神楼樹』よ。ここがお前の終着点なのだろう?」「否! ふざけるな!! 僕はあいつらを殺すためなら――」脳内からの囁きを否定した瞬間、楼樹はもう、人間である臨界点を超越していた。人間とは見られない容貌になったオルリックすらも、「そうか……。私はここまでしても、『まだ人間』だったのだな、『ケモノガリ』よ……」と言って楼樹のククリナイフに首を刈られた。→いろいろな処分が済んだ後、イヌガミが二人だけで話したい、と告げてきた。イヌガミは「だんだんと自分の脳内にて、人間の思考が消えて行っている。もう、二桁の足し算すらももう出来ないのだ」と、楼樹が感じたのと同じようなことを言った。→そのころ、サイクロプス・ジャックはとある一つの町にて大量虐殺をおこなっていた。無邪気に、町人全員を玩具のように殺害していたのだ。アストライアも監視のために付いて行ってはいたが、二人の仲は常に冷戦モード。ジャックは「ああ、早く殺したい、ケモノガリ! あいつを殺してぜーんぶ食べたら、どんな味がするんだろう! 俺はどんだけ進化するんだろう!!」と、恍惚の表情で夢を見ていた。アストライアが告げる、次のステージはチリの小さな諸島――。

 うーん……?
こっちの内容自体にはあんまり唸りませんでしたね。
おそらく今巻の胆であるポーカー勝負も、「カイジ」や「ライアーゲーム」などの駆け引き勝負漫画を読んでるとカードなどの描写不足なので「都合よく展開を書いてるだけじゃ?」と感じてしまって……。
まあ、ページ制限のあるラノベでそこまで求めちゃいけないのだとは思いますが(ページ制限で「境界線上のホライゾン」は除くw)。
 個人的にはCIAを退役したご老人たちの無双がもっと見たかったなあ。「サイレント・キリングの達人」ってどんだけ強いんだよ、とか(笑)。
 あと、シャテアのクラッキングがどれだけすごいのか、とか。ここはいま、「王様達のヴァイキング」王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス) -
王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス) -
を原作・監修している作家の深見真先生にお願いして少しご教授してもらっても良かったのではないでしょうか。深見先生もGAGAGA文庫で書いたことがあるそうですし。

 しかしまあ、平均水準以上のものはちゃんと読ませてくれましたし、帯のコピーが良かったので星3つ★★★☆☆ですね。

posted by mukudori at 20:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする